商標拒絶査定不服審判
2023-007592
ザレスベラトロール
- 審判番号
- 2023-007592
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-118808
- 請求日
- 2023年05月10日
- 審決日
- 2023年12月21日
- 公報発行日
- 2024年03月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】有限会社あすなろ
- 【請求人代理人】櫻木 信義
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 田中 瑠美
- 分類
- T18 .13 -Z (W0532)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-118808拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年10月17日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年 2月 2日付け:拒絶理由通知書
令和5年 3月 8日 :意見書の提出
令和5年 3月30日付け:拒絶査定
令和5年 5月10日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「ザ レスベラトロール」の文字を標準文字で表してなり、第5類「レスベラトロールを主原料とするサプリメント,レスベラトロールを主原料とする栄養補助食品」及び第32類「レスベラトロールを含有した清涼飲料」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「ザ レスベラトロール」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「ザ」の文字は、英語の定冠詞「THE」の表音として一般的に使用され、該語は普通名詞の前に付いて、同類のものの中で代表的・典型的なものとして強調する語であり、「レスベラトロール」の文字は、「抗酸化作用を持つポリフェノールの一種」等の意味を有する語である。
そして、本願の指定商品を取り扱う業界においては、「レスベラトロール」は、商品の品質・原材料を表す語として使用され、「レスベラトロールを主原料とした(又は含有した)商品」が、普通に取引されている実情がある。
そうすると、「レスベラトロール」の文字に「ザ」の文字を付したにすぎない本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する需要者は、その商品が「レスベラトロールを主原料とした(又は含有した)商品であること」を強調したものと認識するにとどまり、単に商品の品質等を普通に用いられる方法で表示したものとして認識するというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「ザ」と「レスベラトロール」の各文字の間に1文字分のスペースを介した「ザ レスベラトロール」の文字を標準文字で表してなるものである。
そして、「ザ」の文字は、英語の定冠詞で、普通名詞の前に付いて、同類のものの中で特に代表的・典型的なものとして強調する語である「THE」の表音として広く一般に使用されているものであり(出典:株式会社岩波書店「広辞苑 第七版」)、「レスベラトロール」の文字は、原審説示のとおり、「抗酸化作用を持つポリフェノールの一種」等の意味を有し、本願の指定商品に関連するサプリメント等の栄養補助食品・清涼飲料の含有成分や原材料として使用されていることがうかがえるものである。
さらに、別掲のインターネット情報によれば、本願の指定商品を取り扱う業界においては、サプリメント等の栄養補助食品・清涼飲料に含まれる成分名や原材料名に「ザ」又は「THE」の文字を冠して「ザ ○○」「THE ○○」(○○は成分名や原材料名。以下同じ。)のように表示し、これらの商品に当該成分や原材料が含まれていることを表したり、強調したりすることが普通に行われている実情が確認できる。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者をして、その商品が「レスベラトロールを主原料とした(又は含有した)商品」であること、すなわち、商品の品質を表示(又は誇称)したものと認識させるにすぎないものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものである。
よって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標は、全体として一体不可分の商標であって、請求人が巧に創作した造語である旨主張する。
しかしながら、上記(1)で述べたとおり、本願商標は、その構成より、「ザ」と「レスベラトロール」の各文字を組み合わせたものと容易に理解されるものである上、本願の指定商品を取り扱う業界においては、サプリメント等の栄養補助食品・清涼飲料に含まれる成分名や原材料名に「ザ」又は「THE」の文字を冠して「ザ ○○」「THE ○○」のように表示し、これらの商品に当該成分や原材料が含まれていることを表したり、強調したりすることが普通に行われている実情がうかがえることから、本願の指定商品である第5類「レスベラトロールを主原料とするサプリメント,レスベラトロールを主原料とする栄養補助食品」及び第32類「レスベラトロールを含有した清涼飲料」との関係においては、「レスベラトロールを主原料とした(又は含有した)商品」であることを認識させるにすぎないものといわざるを得ない。
イ 請求人は、ゴルフ競技の分野における「The Open」を例に挙げ、本願商標は、「抗酸化作用を持つポリフェノールの一種(レスベラトロール)の中でも、唯一で最高のレスベラトロール」を意味する語ということができるから、一般的なレスベラトロールとは明らかに区別される唯一無二のレスベラトロールが観念されるというべきと述べ、本願商標は、商品の品質等を具体的かつ直接的に表示するものではなく、顕著な自他商品識別標識としての機能を有する語である旨主張する。
しかしながら、「ザ」の文字が、普通名詞の前に付いて、同類のものの中で特に代表的・典型的なものとして強調する英語の定冠詞「THE」の表音と認識されるものであるにしても、本願の指定商品を取り扱う業界における「ザ ○○」「THE ○○」の一般的な使用例に鑑みれば、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、単に、その商品が「レスベラトロールを主原料とした(又は含有した)商品」であると認識するにすぎず、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきである。
ウ 請求人は、「ザ」及び「レスベラトロール」の語の各々が一般的に使用される語であるとしても、これらの語の結合である「ザ レスベラトロール」の語までもが一般的に使用される語であるということはできず、実際に本願指定商品を取り扱う業界において一般的に使用されている事実は見当たらない旨主張する。
しかしながら、上記(1)で述べたとおり、本願の指定商品に関連する分野においては、サプリメント等の栄養補助食品・清涼飲料に含まれる成分名や原材料名に「ザ」又は「THE」の文字を冠して、これらの商品に当該成分や原材料が含まれていることを表したり強調したりすることが普通に行われている実情がうかがえるように、本願商標の構成文字及び別掲の事実をはじめとする取引の実情に照らせば、本願商標は、これをその指定商品に使用する場合、これに接する取引者、需要者によって、「レスベラトロールを主原料とした(又は含有した)商品」であることを表示するものとして一般に認識されるといえ、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものというべきものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは適当でないとともに、自他商品識別力を欠くものというのが相当である。
エ したがって、請求人の上記アないしウの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2023-007592