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商標拒絶査定不服審判

2023-003293

タベラレルハガタメ

審判番号
2023-003293
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2022-032674
請求日
2023年02月27日
審決日
2023年11月30日
公報発行日
2024年02月22日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社ケイジェイシー
  • 【請求人代理人】弁理士法人プロテクトスタンス
審判長/審判官
  • 審判長 冨澤 武志
  • 審判官 小田 昌子
  • 審判官 阿曾 裕樹
分類
T18 .13 -Z (W30) / T18 .17 -Z (W30)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号商標法3条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第2項、商標法第4条第1項第16号、特許法第150条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2022-32674拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 本願商標及び手続の経緯 本願商標は、別掲1のとおり、「食べられる歯がため」の文字を横書きしてなるところ、第30類「菓子」を指定商品として、令和4年3月22日に登録出願されたものである。 原審では、令和4年4月7日受付で上申書の提出、同年8月15日付けで拒絶理由の通知、同年10月26日に意見書の提出、同年11月25日付けで拒絶査定されたもので、これに対して同5年2月27日に本件拒絶査定不服審判が請求されている。 2 原査定の拒絶の理由 本願商標は、「食べられる歯がため」の文字を横書きしてなる。 そして、本願商標の構成中「歯がため」の文字は、「乳児の玩具。まだ歯の生えない乳児が噛んだりしゃぶったりして歯茎をかためるもの。」等の意味を有する「歯固め」を認識させるから、本願商標は全体として、「食べることのできる歯固め」ほどの意味合いが容易に理解される。 また、本願商標の指定商品である菓子の分野において、乳幼児の歯固めに適した商品が取引されている実情が見受けられる。 そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者は、その商品が「食べることのできる歯固め、歯固めに適した商品」であることを認識するにすぎず、本願商標は、単に商品の品質等を普通に用いられる方法で表示するものである。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記文字に相応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。 3 当審による証拠調べ通知 当審において、本願商標が、その指定商品との関係において、商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲2のとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条の規定に基づき通知し、請求人の意見を求めた。 4 上記通知に対する請求人の意見 (1)別掲2の事例は、歯がためにも適用できる食品等を「食べられる歯がため」とは表現しておらず、商品又はレシピの説明中でも「食べられる歯がため」を使用していないから、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表現したものではない。 (2)請求人は、SNSにおいて商品を紹介しており、そのユーザーによる投稿や反応によれば、多くの消費者が「食べられる歯がため」に注目していたことが分かるから、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備している。 5 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号について ア 本願商標は、別掲1のとおり、「食べられる歯がため」の文字を横書きしてなるところ、その構成中「食べられる」の文字は「飲食物を口から体内に入れる」を意味する「食べる」の語を可能を表す表現にしたものであり、「歯がため」の文字は「乳児の玩具」「まだ歯の生えない乳児が噛んだりしゃぶったりして歯茎をかためるもの」の意味を有する語(参照:「広辞苑 第7版」岩波書店)である。 イ そして、食品と関連する取引業界においては、別掲2(1)のとおり、赤ちゃんの歯固めに使える食材や食品が多数存在しており、現に、別掲2(2)から(8)のとおり、食べることができる素材からなる歯固め(干し芋、クッキーなど)が製造、販売又は紹介されている実情がある。 ウ そうすると、本願商標は、その指定商品「菓子」に使用するときは、需要者をして、「食べることができる歯固め(菓子)」程度の意味合いを認識、理解させるもので、単に商品の品質又は用途を普通に用いられる方法で表示するにすぎない。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。 