商標拒絶査定不服審判
2023-002852
モコモコアツデ
- 審判番号
- 2023-002852
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-159441
- 請求日
- 2023年02月20日
- 審決日
- 2024年03月14日
- 公報発行日
- 2024年05月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】小林製薬株式会社
- 【請求人代理人】高梨 範夫
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T18 .13 -Z (W1125)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-159441拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年12月22日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 6月 8日付け:拒絶理由通知書
令和4年 8月22日 :意見書の提出
令和4年11月16日付け:拒絶査定
令和5年 2月20日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「もこもこ厚手」の文字を標準文字で表してなり、第11類「家庭用電熱用品類,ガス湯沸かし器,家庭用加熱器(電気式のものを除く。),家庭用調理台,家庭用流し台,家庭用浄水器(電気式のものを除く。),使い捨てカイロ,あんか,懐炉,懐炉灰,湯たんぽ,家庭用汚水浄化槽,家庭用し尿処理槽,ストーブ類(電気式のものを除く。)」及び第25類「タイツ,インナーソックス,靴下,被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊靴,運動用特殊衣服,スリッパ,足部保温用マフ(電熱式のものを除く。)」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「もこもこ厚手」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「もこもこ」の文字は「柔らかな弾力があってふくらんでいるさま。」などを表す語であり、「厚手」の文字は「紙・織物・陶器などの、地の厚いこと。」を表す語であるから、本願商標全体として、「もこもこで厚手のもの(柔らかな弾力があってふくらんでいて、地が厚いもの)」ほどの意味合いが認識されるものである。
そして、本願の指定商品を取り扱う業界において、ふんわりした厚手の商品について、「もこもこ」、「厚手」等と表示して、多数取引が行われている実情が認められる。
そうすれば、本願商標を、その指定商品中、第25類の商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者に、「もこもこで厚手の商品」であることを認識させるにとどまるものといえることから、本願商標は、その第25類の指定商品との関係においては、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記意味合いに照応する商品以外の第25類の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「もこもこ厚手」の文字を標準文字で表してなるところ、これは「柔らかな弾力があってふくらんでいるさま。」などを意味する「もこもこ」の語と、「紙・織物・陶器などの、地の厚いこと。」を意味する「厚手」の語(出典:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)とを結合してなるものと、容易に看取し得るものであり、商標全体より「柔らかな弾力があってふくらんでおり、地が厚いこと」ほどの意味合いを容易に理解、認識させるものである。
そして、原審提示の情報や、別掲の情報にあるように、本願の指定商品中、被服などを取り扱う分野においては、「柔らかな弾力があってふくらんでいて、地が厚い」商品又はそのような素材を使用した商品が広く一般的に製造、販売等されており、また、その商品名の一部に「もこもこ厚手」の文字が使用されたり、商品説明において「もこもこした厚手の」や「もこもこで厚手の」といった表現が使用されるなど、「もこもこ」の語と「厚手」の語が関連する表現が一般的に用いられている実情が認められる。
そうすると、本願商標を、その指定商品中、第25類の商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、その商品が「柔らかな弾力があってふくらんでおり、地が厚い商品」であること、すなわち、商品の品質を表示したものと理解するにとどまるものというのが相当であるから、本願商標は、その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「もこもこ」の文字は多義的な語であるから、本願商標を構成する「もこもこ厚手」の文字は、様々な意味合いを想起させるものであり、商品の明確かつ具体的な品質を直観させることのない一種の造語であるというべきであって、また、実際の商品取引の場においても、「もこもこ厚手」の文字が商品の品質を表す表示として普遍的かつ広範に使用されているといった事実はない旨主張する。
しかしながら、本願商標それ自体が広く一般的に使用されているものではないとしても、上記(1)のとおり、被服などを取り扱う分野において、「柔らかな弾力があってふくらんでいて、地が厚い」商品又はそのような素材を使用した商品が広く一般的に製造、販売等されており、その商品に関して「もこもこ」の語と「厚手」の語が関連する表現が一般的に用いられている実情が認められることを踏まえれば、本願商標を、その指定商品中、第25類の商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、その商品が「柔らかな弾力があってふくらんでおり、地が厚い商品」であることを表示記述したものと理解するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識し得ないものというのが相当である。
イ 請求人は、構成中に「もこもこ」の文字を有する商標に係る登録例を挙げ、本願商標もそれらと同様に登録を認められるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品・指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成態様が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。
ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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