商標拒絶査定不服審判
2023-003567
ワインバンク、ワイン
- 審判番号
- 2023-003567
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-057263
- 請求日
- 2023年03月02日
- 審決日
- 2024年04月16日
- 公報発行日
- 2024年05月31日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社WineBank
- 【請求人代理人】工藤 一郎
- 審判長/審判官
- 審判長 山田 啓之
- 審判官 杉本 克治
- 審判官 青野 紀子
- 分類
- T18 .22 -WY (W36)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項7号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第7号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-57263拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「ワインバンク」の文字を標準文字で表してなり、第36類「金融資産の運用及び管理,金融資産投資に関する情報の提供・助言及び指導」を指定役務として、令和4年5月20日に登録出願されたものである。
本願は、令和4年10月5日付けで拒絶理由の通知がされ、同年10月19日受付で意見書が提出されたが、同年12月1日付けで拒絶査定がされたものである。
これに対して、令和5年3月2日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、「ワインバンク」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「バンク」の文字が「銀行」の意味を有する英語「bank」の日本語読みとして広く知られ、また、「オンラインバンク、ネットバンク、メガバンク」等のように銀行であることを示す文字として使用されている実情があることからすると、「葡萄酒」等を意味する「ワイン」の語と「銀行」を表す「バンク」の語とを組み合わせたものというべきであり、例えばワインに係る投融資等を扱う銀行であるかのように認識されるものである。ところで、銀行法は、同法第6条第2項及び同第3項において、銀行でない者がその名称又は商号中に銀行であることを示す文字を使用することを禁じ、銀行の商号の変更に当たっては、内閣総理大臣の認可が必要である旨を規定しているが、その趣旨は、銀行業務の公共性に鑑み、銀行として実態のない者が「銀行」と紛らわしい表示を用い、これによって、一般国民に不測の損害を及ぼすことのないようにしたものであり、この趣旨は商取引の秩序、さらには公の秩序に関する事柄として十分に尊重されるべきものと解される。そして、本願に係る指定役務は、銀行業と密接な関連性がある役務であるから、本願商標をその指定役務に使用した際は、需要者は、銀行業を営む者による役務の提供であるかのように誤信するおそれがあり、このような商標を銀行ではない出願人が自己の商標として採択・使用することは、社会公共の利益に反し、商取引の秩序を乱すおそれがあり、穏当でない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記1のとおり、「ワインバンク」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「ワイン」の文字(語)は「葡萄(ぶどう)の果汁を発酵させて作った酒。」の意味を、「バンク」の文字(語)は「銀行。」の他、「特定のものや情報を集め、必要に備えて蓄えておく機関。」の意味を、それぞれ有する語(いずれも「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)であって、両語とも一般に知られているものである。
そして、一般的に、例えば、「アイバンク」、「骨髄バンク」、「腎バンク」、「データバンク」等のように、貯蔵の対象となる物を表す語と「バンク」の語とを結合した語がよく知られているものである。
そうすると、「ワインバンク」の文字からは、その指定役務との関係を考慮しても、原審説示のように「ワインに係る投融資等を扱う銀行」の意味合いを認識されるというよりは、むしろ、「ワイン又はワインに関する情報を集め、必要に備えて蓄えておく機関」ほどの意味合いを認識させるにとどまるとみるのが相当である。
したがって、本願商標は、銀行法が規定するところの、銀行でない者の名称又は商号中に銀行であることを示す文字を表したものとして取引者、需要者に理解、認識されるものであるとはいい難く、他の法律によってその使用が禁止されているものとは認められない。
以上、本願商標は、これをその指定役務に使用しても、需要者は、銀行業を営む者による役務の提供であるかのように誤信するおそれはなく、このような商標を出願人が自己の商標として採択・使用することが、社会公共の利益に反し、商取引の秩序を乱すおそれがあるとはいうことができない。
さらに、本願商標が、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標であるというべき事情は見いだせない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第7号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当ではなく、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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