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商標拒絶査定不服審判

2023-003516

ケットーコーチング

審判番号
2023-003516
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2022-030590
請求日
2023年03月01日
審決日
2024年07月10日
公報発行日
2024年09月27日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】SOMPOひまわり生命保険株式会社
  • 【請求人代理人】マークス国際弁理士法人
  • 【請求人代理人】三上 真毅
審判長/審判官
  • 審判長 山田 啓之
  • 審判官 鈴木 雅也
  • 審判官 杉本 克治
分類
T18 .13 -Z (W0935364142434445)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2022- 30590拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 本願商標及び手続の経緯 本願商標は、「血糖コーチング」の文字を標準文字で表してなり、第9類、第35類、第36類及び第41類ないし第45類に属する願書に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和4年3月16日に登録出願されたものである。 本願は、令和4年8月4日付けで拒絶理由が通知され、同年9月9日受付の意見書及び手続補正書が提出されたが、同年11月25日付けで拒絶査定がされ、これに対し、同5年3月1日に拒絶査定不服審判が請求されたものであり、指定商品及び指定役務については、原審における上記手続補正書により、第9類、第35類、第36類及び第41類ないし第45類に属する別掲1のとおりの商品及び役務に補正されたものである。 第2 原査定の拒絶の理由 原査定は、本願商標は「血糖コーチング」と横書きしてなるところ、その構成中「血糖」の文字は「血液に含まれる糖類、特にブドウ糖。」を、「コーチング」は「指導・助言すること。」をそれぞれ意味し、全体としては「血糖について指導・助言すること」程度を認識させるものであるところ、血糖について指導する機能を有するアプリケーションソフトウェア、血糖についての知識の教授や医師による血糖についての指導等、血糖について指導・助言することに係る商品・役務が一般に取引されていることからすると、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する取引者及び需要者は、血糖について指導・助言することに係る商品・役務(「血糖について指導する機能を有するダウンロード可能なコンピュータプログラム」、「血糖についての知識の教授」、「血糖についての指導を含む健康診断」等)であることを理解するにとどまるから、本願商標は、単に商品の品質、役務の質・特徴を普通に用いられる方法で表示するにすぎず、商標法第3条第1項第3号に該当する旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 第3 当審における審尋 当審において、令和6年3月5日付けの審尋により、別掲2ないし別掲4に掲げる事実を記載した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとの暫定的見解を示し、相当の期間を指定した上で、請求人に対して意見を求めた。 第4 審尋に対する請求人の回答(要旨) 請求人は、上記第3の審尋に対し、令和6年4月17日に回答書を提出し、要旨以下の1ないし3のとおりの意見を述べた。 1 コーチングの対象者や指導・助言の対象となる内容等を表す語と、「コーチング」の文字とを一連に「○○コーチング」と表したものが、「○○を対象にした(○○を内容とする)指導・助言」ほどの意味合いで使用されている事例があるとしても、「○○」に入る語が指導や助言を受ける者の意識や行動、能力等の自己改善を表示したものではなく、また、自己改善による成果を直接的に表示したものでもない場合には、文字同士の結合の特徴により、全体として、自他識別標識としての機能を十分に発揮し得ると判断されてしかるべきであって、本願商標に限り、過去の登録例と異なって取り扱うべき特段の事情は存在しない。 2 「血糖」の語が、我が国の一般消費者の日常生活の関心事であり、これらに関する商品や役務が多数取引されているにもかかわらず、審尋にて引用された情報のいずれにも「血糖コーチング」の文字が使用されていない事実は、当該文字が、「取引に際し必要適切な表示」に該当しないことの証左に他ならない。 3 原査定及び審尋は、本願商標の文字全体から生じる意味合いのみに着目して、本願商標の自他識別力を評価しようとしており、最高裁判決が示す「取引に際し必要適切な表示」、すなわち、表示(文字全体の構成)に基づいていない。観念の識別力の有無によって、商標法第3条第1項第3号の該当性が判断されるものではない。 第5 当審の判断 1 商標法第3条第1項第3号該当性について (1)商標法第3条第1項第3号の趣旨について 商標法第3条第1項第3号が、「その商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、形状(包装の形状を含む。)