商標拒絶査定不服審判
2023-004858
ハイクラステンショク、ハイクラス、クラス
- 審判番号
- 2023-004858
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-010304
- 請求日
- 2023年03月23日
- 審決日
- 2024年08月22日
- 公報発行日
- 2024年11月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ビジョナル株式会社
- 【請求人代理人】橘 哲男
- 【請求人代理人】佐藤 大輔
- 審判長/審判官
- 審判長 大橋 良成
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 浦崎 直之
- 分類
- T18 .13 -Z (W09354142) / T18 .272-Z (W09354142)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-10304拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和4年1月31日の登録出願であって、その手続の経緯の概略は以下のとおりである。
令和4年 8月 1日付け:拒絶理由通知書
令和4年 9月14日付け:意見書
令和5年 2月 9日付け:拒絶査定
令和5年 3月23日付け:審判請求書
令和5年 4月27日付け:手続補正書
令和6年 3月25日付け:審尋
令和6年 5月 1日付け:意見書
令和6年 5月22日付け:審尋
第2 本願商標
本願商標は、「ハイクラス転職」の文字を普通に用いられる方法で横書きしてなり、第9類、第35類、第41類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものであり、その後、指定商品及び指定役務については、上記第1の手続補正により、第9類、第35類、第41類及び第42類に属する別掲1に記載のとおりの商品及び役務に補正されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要旨
本願商標は、「ハイクラス転職」の文字を横書きしてなるところ、その構成中の「ハイクラス」及び「転職」の語は、いずれも辞書に掲載されている一般によく知られた語といえる。
そして、管理職や高収入の年収の人材等の転職が「ハイクラス転職」と称されている実情が確認できる。
以上の構成語の意味及び使用の実情を考慮すると、本願商標は全体として、「ハイクラスの人材の転職」ほどの意味合いを容易に認識させるものである。
そうすると、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する需要者は、「ハイクラスの人材の転職に関する役務」であること、すなわち、役務の質を普通に用いられる方法で表したものと認識するといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、「ハイクラスの人材の転職に関する役務」以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
第4 当審における審尋
1 令和6年3月25日付けの審尋により、請求人に対し、別掲2及び別掲3(1)ないし(7)のとおりの事実を示した上で、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。
2 請求人は、令和6年5月1日付け意見書において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない旨を述べるとともに、その主張が認められない場合には、指定商品及び指定役務の削除補正及び減縮補正を行う意思も有しており、どのような補正を行えば本願の拒絶理由が解消するかについて、審決前に示すよう求めたため、令和6年5月22日付けの審尋により、請求人に対し、本願商標が前記の拒絶理由に該当する指定商品及び指定役務について、別掲4に記載のとおり通知した。
第5 審尋に対する請求人の回答の要旨
1 請求人は、上記第4の1の審尋に対し、令和6年5月1日付け意見書を提出し、要旨、以下のとおりの意見を述べた。
「ハイクラス」という文言には、明確な定義がなく、消費者により想定する意味合いが異なる名称であり、本願商標に接する需要者又は取引者は、本願指定商品・役務の内容を直接的に看取し得ないことはおろか、間接的に暗示することさえできないのが実情である。それゆえ、本願商標は、本願指定商品・役務の内容を直接的、かつ、具体的に表示するものとはいい得ない。さらに、本願商標は、その商品・役務の品質・質を表すものとして一般に使用されている事実は一切ない。
したがって、本願商標を本願指定商品・役務に使用しても自他商品・役務識別標識としての機能を果たし得ることは明らかである。
仮に「ハイクラス転職」から「高い専門性や経験等を有する好待遇の人材の転職」という意味合いが想起されるとしても、少なくとも第35類以外の区分との関係では、識別力を有すると判断されるべきである。
上記の主張が認められない場合には、指定商品及び指定役務の削除補正及び減縮補正を行う意思も有しており、どのような補正を行えば本願の拒絶理由が解消するかについて、審決前に示すよう求める。
2 請求人は、上記第4の2の審尋に対して、所定の期間内に何ら応答するところがない。
第6 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の該当性について
