商標拒絶査定不服審判
2023-008324
ワカゲンマイ、ワカ、ジャク、ニャク
- 審判番号
- 2023-008324
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-084607
- 請求日
- 2023年05月22日
- 審決日
- 2024年09月05日
- 公報発行日
- 2024年11月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】食ライフデザイン株式会社
- 【請求人代理人】浅野 典子
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 飯田 亜紀
- 分類
- T18 .13 -Z (W30)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-84607拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年7月21日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年10月20日付け:拒絶理由通知書
令和4年12月 5日 :意見書の提出
令和5年 2月13日付け:拒絶査定
令和5年 5月22日 :審判請求書の提出
令和6年 5月27日付け:審尋
令和6年 7月 9日 :回答書の提出
2 本願商標
本願商標は、「若玄米」の文字を標準文字で表してなり、第30類「玄米,雑穀入り玄米,玄米を使用した穀物の加工品,加熱調理用にパック詰めされた玄米ご飯,調理済み玄米ご飯,玄米を使用した弁当,玄米を原料とした菓子(果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。),玄米を原料としたパン,玄米を使用したこうじ,玄米を使用したみそ,玄米を使用した食酢,玄米を使用した調味料,玄米を使用した即席菓子のもと,玄米を使用した茶,玄米を使用した食用粉類」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原審において、「本願商標は、「若玄米」の文字を標準文字で表してなり、本願商標を構成する「若」の文字は、「年わかいこと。」の意味を有し、「玄米」の文字は、本願商標に係る指定商品との関係においては、商品の普通名称又は品質を表示するものであるところ、例えば「若芽」、「若根」、「若鶏」のように、「若○○」(○○には普通名称が入ります。)の語が、成長しきっていない「若い○○」を指称する語として普通に使用されていることに加え、食品を取り扱う業界では、成熟する前に収穫した玄米を「若玄米」又は「若い玄米」と称し、取引している実情がある。そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、当該商品が、成熟する前に収穫した若い玄米(を使用した商品)であること、すなわち、商品の品質を表示したものと認識するにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を認識し得ないというのが相当である。したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。
4 当審における審尋
当審において、前記1の審尋により、別掲に掲げる事実を記載した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとの暫定的見解を示し、期間を指定した上で請求人に対し意見を求めた。
5 審尋に対する請求人の回答(要旨)
(1)「(栄養素が豊富な)成長しきっていない若い玄米」は、「若い玄米」「青米、未熟粒」と称されるのが一般的であって、あえて、漢字三文字を等間隔でまとまり良く配置した「若玄米」という表現を用いることは需要者等に極めて特殊な印象を与え、意味の無い造語として認識される。
(2)本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かは、指定商品との関係で個別具体的に判断されるべきである。本願の指定商品は、いずれも玄米を使用した食品であって、当該商品は、健康に寄与するとして需要者等に広く認知されており、需要者等が当該商品を購入するときは、健康の維持向上を強く意識しながら商品を選ぶから、本願の指定商品の需要者等は健康に高い関心のある層であり、その需要者等が当該商品に使用された本願商標「若玄米」を見たときは、上記(1)のとおり造語として認識するのみならず、語頭の「若」から「若々しく元気で健康的」等、健康に関するプラスのイメージを想起する。
(3)指定商品が食用の処理をしていない未加工穀物であれば、需要者等は「若」から成長段階としての「未熟な玄米」を想起するかもしれないが、本願商標の指定商品の特性と需要者層から判断すると、玄米の成長段階よりも健康に関するイメージが優位に働くのは当然といえる。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号の該当性について
本願商標は、「若玄米」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「若」の文字は「幼稚なこと。年若いこと。」を意味する広く親しまれた語であり、当該文字を冠した「若鮎」「若鳥」「若根」の文字が、それぞれ「春に川をさかのぼる、若い元気のいい鮎。小さい鮎。」「まだ、成長しきっていない若い鳥。」「若い根。」を意味(いずれも「広辞苑第7版」株式会社岩波書店)するように、また、「若魚」の文字が「年の若い魚。また、若くて生きのいい魚。」を意味(「デジタル大辞泉」株式会社小学館)するように、「若○○」の文字は、「(成長しきっていない)若い○○」を表示する語として、しばしば用いられることが一般に知られている。
そして、本願の指定商品の分野では、別掲のように、(栄養素が豊富な)成長しきっていない未熟な玄米や完熟前の玄米が「若い玄米」のように広く指称されている事実が認められる。
このような状況に照らすと、「若玄米」の文字からなる本願商標は、その指定商品に使用した場合、「(栄養素が豊富な)成長しきっていない若い玄米」及び「(栄養素が豊富な)成長しきっていない若い玄米を使用した商品」であることを表示するものとして、取引者、需要者に理解、認識されるといえるものであるから、本願商標は商品の品質を表示するものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、前記5(1)のように主張する。
しかしながら、「(栄養素が豊富な)成長しきっていない若い玄米」が一般的に「若い玄米」等と称されていることは請求人も認めるところ、上記(1)のとおり、「若」の文字を語頭とする「若○○」の文字が、「(成長しきっていない)若い○○」を表示する語として、しばしば用いられることが一般に知られているものであるから、本願商標の構成中の「若」の文字は「若い」の語から送り仮名「い」を省略したものと容易に理解されるものであって、送り仮名を省略することによって、その意味が異なるものではない。
そうすると、本願商標に接する取引者、需要者は、これより「(栄養素が豊富な)成長しきっていない若い玄米」であることを認識、理解するにとどまるといわざるを得ない。
イ 請求人は、前記5(2)及び(3)のように主張する。
しかしながら、当該主張を裏付ける資料等の提出はないうえ、職権をもって調査するも、そのような事情を発見することはできなかった。さらに、本願商標を構成する「若」の文字から、「若々しく元気で健康的」等、健康に関するプラスのイメージを想起し、また、本願の指定商品との関係において、玄米の成長段階よりも健康に関するイメージが優位に働くといった事情も見いだせなかった。
そうすると、本願商標に接する取引者、需要者が「(栄養素が豊富な)成長しきっていない若い玄米」であることを認識、理解するにとどまることは上記アのとおりであるから、本願商標をその指定商品に使用する場合は、これに接する取引者、需要者に「(栄養素が豊富な)成長しきっていない若い玄米」及び「(栄養素が豊富な)成長しきっていない若い玄米を使用した商品」という商品の品質を表示したものと理解、認識させるにとどまるというのが相当である。
ウ 請求人は、過去の登録例や審決例を挙げ、本願についてもこれらと同じように登録されるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項の規定に該当するか否かは、当該商標の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様や取引の実情を踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例・審決例は、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例・審決例が存在することをもって、本願商標の上記判断が左右されるものではない。
エ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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