商標拒絶査定不服審判
2023-003453
シンカイソルト、シンカイ
- 審判番号
- 2023-003453
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-066482
- 請求日
- 2023年03月01日
- 審決日
- 2023年08月29日
- 公報発行日
- 2023年11月24日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】有限会社新海塩産業
- 【請求人代理人】宮田 誠心
- 【請求人代理人】宮田 正道
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T18 .13 -Z (W30) / T18 .272-Z (W30)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022- 66482拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年6月10日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年10月 3日付け:拒絶理由通知書
令和4年11月17日 :意見書の提出
令和4年11月30日付け:拒絶査定
令和5年 3月 1日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第30類「食塩,食卓塩,調理用の塩水,風味付けした塩,味付け塩」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「SHINKAI SALT」の文字を横書きしてなるところ、この構成中「SHINKAI」の文字は、本願の指定商品との関係においては、「水深の深い海。」を意味する「深海」を認識、理解させ、「SALT」の文字は、「塩。」の意味を有するものであるから、本願商標よりは全体として、「深海の塩」ほどの意味合いが理解される。
また、本願の指定商品に関連する分野において、実際に深海の塩が紹介されたり、取引されたりしている事実が存在し、これらの中には、「深海ソルト」などと称しているものも見受けられる。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者は、その商品が「深海の塩」であることを認識するにすぎず、本願商標は、単に商品の品質等を普通に用いられる方法で表示するものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、別掲のとおり、「SHINKAI SALT」の文字を一般的な書体の範ちゅうで一列に横書きしてなるところ、その構成中「SALT」の文字は、「塩」(出典:「プログレッシブ英和中辞典」株式会社小学館)などを意味する平易な英語である。
そして、同構成中の「SHINKAI」の文字は、これ自体は辞書類に掲載されている語ではないところ、一般に、標章の構成文字を同一の称呼が生じる範囲内で漢字や仮名文字をローマ字表記にしたり、あるいは、その逆にしたりという文字種の変換はごく普通に行われている実情があり、本願の指定商品を取り扱う分野においてそれと異なる事情は見当たらないものであって、また、原審提示の情報にあるように、同分野においては、深海の水(海洋深層水)を原材料とした商品が広く製造、販売されており、そのような商品を「深海塩」の文字や「深海」の文字を用いて宣伝、販売等している実情があることからすると、「SHINKAI」の文字は、これに接する取引者、需要者において、「深海」の語の読みをローマ字で表記したものと容易に理解されるものというのが相当である。
そうすると、本願商標全体としては、「深海の塩」ほどの意味合いを容易に認識させるものといえ、これをその指定商品に使用した場合、それに接する取引者、需要者は、それが「深海の水(海洋深層水)を使用して製造した商品」であるという、その商品の品質を表示したものと理解、認識するというのが相当であるから、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というべきである。
また、本願商標を、その指定商品中、上記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標というべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「シンカイ」と読む語は複数存在するのであって、「SHINKAI」の欧文字から直ちに「深海」の語が理解、認識されるものではない旨主張する。
しかしながら、「シンカイ」と読む語が複数存在するとしても、上記(1)のとおり、本願の指定商品を取り扱う分野において、深海の水(海洋深層水)を原材料とした商品が広く製造、販売されており、そのような商品を「深海塩」の文字や「深海の塩」の文字を用いて宣伝、販売等している実情があることを踏まえて考えれば、本願商標をその指定商品に使用する場合、これに接する取引者、需要者において、その構成中の「SHINKAI」の文字は、「深海」の語をローマ字で表したものと容易に理解されるというのが相当である。
イ 請求人は、本願商標は、まとまりよく一体的なものであって、また、日本語のローマ字表記と英語とを結合した欧文字つづりの表記を途中で分けて、それぞれを同一音の漢字や片仮名等の日本語の文字種で表記したり、あるいはその逆の表記としたりとする変換が普通に行われている実情は認められないことからすると、特定の語義を有しない造語として認識されるというべきである旨主張する。
しかしながら、本願商標は、その構成中「SHINKAI」の文字と「SALT」の文字との間に明らかに空白(スペース)があり、また、上記(1)のとおり、同「SHINKAI」の文字が、その指定商品との関係において、「深海」の語をローマ字で表したものと容易に理解し得ること、及び、「SALT」の文字が平易な英語であることからすると、本願商標は、これに接する取引者、需要者において、「SHINKAI(深海)」の語と「SALT」の語とを組み合わせてなるものと、容易に理解、認識されるといえるものであって、それより「深海の塩」ほどの意味合いが容易に看取され、その商品が「深海の水(海洋深層水)を使用して製造した商品」であるという、商品の品質を表示したものと理解、認識されるというのが相当である。
ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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