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商標拒絶査定不服審判

2023-006103

シマムラ

審判番号
2023-006103
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2022-005245
請求日
2023年04月13日
審決日
2024年02月08日
公報発行日
2024年03月29日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
  • 【請求人】株式会社しまむら
  • 【請求人代理人】石原 進介
審判長/審判官
  • 審判長 旦 克昌
  • 審判官 綾 郁奈子
  • 審判官 小林 裕子
分類
T18 .14 -WY (W35) / T18 .17 -WY (W35)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項4号商標法3条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第4号、商標法第3条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2022- 5245拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。

理由

理 由 1 本願商標及び手続の経緯 本願商標は、別掲のとおり、「しまむら」の文字を横書きしてなり、第35類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、令和4年1月19日に登録出願されたものである。 本願は、令和4年6月14日付けで拒絶理由の通知がされ、同年9月29日に意見書及び手続補正書が提出され、指定役務については、第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と補正されたが、同5年1月13日付けで拒絶査定がされたものである。 これに対して令和5年4月13日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、ありふれた氏と認められる「島村」を平仮名で「しまむら」と普通に用いられる方法で書してなるものであるから、ありふれた氏を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第4号に該当する。また、提出された証拠によっても、本願商標が、商標法第3条第2項の要件を具備するものとは認められない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第4号該当性について 本願商標は、上記1のとおり、「しまむら」の文字を横書きしてなるところ、書体にデザインを施しているものの、「しまむら」の文字を表したものであることは容易に理解でき、普通に用いられる方法で表示されたものである。 そして、「しまむら」の文字は、「島村」を平仮名で表したものであると認識されるところ、「島村」姓を有する者は、全国におよそ37,200人存在(名字由来net https://myoji-yurai.net/searchResult.htm?myojiKanji=%E5%B3%B6%E6%9D%91)するから、「島村」はありふれた氏である。 したがって、本願商標は、ありふれた氏である「島村」を平仮名で「しまむら」と普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であり、商標法第3条第1項第4号に該当する。 (2)商標法第3条第2項該当性について 請求人は、本願商標が、商標法第3条第1項第4号に該当するものであるとしても、同条第2項に規定する要件を具備する旨主張し、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第102号証を提出しているので、以下、本願商標が同条第2項の要件を具備するものであるかについて検討する。 ア 出願商標の構成及び態様について 本願商標は、上記(1)のとおり、「しまむら」の文字を横書きしてなるものであるが、別掲のとおりのデザインを施しているものである。 イ 商標の使用態様、使用数量、使用地域及び使用期間について (ア)使用態様 請求人は、本願商標と同一の構成態様の商標を、本願の指定役務に係る小売等役務を提供する店舗の名称として、店舗の看板や駐車場の案内板(甲1~甲4)に使用し、折込チラシ(甲28~甲76)に使用し、持ち帰り用袋(甲77~甲80)に使用し、ウェブサイト(甲90)に使用している。 (イ)使用数量、使用地域 請求人の店舗は、1986年までに関東地方1都6県への出店を達成し、2003年には全国的に869店舗、2006年には1,019店舗、2023年4月20時点で、1,418店舗にまで拡大し、その店舗は全47都道府県に在り(審判請求書(手続補正書)7頁21行、甲5~甲27)、これらの店舗には巨大な看板や駐車場の案内板等が恒常的に設置されていたことが推認される。 請求人は、基本的に毎週1回、全店舗で、その取扱いに係る被服、履物、かばん類及び身の回り品の広告を掲載した折込チラシを発行しており、例えば、2021年6月16日には、北海道で合計918,930枚の折込チラシが用意され(甲56)、同年2月20日時点で請求人の店舗は北海道に69店舗あったことから(甲24)、一店舗あたり13,317枚の折込チラシが頒布され得たことになる。