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商標拒絶査定不服審判

2023-006928

カンゼンエーヨーショク

審判番号
2023-006928
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2021-137277
請求日
2023年04月26日
審決日
2024年06月18日
公報発行日
2024年07月26日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
  • 【請求人】日清食品ホールディングス株式会社
  • 【請求人代理人】林 栄二
審判長/審判官
  • 審判長 豊瀬 京太郎
  • 審判官 板谷 玲子
  • 審判官 田中 瑠美
分類
T18 .13 -WY (W05093539424344) / T18 .16 -WY (W05093539424344) / T18 .272-WY (W05093539424344)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号商標法3条1項6号商標法4条1項16号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第1項第6号、商標法第4条第1項第16号
データ出所
審決公報(XML)

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商願2021-137277拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和3年11月4日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和4年 4月21日付け:拒絶理由通知書 令和4年 8月26日 :意見書の提出 令和4年 8月31日 :意見書の提出 令和5年 1月20日付け:拒絶査定 令和5年 4月26日 :審判請求書の提出 令和6年 3月14日付け:審尋 令和6年 4月26日 :回答書、手続補正書の提出 2 本願商標 本願商標は、別掲1のとおり、「完全栄養食」の文字を赤色で縁取られたデザインが施された書体で表してなり、第5類、第9類、第29類、第30類、第32類、第35類、第39類、第42類、第43類及び第44類に属する別掲2のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。 その後、本願の指定商品及び指定役務については、上記1の当審における手続補正書により、別掲5のとおりの商品及び役務に補正されたものである。 3 原査定の拒絶の理由(要旨) 本願商標は、「完全栄養食」の文字を赤色で縁取りし、横書きに表してなるところ、当該表現方法は普通に用いられる方法の域をでないものである。 また、本願商標を構成する「完全栄養食」の文字は、「1食で十分な栄養を摂取することができる食品」程の意味合いを有する語として用いられている実情がある。 そうすると、本願商標を、「完全栄養食」の文字に照応する指定商品・指定役務に使用した場合、これに接する需要者、取引者は、単に商品の品質・役務の質・提供の用に供する物を普通に用いられる域をでない程度に表示したものとして認識するにとどまり、本願商標を前記商品・役務以外の商品・役務に使用するときは、商品の品質・役務の質の誤認を生じさせるおそれがある。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品・役務以外の商品・役務に使用するときは、商品の品質等の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。 4 当審における審尋 当審において、審判長は、請求人に対し、令和6年3月14日付けで、別掲3及び4に掲げる事実を提示した上で、以下のとおりの見解を示す審尋を通知し、これに対する回答を求めた。 (1)「完全栄養食」について 本願商標は、別掲1のとおり、「完全栄養食」の文字を赤色で縁取られたデザインが施された書体で表してなり、第5類、第9類、第29類、第30類、第32類、第35類、第39類、第42類、第43類及び第44類に属する別掲2のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものであるところ、一般に、商品又は役務に標章等を使用する際に、様々なデザイン化が行われている現状にあっては、本願商標の構成態様が格別に特殊な態様であるとはいい得ないものであって、これが看者に「完全栄養食」の文字を表したものであるという以上の格別の印象を与えるものというべき事情も見当たらないことからすると、本願商標は、これに接する取引者、需要者をして「完全栄養食」の文字を普通に用いられる方法の範囲内で表示したものと理解、認識させるにすぎないというのが相当である。 そして、原審提示のインターネット情報のほか、別掲3の新聞記事情報によると、昨今、消費者の健康志向が強まる中、栄養バランスに重きを置く商品や栄養を手軽に摂取できる商品といった新しい食の分野が急速に市場を拡大しており、例えば、1日に必要な栄養素の3分の1以上を含む又はカロリーあたりの栄養素配合量が基準値を上回るなど、必要な栄養素をバランス良く摂取できる食品のことを表す言葉として「完全栄養食」の語が広く浸透していることがうかがえるものである。 また、「完全栄養食」への関心の高まりやその市場の拡大を受け、請求人を含む各企業が「日本人の食事摂取基準」(厚生労働省)等に基づき、それぞれ独自に「完全栄養食」を開発し展開していることがうかがえるとともに、今後更に「完全栄養食」の市場が成長していく見通しであることもうかがえる。 (2)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について 上記(1)を踏まえると、本願商標をその指定商品及び指定役務のうち、第5類「乳幼児用粉乳,サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品」、第29類、第30類及び第32類の全ての指定商品、第42類「医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究」、第43類「飲食物の提供,飲食物のメニュー・レシピ又は食材に関する情報の提供」及び第44類「健康な身体を維持するための健康管理に関する助言・指導・診断及び情報の提供,ダイエット・健康管理に関する助言・指導・診断及び情報の提供,肥満予防に関する指導及び助言,肥満予防に関する情報の提供・実践方法の指導,栄養の指導,栄養に関する情報の提供,生活習慣の指導,健康管理のための生活習慣に関する情報の提供」(別掲2に下線を引いた商品及び役務)に使用した場合、これに接する需要者、取引者は、当該商品が「完全栄養食」であること又は当該役務が「完全栄養食」に関する役務であること、すなわち、商品の品質又は役務の質を表示したものと認識するにとどまり、自他商品役務の識別標識としては認識し得ないというべきであるから、本願商標は、その商品の品質又は役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。 