商標拒絶査定不服審判
2023-005214
トリプルミルク、トリプル
- 審判番号
- 2023-005214
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-032466
- 請求日
- 2023年03月31日
- 審決日
- 2023年11月09日
- 公報発行日
- 2024年01月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】森永乳業株式会社
- 【請求人代理人】河野 誠
- 【請求人代理人】河野 生吾
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 田中 瑠美
- 分類
- T18 .13 -Z (W29)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022- 32466拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年3月22日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 8月 4日付け:拒絶理由通知書
令和4年 9月20日 :意見書、手続補正書の提出
令和4年12月23日付け:拒絶査定
令和5年 3月31日 :審判請求書、手続補正書の提出
2 本願商標
本願商標は、「トリプルミルク」の文字を標準文字で表してなり、第29類「菓子(果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものに限る。),食用油脂,乳製品,食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物,豆,食用たんぱく,加工済み食用花粉」を指定商品として登録出願されたものである。
その後、本願の指定商品については、原審及び当審における上記1の手続補正書により、最終的に第29類「乳飲料」に補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「トリプルミルク」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「トリプル」の文字は、「3倍の数や量。三重の。」を意味し、「ミルク」の文字は「乳。牛乳。練乳・粉乳などの、牛乳の加工品。」を意味するものである。
ところで、本願指定商品を取り扱う食品業界においては、「三種類」の原材料を使ったものや、「通常の三倍」の原材料を使ったものについて、「トリプル○○」(○○には原材料が入る)と称し、取引が行われている実情が認められる。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、この商品が、「三種類のミルクが入った商品」又は「通常の三倍の量のミルクが入った商品」であること、すなわち、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものとして認識するというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「トリプルミルク」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「トリプル」の文字は、「「3倍の」「3重の」の意。」を表し、「ミルク」の文字は、「牛乳。コンデンスミルク(練乳)などの加工乳の略。ミルク状のもの。」を表すものである(出典:「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)。
そして、原審提示の情報に加え、別掲のインターネット情報が示すように、本願の指定商品に関連する分野においては、3種類の原材料を使用することで、味に深みをもたせたり、栄養価をより高めるなどした商品が一般に取り扱われており、それらの商品を「トリプル○○」(○○には原材料等が入る)と称している実情も認められる。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、当該商品が「3種類のミルクを使用した商品」であると理解、認識するものといえ、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「トリプルミルク」の文字より、「3種類のミルク(が入った商品)」などの意味合いが想起され得るとしても、これらは極めて抽象的、かつ漠然とした意味内容のことを表現したものであって、具体的な意味合いを直ちに理解させるようなものとは認め難いと述べ、原審提示の情報についても、品質を表示するものとして使用されているというよりは、商品名や商標としての使用というべきもの又は多種のものが存在し、それらを混合し原材料に使用することが少なからず行われているものに関する例であるところ、本願の補正後の指定商品「乳飲料」は、産地の異なるミルクを使用した商品や牛乳とやぎ乳等、数種の乳を使用した商品が流通している事情があるとも言い難いことから、「3種類のミルク」なるミルクがどのようなミルクであるのか全く判然としない旨主張する。
しかしながら、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、審決時において、本願商標が、その指定商品との関係で、その商品の品質を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の取引者、需要者によって、本願商標がその指定商品に使用された場合に、将来を含め、商品の品質を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(平成27年(行ケ)第10107号判決)ところ、上記(1)のとおり、本願商標は、その構成文字から生じる意味及び別掲の事実に照らせば、これに接する取引者、需要者をして、当該商品が「3種類のミルクを使用した商品」であること、すなわち、商品の品質を表示するものと容易に理解、認識させることをもって足り、「3種類のミルク」が具体的にどのようなミルクであるのか特定されることまでは要しないというのが相当である。
イ 請求人は、本願商標「トリプルミルク」の文字が、補正後の指定商品「乳飲料」の品質を表示するものとして普通に使用されていると認められる事実を発見できないから、これをその指定商品に使用した場合にも、需要者、取引者等に当該商品の品質を直接かつ具体的に認識させるものではなく、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を十分に発揮し得るものである旨主張する。
しかしながら、商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきであり(平成12年(行ケ)第76号判決)、たとえ、「トリプルミルク」の文字が、本願の指定商品「乳飲料」について実際に使用されていないとしても、その構成文字から生じる意味及び別掲の事実によれば、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表すものと認められ、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきである。
ウ 請求人は、過去の登録例や審決例を挙げ、これによって、請求人の主張の妥当性を裏付けることができる旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品・指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例や審決例は、商標の構成態様や指定商品・指定役務が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。
エ したがって、請求人の上記アないしウの主張は、いずれも採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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