、生産若しくは使用の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格」又は「その役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、態様、提供の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格」を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標について商標登録を受けることができない旨規定しているのは、このような商標は、指定商品又は指定役務との関係で、「その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性」又は「その役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途その他の特性」を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品又は自他役務の識別力を欠くものであることによるものと解される。 そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、審決の時点において、本願商標が、その指定商品又は指定役務との関係で、「その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性」又は「その役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途その他の特性」を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の指定商品又は指定役務の取引者及び需要者によって本願商標がその指定商品又は指定役務に使用された場合に、将来を含め、商品又は役務の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(知財高裁平成27年(行ケ)第10107号 同年10月21日判決、知財高裁平成27年(行ケ)第10061号 同年9月16日判決等参照)。 そして、本願商標の取引者、需要者によって、本願商標が、その指定商品又は指定役務に使用された場合に商品又は役務の上記特性を表示したものと一般に認識されるかどうかは、当該商標の構成やその指定商品又は指定役務に関する取引の事情を考慮して判断すべきである(知財高裁令和3年(行ケ)第10113号 同4年1月25日判決参照)。 (2)本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について 本願商標は、上記第1のとおり、「血糖コーチング」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「血糖」は「血液に含まれる糖類、特にブドウ糖。」を、「コーチング」は「指導・助言すること。」(いずれも「広辞苑 第7版」株式会社岩波書店)の意味を、それぞれ有する語であって、これらの語を結合してなる本願商標は、その構成文字全体より「血糖について指導・助言をすること」ほどの意味を認識させるものである。 ところで、別掲2及び別掲3において示した事実によれば、本願の指定商品及び指定役務を取り扱う業界において、血糖に関することについて指導・助言を行う機能を有するアプリケーションソフトウェアが一般に使用され、また、血糖に関する知識等の教授や、医師や医療・介護・看護関係者といった血糖に関する知見を有する者による血糖についての指導等、血糖についての指導・助言が行われている事実が認められる。 また、別掲4において示した事実によれば、コーチングの対象となる内容等を表す語と、「コーチング」の文字とを一連に「○○コーチング」(○○にはコーチングの対象となる内容等を表す語が入る。)と表したものが、「○○を対象にした(○○を内容とする)指導・助言」ほどの意味合いで一般に使用されている事実が認められる。 そうすると、上記構成からなる本願商標は、その構成文字全体として「血糖について指導・助言をすること」ほどの意味合いを容易に認識させるにとどまるというべきである。 よって、本願商標は、これをその指定商品及び指定役務中、「アプリケーションソフトウェア(コンピュータプログラム)」等の第9類の商品に使用するときには、これに接する取引者、需要者をして、「血糖について指導・助言するためのアプリケーションソフトウェア(コンピュータプログラム)」であること、すなわち、商品の品質、特徴等を簡潔に表示したものと理解、認識するにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を有するものとはいえず、自他商品の識別標識としての機能を有さない文字からなる商標といわざるを得ない。 