特許拒絶査定不服審判
2023-005970
飲料充填装置の洗浄・殺菌方法
- 審判番号
- 2023-005970
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2021-033706
- 請求日
- 2023年04月12日
- 審決日
- 2025年06月19日
- 公報発行日
- 2025年08月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】大日本印刷株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人インテクト国際特許事務所
- 【請求人代理人】石橋 良規
- 審判長/審判官
- 審判長 田口 傑
- 審判官 岩谷 一臣
- 審判官 武市 匡紘
- 分類
- P18 .537-WZ (B67C) / P18 .55 -WZ (B67C)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法36条6項1号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第36条第6項第1号、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2021-33706号「飲料充填装置の洗浄・殺菌方法」拒絶査定不服審判事件〔令和3年5月27日出願公開、特開2021-80028号〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成29年3月28日(優先権主張 平成28年4月7日、同年9月29日)に出願された特願2017-63371号の一部を令和元年6月12日に新たな特許出願とした特願2019-109615号の一部をさらに令和3年3月3日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 2月 4日付け:拒絶理由通知書
令和4年 4月15日 :意見書、手続補正書の提出
令和4年 8月12日付け:最後の拒絶理由通知書
令和4年10月 7日 :意見書、手続補正書の提出
令和5年 2月 3日付け:令和4年10月7日の手続補正についての補正の却下の決定、拒絶査定(以下「原査定」という。)
(令和5年 2月 8日 :原査定の謄本の送達)
令和5年 4月12日 :審判請求書の提出、同時に手続補正書の提出
令和6年12月24日付け:拒絶理由通知書
令和7年 2月 7日 :意見書、手続補正書の提出
令和7年 3月13日付け:最後の拒絶理由通知書
令和7年 4月24日 :意見書、手続補正書の提出
第2 令和7年4月24日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和7年4月24日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について
本件補正は、以下(1)の令和7年2月7日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載を、以下(2)の記載にする補正を含むものである。なお、下線部は、補正箇所である。
(1)本件補正前の特許請求の範囲の請求項1の記載
「【請求項1】
加熱殺菌部を経て充填機内へと製品を送る飲料供給系配管を備えた飲料充填装置内について、前記飲料供給系配管内に付着した製品の残留異物の除去を行うCIP処理及び、前記飲料供給系配管内を殺菌するSIP処理を行う飲料充填装置の洗浄・殺菌方法において、
洗浄液による前記CIP処理を行う際に稼動していた送液ポンプを停止することなく水を送り、前記水が加熱殺菌部により加熱され殺菌されつつ循環路内を循環し、処理経路内の前記SIPを行い、
前記CIP処理を行った際に昇温した前記加熱殺菌部の設定温度を下げることなく、前記加熱殺菌部の設定温度を、前記SIP処理を行う温度まで昇温し、前記CIP処理と前記SIP処理の間を停止させることなく、前記CIP処理に使用した前記洗浄液のすすぎを開始するときから、前記CIP処理と同時に前記SIP処理を行う飲料充填装置の洗浄・殺菌方法であって、
前記CIP処理で使用した前記洗浄液の前記すすぎは、前記CIP処理が行われた前記加熱殺菌部の設定温度から前記SIP処理が行われる前記加熱殺菌部の設定温度まで昇温させながら行われ、前記SIP処理を兼ねており、前記SIP処理も兼ねて90℃を超えて処理を行うとき、カルシウムの析出を抑えるために前記CIP処理で使用する前記洗浄液の水及び前記洗浄液をすすぐすすぎ水は純水を用いることを特徴とする飲料充填装置の洗浄・殺菌方法。」
(2)本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載
「【請求項1】
加熱殺菌部を経て充填機内へと製品を送る飲料供給系配管を備えた飲料充填装置内について、前記飲料供給系配管内に付着した製品の残留異物の除去を行うCIP処理及び、前記飲料供給系配管内を殺菌するSIP処理を行う飲料充填装置の洗浄・殺菌方法において、
