商標拒絶査定不服審判
2023-002908
- 審判番号
- 2023-002908
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-043692
- 請求日
- 2023年02月20日
- 審決日
- 2024年02月29日
- 公報発行日
- 2024年03月29日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】日清食品ホールディングス株式会社
- 【請求人代理人】香原 修也
- 【請求人代理人】古井 かや子
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 阿曾 裕樹
- 審判官 小林 裕子
- 分類
- T18 .8 -WY (W0914161821242528293032354143)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法64条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第64条、商標法第68条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-43692拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の標章は、登録第6034112号の防護標章として登録をすべきものとする。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、登録6034112号商標(以下「原登録商標」という。)の防護標章登録出願として平成30年7月20日に登録出願された商願2018-93375に係る、商標法第68条第1項において準用する同法第10条第1項の規定による商標登録出願(分割出願)として、令和2年4月20日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和2年 8月25日付け:拒絶理由通知書
令和3年 1月 7日受付:意見書
令和3年 2月16日受付:手続補正書
令和4年11月11日付け:拒絶査定
令和5年 2月20日受付:審判請求書
令和5年10月23日付け:審尋
令和5年12月 6日受付:回答書
2 本願標章
本願標章は、別掲1のとおりの構成よりなり、「標章の詳細な説明」について別掲2のとおりに記載し、第9類、第14類、第16類、第18類、第21類、第24類、第25類、第28類ないし第30類、第32類、第35類、第41類及び第43類に属する願書に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務とし、位置標章として登録出願されたものであり、その後、指定商品及び指定役務については、原審における前記1の手続補正書により、第9類、第14類、第16類、第18類、第21類、第24類、第25類、第28類ないし第30類、第32類、第35類、第41類及び第43類に属する別掲3のとおりの商品及び役務に補正されたものである。
3 原登録商標
登録第6034112号商標は、本願標章と同一の構成からなり、平成27年8月4日に位置商標として登録出願、第30類「カップ入りの具およびスープ付きの即席麺,カップ入りの具およびスープ付きの即席そばの麺,カップ入りの具およびスープ付きの即席中華そばの麺」を指定商品として、同30年4月6日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
4 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願標章は、他人がこれを本願に係る指定商品・指定役務に使用しても、商品・役務の出所について、混同を生じさせる程に需要者間に広く認識されているものとは認められない。したがって、本願標章は、商標法第64条に規定する要件を具備しない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
5 当審における審尋
当審において、令和5年10月23日付けで、請求人に対し、「原登録商標の審査過程において、当該商標が需要者の間に広く認識されていることを立証した資料を当審においても援用するのであれば、その旨を述べられたい。また、原登録商標の登録後、現時点においても、当該商標が継続して請求人の業務に係る指定商品を表示するものとして、需要者の間に全国的に認識されていることを立証されたい。」旨を審尋し、期間を指定して、これに対する回答を求めた。
6 審尋に対する請求人の回答の要点
請求人は、前記5の審尋に対し、回答書を提出し、要旨、以下のとおりの意見を述べた。
原登録商標の審査過程において提出した証拠方法の全てを、本願の審理にも援用する。また、原登録商標が現在も需要者の間で全国的に認識されていることを立証する。
7 当審の判断
(1)原登録商標は、前記3のとおり、本願標章と同一の構成からなり、平成30年4月6日に設定登録され、当該商標権が現在も有効に存続するものであること及び当該商標権が請求人の所有に係るものであることは、商標登録原簿の記載から明らかである。また、前記3及び別掲3のとおり、本願標章の指定商品及び指定役務は、原登録商標に係る指定商品及びこれに類似する商品及び役務以外のものである。