2017年ないし2022年の日時の折込チラシも同様に、各店舗あたり1回1万枚以上が頒布され得たこととなり(甲20~甲25、甲56)、これらの折込チラシには本願商標が請求人の店舗を表すものとして付されていた(甲28~甲55、甲58~甲76)。 また、請求人は、店舗で商品を購入した際に、本願商標が目立つように表示された持ち帰り用買い物袋を無償で提供しており(甲77)、2022年の当該袋の全国の店舗への納品・配布数は、合計で1億5千万枚を超えている(甲79、甲80)。 なお、請求人の2023年2月期の売上高は、6,161億2,500万円(連結)である(甲102)。 (ウ)使用期間 上記(ア)の看板や案内板における本願商標は、遅くとも1980年には境店において使用されており、現在まで店舗を拡大しながら43年間使用されている(甲1~甲27)。折込チラシにおける本願商標は、2003年のものから確認することができ、この時点から現在まで少なくとも20年間使用されていることが確認できる(甲28~甲76)。持ち帰り用買い物袋における本願商標は、2012年から現時点まで11年間使用されているとされる(審判請求書(手続補正書)49頁5~6行、甲79、甲80)。また、2022年6月26日時点のウェブサイトにおいて、本願商標が使用されていることが確認できる(甲90)が、これがいつから使用されていたのかは明らかではない。 ウ 広告宣伝の方法、期間、地域及び規模 折込チラシによる広告宣伝については、上記イのとおりであり、その他の広告宣伝として、請求人は、2019年には、さいたま観光国際協会が主催する「大宮薪能」の催しの広告の中(甲82)及び、「さいたま市南区ふるさとふれあいフェア」の催しのチラシの中(甲84)に本願商標を用いた広告を掲出し、2021年には、サッカーの「さいたまシティジュニアカップ2021」の協賛としてチラシや会場に広告を掲出し(甲83)、日本経済新聞に「本社移転のご案内」として、本願商標を用いた案内を載せ(甲85)、雑誌「女性セブン」に「しまむら必勝大活用術」という記事が掲載され(表紙にも表示されている。)、その中には本願商標が用いられている(甲86)。 この中では、日本経済新聞と雑誌「女性セブン」は、相当数の発行が推測されるが、その他の広告については、地域は埼玉県を中心とするものであり、期間や規模については明らかではない。 また、請求人は、テレビ番組の「カンブリア宮殿(テレビ東京)」や「キャスト(朝日放送テレビ)」で取り上げられ、その中で本願商標が表示されたこと(甲87、甲88)がうかがえる。 エ 需要者の商標の認識度を調査したアンケートの結果 MyVoiceが2013年9月に実施したインターネット調査「ファストファッションに関する調査(第2回)」において、「2.ファストファッションブランドの認知\[次にあげるような、「ファストファッション」とよばれるファッションブランドのうち、あなたが知っているブランドをお聞かせください。(複数回答可)]」との問いに対して、10代ないし50代(以上を含む)の11,066人が回答したところ、1位「ユニクロ」の94.8%の認知度に次いで、請求人(「しまむら」)は2位で83.7%の認知度であった(甲94)。 また、MyVoiceが2016年9月に実施したインターネット調査「ファストファッションに関する調査(第3回)」において、同じ問いに対して、10代ないし50代(以上を含む)の11,546人が回答したところ、1位「ユニクロ」の89.1%の認知度に次いで、請求人(「しまむら」)は、2位で80.2%の認知度であった(甲95)。 オ 小括 以上によれば、請求人は、遅くとも1980年から現在まで43年間、店舗数を47都道府県に拡大しながら、看板や案内板、折込チラシ、持ち帰り用袋、ウェブサイトなどに、デザイン化された「しまむら」の文字からなる本願商標を継続的に使用し、店舗には本願商標を表示した巨大な看板や駐車場の案内板等が恒常的に設置されていたことが推認され、基本的に毎週1回、全店舗で1店舗あたり1万枚以上の本願商標を表示したチラシが頒布され、本願商標が目立つように表示された持ち帰り用買い物袋を全国で1億5千万枚以上、無償で提供していることがうかがえる。 そして、折込チラシを除き、提出された広告(甲82~甲88)が、地域的に限定されたものであり、期間や規模については明らかではないものがあることを考慮しても、43年間にわたり本願商標を継続的に使用し、2023年4月20日時点で、47都道府県に巨大な看板を掲げる1,418店舗を有し、相当数の折込チラシや持ち帰り用買い物袋が頒布され、相当な売上高があることからすれば、アンケート調査結果における高い認知度も信ぴょう性があるものと考えられ、本願商標は、使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができるものになっているというべきである。 したがって、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するものと判断する。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第4号に該当するものの、同法第3条第2項の要件を具備するものであり、商標登録を受けることができるものであるから、原査定は取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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