商標拒絶査定不服審判
2023-005179
イオンパワー
- 審判番号
- 2023-005179
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-089798
- 請求日
- 2023年03月30日
- 審決日
- 2023年11月28日
- 公報発行日
- 2024年02月22日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】小林製薬株式会社
- 【請求人代理人】山田 威一郎
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 田中 瑠美
- 分類
- T18 .13 -Z (W03)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022- 89798拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年8月3日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年11月15日付け:拒絶理由通知書
令和4年12月22日 :意見書の提出
令和5年 1月12日付け:拒絶査定
令和5年 3月30日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「イオンパワー」の文字を標準文字で表してなり、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,つけまつ毛用接着剤,口臭用消臭剤,動物用防臭剤,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,せっけん類,歯磨き,身体用消臭剤,身体用防臭剤,その他の化粧品,香料,芳香剤(身体用のものを除く。),消臭芳香剤(身体用のものを除く。),その他の薫料,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「イオンパワー」の文字を標準文字で表してなるものである。
本願商標構成中「イオン」の文字は、「正または負の電気をもつ原子または原子団。」の意味を有し、「パワー」の文字は、「力」の意味を有する語であるから、本願商標は、「イオンの力」程の意味合いを容易に認識させるものである。
そして、本願の指定商品との関係においては、本願商標と意味合いを相当程度共通にする「イオンの力」及び「イオンのパワー」の文字が、イオンの効能を有する商品の品質を表す語として使用されている実情が認められる。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「イオンの効能を有する商品」であると認識するにすぎないから、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「イオンパワー」の文字を標準文字で表してなるものであるところ、その構成中「イオン」の文字は、「正または負の電気をもつ原子または原子団。」の意味を表し、「パワー」の文字は、「力」の意味を表す語として広く一般に理解されるものであるから(いずれも、出典は、株式会社岩波書店「広辞苑 第七版」)、本願商標は、全体として、「イオンの力」程の意味合いを容易に認識させるものである。
そして、原審提示の情報のほか、別掲のインターネット情報が示すとおり、本願の指定商品に関連する分野においては、イオンの有する効果・効能等を利用した各種商品が広く一般に取り扱われている実情にあり、これらの商品について、「イオンパワー」、「イオンのパワー」、「イオンの力」といった語を使用しているものが見受けられる。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、当該商品が「イオンの効能を有する商品」であると理解、認識するものといえ、本願商標は、単に商品の品質を表示するにすぎないものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものである。
よって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標は「イオンパワー」の文字を同書・同大・同間隔にまとまりよく一連一体に書してなる構成からなり、外観上及び称呼上の一体性が強い商標であるから、本願商標を「イオン」の文字と「パワー」の文字に分離した上で「イオンの力」との意味合いを想起するとはいえない旨主張する。
しかしながら、本願商標は、同書・同大・同間隔にまとまりよく一連一体に書されているとはいえ、これを構成する「イオン」及び「パワー」の各文字は、いずれも広く知られた語であり、本願の指定商品に関連する分野における両文字の使用実情からしても、全体として、「イオンの力」程の意味合いを容易に認識させるものである。
イ 請求人は、仮に、原審認定のように、本願商標から「イオンの力」との意味合いが想起される場合があるとしても、「イオン」の性質は、どのような「原子または原子団」のイオンなのかによって大きく異なっており、「イオンの力」、「イオンの効能」といっても、どのような力、どのような効能なのかは判然とせず、極めて抽象的で曖昧なものであって、かかる意味合いが本願の指定商品の品質を具体的かつ直接的に表しているとは到底いえない旨主張する。
しかしながら、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、審決時において、本願商標が、その指定商品との関係で、その商品の品質を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の取引者、需要者によって、本願商標がその指定商品に使用された場合に、将来を含め、商品の品質を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(平成27年(行ケ)第10107号判決)ところ、上記(1)のとおり、本願商標は、その構成文字から生じる意味及び別掲の事実に照らせば、これに接する取引者、需要者をして、当該商品が「イオンの効能を有する商品」であること、すなわち、商品の品質を表示するものと容易に理解、認識させることをもって足り、「イオンの効能」が具体的にどのような効能であるのか特定されることまでは要しないというのが相当である。
ウ 請求人は、「イオンの効能を有する商品」の品質や効能を示す際に、「イオンパワー」との表現を使用することは一般的ではなく、原審において「イオンパワー」の語の使用例が1件も挙げられていないことは、「イオンパワー」との表現を品質表示として使用する必要性がないことを端的に示す事実であるとともに、指定商品の品質表示として、一般的に使用されておらず、また、将来的にも使用される可能性が乏しい表示を同号に該当すると判断する理由は皆無である旨主張する。
しかしながら、本願の指定商品に関連する分野においては、イオンの有する効果・効能等を利用した商品について、実際に、「イオンパワー」の語を使用しているものも見受けられるように、本願商標の構成文字から生じる意味及び別掲の事実をはじめとする取引の実情に照らせば、本願商標をその指定商品に使用するときには、これに接する取引者、需要者によって、「イオンの効能を有する商品」であることを表示するものとして一般に認識されるといえ、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものというべきものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは適当でないとともに、自他商品識別力を欠くものというのが相当である。
エ 請求人は、過去の登録例や審決例を挙げ、本願商標も登録されるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品・指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例や審決例は、商標の構成態様や指定商品・役務、判断時期が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例や審決例が存在することをもって、本件判断が左右されるものではない。
オ したがって、請求人の上記アないしエの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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