商標拒絶査定不服審判
2023-003639
エイアアルプリント
- 審判番号
- 2023-003639
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-011877
- 請求日
- 2023年03月03日
- 審決日
- 2024年04月23日
- 公報発行日
- 2024年07月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】富士フイルム株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人栄光事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 山田 啓之
- 審判官 渡邉 あおい
- 審判官 藤村 浩二
- 分類
- T18 .13 -Z (W09)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-11877拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年2月3日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年7月19日付け :拒絶理由通知書
令和4年9月1日 :意見書の提出
令和4年11月28日付け:拒絶査定
令和5年3月3日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「AR Print」の欧文字を標準文字で表してなり、別掲1のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「AR Print」の文字を標準文字により表してなるところ、その構成中「AR」の文字部分は、本願商標の指定商品との関係からして、「人が知覚する環境の情報に、別の情報を付加するなどして現実認識を拡張する技術。また、その拡張された認識。」ほどの意味で知られ、使用されている「拡張現実(augmented reality)」の略語であると容易に理解させるものであり、「Print」の文字部分は、「印刷すること。印刷物。」等を表す語であるから、本願商標全体として、「拡張現実(AR)を利用した印刷・印刷物」ほどの意味合いが認識されるものある。そして、本願商標の構成中の「Print」の文字に関連する印刷業界において、拡張現実(AR)を利用した印刷・印刷物が取り扱われており、それらが「AR印刷」や「ARプリント」と称されている例も見受けられることや、そのような印刷・印刷物に付加されている様々な情報を読み取り、表示させるために、本願商標の指定商品が用いられていること等を考慮すると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者及び需要者は、該商品が、「拡張現実(AR)を利用した印刷・印刷物に関する商品」、「拡張現実(AR)を利用した印刷・印刷物に対応した商品」、「拡張現実(AR)を利用した印刷・印刷物のための商品」等であると認識するにとどまるものと認められる。そうすると、本願商標は、商品の品質及び用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「AR Print」の文字を標準文字により表してなるところ、その構成中「AR」の文字は、略語として複数の意味を表すものであるが、本願商標の指定商品との関係においては、「現実の知覚に仮想の知覚情報を付け加える技術。また、それにより知覚される仮想の世界。AR。」の意味を有する「拡張現実(augmented reality)」の略語(大辞林第四版、三省堂)として広く使用されていることが認められるものであり、そのことは別掲2に示す事例からも確認できる。また、「Print」の文字部分は「印刷すること。印刷物。」の意味を表す語(前掲書)である。
そして、原審で示した別掲3の事例のとおり、本願商標の構成中の「Print」の文字に関連する印刷業界において、拡張現実(AR)を利用した印刷や印刷物が取り扱われており、それらは「AR印刷」や「ARプリント」と称されている。このことは別掲4に示す事例からも確認できる。
加えて、原審で示した別掲3の事例のとおり、本願商標の指定商品は、拡張現実を利用した印刷に用いるための機器や印刷物に付加された拡張現実の機能を利用するための機器として用いられているものであり、「拡張現実(AR)を利用した印刷」と関連性が強いものであると認められる。
以上のことからすれば、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、当該商品が「拡張現実(AR)を利用した印刷・印刷物に関する商品」であると認識するにとどまるものと認められる。
そして、本願商標は、標準文字で表されているから、普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであることは明らかである。
そうすると、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、「AR」の文字は、「拡張現実(augmented reality)」の他にも「反射防止」を意味する英語の「Anti-Reflection」の頭文字をとって「AR」と略し、「ARフィルム」や「ARコーティング」等と称して使用されることがあることから、本願商標の「AR」の文字は一義的に「拡張現実(AR)」を認識させるものではない旨主張する。
しかしながら、本願商標が「AR」の文字と「印刷すること。印刷物。」の意味を表す「Print」の文字の組み合わせであり、原審で示した例や別掲3に示すとおり、実際に使用されている「AR印刷」や「ARプリント」の語に関しては「AR」の語が「拡張現実」の意味で用いられていること及び本願商標の指定商品との関連性を鑑みれば、本願商標の「AR」の文字は、これに接する取引者、需要者に「拡張現実(augmented reality)」の略語として認識されるとみるのが相当である。
したがって、請求人の主張は採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであり、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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