エ 請求人は、本願商標が「食べることのできる歯固め」の意味合いが生じるとしても、インターネットの検索結果には、請求人の商品以外の商品が1件もないから、本願商標は、商品の品質等を普通に用いられる方法で表現したものではなく、識別力ある標章であることを示している旨を主張する。 しかしながら、本願商標は、上記ウのとおり、その指定商品に使用するときは、需要者をして、「食べることができる歯固め(菓子)」程度の意味合い、すなわち、単に商品の品質又は用途を表示するものと認識されるのであれば、それと同一の表示が現実に他者により使用されている事実の有無にかかわらず、商標法第3条第1項第3号に該当するといえる。 (2)商標法第3条第2項について ア 請求人の提出証拠及び主張によれば、以下の事実が認められる。 (ア)請求人は、育児・ベビー・キッズ・マタニティー・玩具の企画・開発・製造・販売及び輸出入などの「ベビー&キッズ事業」を事業内容とする会社であり、同事業を「EDISONmama」(エジソンママ)のブランドの下で行っている(甲7の1)。 請求人は、2016年に「食べられる歯がため」と称する「焼き菓子」(以下「請求人商品」という。)を発売しているところ、当該商品は、月齢9ヶ月以上の幼児を対象とした堅い焼き菓子で、あごを使ったかむ練習やかむ力を育てる商品である(甲3)。 (イ)請求人商品の包装には、「EDISOn/ma/ma」、「ながーくかじかじ」及び「食べられる歯がため」の文字が、上下に近接して表示されている(甲5の2)。 (ウ)請求人商品のシリーズ商品の販売実績は、2016年から2022年末までで、約156万個である(甲4)。 (エ)請求人商品は、日本各地に店舗を有する「アカチャンホンポ」、「トイザらス」、「ツルハドラッグ」、「西松屋」などの店舗を通じて販売されている(甲6、甲7の2)。 (オ)請求人は、請求人商品の新ラインナップを、2020年3月27日付けでプレスリリースをしたところ、インターネット上の種々の媒体で商品紹介された(甲5)。 イ 判断 (ア)以上を踏まえると、請求人商品は、2016年以降、約7年程度の販売期間があり、年平均で約22万個という一定数量の継続した数量があるとしても、本願の指定商品の需要者一般に向けた広告宣伝実績は、新商品発売の紹介などに伴う散発的な広報活動が確認できる程度のもので、継続した大規模な広告宣伝実績は確認できないから、本願の指定商品の需要者の間における請求人商品の知名度の程度を客観的に評価、把握することができない。 (イ)加えて、請求人商品の包装に表示された「食べられる歯がため」の文字は、それより認識できる意味合い「食べることができる歯固め(菓子)」が、請求人商品の特徴(かむ練習やかむ力を育てる菓子)と合致することに加えて、当該特徴を更に強調するような「ながーくかじかじ」の文字とも並べて配置されているから、出所識別標識たる商品名というよりは、商品の品質又は用途の表示と看取されるような態様で表示されている。さらに、それらの文字に近接して、請求人のブランド名に相当する「EDISOn/ma/ma」の文字が配置され、当該文字部分が自他商品の出所識別標識として目を引くものである。そうすると、請求人商品を購入する需要者をして、その包装に表示された「食べられる歯がため」の文字部分が、その商品名(ブランド名)と理解されるのか、それとも品質表示や用途表示と理解されるのかは、必ずしも明らかではない。 (ウ)請求人は、約1年2ヶ月(令和4年6月9日~同5年8月15日)の間で、SNS(Instagram、X)において請求人商品を紹介(それぞれ16件、28件)しており、そのユーザーによる投稿や反応(それぞれ“いいね”のクリックが5,717件、469件)によれば(甲10)、多くの消費者が「食べられる歯がため」に注目していたことが分かる旨を主張する。 しかしながら、請求人主張のSNSを通じた広告宣伝活動は、必ずしも大規模なものとはいえないばかりか、SNS等を利用していない需要者層に有効な広告宣伝活動でもないから、本願の指定商品の需要者の間における請求人商品の知名度を高める効果は限定的であると考えられる。 さらに、上記(イ)のとおり、請求人商品に接する需要者が、その包装や商品紹介記事に表示された「食べられる歯がため」の文字を、その商品名(ブランド名)と理解するのか、品質表示や用途表示と理解するのかは、必ずしも明らかではない。 その他、請求人は、需要者の間における、本願商標や請求人商品に係る出所識別標識としての認知度や知名度を直接かつ客観的に示すような具体的な証拠を提出していない。 (エ)そうすると、本願商標に相当する請求人商品の商品名「食べられる歯がため」は、請求人提出の証拠によっては、請求人に係るブランド名としての知名度や認知度の程度を客観的に把握、評価できず、その指定商品に係る需要者の間において、広く知られるに至っていると認めることはできない。 したがって、本願商標は、請求人により使用された結果、何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものになったとはいえず、商標法第3条第2項の要件を具備しない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、同条第2項の要件を具備しないから、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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