商標拒絶査定不服審判
2023-006939
プレミアムリハ、プレミアム、リハ
- 審判番号
- 2023-006939
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-109891
- 請求日
- 2023年04月26日
- 審決日
- 2023年08月30日
- 公報発行日
- 2023年11月24日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】藤本 慎佑
- 【請求人代理人】亀卦川 巧
- 【請求人代理人】木下 洋平
- 審判長/審判官
- 審判長 冨澤 武志
- 審判官 馬場 秀敏
- 審判官 須田 亮一
- 分類
- T18 .13 -Z (W44) / T18 .272-Z (W44)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、特許法第150条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-109891拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和4年9月22日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年11月28日付け:拒絶理由通知書
令和4年12月22日 :意見書の提出
令和5年3月14日付け :拒絶査定
令和5年4月26日 :審判請求書、手続補正書の提出
第2 本願商標
本願商標は、「プレミアム・リハ」の文字を標準文字で表してなり、第41類及び第44類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、登録出願され、その後、指定役務については、上記第1の手続補正書により、第44類「きゅう,柔道整復,カイロプラクティック,はり治療,あん摩・マッサージ及び指圧,整体,作業療法による治療,言語療法による治療,物理療法又は理学療法による治療,健康管理に関する指導及び助言,障害者への医療に関する助言,医療情報の提供,栄養の指導,介護,美容」とされたものである。
第3 原査定の拒絶の理由(要点)
本願商標は、「プレミアム・リハ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「プレミアム」の文字は、「高級な。上等な。」の意味を有する語であり、各種の役務の質を表示するものとして認識される語といえる。また、「リハ」の文字は、「リハーサル」又は「リハビリテーション」の略語であり、本願の指定役務中の第44類の役務との関係においては、「身体に障害のある人などが、再び社会生活に復帰するための、総合的な治療的訓練。」の意味を有する「リハビリテーション」の略語を表すもの、すなわち、役務の質を表示するものとして認識される語といえる。
そして、本願の指定役務と関連の深い「リハビリテーション」を取り扱う業界において、「プレミアム」の文字は、例えば、オーダーメイドで提供される役務や高い効果をもたらす役務といった、従来のものと比べて質の高いものであることを表す語として使用されている実情がある。
以上を踏まえると、本願商標は、構成文字全体として「上質なリハビリテーション」ほどの意味合いを認識させるものである。
そうすると、本願商標をその指定役務中の第44類の役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、その役務が「上質なリハビリテーション」に係る役務であることを認識するにすぎないから、本願商標は、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と判断するのが相当である。
また、本願商標をその指定役務中の「リハビリテーション」に係る役務以外の第44類の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
第4 当審においてした証拠調べ
本願商標がその指定役務との関係において、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲1のとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条の規定に基づき、請求人に対して、令和5年6月7日付けで、証拠調べの結果を通知し、期間を指定して、請求人の意見を求めた。
第5 証拠調べに対する請求人の意見
請求人は上記第4の証拠調べに対し、所定の期間を経過するも何ら意見を述べていない。
第6 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号について
商標法第3条第1項第3号が、「その役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、態様、提供の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格」を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標について商標登録を受けることができない旨規定しているのは、このような商標は、指定役務との関係で、「その役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途その他の特性」を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他役務の識別力を欠くものであることによるものと解される。
そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、審決の時点において、本願商標が、その指定役務との関係で、「その役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途その他の特性」を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の指定役務の需要者によって本願商標がその指定役務に使用された場合に、将来を含め、商品の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(知財高裁平成27年(行ケ)第10107号同年10月21日判決、知財高裁平成27年(行ケ)第10061号同年9月16日判決参照)。
2 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「プレミアム・リハ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「プレミアム」の文字は「(形容詞的に)高級な、上等な」等の意味を有する語であり、また、「リハ」の文字は、「「リハビリテーション」の略」語である(いずれも「大辞泉 第2版」株式会社小学館)。そして、本願商標は、「プレミアム」の文字と「リハ」の文字を、言葉の並列を表す「・」の記号(「三省堂国語辞典第八版」(株式会社三省堂)「中黒」の項参照)で結合してなるものであるから、全体として「高級なリハビリテーション」程の意味合いを容易に認識させるものである。
そして、原審でも説示のとおり、本願の指定役務を取り扱う業界において、「プレミアム」の文字は、例えば、オーダーメイドで提供される役務や高い効果をもたらす役務といった、従来のものと比べて質の高いものであることを表す語として、一般に使用されているものである(別掲2)。また、「リハ」の文字は、「身体に障害のある人などが、社会生活に復帰するための、総合的な治療的訓練」等の意味を有する語である「リハビリテーション」(前掲書)の略語として一般に使用されているものである(別掲1)。
そうすると、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する需要者は、「質の高いリハビリテーション」であるという役務の質を表示したものと認識するにとどまり、自他役務の識別標識としては認識し得ないというのが相当である。そして、本願商標は、標準文字で表したものであるから、その態様上顕著な特徴を有するものではない。
したがって、本願商標は、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といえるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
また、本願商標を、その指定役務中、「リハビリーション」以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
3 請求人の主張について
(1)請求人は、過去における登録例を挙げつつ、本願の指定役務を取り扱う業界において、「リハ」の語が「リハビリテーション」の意味で使用されている証拠はなく、辞書における「リハ」の語についての記載の意味のとおり、本願商標からは「上質なリハビリテーション」及び「上質なリハーサル」という観念が生じるとされるべきであり、役務の質を表示することにはならない旨を主張している。
しかしながら、上記2のとおり、本願の指定役務を取り扱う業界において、「リハ」の文字は「リハビリテーション」の略語として使用されているものである(別掲1)。そして、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する需要者は、「質の高いリハビリテーション」であるという役務の質を表示したものと認識するにとどまり、自他役務の識別標識としては認識し得ないというのが相当であることは、上記2のとおりである。
(2)請求人は、「プレミアム・リハ」の文字からなる商標を使用しているのは請求人のみである旨、及び「プレミアム・リハ」という語が本願の指定役務の分野において、特定の質を表示するものとして、取引上、一般に使用されていることを示す証拠は何ら示されていない旨を述べている。
しかしながら、上記1のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、審決時点において、本願商標がその指定役務との関係で役務の質等その他の特性を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、その指定役務に使用された場合に、将来を含め、指定役務の需要者によって役務の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足り、それが取引上現実に使用されていた事実があったことまで必要とするものではないというべきである。
また、本願商標が、その指定役務との関係において、自他役務の識別標識として認識され得ないものであることは、上記2のとおりである。
4 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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