また、本願商標をその指定商品及び指定役務中の「完全栄養食」の文字に照応する上記商品及び役務以外の商品及び役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがある商標というべきである。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。 (3)商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号該当性について 本願商標をその指定商品及び指定役務のうち、第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,オンラインによる飲食料品の小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食肉の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食用水産物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,野菜及び果実の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,米穀類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,牛乳の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に使用した場合、これに接する需要者、取引者は、当該役務の取扱商品が「完全栄養食」であること、すなわち、当該役務の取扱商品の品質を表示したものと認識するにとどまるというべきであるから、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標というのが相当である。 また、本願商標をその指定商品及び指定役務中の「完全栄養食」の文字に照応する上記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがある商標というべきである。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当する。 なお、原査定では、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとしたものであるが、本願商標は、上記のとおり、これを上記小売等役務に使用しても、自他役務の識別標識としての機能を有するものではなく、この認定において、判断の内容は実質的に相違するものではない。 (4)請求人の主張について 請求人は、令和4年8月26日受付の意見書及び同5年4月26日受付の審判請求書において、本願商標の書体は、請求人の代表的な商品である「CUP NOODLE」において採用されている特徴的なフォントと同じデザインであるところ、当該商品が発売された1971年当初のパッケージに採用され、現在に至るまで50年以上変わらないデザインとして使用され続けてきた結果、この特徴的なフォントそのものが、請求人商品を識別する重要な標識として広く消費者に認識されるようになっており、本願商標は、その態様が特徴的であって、一般的、日常的に使用されているというような実情にもなく、商標法第3条第1項第3号における「普通に用いられる方法で表示する」には該当しない旨述べている。 しかしながら、請求人の商品である「カップヌードル」のパッケージに表された「CUP NOODLE」の文字に使用されている書体は、別掲4に示したとおり、一般的な書体(フォント)である「Columbus」に酷似するものであり、当該書体の一類型といい得るものである。そして、そのことは、別掲4の3における「「コロンブス」は、1800年代後半に活躍したHerman Ihlenburgによるデザイン。カップヌードルのロゴ(デザインは大高猛)に使われた。」の記載からも明らかである。 また、原審説示のとおり、「CUP NOODLE」は欧文字表記であるのに対し、本願商標は漢字表記であり、文字種が異なることに加え、「CUP NOODLE」の文字に使用されている書体それ自体が、請求人の出所を表すものとして取引者、需要者の間に広く認識されていることを客観的に裏付ける証左もない。 そうすると、本願商標を構成する文字は、特徴的な書体で表されているとはいい得ないものであり、また、上記のとおり文字種も相違するものであるから、本願商標に接する取引者、需要者をして、「CUP NOODLE」の文字に使用されている書体と本願商標に使用されている書体が同一のデザインであると直ちに認識させるとはいえない。 したがって、仮に、本願商標の書体が「CUP NOODLE」の文字に使用されている書体と同一のデザインであるとしても、本願商標の書体そのものが、自他商品役務の識別標識としての機能を発揮するとの請求人の主張は採用することができない。 (5)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号、同項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当する。 5 審尋に対する請求人の回答 上記4の審尋に対し、請求人は、令和6年4月26日付け回答書及び手続補正書を提出し、本願の指定商品及び指定役務を補正するとともに、当該補正により、商標法第3条第1項第3号、同項第6号及び同法第4条第1項第16号の拒絶理由は解消した旨を述べた。 なお、上記手続補正書により補正された、最終的な本願の指定商品及び指定役務は、別掲5のとおりである。 6 当審の判断 本願の指定商品及び指定役務は、別掲5のとおり補正された結果、拒絶の理由に係る指定商品及び指定役務は削除されたものと認められる。 したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号、同項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するとした拒絶の理由は、解消した。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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