商標拒絶査定不服審判
2023-006752
ビイベルモント、ビイ、ベルモント
- 審判番号
- 2023-006752
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-128130
- 請求日
- 2023年04月24日
- 審決日
- 2024年06月24日
- 公報発行日
- 2024年09月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社 ベルモント
- 【請求人代理人】吉井 剛
- 審判長/審判官
- 審判長 大橋 良成
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 浦崎 直之
- 分類
- T18 .261-Z (W35) / T18 .262-Z (W35) / T18 .263-Z (W35) / T18 .91 -Z (W35)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法6条1項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第6条第1項、商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-128130拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和3年10月14日に登録出願されたものであって、その手続の経緯の概略は以下のとおりである。
令和4年 8月30日付け:拒絶理由通知書
令和4年10月 7日付け:意見書、手続補正書
令和5年 2月27日付け:拒絶査定
令和5年 4月24日付け:審判請求書
令和6年 2月15日付け:審尋
令和6年 4月 1日付け:回答書、手続補正書
第2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第35類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として登録出願されたものであり、その後、指定役務については、上記第1の手続補正により、最終的に、第35類に属する別掲2に記載のとおりの役務に補正されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由
原査定は、以下のとおり認定、判断し、本願を拒絶したものである。
1 商標法第6条第1項について
本願の指定役務は、その内容及び範囲を明確に指定したものとは認めらない役務を包含している。
したがって、本願は、商標法第6条第1項の要件を具備しない。
2 商標法第4条第1項第11号について
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりである。
(1)登録第1429552号商標(以下「引用商標1」という。)は、「BELMONT」の欧文字及び「ベルモント」の片仮名を上下二段に普通に用いられる方法で横書きしてなり、昭和50年12月13日に登録出願、第20類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、昭和55年8月28日に設定登録され、その後、平成22年11月4日に、指定商品を第6類「金庫,金属製建具,金属製靴ぬぐいマット,金属製立て看板,金属製の可搬式家庭用温室,金属製の墓標及び墓碑用銘板」、第19類「建具(金属製のものを除く。),灯ろう,可搬式家庭用温室(金属製のものを除く。),墓標及び墓碑用銘板(金属製のものを除く。)」及び第20類「家具,屋内用ブラインド,すだれ,装飾用ビーズカーテン,つい立て,びょうぶ,ベンチ,アドバルーン,木製又はプラスチック製の立て看板,食品見本模型,人工池,葬祭用具」とする書換登録がされ、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
(2)登録第1507098号商標(以下「引用商標2」という。)は、「BELMONT」の欧文字及び「ベルモント」の片仮名を上下二段に普通に用いられる方法で横書きしてなり、昭和50年12月13日に登録出願、第19類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、昭和57年3月31日に設定登録され、その後、平成16年9月15日に、指定商品を第11類「調理台,流し台,家庭用浄水器,浴槽類,あんどん,ちょうちん,ガスランプ,石油ランプ,ほや,あんか,かいろ,かいろ灰,湯たんぽ,洗浄機能付き便座,洗面所用消毒剤ディスペンサー,便器,和式便器用いす,家庭用汚水浄化槽,家庭用し尿処理槽,家庭用ごみ焼却炉,化学物質を充てんした保温保冷具」とする書換登録がされ、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
(3)登録第5003074号商標(以下「引用商標3」という。)は、「BELMONT」の欧文字及び「ベルモント」の片仮名を上下二段に普通に用いられる方法で横書きしてなり、平成18年4月19日に登録出願、第3類「せっけん類,化粧品」を指定商品として、平成18年11月10日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
(4)登録第6269673号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲3のとおり、左側に図形を配し、右側に「Belmont」の欧文字を配した構成よりなり、令和2年3月30日に登録出願、第10類、第11類、第20類、第42類及び第44類に属する別掲4に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年7月14日に設定登録されたものであり、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
以下、引用商標1ないし引用商標4をまとめて、「引用商標」という。
第4 当審における審尋
当審において、本願商標の商標法第6条第1項及び同法第4条第1項第11号該当性について、請求人に対し、審尋で当審における合議体の暫定的見解について通知し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。
第5 審尋に対する請求人の回答
請求人は、上記第4の審尋に対し、回答書及び手続補正書を提出し、要旨、以下のとおりの意見を述べた。
商標法第4条第1項第11号の拒絶理由に対しては、本願商標と引用商標とは、非類似の商標である旨追加反論するとともに、引用商標と抵触しない指定役務は、同日付けの分割出願とした。
商標法第6条第1項の拒絶理由の対応については、本願指定役務及び上記分割出願指定役務双方につき、審判官からの補正案を反映した。
第6 当審の判断