(2)原登録商標の周知・著名性について
請求人の主張及び同人が原審及び当審において提出した甲第1号証ないし甲第25号証、原登録商標の審査過程において提出した第1号証ないし第16号証(枝番号を含む。以下、第1号証ないし第16号証を、甲第26号証ないし甲第41号証と読み替える。)によれば、以下の事実が認められる。
ア 使用商品
原登録商標は、請求人が、「カップヌードル(CUP NOODLE)」と称する「カップ入りの具およびスープ付きの即席麺」(以下、「使用商品」という。)の包装容器に使用するものである(甲27)。
イ 使用期間及び使用地域
原登録商標は、商標権者である請求人により、その使用商品について、1971年に使用が開始され、その後、現在に至るまで50年以上にわたり、全国的に使用されている(甲27)。
ウ 使用数量等
「カップヌードル」ブランドの商品は、国内累計で1995年に100億食、2011年に200億食の販売数を達成し、2016年には世界累計で400億食の販売数を達成している(甲28)。また、我が国のカップインスタント麺の分野における当該商品の市場シェアは、1996年ないし2016年及び2018年ないし2023年の全ての時期において20%前後を占め、常に首位に位置している(甲23、甲29)。
エ 広告宣伝等又は普及度
原登録商標を使用した使用商品について、全国紙やテレビCMのほか、各種キャンペーンやスポーツ大会等のイベントにおいても広告宣伝が行われた(甲27、甲28、甲30、甲32、甲33)。
また、原登録商標を使用した使用商品は、2009年にグッドデザイン・ロングライフデザイン賞を受賞している(甲34)。
オ アンケート調査
「NERAエコノミックコンサルティング」が平成29年(2017年)11月に実施した「日清食品カップヌードル商標の認識度調査」において、20代ないし60代の1880名が回答したところ、原登録商標から正確にメーカー名(請求人)又は商品名を認識して回答した者の割合は、少なくとも83.3%にのぼった(甲38)。
カ 小括
以上によれば、請求人は、1971年から現在に至るまで、原登録商標を使用商品の包装容器に使用し、継続的に使用しているものと認められる。
そして、原登録商標を使用した使用商品が継続して広告宣伝されていること、使用商品が、1996年から現在まで、我が国のカップインスタント麺の分野においてトップレベルのシェアを維持していることに加え、需要者へのアンケート調査の結果、少なくとも80%以上の者が、原登録商標が請求人の取扱いに係るものと認識していることがうかがえる。
これらを総合すれば、原登録商標は、請求人の業務に係る使用商品を表示するものとして、原登録商標の登録査定時はもとより、現在においてもなお、使用商品の分野の需要者間に広く認識されているものと判断するのが相当である。
(3)混同を生ずるおそれについて
原登録商標の使用商品と、本願標章の指定商品及び指定役務中の第29類、第30類、第32類、第35類及び第43類に属する商品及び役務は、いずれも飲食料品に関する分野の商品及び役務であって、その生産者、販売者、提供者、用途、需要者の範囲等を共通にする場合があるものといえる。
また、原登録商標の使用商品は、一般的な消費者を主な需要者とするものであり、他方、本願標章の上記以外の指定商品及び指定役務の需要者も、おおむね一般的な消費者といえることから、両者はその需要者を共通にする場合が少なくないとみるのが相当である。
さらに、請求人又はその許諾を受けた者が、原登録商標を用いて、本願標章の指定商品及び指定役務の範ちゅうに属するパーティー用クラッカー、キャンドル、消しゴム、コッフェル、プラモデル等の商品の販売等を行っていること(甲1~甲6)も踏まえれば、原登録商標と同一の構成からなる本願標章が他人によって本願標章の指定商品及び指定役務に使用された場合、これに接する取引者、需要者は、その商品及び役務が請求人又は請求人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品及び役務であるかのごとく、その出所について混同を生ずるおそれがあるものと判断するのが相当である。
(4)まとめ
以上によれば、原登録商標は、請求人の業務に係る指定商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されており、原登録商標に係る指定商品及びこれに類似する商品及び役務以外の商品及び役務である本願標章の指定商品及び指定役務について、他人が登録商標の使用をすることにより、その商品及び役務と自己の業務に係る商品とが混同を生ずるおそれがあるものである。
したがって、本願標章は、商標法第64条の規定する要件を具備するから、同条の要件を具備しないものとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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