本願商標は、「ハイクラス転職」の文字を普通に用いられる方法で横書きしてなるところ、その構成中「ハイクラス」の文字は、「地位・品質などの程度が高いこと。高級。上流。」の意味を有する語であり、「転職」の文字は、「職業をかえること。同業他社へ転じることにもいう。」(いずれも「大辞林第四版」株式会社三省堂)の意味を有する語であり、本願商標は、「ハイクラス」の文字と「転職」の文字とを結合した構成よりなるものと容易に認識されるものである。
そして、別掲2及び別掲3のとおり、人材募集、求人情報の提供等を取り扱う業界において、高い専門性や経験等を有する好待遇の人材に、「ハイクラス」の語が使用されている実情にある。
してみると、本願商標は、上記取引の実情や「ハイクラス」及び「転職」の意味合いから、全体として「高い専門性や経験等を有する好待遇の人材の転職」ほどの意味合いが容易に理解されるものである。
また、別掲3のとおり、高い専門性や経験等を有する好待遇の人材の転職について、「ハイクラス転職」の文字が使用されている事実も認められる。
そうすると、「ハイクラス転職」の文字からなる本願商標を、その指定商品及び指定役務中、別掲4のとおりの指定商品及び指定役務に使用したときには、これに接する取引者、需要者は、「高い専門性や経験等を有する好待遇の人材の転職のための商品、高い専門性や経験等を有する好待遇の人材の転職のための役務」であると認識するにとどまり、本願商標は、商品の品質、用途、役務の質、用途を普通に用いられる方法で表示したものと認識するというのが相当である。
また、本願商標を、前記に相応する商品及び役務以外の商品及び役務に使用するときは、商品の品質、役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、「ハイクラス」という文言には、明確な定義がなく、消費者により想定する意味合いが異なる名称であり、本願商標に接する需要者又は取引者は、本願指定商品・役務の内容を直接的に看取し得ないことはおろか、間接的に暗示することさえできないのが実情であって、それゆえ、本願商標は、本願指定商品・役務の内容を直接的、かつ、具体的に表示するものとはいい得ず、さらに、本願商標は、その商品・役務の品質・質を表すものとして一般に使用されている事実は一切ないから、本願商標を本願指定商品・役務に使用しても自他商品・役務識別標識としての機能を果たし得ることは明らかである旨主張する。
しかしながら、本願商標が、その指定商品又は指定役務について商品の品質又は役務の質等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるというためには、審決の時点において、本願商標がその指定商品又は指定役務との関係で商品の品質又は役務の質等を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の取引者、需要者によって本願商標がその指定商品又は指定役務に使用された場合に、将来を含め、商品の品質又は役務の質等を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解されるところ、請求人がいうところの詳細な定義等まで求められるものではないというべきであり、上記1のとおり、「ハイクラス」及び「転職」の語の意味や、人材募集、求人情報の提供等を取り扱う業界において、高い専門性や経験等を有する好待遇の人材に、「ハイクラス」の語が使用されている実情、高い専門性や経験等を有する好待遇の人材の転職について、「ハイクラス転職」の文字が使用されている事実を併せみれば、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者に、「高い専門性や経験等を有する好待遇の人材の転職のための商品、高い専門性や経験等を有する好待遇の人材の転職のための役務」であること、すなわち商品の品質、用途、役務の質及び用途を表示したものと一般に認識されるというべきである。
(2)請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標も識別力を認められるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かは、当該商標の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様や取引の実情を踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、上記1のとおり、それぞれの語の意味や、取引の実情を併せみれば、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者に、「高い専門性や経験等を有する好待遇の人材の転職のための商品、高い専門性や経験等を有する好待遇の人材の転職のための役務」であること、すなわち商品の品質、用途、役務の質及び用途を表示したものと一般に認識されるというべきであるから、請求人が挙げる登録例をもって本願商標の上記判断が左右されるものではない。
(3)請求人は、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない旨を述べるとともに、その主張が認められない場合には、指定商品及び指定役務の削除補正及び減縮補正を行う意思も有しており、どのような補正を行えば本願の拒絶理由が解消するかについて、審決前に示すよう求めたため、令和6年5月22日付けの審尋により、請求人に対し、本願商標が前記の拒絶理由に該当する指定商品及び指定役務について、別掲4に記載のとおり通知したところ、所定の期間内に何ら応答するところがないため、本件審判の審理を終結することとした。
(4)したがって、請求人による上記主張は、いずれも採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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