商標拒絶査定不服審判
2023-003719
ハナコキューノススメ
- 審判番号
- 2023-003719
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-059872
- 請求日
- 2023年03月03日
- 審決日
- 2024年03月21日
- 公報発行日
- 2024年06月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】小林製薬株式会社
- 【請求人代理人】杉村 憲司
- 【請求人代理人】杉村 光嗣
- 【請求人代理人】藤本 一
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 田中 瑠美
- 分類
- T18 .16 -Z (W0510)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022- 59872拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年5月26日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 9月 1日付け:拒絶理由通知書
令和4年10月17日 :意見書の提出
令和4年11月30日付け:拒絶査定
令和5年 3月 3日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「鼻呼吸のススメ」の文字を標準文字で表してなり、第5類「薬剤,医療用試験紙,医療用油紙,医療用接着テープ,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,綿棒,歯科用材料,おむつ,おむつカバー,はえ取り紙,防虫紙,乳幼児用粉乳,サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品,栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。),人工受精用精液」及び第10類「医療用指サック,衛生マスク,おしゃぶり,氷まくら,三角きん,支持包帯,手術用キャットガット,吸い飲み,スポイト,乳首,氷のう,氷のうつり,哺乳用具,魔法哺乳器,避妊用具,人工鼓膜用材料,補綴充てん用材料(歯科用のものを除く。),睡眠用耳栓,防音用耳栓,業務用美容マッサージ器,医療用機械器具,家庭用電気マッサージ器,医療用手袋,しびん,病人用差込み便器,耳かき」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「鼻呼吸のススメ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「鼻呼吸」の文字は「鼻から息を吸ったり吐いたりすること。口を使わずに鼻で呼吸すること。」の意味を有し、「ススメ」の文字は「すすめること。勧奨」の意味を有する「勧め」又は「奨め」の文字を片仮名で表したものと理解されるものであるから、本願商標全体からは、「鼻呼吸(口を使わずに鼻で呼吸すること)を推奨する」の意味合いが容易に認識される。
そして、「鼻呼吸のススメ」「鼻呼吸のすすめ」の文字が、鼻呼吸を推奨する意味合いで本願指定商品を取り扱う業界を含め広く使用されているとともに、本願の指定商品を取り扱う業界において、鼻呼吸をするための治療を行う商品や鼻呼吸を促すための商品など、鼻呼吸を行うために用いられる商品が取り扱われている実情が見受けられる。
さらに、本願の指定商品を取り扱う業界において、鼻呼吸を推奨するとともに、例えば、商品の使用や治療などにより、鼻呼吸できることをうたった宣伝広告が行われ、それらの中で「鼻呼吸のススメ」「鼻呼吸のすすめ」の文字が使用されているものも見受けられる。
このような取引の実情も踏まえると、本願商標をその指定商品中、「鼻呼吸の治療を行う商品や鼻呼吸を促すための商品」、例えば、上記意味合いに照応する第5類「薬剤」「医療用接着テープ」「サプリメント」や第10類「衛生マスク」「おしゃぶり」「乳首」「哺乳用具」「魔法哺乳器」「医療用機械器具」といった商品に使用した場合には、これに接する需要者は、「鼻呼吸することを推奨し、それを行うために用いられる商品」であるといった商品の特性を表した宣伝文句の一種として理解し、認識するにとどまるものとみるのが相当であるから、本願商標は自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきである。
したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であり、商標法第3条第1項第6号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、「鼻呼吸のススメ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「鼻呼吸」の文字は「鼻から息を吸ったり吐いたりすること。口を使わずに鼻で呼吸すること。」を意味し、後半の「ススメ」の文字は、「すすめること。勧奨」の意味を表す「勧め」又は「奨め」の文字を片仮名で表記したものと理解されるものであるから(いずれも、出典は、株式会社小学館「デジタル大辞泉」)、全体として、「鼻呼吸(口を使わずに鼻で呼吸すること)を推奨する」程の意味合いを容易に認識させるものである。
そして、昨今、鼻呼吸が、感染症予防をはじめ、健康に様々な効果をもたらすとして推奨されており、原審説示のとおり、本願の指定商品を取り扱う業界においても、「鼻呼吸のススメ」又は「鼻呼吸のすすめ」の文字が、鼻呼吸を推奨する意味合いで広く使用されているとともに、鼻呼吸を促すための商品や鼻呼吸を促すための治療に用いられる商品など、鼻呼吸を推奨し促すための商品が多数取り扱われている実情が見受けられる。
また、原審で提示したインターネット情報にもあるように、本願の指定商品中、特に、医薬品や衛生用品、医療用機械器具を取り扱う分野においては、実際に、本願商標が上記の商品の説明や宣伝広告用の語として用いられていることもうかがえる。
そうすると、本願商標は、これをその指定商品中の第5類「薬剤」「医療用接着テープ」「サプリメント」や第10類「衛生マスク」「おしゃぶり」「医療用機械器具」等の商品に使用しても、これに接する需要者をして、「鼻呼吸を推奨し促すための商品」であることを容易に看取させ、一種の宣伝広告用の語として、その商品の特性を記述的に表示したものであると理解させるにすぎず、自他商品の識別標識としては認識されないものというのが相当である。
したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というべきであるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標から、「鼻で呼吸することを推奨する」等の意味合いが理解され、取引の実情としても鼻呼吸を行うために用いられる商品が存在することは否定されないとしながら、原審提示のインターネット情報には、口呼吸の弊害と鼻呼吸を行うことが推奨されることを説明しているにすぎず、具体的な商品、役務に言及するものではなく、また、本願商標又はこれと同視し得る語が使用されていないものもあり、本願商標がその指定商品の特性等を直接的、具体的に表して宣伝広告に用いられていることについて、一般的、恒常的な取引の実情があるとはいえない旨主張する。
しかしながら、上記(1)で述べたとおり、本願の指定商品中、特に、医薬品や衛生用品、医療用機械器具を取り扱う分野においては、本願商標が、「鼻呼吸を推奨し促すための商品」についての説明や宣伝広告用の語として用いられている実情が認められることよりすれば、これをその指定商品中の第5類「薬剤」「医療用接着テープ」「サプリメント」や第10類「衛生マスク」「おしゃぶり」「医療用機械器具」に使用しても、これに接する需要者において、「鼻呼吸を推奨し促すための商品」であることが容易に看取され、その商品の特性を記述的に表した一種の宣伝広告用の語であると認識されるものといわざるを得ない。
イ 請求人は、過去の登録例を挙げ、本願商標も登録されるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品・指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成態様や指定商品・役務、判断時期が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、本件判断が左右されるものではない。
ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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