洗浄液による前記CIP処理を行う際に稼動していた送液ポンプを停止することなく水を送り、前記水が加熱殺菌部により加熱され殺菌されつつ循環路内を循環し、処理経路内のすすぎを行い、
前記CIP処理を行った際に昇温した前記加熱殺菌部の設定温度を下げることなく、前記加熱殺菌部の設定温度を、前記SIP処理を行う温度まで昇温し、前記CIP処理と前記SIP処理の間を停止させることなく、前記CIP処理に使用した前記洗浄液の前記すすぎを開始するときから、前記CIP処理の前記すすぎと同時に前記SIP処理を行う飲料充填装置の洗浄・殺菌方法であって、
前記CIP処理で使用した前記洗浄液の前記すすぎは、前記CIP処理が行われた前記加熱殺菌部の設定温度から前記SIP処理が行われる前記加熱殺菌部の設定温度まで昇温させながら行われ、前記SIP処理を兼ねており、前記SIP処理も兼ねて90℃を超えて処理を行うとき、カルシウムの析出を抑えるために前記CIP処理で使用する前記洗浄液の水及び前記洗浄液をすすぐすすぎ水は純水を用いることを特徴とする飲料充填装置の洗浄・殺菌方法。」
2 本件補正の適否
本件補正は、補正前の「処理系路内の前記SIPを行い、」との記載を「処理系路内の前記すすぎを行い、」にする補正(以下「補正事項1」という。)、補正前の「前記CIP処理に使用した前記洗浄液のすすぎを開始するときから、前記CIP処理と同時に前記SIP処理を行う」との記載を「前記CIP処理に使用した前記洗浄液の前記すすぎを開始するときから、前記CIP処理の前記すすぎと同時に前記SIP処理を行う」にする補正(以下「補正事項2」という。)を含むものである。
(1)補正の目的
補正事項2に関し、「前記CIP処理と同時に前記SIP処理を行う」との事項を「前記CIP処理の前記すすぎと同時に前記SIP処理を行う」とSIP処理と同時に行うものを「前記CIP処理の前記すすぎ」と特定するものである。そして、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
したがって、本件補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とする補正を含むものであるから、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が、同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下検討する。
(2)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(2)に記載したとおりのものである。
(3)サポート要件について
ア 特許請求の範囲の記載が、明細書のサポート要件に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものである。
そこで、特許請求の範囲に記載された発明が発明の詳細な説明に記載された発明であるかについて、まず検討する。
イ 本件補正発明では、少なくとも以下の(A)~(C)の事項を含めた特定(以下「特定(A)」等という。)がなされている。
(A)「前記CIP処理を行った際に昇温した前記加熱殺菌部の設定温度を下げることなく、前記加熱殺菌部の設定温度を、前記SIP処理を行う温度まで昇温」すること。
(B)「前記CIP処理と前記SIP処理の間を停止させることなく、前記CIP処理に使用した前記洗浄液の前記すすぎを開始するときから、前記CIP処理の前記すすぎと同時に前記SIP処理を行う」こと。
(C)「前記すすぎは、前記CIP処理が行われた前記加熱殺菌部の設定温度から前記SIP処理が行われる前記加熱殺菌部の設定温度まで昇温させながら行われる」こと。
ウ 発明の詳細な説明等の記載
発明の詳細な説明及び図面には以下の記載がある。なお、下線は当審において付与した。
・「【背景技術】
【0002】
飲料充填装置により飲料などの製品をボトル等の容器に充填する場合、製品自体を殺菌して無菌状態にする製品殺菌処理をしておかなければならないことはもちろんのこと、飲料充填装置におけるサージタンク、送液管、充填ノズル等を備えた飲料供給系配管内も予め洗浄し、殺菌して無菌状態にしておかなければならない。」
・「【0006】
SIP処理は、製品の充填作業に入る前に、予め上記飲料供給系配管内を殺菌するための処理であり、例えば、上記CIP処理で洗浄した飲料供給系配管内に加熱蒸気又は熱水を流すことによって高温での殺菌処理が行われる。このとき、加熱蒸気又は熱水は、例えば130℃に保持される。これにより、飲料供給系配管内が殺菌処理され無菌状態とされる(例えば、特許文献2参照)。」
・「【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る飲料充填装置の洗浄・殺菌方法は、加熱殺菌部を経て充填機内へと製品を送る飲料供給系配管を備えた飲料充填装置内について、前記飲料供給系配管内に付着した製品の残留異物の除去を行うCIP処理及び、前記飲料供給系配管内を殺菌するSIP処理を行う飲料充填装置の洗浄・殺菌方法において、前記CIP処理と前記SIP処理の間を停止させることなく、前記CIP処理と前記SIP処理を同時に又は連続的に行う飲料充填装置の洗浄・殺菌方法であって、CIP処理がSIP処理も兼ねて90℃を超えて処理が行われる場合には、カルシウムの析出を抑えるためにCIP処理で使用する水は純水を用いることを特徴とする。」
