商標拒絶査定不服審判
2023-005307
マグネットワイパー、ワイパー
- 審判番号
- 2023-005307
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-152223
- 請求日
- 2023年04月03日
- 審決日
- 2025年02月18日
- 公報発行日
- 2025年05月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】花王株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人レガート知財事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 板谷 玲子
- 審判官 吉田 聡一
- 審判官 馬場 秀敏
- 分類
- T18 .13 -Z (W21) / T18 .272-Z (W21)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-152223拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年12月7日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 5月13日付け:拒絶理由通知書
令和4年 6月 9日 :意見書、手続補正書、手続補足書の提出
令和4年12月21日付け:拒絶査定
令和5年 4月 3日 :審判請求書、手続補足書の提出
令和6年 9月25日付け:審尋
2 本願商標
本願商標は、「マグネットワイパー」の文字を標準文字で表してなり、第21類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。
その後、本願の指定商品は、原審における上記1の手続補正書により、第21類「家事用手袋,床用清掃用具及び洗濯用具,手動床用清掃用具,アイロン台,霧吹き,歯ブラシ,化粧用具,デンタルフロス,紙タオル取り出し用金属製箱,せっけん用ディスペンサー」に補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定は、「本願商標は、「マグネットワイパー」の文字を標準文字で表してなるところ、本願商標の指定商品である「床用清掃用具,手動床用清掃用具」を含む掃除用具を取り扱う業界においては、拭き掃除用具の名称に「ワイパー」の文字が使用されている実情があり、本願商標「マグネットワイパー」は、磁石の意味で親しまれた「マグネット」と「ワイパー」の文字とを単に左横書きしてなるもので、需要者に「マグネット付きの拭き掃除用具」ほどの意味合いを認識させるものといえ、加えて、「マグネット付きの拭き掃除用具」も販売されていることからすると、本願商標をその指定商品中「床用清掃用具,手動床用清掃用具」に使用した場合、これに接する需要者は、「マグネット付きの拭き掃除用具」であることを認識するにとどまるため、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものというのが相当であり、また、上記の意味合いを需要者に認識させる本願商標を「マグネット付きの拭き掃除用具」以外の「床用清掃用具,手動床用清掃用具」に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものであるから、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審における審尋
当審において、令和6年9月25日付け審尋により、別掲1ないし3に掲げる事実を提示した上で、本願商標が、その指定商品との関係において、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、請求人に対し、意見を求めた。
請求人は、当該審尋に対し、指定した期間を経過するも、何ら回答していない。
5 当審の判断
(1)本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「マグネットワイパー」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「マグネット」の片仮名は、「磁石」を意味する英語「magnet」を片仮名で表示したものと容易に認識でき、また、「ワイパー」の片仮名は、「拭くもの」を意味する英語「wiper」を片仮名で表示したものと容易に認識できるものであり、本願商標は、これらの語を組み合わせてなるものと容易に理解できるものである。
そして、別掲1のとおり、「マグネット〇〇」(「〇〇」には商品名が入る。)は、「マグネット付きの〇〇」の意味合いで使用されている事実があり、別掲2のとおり、清掃用具に関連する商品において、マグネット(磁石)付きの清掃用具が実際に取引されている事実がある。
加えて、別掲3のとおり、マグネット(磁石)付きのワイパーが取引されている事実もある。
以上からすると、本願商標は、構成全体として、「マグネット付きのワイパー」ほどの意味合いを容易に理解させるというのが相当である。
そうすると、本願商標をその指定商品中の「床用清掃用具,手動床用清掃用具」に使用する場合には、これに接する取引者、需要者は、当該商品がマグネット付きのワイパーであること、すなわち、商品の品質を表示したものと理解するにとどまるというのが相当であるから、本願商標は、その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって、自他商品の識別標識としては認識し得ないというべきである。
そして、本願商標のように、「マグネット」及び「ワイパー」の文字は、「magnet」及び「wiper」の英単語を片仮名で表示したにすぎない平易な語であって、とりわけ「拭くもの」を意味する「ワイパー」の片仮名は、清掃用具に関連する用語であることから、「マグネットワイパー」の文字が、マグネット付きワイパーを簡潔に表すものと容易に理解させ、それ故に、何人もその使用を欲するということができるため、現在、「マグネットワイパー」の文字が使用されていないとしても、将来、当該文字がマグネット付きワイパーを表す語として実際に使用される可能性も十分にあるといえる。
このように、指定商品との関係において、当該商品の品質を表示するために、取引に際し必要適切な標章として何人もその使用を欲するものについて、特定人によるその独占使用を認めることは妥当とはいえない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、本願商標を「マグネット付きのワイパー」以外の「床用清掃用具,手動床用清掃用具」に使用するときは、あたかも、当該商品がマグネット付きのワイパーであるかのように、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、請求書において、「当該商標が取引上現実に使用されている事実は、商標法第3条第1項第3号の適用において必ずしも要求されないものと解すべき」とされているところ、この点は慎重に判断されなければならないとし、「マグネットワイパー」の語からは具体的な品質などが認識されないこと、当該語が使用されている事実がないこと等を述べ、本願商標は特定の意味合いを認識させることのない「造語」として捉えるべきものであり、識別力を備え、独占適応性も備えたものというべきである旨主張する。
しかしながら、前記(1)のとおり、本願商標を構成する各語の意味合い及び取引の実情を考慮すると、本願商標は、前記指定商品との関係で商品の品質を理解させ、特定人によるその独占使用を認めることは妥当とはいえないというのが相当である。
したがって、請求人の上記主張は採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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