商標拒絶査定不服審判
2023-008340
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- 審判番号
- 2023-008340
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-151057
- 請求日
- 2023年05月22日
- 審決日
- 2024年08月13日
- 公報発行日
- 2024年10月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】スタディプラス株式会社
- 【請求人代理人】田中 尚文
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 馬場 秀敏
- 審判官 山根 まり子
- 分類
- T18 .13 -Z (W41) / T18 .272-Z (W41)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-151057拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和3年12月3日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年7月25日付け:拒絶理由通知書
令和5年2月20日付け:拒絶査定
令和5年5月22日受付:審判請求書
第2 本願商標
本願商標は、「EdTech ONLINE EXPO」の文字を標準文字で表してなり、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,電子出版物の提供,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,コーチング(訓練),興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),オンラインによるゲームの提供,放送番組の制作,教育又は娯楽に関する競技会の企画・運営,図書及び記録の供覧,セミナーの企画・運営又は開催,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),図書の貸与,オンラインによる映像の提供(ダウンロードできないものに限る。),娯楽施設の提供,書籍の制作,放送番組の制作における演出」を指定役務として登録出願されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は「EdTech ONLINE EXPO」の文字を標準文字で表してなり、全体として「オンラインシステムを活用した教育サービスに関するオンラインで開催される展覧会・博覧会」ほどの意味合いを容易に理解させるものである。そして、「EdTech」に関するEXPO・展示会・博覧会(オンラインによるものを含む)が開催されていることを踏まえると、本願商標を、その指定役務中、例えば「展覧会・博覧会に関する知識の教授」等の「展覧会・博覧会に関する役務」に使用した場合、取引者、需要者は、「オンラインシステムを活用した教育サービスに関するオンラインで開催される展覧会・博覧会に関する役務」であること、すなわち単に役務の質を普通に用いられる方法で表示したものと認識するにすぎないといえる。したがって、本願商標は、前記「展覧会・博覧会に関する役務」との関係では、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、「展覧会・博覧会に関する役務」以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第4 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号について
商標法第3条第1項第3号が、「その役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、態様、提供の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」について商標登録の要件を欠くと規定しているのは、このような商標は、指定役務との関係で、その役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他役務の識別力を欠くものであることによるものと解される。
そうすると、商標が、指定役務について役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるというためには、商標が指定役務との関係で役務の質を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、当該商標が当該指定役務に使用された場合に、取引者、需要者によって、将来を含め、役務の質を表示したものとして一般に認識されるものであれば足りるものであって、必ずしも当該商標が現実に当該指定役務に使用されていることを要しないと解される(令和3年(行ケ)第10100号判決)。
そして、当該商標の取引者、需要者によって当該指定役務に使用された場合に役務の質を表示したものと一般に認識されるかどうかは、当該商標の構成やその指定役務に関する取引の事情を考慮して判断すべきである(令和3年(行ケ)第10113号判決)。
2 本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、上記第2のとおり、「EdTech ONLINE EXPO」の文字を標準文字で表してなるものであり、その構成文字及び後述する意味合いから、「EdTech」、「ONLINE」及び「EXPO」の文字、又は「EdTech」及び「ONLINE EXPO」の文字を結合させたものと容易に理解されるものである。
そして、本願商標の構成中、「EdTech」の文字は「(education(教育)+technology(科学技術)からの造語)インターネットなどオンラインシステムを活用した教育サービスのこと。」(「デジタル大辞泉」の「エドテック(edtech)」の項参照 https://kotobank.jp/)の意味を有し、「オンラインシステムを活用した教育サービス」程度の意味合いで使用されている実情が把握できるものであり、また、「エドテック(edtech)」をテーマ(内容)とする又は「エドテック(edtech)」に関係する商品・サービス等を紹介する展示会、展覧会、博覧会やセミナー等が開かれている実情が認められる(別掲の1ないし8参照)。