・「【0049】
まず、上流側処理経路についてSIP処理を行う場合について説明を行う。CIP処理を行う際に稼動していた送液ポンプを停止することなく図示しない水供給源から水がバランスタンク5を経て循環路内に送られ、この水がUHT18により加熱され殺菌されつつ循環路内を循環する。これにより、上流側処理経路内が殺菌される。このとき、送液ポンプが停止されていないので、CIP処理を行った際に昇温したUHT18の設定温度を下げることなく、SIP処理を行う温度まで昇温させるので、CIP処理とSIP処理の間の温度の低下を最小限に抑えることができる(図6参照)。
【0050】
この上流側処理経路内を熱水が流れる際、上流側配管部7aの各所に配置された温度センサ10からコントローラ17に温度情報が一定時間間隔で送られる。この実施の形態では、ボトル4に充填する製品液である飲料のpHが4.6以上とされ、基準温度Trが121.1℃、Z値が10℃とされる。」
・「【0061】
なお、CIP処理からSIP処理への移行の際に行われるCIP処理で用いた洗浄剤のすすぎ工程は、図7に示すようにCIP処理が行われた温度からSIP処理が行われる温度まで昇温させながら行っても構わない。このときすすぎ工程で用いられるすすぎ水はUHT18で加熱されて行われるが、・・・すすぎ工程を短時間で効果的に実施することができる。また、すすぎ工程は、次の製品の殺菌価が得られる水を用いれば、図8に示すようにSIP処理中、又は図9に示すようにSIP処理後に行われる温度安定化工程で行っても良く、次の製造が開始される前までに洗浄剤を除去できれば良い。さらに、図9に示すように、殺菌温度を満たしたアルカリや酸でCIP処理すると同時にSIP処理を行い、次製品の規定の殺菌価以上の無菌水で配管内を洗浄し、洗浄剤が除去できた時点で次製造へ移行しても良い。」
・「【0070】
なお、上流側配管で説明した場合と同様に、CIP処理からSIP処理への移行の際に行われるCIP処理で用いた洗浄剤のすすぎ工程は、図11に示すようにCIP処理が行われた温度からSIP処理が行われる温度まで昇温させながら行っても構わない。また、すすぎ工程は、次の製品の殺菌価が得られる水を用いれば、図12に示すようにSIP処理中、又は図13に示すようにSIP処理後に行われる冷却工程で行っても良く、次の製造が開始される前までに洗浄剤を除去できれば良い。さらに、図13に示すように、殺菌温度を満たしたアルカリや酸でCIP処理すると同時にSIP処理を行い、次製品の規定の殺菌価以上の無菌水で配管内を洗浄し、洗浄剤が除去できた時点で次製造へ移行しても良い。」
・「【図6】
[図:0001424939000001.jpg]
【図7】
[図:0001424939000002.jpg]
【図8】
[図:0001424939000003.jpg]
【図9】
[図:0001424939000004.jpg]
【図10】
[図:0001424939000005.jpg]
【図11】
[図:0001424939000006.jpg]
【図12】
[図:0001424939000007.jpg]
【図13】
[図:0001424939000008.jpg]
」
エ サポート要件についての判断
段落【0002】、【0006】、【0013】、【0050】の記載からみて、SIP処理とは、飲料充填装置の殺菌を行う処理であると理解され、その温度はCIP処理が行われる温度よりも高温の少なくとも90℃以上であり、さらに段落【0050】には、実施例として121.1℃を基準温度とすることが記載されている。そこで、この点を前提に、以下に検討する。
(ア)上記ウのとおり、段落【0061】には、CIP処理が行われた温度からSIP処理が行われる温度まで昇温させながらすすぎを行うことが記載されているところ、これは、SIP処理が行われる温度に達する前からすすぎが開始されるものと解釈され、特定(B)のように、すすぎを開始するときからSIP処理を行っているものとは解されない。この点、段落【0061】では【図7】を用いて説明しているところ、【図7】の記載を見れば、70℃から昇温と同時にすすぎが開始され、その後、殺菌温度に達してからSIP処理が行われていることは明らかであり、当該解釈と整合する。
(イ)また、同段落【0061】には、すすぎをSIP処理中に行っても良いことが記載されているが、これは、すすぎとSIP処理が同時に行われるタイミングがあることを意味するものであって、すすぎを開始するときからSIP処理が行われるものと解することはできない。この点、【図8】においては、なるほど一見、すすぎを開始するときからSIP処理が行われているように見える。しかし、【図8】において、すすぎの前工程である洗浄循環工程はSIP処理に含まれていない。また【図8】において、すすぎ殺菌保持工程時の温度は、70~140℃としていることから、すすぎの開始時点では70℃であると理解され、そうすると、SIP処理が行われる温度に達しておらず、SIP処理は行われていないものと理解される。すなわち、【図8】の記載からみて、むしろ70℃から140℃に昇温させながらすすぎを行いつつ、殺菌可能な温度になってすすぎとSIP処理とが並行して行われていると合理的に解釈できる。
