意匠拒絶査定不服審判
2023-002572
電気刺激装置
- 審判番号
- 2023-002572
- 法域
- 意匠
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 意願2021-021877
- 登録番号
- 1756751
- 請求日
- 2023年02月15日
- 審決日
- 2023年09月12日
- 公報発行日
- 2023年11月24日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】オージー技研株式会社
- 審判長/審判官
- 審判長 小林 裕和
- 審判官 内藤 弘樹
- 審判官 尾曲 幸輔
- 分類
- D18 .113-WY (J7-5)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 意匠法第3条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
意願2021- 21877「電気刺激装置」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由
理 由
第1 主な手続の経緯
本願は、令和3年(2021年)10月8日の意匠登録出願であって、その後の主な手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年(2022年) 5月19日付け 拒絶理由通知書
同年 8月 2日 意見書提出
同年 11月18日付け 拒絶査定
令和5年(2023年) 2月15日 審判請求書提出
第2 本願の意匠
本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は、意匠に係る物品を「電気刺激装置」とし、その形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形状等」という。)を、願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである。(別紙第1参照)
第3 原査定の拒絶の理由及び引用の意匠
原査定の拒絶の理由は、本願意匠は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された意匠又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の意匠(以下「引用意匠」という。)に類似するものであるから、意匠法3条1項3号に掲げる意匠(先行の公知意匠に類似するため、意匠登録を受けることのできない意匠)に該当する、というものである。
引用意匠(別紙第2参照)
特許庁発行の意匠公報記載
意匠登録第1595114号
意匠に係る物品「通電治療器」の意匠
第4 当審の判断
1 本願意匠と引用意匠の対比
(1)意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は、「電気刺激装置」であるのに対し、引用意匠は、「通電治療器」であって、表記は異なるが、いずれも身体に電極を装着して電気刺激を与えることで鎮痛や筋委縮の改善を図るための機器であるから、本願意匠及び引用意匠(以下「両意匠」という。)の意匠に係る物品は、一致する。
(2)両意匠の形状等
両意匠の形状等については、主として、以下のとおりの共通点及び相違点がある。
ア 共通点
(ア)基本的構成態様
両意匠は、正背に扁平な縦長の筐体で、背面の縁を緩やかな弧状に面取りし、正面の中央上方寄りに略縦長長方形の表示部を形成し、中央下方寄りに略円形の操作部を配置し、当該操作部の左右斜め上方に小さめの円形ボタンを設けている点において、共通する。
イ 相違点
(ア)筐体の外形状
a 正面において、本願意匠は、外形状を、略縦長角丸長方形で上辺の両角より下辺の両角の方が緩やかな弧状に形成したものとし、表面を、凹凸のない鉛直面としているのに対し、引用意匠は、外形状を、略変形縦長長円形で下端のR(丸み)は上端のRより緩やかで、左右の辺をやや下窄まりの傾斜状に形成したものとし、表面全体が僅かに膨出したものである点、
b 背面において、本願意匠は、上端近傍から真ん中やや下方寄りまで表面を背面視略角丸長方形状に薄く切り欠いているのに対し、引用意匠は、切欠きはない点、
(イ)表示部及び操作部
a 表示部について、本願意匠は、縦横の長さの比率を約1.6:1とする略縦長角丸長方形で、縦の長さは筐体全体の約6割であるのに対し、引用意匠は、約1.3:1とする略長方形で、縦の長さは筐体全体の約4割である点、
b 操作部について、本願意匠は、外側に回転ダイヤルを配置し、内側に略円盤状のボタンを設けた二重円状としたものであって、回転ダイヤルは、外縁に向かって傾斜面状に形成している。また、直径は筐体の縦の長さの約2割である。これに対し、引用意匠は、回転ダイヤルのない略円盤状の操作ボタンであって、表面が僅かに膨出し、その周縁に沿って円環状の発光部を形成している。また、直径は筐体の縦の長さの約2.5割である点、において、相違する。
2 類否判断
以上の共通点及び相違点が両意匠の類否判断に与える影響の評価に基づき、総合的に観察して、両意匠の類否を意匠全体として検討し、判断する。
(1)意匠に係る物品
両意匠の意匠に係る物品は、同一である。
(2)両意匠の形状等の共通点及び相違点の評価
ア 共通点の評価
この種物品の物品分野において、背面の縁を緩やかな弧状に面取りした正背に扁平な縦長の筐体の正面の中央上方寄りに略矩形状の表示部を形成し、中央下方寄りに略円形の操作部を配置し、操作部の左右斜め上方に小さめの円形ボタンを設けたものは、両意匠以外にもごく普通に見受けられるから、需要者が特に注目するものとはいえず、両意匠の類否判断に与える影響は小さい。
イ 相違点の評価
相違点(ア)について、外形状を、正面視略縦長長方形を基調とする本願意匠と略縦長長円形を基調とする引用意匠とは、一見して異なる視覚的印象となって、需要者に異なる美感を起こさせるものであるから、相違点(ア)が、両意匠の類否判断に与える影響は大きい。
相違点(イ)について、表示部及び操作部は、機器の操作に直接関わる部位であるから、最も需要者の関心が高いものであるところ、本願意匠の表示部は、引用意匠の表示部に比べて大きく目立つものである一方、操作部は、引用意匠の方が本願意匠より大きく目立っており、また、外側に回転ダイヤルを配置し、内側に略円盤状のボタンを設けて二重円状とした本願意匠と、回転ダイヤルのない略円盤状の操作ボタンで、その周縁に沿って円環状の発光部を形成した引用意匠とは、一見して大きく異なっており、需要者に異なる美感を与えているというべきであるから、相違点(イ)が、両意匠の類否判断に与える影響は大きい。
(4)小括
以上のとおり、両意匠は、意匠に係る物品は同一であるが、形状等において、共通点が両意匠の類否判断に与える影響は小さいのに対し、相違点(ア)及び相違点(イ)が両意匠の類否判断に与える影響は大きいことから、本願意匠は、引用意匠に類似するということはできない。
第5 むすび
以上のとおりであって、原査定の引用意匠をもって、本願意匠は、意匠法3条1項3号に掲げる意匠に該当するものとすることはできないから、原査定の拒絶の理由によって、本願意匠を拒絶すべきものとすることはできない。
また、当審において、更に審理した結果、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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