1 商標法第6条第1項について
本願は、その指定役務について、上記第2のとおりに補正された結果、本願の補正後の指定役務は、その内容及び範囲が明確なものとなった。
その結果、本願は、商標法第6条第1項の要件を具備しないとした拒絶の理由は解消した。
2 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、左側に曲線を組み合わせてなる図形(以下「図形部分」という。)を配し、右側に「belmont」の欧文字を配した構成よりなるところ、図形部分は、直ちに特定の事物を想起させるものではないから、これよりは特定の称呼及び観念は生じないものであり、また、「belmont」の文字部分は、辞書等に載録されている既成の語ではなく、本願商標の指定役務との関係で直ちに特定の意味合いを想起させるともいい難く、造語として看取されるものであり、さらに、図形部分と文字部分との間に観念上の関連性も見いだせない。
そして、本願商標を構成する図形部分と文字部分とは、大きさを異にし、いずれも重なることなく間隔を空けて配置され、視覚的に分離して観察されることに加え、本願商標の構成全体として、何らかの特定の意味合いを看取させる等、観念的な関連性も見いだすことはできないから、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいい難く、図形部分と文字部分とは、それぞれ独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものとみるのが相当である。
してみれば、本願商標は、独立して役務の出所識別標識としての機能を果たし得る「belmont」の文字部分を分離、抽出し、これを要部として、他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。
したがって、本願商標は、その構成中の「belmont」の欧文字部分に相応して「ベルモント」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
ア 引用商標1ないし3について
引用商標1ないし3は、「BELMONT」の欧文字及び「ベルモント」の片仮名を上下二段に普通に用いられる方法で横書きしてなるところ、下段の片仮名は、上段の欧文字の読みを表記したものといえるところ、その構成文字に相応して、「ベルモント」の称呼が生じるものである。
また、当該文字は辞書等に載録されている既成の語ではなく、引用商標1ないし3の指定商品との関係で直ちに特定の意味合いを想起させるともいい難いから、造語として看取されるものである。
したがって、引用商標1ないし3からは、「ベルモント」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標4について
引用商標4は、別掲3のとおり、左側に、白抜きの四角形及び直線を内包する各辺に膨らみを持たせた黒色の四角形の図形(以下「図形部分」という。)を配し、右側に「Belmont」の欧文字を配した構成よりなるところ、図形部分は、直ちに特定の事物を想起させるものではないから、これよりは特定の称呼及び観念は生じないものであり、また、「Belmont」の文字部分は、辞書等に載録されている既成の語ではなく、引用商標4の指定商品及び指定役務との関係で直ちに特定の意味合いを想起させるともいい難く、造語として看取されるものであり、さらに、図形部分と文字部分との間に観念上の関連性も見いだせない。
そして、引用商標4を構成する図形部分と文字部分とは、いずれも重なることなく間隔を空けて配置され、視覚的に分離して観察されることに加え、引用商標4の構成全体として、何らかの特定の意味合いを看取させる等、観念的な関連性も見いだすことはできないから、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいい難く、図形部分と文字部分とは、それぞれ独立して自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものとみるのが相当である。
してみれば、引用商標4は、独立して商品及び役務の出所識別標識としての機能を果たし得る「Belmont」の文字部分を分離、抽出し、これを要部として、他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。
したがって、引用商標4は、その構成中の「Belmont」の欧文字部分に相応して「ベルモント」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標は、それぞれ上記(1)並びに上記(2)ア及びイのとおりの構成からなるところ、本願商標の構成中「belmont」と引用商標の構成中「BELMONT」又は「Belmont」の文字とを比較すると、外観において、小文字で表されるか、大文字で表されるかの差異や、書体に差異を有するとしても、「belmont」、「BELMONT」又は「Belmont」においてつづりを共通にするから、両者は外観上類似するものである。
そして、称呼においては、両者は「ベルモント」の称呼を共通にするものである。
また、観念においては、両者はいずれも特定の観念が生じないから比較することができない。
そうすると、本願商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、称呼を共通にし、外観において類似するから、これらの外観及び称呼によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合勘案すれば、両者は、相紛れるおそれのある類似の商標というのが相当である。
(4)本願商標の指定役務と引用商標の指定商品及び指定役務との類否について
本願商標の指定役務中、第35類「寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標4の指定商品中、第20類「マットレス,まくら,クッション」と類似する役務である。
本願商標の指定役務中、第35類「家具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,建具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,金属製薪置きラック(金属製棚)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,プラスチック製収納ケース(プラスチック製収納箱)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標1の指定商品中、第6類「金庫,金属製建具」、第19類「建具(金属製のものを除く。)」、第20類「家具」及び引用商標4の指定商品中、第20類「オットマン,ベッド,いす兼用ベッド,サイドテーブル,スツール,鏡(姿見),ワゴン,キャビネット(家具),医薬品用戸棚」と類似する役務である。
