商標拒絶査定不服審判
2023-006105
ユイゴンアプリ、イゴンアプリ、ユイゴン、イゴン
- 審判番号
- 2023-006105
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-102672
- 請求日
- 2023年04月13日
- 審決日
- 2024年10月08日
- 公報発行日
- 2024年12月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】一般社団法人日本遺言執行士協会
- 【請求人代理人】岡沢 理華
- 審判長/審判官
- 審判長 山田 啓之
- 審判官 杉本 克治
- 審判官 青野 紀子
- 分類
- T18 .13 -Z (W09) / T18 .272-Z (W09)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-102672拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「遺言アプリ」の文字を標準文字で表してなり、第9類「電子計算機用プログラム,コンピュータソフトウェア用アプリケーション(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの),コンピュータソフトウェア(記憶されたもの),電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具,携帯情報端末,電子出版物,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,録音済みのコンパクトディスク,録音済みの磁気カード・磁気シート及び磁気テープ」を指定商品として、令和4年9月5日に登録出願されたものである。
本願は、令和5年1月18日付けで拒絶理由の通知がされ、同年2月13日に意見書が提出されたが、同年3月15日付けで拒絶査定がされたものであって、これに対して、同年4月13日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、「遺言アプリ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「遺言」の文字は「死後のために物事を言い遺すこと。また、その言葉。」の意味を、「アプリ」の文字は「アプリケーション(コンピューターで、使用者の業務に応じて作成されたプログラム。アプリ。)」の意味を有するものであるから、本願商標は、全体として「遺言(死後のために物事を言いのこすこと)のためのアプリケーションプログラム。」ほどの意味合いを認識させる。そして、「遺言アプリ」の文字は、「遺言を記録、あるいは遺言書を作成するアプリケーション(電子計算機用プログラム)」を表す語として使用されており、遺言書を作成するアプリケーションが取引されている実情がうかがえる。そうすると、「遺言アプリ」の文字を普通に用いられる方法で書してなる本願商標を、本願の指定商品に使用するときは、これに接する取引者・需要者は、「遺言を記録、あるいは遺言書を作成するアプリケーション。遺言を記録、あるいは遺言書を作成するアプリケーションに関する商品」であること、すなわち、単に商品の品質(内容)を表示したものと認識するにとどまり、結局、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものである。また、本願商標を上記以外の本願の指定商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある。したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標及び商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標であるから、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審における審尋
当審において、令和6年7月3日付け審尋により、請求人に対し、別掲1ないし別掲3のとおりの証拠を示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めたが、これに対して、請求人は、何ら回答していない。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、上記1のとおり、「遺言アプリ」の文字を標準文字で表してなるものであり、その構成文字からして、「遺言」の漢字と「アプリ」の片仮名とを結合させたものと容易に認識されるものである。
そして、本願商標の構成中、「遺言」の文字は「死後のために物事を言い遺すこと。また、その言葉。」(「広辞苑 第7版」岩波書店)の意味を、「アプリ」の文字は「アプリケーションの略。特に、スマーフォンなどで用いるソフトウェア。」(前掲書)の意味を有するものである。
また、別掲1のとおり、アプリに関する分野においては、例えば、占いに関するアプリを「占いアプリ」、漫画に関するアプリを「漫画アプリ」というように、○○に関するアプリを、「○○アプリ」と称して取引されている実情がある。
さらに、別掲2のとおり、遺言に関するアプリが取引されている実情があり、別掲3のとおり、当該アプリが「遺言アプリ」と称されている実情がある。
そうすると、「遺言アプリ」の文字からなる本願商標をその指定商品中「遺言に関するアプリケーションソフトウェア,当該ソフトウェアを搭載した商品」に使用するときは、これに接する取引者・需要者は、「遺言に関するアプリ」又は「当該アプリを搭載した商品」であること、すなわち、単に商品の品質を表示したものと認識するにとどまるというべきである。
また、本願商標は、標準文字で表してなるものであるから、普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものである。
してみると、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であり、かつ、本願の指定商品中、上記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じるおそれがある。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標「遺言アプリ」は、既成語ではないため、特定の意味合い・観念が認識されることはない旨、商品の品質等を直接的かつ具体的に表示するものとは認識することはできない旨主張する。
しかしながら、「遺言アプリ」の文字が、辞書に載録された既成の語ではないとしても、上記(1)のとおり、本願商標を構成する「遺言」及び「アプリ」の各文字(語)の意味及び別掲1ないし別掲3の取引の実情を考慮すれば、本願商標に接する取引者、需要者は、本願商標を「遺言に関するアプリ」又は「当該アプリを搭載した商品」であること、すなわち、単に商品の品質を表示したものと認識するにとどまるというべきである。
イ 請求人は、もしも本願商標が商品の品質を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、需要者等に商品の品質を表示したものと一般に認識されるものに該当するとすれば、他の多くの同業者等によって、「遺言アプリ」が多数使用されている状況になっているのが自然であるのに、そうした事情が無く、「遺言アプリ」の使用者は請求人のみである旨主張する。
しかしながら、別掲3のとおり、遺言に関するアプリが、複数の同業者等によって「遺言アプリ」と称されている実情があるから、使用者が請求人のみであるとの請求人の主張は失当である。
さらに、別掲2のとおり、遺言に関するアプリが取引されており、別掲1のとおり、○○に関するアプリを「○○アプリ」と称して取引されている実情があるから、請求人の主張は採用できない。
ウ したがって、請求人の主張はいずれも採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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