商標拒絶査定不服審判
2023-004253
ゼンダイガク、ゼン
- 審判番号
- 2023-004253
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-036214
- 請求日
- 2023年03月13日
- 審決日
- 2024年06月05日
- 公報発行日
- 2024年06月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社ドワンゴ
- 【請求人代理人】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 大橋 良成
- 審判官 渡邉 あおい
- 審判官 渡邉 潤
- 分類
- T18 .16 -WY (W41)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022- 36214拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「全大学」の文字を標準文字で表してなり、第41類に属する別掲1に記載のとおりの役務を指定役務として、令和4年3月30日に登録出願されたものである。
本願は、令和4年8月23日付けで拒絶理由の通知がされ、同年10月11日付けで意見書が提出されたが、同年12月1日付けで拒絶査定がされ、これに対して、同5年3月13日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、「全大学」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「全」の文字は、名詞の上について、その立場にあるものすべてという意を添える接頭語であり、組織や施設等の総称の頭に「全」の文字を付して「全ての組織、施設」等の意味合いで使用している実情が認められる。これと同様に「全大学」の文字についても、「全ての大学」を意味する語として多数使用されている実情が認められるから、本願商標は、構成全体として、「全ての大学」を認識させる。そうすると、本願商標を、その指定役務に使用しても、「全ての大学により提供される役務」「全ての大学に関する役務」ほどの意味合いを容易に認識させるにすぎず、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものといえ、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記1のとおり、「全大学」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「全」の文字は、「ある物事のすべて。みな。」等の、「大学」の文字は「(university)学術の研究および教育の最高機関。」等(いずれも「広辞苑 第七版」発行者:株式会社岩波書店)の意味を有する語であるから、本願商標は、構成全体として、「全ての大学」ほどの意味合いを認識させるものである。
しかしながら、当審において職権をもって調査したところ、本願の指定役務を取扱う業界において、例えば、「全ての大学」共通の講座の提供、「全ての大学」を対象にした模試の提供、「全ての大学」の学生を対象に設備等の貸出し等が行われていることは確認できるものの、これらの事例は少数であり、かつ、別掲2の文部科学省のホームページにあるとおり、大学教育の考え方として、それぞれの大学の自主性・自律性が尊重されていることを考慮すると、原審説示の「全ての大学により提供される役務」、「全ての大学に関する役務」というものは、上記の大学教育の考え方には馴染まず、想定しにくいものといえる。
加えて、「全大学」の文字は、同業界において、他の語や記述を伴って使用されており、これらを伴うことによって初めてその文字の意味が理解できるものといえることから、「全大学」の文字が、役務の具体的な質等を端的に表すものとして認識、理解されるとはいい難いものである。
また、上記の他に、「全大学」の文字が、本願の指定役務の宣伝広告、又は企業理念・経営方針等を表示するものとして、あるいは、顧客の吸引、販売促進等のためのキャッチフレーズ等として、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないといえるほどに、取引上一般に使用されている事実を発見することができず、さらに、本願の指定役務の取引者、需要者が当該文字を自他役務の識別標識とは認識しないというべき事情も発見できなかった。
以上のとおり、本願商標の使用例や大学教育における取引の実情等を総合考慮すれば、本願商標を、その指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、原審説示の「全ての大学により提供される役務」、「全ての大学に関する役務」ほどの意味合いを容易に認識するとはいえず、本願商標は、自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものとみるのが相当であり、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものとはいえない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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