本願商標の指定役務中、第35類「電球類及び照明用器具・家庭用電気洗濯機・家庭用食器洗浄機・家庭用電気式ワックス磨き機・家庭用電気掃除機・電気ミキサー・電気アイロン・家庭用電熱用品類・電気かみそり及び電気バリカン・電気式歯ブラシ・電気式ヘアカーラー・家庭用電気マッサージ器の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標4の指定商品中、第10類「マッサージ機器,美容用マッサージ器」及び第11類「ヘアドライヤー,浄水装置,消毒装置,照明用器具及び装置」と類似する役務である。
本願商標の指定役務中、第35類「ガス湯沸かし器・鍋類・コーヒー沸かし(電気式のものを除く。)・鉄瓶・やかん・家庭用加熱器(電気式のものを除く。)・家庭用調理台・家庭用流し台・家庭用浄水器(電気式のものを除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標2の指定商品中、第11類「調理台,流し台,家庭用浄水器」及び引用商標4の指定商品中、第11類「ガス湯沸かし器,流し台,浄水装置」と類似する役務である。
本願商標の指定役務中、第35類「化粧品・せっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標3の指定商品、第3類「せっけん類,化粧品」と類似する役務である。
本願商標の指定役務中、第35類「葬祭用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標1の指定商品中、第6類「金属製の墓標及び墓碑用銘板」、第19類「墓標及び墓碑用銘板(金属製のものを除く。)」及び第20類「葬祭用具」と類似する役務である。
本願商標の指定役務中、第35類「ランプ用灯しん・ガスランプ・石油ランプ・ほやの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標2の指定商品中、第11類「ガスランプ,石油ランプ,ほや」と類似する役務である。
本願商標の指定役務中、第35類「調理・暖房用の携帯式焚き火台(電気式のものを除く。)及びその部品並びに附属品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,焚き火用金属製テーブル(金属製焚き火用台)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,焚き火用金属製スタンド(金属製焚き火用台の部品)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,焚き火用金属製ツールハンガー(金属製焚き火用台の部品)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,焚き火用防火シートの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標2の指定商品中、第11類「調理台,流し台」及び引用商標4の指定商品中、第11類「流し台」と類似する役務である。
本願商標の指定役務中、第35類「防炎敷物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標1の指定商品中、第6類「金属製靴ぬぐいマット」及び第20類「屋内用ブラインド,すだれ,装飾用ビーズカーテン」と類似する役務である。
本願商標の指定役務中、第35類「点火器の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標2の指定商品中、第11類「調理台,流し台」及び引用商標4の指定商品中、第11類「ボイラー(機械部品を除く。),流し台,浄水装置,消毒装置」と類似する役務である。
本願商標の指定役務中、第35類「バーベキュー用燻製器の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標2の指定商品中、第11類「調理台,流し台」及び引用商標4の指定商品中、第11類「流し台,浄水装置,消毒装置」と類似する役務である。
本願商標の指定役務中、第35類「鍋・フライパン用把手カバーの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標4の指定商品中、第11類「ガス湯沸かし器」と類似する役務である。
(5)小括
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、本願商標の指定役務は、引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似するから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
3 請求人の主張について
(1)請求人は、本願商標の図形部分と文字部分を分離観察することは妥当ではなく、よって、本願商標と引用商標とは称呼が共通する場合があったとしても、外観は別異といえる旨主張する。
しかしながら、本願商標の図形部分は、直ちに特定の事物を想起させるものではなく、本願商標の図形部分と文字部分とは、大きさを異にし、いずれも重なることなく間隔を空けて配置され、視覚的に分離して観察されることに加え、本願商標の構成全体として、何らかの特定の意味合いを看取させる等、観念的な関連性も見いだすことはできないから、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいい難く、本願商標は、独立して役務の出所識別標識としての機能を果たし得る「belmont」の文字部分を分離、抽出し、これを要部として、他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。
(2)請求人は、他の登録例、審決例を挙げて、本願商標と引用商標とは非類似の商標である旨主張する。
しかしながら、商標の類否の判断は、対比する商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ、それらの登録例、審決例は、商標の具体的構成等において本願とは事案を異にするものであり、本願商標と引用商標の類否については、上記2(3)においてした判断のとおりであるから、それらの登録例、審決例をもってその判断が左右されることはない。
(3)したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
4 まとめ
以上のとおり、本願は、商標法第6条第1項の要件を具備しないとした拒絶の理由は解消したが、本願商標は、同法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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