商標拒絶査定不服審判
2023-003295
ウルオイハダケア
- 審判番号
- 2023-003295
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-075097
- 請求日
- 2023年02月27日
- 審決日
- 2024年06月11日
- 公報発行日
- 2024年08月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】小林製薬株式会社
- 【請求人代理人】高梨 範夫
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 飯田 亜紀
- 分類
- T18 .13 -Z (W05) / T18 .272-Z (W05)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-75097拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年6月29日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 9月26日付け:拒絶理由通知書
令和4年11月 7日 :意見書の提出
令和4年11月16日付け:拒絶査定
令和5年 2月27日 :審判請求書の提出
令和6年 2月13日付け:審尋
令和6年 3月27日 :回答書の提出
2 本願商標
本願商標は、「潤い肌ケア」の文字を標準文字で表してなり、第5類「薬剤,医療用試験紙,医療用油紙,医療用接着テープ,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,綿棒,歯科用材料,おむつ,おむつカバー,はえ取り紙,防虫紙,乳幼児用粉乳,サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品,栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。),人工受精用精液」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原審において、「本願商標は、「潤い肌ケア」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「潤い」の文字は「水気を帯びること」を、「肌」の文字は「皮膚」を、「ケア」の文字は「手入れ」の意味をそれぞれ有する語である。そして、サプリメントを取り扱う業界においては、肌を潤わせることに資する商品について、「潤い肌」との語を用いて、取引が行われている実情が認められる。そうすると、本願商標を、その指定商品中「薬剤」及び「サプリメント」に使用した場合、これに接する需要者は、「肌を潤わせることに資する商品」であること、すなわち、単に商品の品質(効能等)を普通に用いられる方法で表示したものとして認識するというべきであり、また、本願商標を上記効能を備えない「薬剤」及び「サプリメント」に使用するときは、商品の品質(効能等)の誤認を生じさせるおそれがあるというべきである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記効能を備えない「薬剤」及び「サプリメント」に使用するときは、商品の品質(効能等)の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。
4 当審における審尋
当審において、前記1の審尋により、別掲1及び別掲2に掲げる事実を記載した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとの暫定的見解を示し、期間を指定した上で請求人に対し意見を求めた。
5 審尋に対する請求人の回答(要旨)
(1)本願商標を構成する「潤い」、「肌」及び「ケア」の各文字は、様々な意味合いを有しているから、本願商標は、特定の一つの意味合いのみを想起することのない一種の造語である。
(2)実際の商品取引の場においては、「潤い肌ケア」の文字が「肌の乾燥を防ぎ保湿する効果を謳った商品」の品質を直接的に表示する用語として広範かつ普遍的に使用されているといった事実はなく、審尋における使用例は、「潤い肌」や「肌ケア」の文字が、それ単独で商品の品質を表示する項目欄に表示されてはいない。商品を紹介し説明するための他の文字と相俟って「潤い肌」や「肌ケア」の文字が使用されているにすぎず、かつ、これらの文字は同一のウェブサイト記事の中に一緒に使用されているものでもないから、「潤い肌」の文字と「肌ケア」の文字が関連して密接不可分な関係において使用されるものであるといった認識を直ちに抱くことができない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、前記2のとおり、「潤い肌ケア」の文字を標準文字により表してなるところ、その構成中、「潤い」の文字は「水気を帯びること」等の意味を、「肌」の文字は「皮膚」等の意味を、「ケア」の文字は「手入れ」等の意味(いずれも「広辞苑第7版」株式会社岩波書店)を有する、いずれも一般に使用され親しまれている語である。
そして、本願の指定商品中「薬剤,サプリメント」を取り扱う業界では、「潤い」の文字は「肌の状態」を表す語として一般に使用されているところ、「潤い(うるおい)のある肌(の状態)にするための商品」が製造、販売されている事実が見受けられ、これらは「潤い肌」若しくは「うるおい肌」のように指称されている(別掲1)。また、当該業界では、「肌ケア」の文字が「肌の手入れ」ほどの意味合いで使用されている事実も見受けられる(別掲2)。
以上の事実に照らせば、「潤い肌ケア」の文字からなる本願商標は、その指定商品中「薬剤,サプリメント」に使用された場合、「潤い(うるおい)のある肌(の状態)にするための手入れ用の商品」を表示するものとして、取引者、需要者に認識、理解されるといえるものであるから、本願商標は商品の品質を表示するものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記内容に照応する商品以外の「薬剤,サプリメント」に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標を構成する「潤い」、「肌」及び「ケア」の各文字は、様々な意味合いを有しているから、本願商標は、特定の一つの意味合いのみを想起することのない一種の造語であり、実際の商品取引の場においては、「潤い肌ケア」の文字が「肌の乾燥を防ぎ保湿する効果を謳った商品」の品質を直接的に表示する用語として広範かつ普遍的に使用されているといった事実はなく、審尋における使用例は、「潤い肌」や「肌ケア」の文字が、それ単独で商品の品質を表示する項目欄に表示されてはいない。また、商品を紹介し説明するための他の文字と相俟って「潤い肌」や「肌ケア」の文字が使用されているにすぎず、かつ、これらの文字は同一のウェブサイト記事の中に一緒に使用されているものでもないから、「潤い肌」の文字と「肌ケア」の文字が関連して密接不可分な関係において使用されるものであるといった認識を直ちに抱くことができない旨主張する。
しかしながら、本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性を判断するに当たり、現実の使用の事実が、同号の適用の要件となるものではないところ、本願の指定商品中「薬剤,サプリメント」を取り扱う業界において、「潤い」の文字は「肌の状態」を表す語として一般に使用されていることは請求人も否定しておらず、当該業界では、「潤い(うるおい)のある肌(の状態)にするための商品」が製造、販売されており、これらは「潤い肌」若しくは「うるおい肌」のように指称されていること、また、「肌ケア」の文字が「肌の手入れ」ほどの意味合いで使用されていることは上記(1)のとおりであるから、上記商品との関係において「潤い」、「肌」及び「ケア」の各文字からは、「水気を帯びること」、「皮膚」及び「手入れ」の意味合いを容易に認識し得るものであるし、取引の実情を考慮したその構成文字全体からは、「潤い(うるおい)のある肌(の状態)にするための手入れ用の商品」であることが理解されるものといえる。
イ 請求人は、「潤い」若しくは「ケア」の文字と、指定商品との関係において自他商品識別力を欠く若しくは極めて弱い文字とを結合した商標の登録例を挙げ、本願も同様に判断されるべきである旨主張する。
しかしながら、拒絶査定不服の審判において、登録出願にかかる商標が、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、審決時を基準として判断されるべきものであり、現在(審決時)において、本願商標を構成する「潤い肌」及び「肌ケア」の文字の使用事実については別掲1及び別掲2のとおりであるから、構成される具体的な商標や商品を異にする請求人の挙げた登録例があることが、本願の判断を左右するものではない。
ウ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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