商標拒絶査定不服審判
2023-003605
ゼロセメントコンクリート
- 審判番号
- 2023-003605
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-049712
- 請求日
- 2023年03月02日
- 審決日
- 2024年09月06日
- 公報発行日
- 2024年11月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】奥村組土木興業株式会社
- 【請求人代理人】藤本 英夫
- 【請求人代理人】藤本 英二
- 【請求人代理人】西村 幸城
- 審判長/審判官
- 審判長 山田 啓之
- 審判官 杉本 克治
- 審判官 青野 紀子
- 分類
- T18 .13 -Z (W19)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-49712拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「ゼロセメント・コンクリート」の文字を標準文字で表してなり、第19類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、令和4年4月28日に登録出願されたものである。
本願は、令和4年9月15日付けで拒絶理由の通知がされ、同年10月20日に手続補正書及び意見書が提出されたが、同年11月28日付けで拒絶査定がされたものであって、これに対して、同5年3月2日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
そして、本願の指定商品については、原審における上記手続補正書にて、第19類「鉄鋼スラグと、高炉スラグ微粉末と、塩化物イオン及び硫酸イオンを含む混錬水とを混錬し製造された固化体よりなる合成建築・構築専用材料」に補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、「ゼロセメント・コンクリート」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「ゼロ」の文字は「全く無いこと。」を、「セメント」の文字は「石灰石・粘土・酸化鉄を焼成・粉砕した灰白色の粉末。コンクリートやモルタルを作る際の主原料。」を、「コンクリート」の文字は「セメント・砂・砂利・水を調合し、こねまぜて固まらせた一種の人造石。」を意味するいずれも親しまれた語であるから、本願商標は全体として「セメントが全くないコンクリート」ほどの意味合いを理解させる。そして、以前よりセメントを使用しないコンクリート製品が複数の者によって開発・製造されている実情があることを勘案すれば、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者は、当該商品が「セメントを使用しないコンクリートに関連する商品」であることを認識するにとどまるから、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、本願商標は、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審における審尋
当審において、令和6年6月6日付け審尋により、請求人に対し、別掲のとおりの証拠を示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めたが、これに対して、請求人は、何ら回答していない。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、上記1のとおり、「ゼロセメント・コンクリート」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「ゼロ」の文字(語)と「セメント」の文字(語)、中黒「・」の記号及び「コンクリート」の文字(語)とを結合させたものと容易に理解、認識されるものである。
そして、別掲1のとおり、セメントの使用量を削減して、二酸化炭素の排出量を削減するコンクリートについて、複数の事業者が当該コンクリートを「ゼロセメントコンクリート」と称している実情が認められる。
また、別掲2のとおり、「ゼロ」の文字(語)と他の文字(語)とを組み合わせた「ゼロ○○」又は「○○ゼロ」の文字(語)が、「○○がない」、「○○を使用していない」ほどの意味合いで、建築材料の分野で使用されている実情が認められる。
なお、別掲3のとおり、何らかのものがない、ゼロに近い又はゼロの状態のことを表す語として「ゼロ○○」の文字(語)が、一般に広く使用されている実情も認められる。
そして、別掲1(1)及び(4)並びに別掲4のとおり、コンクリートの製造過程においてセメントを使用しないことによって、二酸化炭素の排出量を削減できることが認められる。
このような実情からすると、建築材料の分野においては、「ゼロセメントコンクリート」、又はこれと同様の意味合いを認識させる「ゼロセメント・コンクリート」の文字(語)に接する取引者、需要者は、当該文字(語)が「セメントの使用量を削減して、二酸化炭素の排出量を削減するコンクリート」といった建築材料の品質を表したものと認識し、把握するとみるのが相当である。
そうすると、「ゼロセメント・コンクリート」の文字からなる本願商標を、その指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「セメントの使用量を削減して、二酸化炭素の排出量を削減するコンクリート」であること、すなわち、商品の品質を表したものとして理解、認識するにとどまるというべきである。
したがって、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、「コンクリート」にはセメントを用いるという意味があるところ、原審認定の「セメントが全くないコンクリート」ほどの意味合いを理解させるとした場合、コンクリートにセメントを用いるのか否か判然とせず、本願商標が商品の品質を直接的かつ具体的に表示していない旨、及び、仮に、セメントを使用しないコンクリート製品が開発、製造されている実情があるとしても、「ゼロセメント・コンクリート」の文字が使用されている例は、「(2)横浜国立大学の研究成果を紹介したPDF」とされる記事のみであるところ、これは請求人が当該大学との間で行った共同研究に関する記事であって、本願商標が、請求人の許諾の下で使用されたものであることから、本願商標がその指定商品を取り扱う業界において、取引上、一般に使用されている事実は発見することができず、本願商標について自他商品識別性が認められるべきである旨主張する。
しかしながら、上記(1)のとおり、別掲記載の実情からすると、建築材料の分野においては、「ゼロセメントコンクリート」、又はこれと同様の意味合いを認識させる「ゼロセメント・コンクリート」の文字(語)に接する取引者、需要者は、当該文字(語)が「セメントの使用量を削減して、二酸化炭素の排出量を削減するコンクリート」といった建築材料の品質を表したものと認識し、把握するとみるのが相当である。
そうすると、「ゼロセメント・コンクリート」の文字からなる本願商標を、その指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「セメントの使用量を削減して、二酸化炭素の排出量を削減するコンクリート」であること、すなわち、商品の品質を表したものとして理解、認識するにとどまるというべきである。
したがって、請求人の主張は採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3項に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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