商標拒絶査定不服審判
2023-003956
パーソナルプロファイリング、パーソナル
- 審判番号
- 2023-003956
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-040284
- 請求日
- 2023年03月08日
- 審決日
- 2024年03月22日
- 公報発行日
- 2024年06月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】今村 園子
- 【請求人代理人】弁理士法人IPRコンサルタント
- 審判長/審判官
- 審判長 山田 啓之
- 審判官 鈴木 雅也
- 審判官 杉本 克治
- 分類
- T18 .13 -Z (W41) / T18 .272-Z (W41)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項商標法3条3項商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022- 40284拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「パーソナルプロファイリング」の文字を標準文字で表してなり、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,書籍の制作,インターネットを利用して行う映像の提供,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供」を指定役務として、令和4年4月7日に登録出願されたものである。
本願は、令和4年9月21日付けで拒絶理由が通知され、同年10月24日受付の意見書が提出されたが、同年12月13日付けで拒絶査定がされ、これに対し、同5年3月8日に拒絶査定不服審判が請求されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由
原査定は、本願商標は「パーソナルプロファイリング」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「パーソナル」の文字は「一個人に関するさま。個人的。他の語の上に付いて、個人用の、小型で手軽な、などの意を表す。」という意味を、「プロファイリング」の文字は「ある人物の個人情報や過去の行動を分析し、今後の行動などを推測すること。」という意味を有する語であって、全体として「個人に関するプロファイリング」ほどの意を認識させるものであり、個人の性格を分析し、人間関係や適正などを判断・推測する、個人に関するプロファイリングが「パーソナルプロファイリング」などと称されている実情が見受けられることからすると、本願商標は、これをその指定役務に使用した場合、取引者、需要者は「個人に関するプロファイリングを内容とする役務」であることを認識するにとどまるから、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であり、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記意味合いに照応する役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審の判断
1 本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、上記第1のとおり、「パーソナルプロファイリング」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「パーソナル」の文字は、「一個人に関するさま。個人的。他の語の上に付いて、個人用の、小型で手軽な、などの意を表す。」という意味を、「プロファイリング」の文字は、「ある人物の個人情報や過去の行動を分析し、今後の行動などを推測すること。」という意味を有する外来語として我が国の一般的な辞書に掲載された語(別掲1)であり、これらの語を結合してなる本願商標は、構成全体として「個人に関するプロファイリング」といった意味合いを容易に認識、理解させるものである。
そして、原審において示した別掲2の事実のとおり、個人の性格を分析し、人間関係や適正などを判断・推測する、個人に関するプロファイリングが「パーソナルプロファイリング」などと称されている実情があることからすると、本願の指定役務中、例えば「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供」に係る業界においては、「パーソナルプロファイリング」の文字は、当該役務が「個人の性格を分析し、人間関係や適正などを判断・推測する、個人に関するプロファイリング」を内容とするものであることを簡潔に表すために、取引に際し必要適切な標章として何人も使用を欲するものであることは明らかである。
このことは、別掲3のとおり、当該プロファイリングが「パーソナルプロファイリング」などと称されている事実があることからも裏付けられるものである。
加えて、本願商標は、標準文字で表されているから、普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであることは明らかである。
以上を総合すれば、本願商標は、これをその指定役務に使用した場合、その役務の需要者、取引者に、それが「個人に関するプロファイリングを内容とする役務」であるという役務の質(内容)を表示したものとして、一般に認識させるにとどまる標章であって、自他役務の識別標識の機能を欠くものというのが相当である。
また、本願商標を、その指定役務中「個人に関するプロファイリングを内容とする役務」以外の指定役務に使用する場合は、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるとみるのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、「プロファイリング」の語は、それ自体に「個人に関する」という意味合いを内包しており、原審指摘の「個人に関するプロファイリング」の意は「プロファイリング」の語義以上の追加の情報を何ら有しておらず、「プロファイリング」の一語で言い尽くされているものであるのに対し、「パーソナルプロファイリング」の語は、全体として、「個人に関する、ある人物の個人情報や過去の行動を分析し、今後の行動などを推測すること」ほどの、明らかに冗長な意味を持つのであって、このような冗長性をあえて持たせているところに本願商標のユニークさがある旨主張する。
しかしながら、上記1のとおり、本願商標は、構成全体として「個人に関するプロファイリング」といった意味合いを容易に認識、理解させるものであって、そして、別掲2及び別掲3に示した事実のとおり、個人の性格を分析し、人間関係や適正などを判断・推測する、個人に関するプロファイリングが「パーソナルプロファイリング」などと称されている実情があることからすると、本願商標は、その指定役務に係る業界においては、当該役務の質を簡潔に表すために、取引に際し必要適切な標章として何人も使用を欲するものというべきであるから、この点についての請求人の主張は採用することができない。
(2)請求人は、インターネット検索の検索結果を引用し、請求人を中心とするグループ以外による「パーソナルプロファイリング」の僅かな使用例だけを捉えて世間一般の認識を把握することには無理があり、本願商標は、原審指摘のごとき意味合いを示唆ないし暗示するとしても、かかる意味合いが特定の具体的な役務内容を直ちに想起させるものでないから、いわゆる記述的商標に該当するものではなく、役務の質の誤認を生じるおそれは皆無である旨主張する。
しかしながら、上記1のとおり、本願商標は、これに接する本願の指定役務に係る取引者・需要者をして、構成全体より「個人に関するプロファイリング」との具体的な役務内容を想起させるものであると判断するのが相当であるから、この点についての請求人の主張は採用することができない。
(3)請求人は、「商標が、その指定商品又は指定役務に使用されたときに、取引者又は需要者が商品又は役務の特徴等を表示するものと一般に認識する」かどうかが問題にされるべきであるところ、インターネット上の「パーソナルプロファイリング」の語の使用例の多くは請求人及び同人が代表を務める協会に関連した使用であることからすれば、原審指摘の実情は、むしろ、「パーソナルプロファイリング」と請求人を中心とするグループとの密接な関連性を推認させるものである旨主張する。
しかしながら、商標法第3条第1項第3号に掲げる商標が商標登録の要件を欠くと規定されているのは、このような商標は、指定役務との関係で、その役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他役務の識別力を欠くものであることによるものと解される(最判昭和54年4月10日同53年(行ツ)第129号参照)。そうすると、出願に係る商標が、その指定役務について役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるというためには、審決の時点において、当該商標が当該役務との関係で役務の質を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、当該商標が当該役務に使用された場合に、取引者、需要者によって、将来を含め、役務の質を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される。そして、当該商標が当該役務に使用された場合に、取引者、需要者によって、役務の質を表示したものと一般に認識されるかどうかは、当該商標の構成やその指定役務に関する取引の事情を考慮して判断すべきである(令和3年(行ケ)第10113号同4年1月25日知財高裁判決)。
してみれば、インターネット上に本件審判の請求人及び同人が代表を務める協会による「パーソナルプロファイリング」の語の使用例があるとしても、本願商標が自他役務の識別標識として機能し得るか否かは、その指定役務との関係で、その役務の質(内容)その他の特性を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標がその指定役務に使用された場合に、取引者、需要者によって、将来を含め、役務の上記特性を表示したものと一般に認識されるか否かによって判断されるべきものであって、本願商標についての判断は、商標の構成やその指定役務に関する取引の事情を考慮すれば、上記1のとおりであるから、請求人が述べる事情をもって本件判断が左右されるものではない。
(4)したがって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3項及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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