(ウ)さらに、段落【0070】にもすすぎをSIP処理中に行う旨の記載があるが、【図12】をみれば、上記(イ)と同様に解釈せざるを得ないし、その他、発明の詳細な説明全体を参酌しても、特定(B)に関して、記載も示唆も見られない。
(エ)以上のとおりであるから、特定(B)については、発明の詳細な説明に記載されたものではない。
オ 小括
上記ア~エのように、技術常識を踏まえ明細書全体を参酌しても、本件補正発明、特に特定(B)については、発明の詳細な説明に記載されていない。
カ 請求人の主張について
請求人は令和7年4月24日提出の意見書(以下「意見書」という。)において、以下の主張をしている。
「補正の根拠は、[0061]の「なお、CIP処理からSIP処理への移行の際に行われるCIP処理で用いた洗浄剤のすすぎ工程は、図7に示すようにCIP処理が行われた温度からSIP処理が行われる温度まで昇温させながら行っても構わない。」という記載です。本願の請求項1に記載の発明は、図7に示すCIP処理からSIP処理への移行の際のすすぎ工程に係るものです。図7から明らかなように、CIP処理のすすぎからSIP処理に移行しており、加熱殺菌部の温度がSIP処理に必要な温度に昇温したときに、すすぎが完了していない場合、図7には明瞭に記載されていませんが、CIP処理のすすぎとSIP処理が同時に行われます。」(意見書第2ページ第5行~第12行)
しかしながら、上記エで述べたように、段落【0061】、【図7】には、「前記洗浄液の前記すすぎを開始するときから、前記CIP処理の前記すすぎと同時に前記SIP処理を行う」ことは記載されていない。
仮に、請求人が主張する「図7から明らかなように、CIP処理のすすぎからSIP処理に移行しており、加熱殺菌部の温度がSIP処理に必要な温度に昇温したときに、すすぎが完了していない場合、図7には明瞭に記載されていませんが、CIP処理のすすぎとSIP処理が同時に行われます。」との事項が発明の詳細な説明及び図面から把握できたとしても、すすぎを開始するときからSIP処理は行われておらず、特定(B)が記載ないし示唆されているとはいえない。
キ まとめ
以上より、請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものでない。
3 本件補正についてのむすび
よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
令和7年4月24日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、令和7年2月7日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される「前記第2[理由]1(1)」に記載のとおりのものである。
2 最後の拒絶理由の概要
令和7年3月13日付け最後の拒絶理由通知書における本願発明についての理由1の概要は、次のとおりである。
1.(サポート要件)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
・特定(a)~(c)を全て有する実施例が発明の詳細な説明に記載されていない。
(a)「前記CIP処理を行った際に昇温した前記加熱殺菌部の設定温度を下げることなく、前記加熱殺菌部の設定温度を、前記SIP処理を行う温度まで昇温」すること。
(b)「前記CIP処理と前記SIP処理の間を停止させることなく、前記CIP処理に使用した前記洗浄液のすすぎを開始するときから、前記CIP処理と同時に前記SIP処理を行う」こと。
(c)「前記すすぎは、前記CIP処理が行われた前記加熱殺菌部の設定温度から前記SIP処理が行われる前記加熱殺菌部の設定温度まで昇温させながら行われ」ること。
3 判断
本願発明は、「前記第2[理由]2」で検討した本件補正発明の「前記CIP処理の前記すすぎと同時に前記SIP処理を行う」との事項を「前記CIP処理と同時に前記SIP処理を行う」としたものである。
しかしながら、依然として「前記第2[理由]2(3)エ」と同様、特定(b)のうち「前記洗浄液の前記すすぎを開始するときから、前記CIP処理と同時に前記SIP処理を行う」点が、発明の詳細な説明に記載も示唆もされていない。
したがって、本願発明も発明の詳細な説明に記載したものでない。
第4 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第36条第6項第1号の規定により特許を受けることができないから、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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