また、本願商標は、これをその指定商品及び指定役務中、「血糖について指導・助言すること」に関する役務(例えば、第41類の指定役務中「健康管理・美容・ダイエットに関する知識の教授及びこれらに関する情報の提供,栄養及び健康に関する知識の教授及びこれらに関する情報の提供,医療及び薬剤に関する知識の教授及びこれらに関する情報の提供,高齢者の日常生活及び介護施設内における健康維持・促進のための運動の指導及びこれらに関する情報の提供,その他の技芸・スポーツ又は知識の教授及びこれらに関する情報の提供,美容・健康・運動・フィットネス・スポーツ・医療・食・栄養に関するセミナー・会議・講習会・研修会・研究会・シンポジウム・イベント・講演会・演説会・討論会の企画・運営又は開催及びこれらに関する情報の提供,禁煙に関するセミナーの企画・運営又は開催及びこれらに関する情報の提供,その他のセミナーの企画・運営又は開催及びこれらに関する情報の提供,保育・育児に関する知識の教授及びこれに関する情報の提供,アロマテラピーに関する知識の教授及びこれに関する情報の提供」及び第44類の役務)に使用するときは、これに接する取引者、需要者は役務の質、特徴等を簡潔に表示したものと理解、認識するにとどまり、自他役務の識別標識としての機能を有するものとはいえず、自他役務の識別標識としての機能を有さない文字からなる商標といわざるを得ない。 したがって、本願商標は、商品の品質及び役務の質等普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といわなければならないから、商標法第3条第1項第3号に該当する。 2 請求人の主張について (1)請求人は、コーチングの対象者や指導・助言の対象となる内容等を表す語と、「コーチング」の文字とを一連に「○○コーチング」と表したものが、「○○を対象にした(○○を内容とする)指導・助言」ほどの意味合いで使用されている事例があるとしても、「○○」に入る語が指導や助言を受ける者の意識や行動、能力等の自己改善を表示したものではなく、また、自己改善による成果を直接的に表示したものでもない場合には、文字同士の結合の特徴により、全体として、自他識別標識としての機能を十分に発揮し得ると判断されてしかるべきであって、本願商標に限り、過去の登録例と異なって取り扱うべき特段の事情は存在しない旨を主張する。 しかしながら、上記1(1)のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、本願商標の指定商品又は指定役務の取引者及び需要者によって、本願商標がその指定商品又は指定役務に使用された場合に、将来を含め、商品又は役務の特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りるものであり、一般に認識されるかどうかは、当該商標の構成やその指定商品又は指定役務に関する取引の事情を考慮して判断すべきである。 そして、別掲4のとおり、対象となる内容等を表す語と、「コーチング」の文字とを一連に「○○コーチング」と表したものが一般に使用されていることからすると、当該取引の実情及び本願商標の構成を踏まえれば、上記1(2)のとおり判断するのが相当である。 請求人が主張するように、「○○」に入る語が指導や助言を受ける者の意識や行動、能力等の自己改善を表示したものや、自己改善による成果を直接的に表示したものでない場合には、自他商品又は役務の識別標識としての機能を発揮するというべき取引の実情は何ら見いだせない。 (2)請求人は、「血糖」の語が、我が国の一般消費者の日常生活の関心事であり、これらに関する商品や役務が多数取引されているにもかかわらず、審尋にて引用された情報のいずれにも「血糖コーチング」の文字が使用されていない事実は、当該文字が、「取引に際し必要適切な表示」に該当しないことの証左に他ならない旨を主張する。 しかしながら、上記1(2)のとおり、コーチングの対象となる内容等を表す語と、「コーチング」の文字とを一連に「○○コーチング」(○○にはコーチングの対象となる内容等を表す語が入る。)と表したものが、「○○を対象にした(○○を内容とする)指導・助言」ほどの意味合いで一般に使用されている事実が認められることからすれば、たとえ、現在において「血糖コーチング」の文字が使用されていないとしても、将来において、血糖についての指導・助言に関する商品又は役務を取り扱おうとする事業者にとっては、本願商標は、商品又は役務の特性を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示というべきである。 (3)請求人は、原査定及び審尋は、本願商標の文字全体から生じる意味合いのみに着目して、本願商標の自他識別力を評価しようとしており、最高裁判決が示す「取引に際し必要適切な表示」、すなわち、表示(文字全体の構成)に基づいておらず、観念の識別力の有無によって、商標法第3条第1項第3号の該当性が判断されるものではない旨主張する。 しかしながら、上記1(1)のとおり、本願商標の取引者、需要者によって、本願商標が、その指定商品又は指定役務に使用された場合に、商品又は役務の特性を表示したものと一般に認識されるかどうかは、当該商標の構成やその指定商品又は指定役務に関する取引の事情を考慮して判断すべきである。 そして、本願商標の文字全体から生じる意味合いのみではなく、別掲2ないし別掲4に基づく取引の実情をも踏まえれば、本願商標については、上記1(2)のとおり、判断するのが相当である。 (4)したがって、請求人の主張は、いずれも採用することができず、その他の請求人の主張も採用することができない。 3 まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-003516

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