他方、「ONLINE」の文字は「端末がインターネットなどの通信回線に接続されていること。」を、「EXPO」の文字は、「展覧会。博覧会。」の意味を、それぞれ有するものであり(「デジタル大辞泉」の「オンライン(on-line)」及び「エキスポ(expo)」の項参照 前掲書)、例えば、「第13回教育ITソリューションEXPO」、「教育ICT EXPO 2022」、「第3回 【関西】STEAM教育EXPO」、「アメリカ留学EXPO2019」、「YANMAR ONLINE EXPO 2020」又は「TPP FOODオンラインEXPO」等があるように、展示会、展覧会、博覧会等で取り扱われるテーマ(内容)、展示の対象とする商品・サービス、技術、分野等を表す語を語頭に配した「○○EXPO(○○は、展示会、展覧会、博覧会等で取り扱われるテーマ(内容)、展示の対象とする商品・サービス、技術、分野等を表す語)」の文字が、展示会、展覧会、博覧会等の名称として広く使用されている実情が認められ、それをオンラインの手段を用いて開催するものには「○○ ONLINE EXPO」や「○○ オンラインEXPO」の文字が使用されている実情が認められる(別掲の5ないし10参照。なお、一部については「第13回」、「2022」といった開催回や開催年などを付したものもある。)。そして、展示会、展覧会、博覧会等においては、取り扱われるテーマ(内容)、展示の対象とする商品・サービス、技術、分野等に関する知識の教授やセミナーの開催などがなされる場合もあることがうかがえるものである。
そうすると、当該「○○EXPO」や「○○ ONLINE EXPO」などの構成からなる文字は、全体として「○○をそのテーマ(内容)又は○○に関係する商品・サービス等を展示の対象とする展覧会・博覧会等」や「オンラインの手段を用いて開催される○○をそのテーマ(内容)又は○○に関係する商品・サービス等を展示の対象とする展覧会・博覧会等」を表されたものであると容易に認識、理解されるとみるのが相当である。
してみれば、上記本願商標の構成及び取引の実情を考慮すると、「EdTech ONLINE EXPO」の文字からなる本願商標は、これに接する取引者、需要者に、「オンラインシステムを活用した教育サービスに関するオンラインで開催される展覧会・博覧会等」や「エドテック(edtech)をテーマ(内容)とする又はエドテック(edtech)に関係する商品・サービス等を展示の対象とするオンラインで開催される展覧会・博覧会等」程度の意味合いを認識、理解させるものであるから、これをその指定役務中、例えば「展覧会・博覧会に関する知識の教授」や「展覧会・博覧会における技芸・スポーツ又は知識の教授やセミナーの企画・運営又は開催」等の「展覧会・博覧会等に関する役務」に使用しても、これに接する取引者、需要者に、その役務が、「オンラインシステムを活用した教育サービスに関するオンラインで開催される展覧会・博覧会等に関する役務」や「エドテック(edtech)をテーマ(内容)とする又はエドテック(edtech)に関係する商品・サービス等を展示の対象とするオンラインで開催される展覧会・博覧会等に関する役務」であること、すなわち役務の質(内容)を表示したものと一般に認識させるにとどまるというべきである。
したがって、本願商標は、これをその指定役務中、「展覧会・博覧会等に関する役務」に使用するときは、役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、「展覧会・博覧会等に関する役務」以外の役務に使用するときは、役務の質について誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
3 請求人の主張について
請求人は、本願商標にあっては、「EdTech」「ONLINE」「EXPO」の各文字に分離独立して看取されたうえで、それぞれが、「インターネットなどのオンラインシステムを活用した教育サービスのこと。」、「端末がインターネットなどの通信回線に接続されていること。」、「展覧会。博覧会。」の意味を有する語として容易に理解されることはないことから、その全体として「オンラインシステムを活用した教育サービスに関するオンラインで開催される展覧会・博覧会」程度の意味合いを有するものとして取引に資されることはなく、本願商標を単に役務の質を表示するに過ぎないとするのは妥当ではなく、本願商標は全体としてその指定役務との関係で自他役務識別機能を十分に発揮する商標である旨主張する。
しかしながら、本願商標の構成や、別掲のとおり、「エドテック(edtech)」をテーマ(内容)とする又は「エドテック(edtech)」に関係する商品・サービス等を紹介する展示会、展覧会、博覧会やセミナー等が開かれていること、また、「○○EXPO」や「○○ ONLINE EXPO」などの構成からなる文字の取引の実情を踏まえると、上記2のとおり、本願商標は、これに接する取引者、需要者に、「オンラインシステムを活用した教育サービスに関するオンラインで開催される展覧会・博覧会等」や「エドテック(edtech)をテーマ(内容)とする又はエドテック(edtech)に関係する商品・サービス等を展示の対象とするオンラインで開催される展覧会・博覧会等」程度の意味合いを認識、理解させるものであるから、これをその指定役務中、「展覧会・博覧会等に関する役務」に使用しても、これに接する取引者、需要者に、その役務の質(内容)を表示したものと一般に認識させるにとどまり、自他役務の識別標識としては認識し得ないというのが相当である。
したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。
4 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、商標登録を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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