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商標拒絶査定不服審判

2023-002569

ウメズタップリ、タップリ

審判番号
2023-002569
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2021-114062
請求日
2023年01月28日
審決日
2024年01月24日
公報発行日
2024年05月31日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】船津 正則
  • 【請求人代理人】秋月 政寛
審判長/審判官
  • 審判長 豊瀬 京太郎
  • 審判官 板谷 玲子
  • 審判官 田中 瑠美
分類
T18 .16 -Z (W30)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項6号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第6号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2021-114062拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和3年8月31日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和4年 3月23日付け:拒絶理由通知書 令和4年 7月23日 :意見書の提出 令和4年10月 3日付け:拒絶査定 令和5年 1月28日 :審判請求書の提出 2 本願商標 本願商標は、別掲1のとおり、「梅酢」の文字及びその左側に1文字分下げて「たっぷり」の文字を縦二列に書してなり、第30類「食酢,めん類用つゆ,マヨネーズソース,ドレッシング,その他の調味料」を指定商品として登録出願されたものである。 3 原査定の拒絶の理由(要旨) 本願商標は、「梅酢」の文字及び「たっぷり」の文字を縦二列に書してなるところ、その構成中の「梅酢」の文字は「梅の実を塩漬にし、重しをして滲み出る酸味の強い汁」の意味を、「たっぷり」の文字は「満ちあふれるほど十分にあるさま」の意味をそれぞれ有する語である。 そして、本願商標に係る指定商品を含む食品を取り扱う業界においては、例えば、「梅たっぷり」や「リンゴ酢たっぷり」のように、原材料を十分に使用していることを「○○(原材料名が入ります。)たっぷり」の文字をもってうたうことが広く行われている。 そうすると、本願商標を、その指定商品に使用しても、これに接する需要者は、梅酢を十分に使用しているという商品の品質を簡潔に表した宣伝広告と認識するにとどまり、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないというのが相当であるから、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものである。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。 4 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第6号該当性について 本願商標は、「梅酢」の文字及びその左側に1文字分下げて「たっぷり」の文字を縦書きの2列で表してなるところ、その構成中の「梅酢」の文字は、「梅の実を塩漬にし、重しをして滲み出る酸味の強い汁」の意味を、「たっぷり」の文字は、「満ちあふれるほど十分にあるさま」の意味をそれぞれ有する語である(出典は、いずれも「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)。 そして、原審で提示した情報に加え、別掲2のインターネット情報が示すように、本願の指定商品を取り扱う分野においては、「たっぷり」の文字が、例えば、「○○(原材料名が入る。)たっぷり」の用例において、原材料を十分に使用していることを簡潔に表した、一種の宣伝広告のための語句として広く一般に使用されている実情が認められるほか、別掲3の情報によれば、本願商標中の「梅酢」の文字が、本願の指定商品のうち、特に、調味料の原材料の一つとして普通に使用されていることもうかがえる。 また、本願商標の構成態様についてみても、一般に、縦書きの2列で表した構成態様が、格別に特殊なものとはいい得ないものであって、商品又は役務に標章等を使用する際に、様々なデザイン化が行われている現状にあっては、たとえ1文字目の位置をずらしたとしても同様である。そして、このことは、別掲4の情報からも裏付けられるものであるから、本願商標は、これに接する取引者、需要者において、「梅酢」の文字と「たっぷり」の文字を普通に用いられる方法の範囲内で表示したものと理解、認識されるにすぎないというのが相当である。 そうすると、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者をして、「梅酢を十分に使用している」程の意味合いを容易に看取させ、その商品の品質や特徴を簡潔に表した宣伝広告の一種であると認識させるにすぎず、自他商品の識別標識としては認識されないものというべきである。 したがって、本願商標は、何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というべきであるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。 (2)請求人の主張について ア 請求人は、「酢」は一般的な調味料であるから、「梅酢」もそれ自体が調味料であると認識されているところ、本願商標は「梅酢」を使った調味料というものであり、「梅酢自体が調味料」というイメージとは別の意味を想起させる言葉であると述べ、本願商標は、そのイメージを独自のデザインによって表したものであるから、商品等の宣伝広告等を普通に用いられる方法で表示したものとしてのみ認識させるものではないと主張する。 しかしながら、上記(1)で述べたとおり、本願の指定商品のうち、特に、調味料の原材料の一つとして「梅酢」が使用されている実情がうかがえることよりすれば、本願商標をその指定商品に使用しても、取引者、需要者をして、その商品が「梅酢を十分に使用している」ということを容易に看取させるにすぎず、その構成態様についても、格別に特殊なものとはいい得ないものであるから、本願商標は、その商品の品質や特徴を簡潔に表した宣伝広告の一種であり、自他商品の識別標識としては認識されないものというべきである。 イ 請求人は、本願商標を自身の商品の識別標識として使用を開始してから1年6か月以上が経過しており、本願商標が請求人の商品として認識されることが増えている一方で、第三者が本願商標と同一又は類似の語句を宣伝広告として使用している事実はないと主張する。 しかしながら、本願商標を使用した商品の生産数、販売数等の使用数量や市場シェア、売上高、広告費、広告宣伝の方法・回数等については、客観的な証拠の提出がなく不明であって、本願商標について、具体的な使用事実に基づいて使用状況を把握し、その認識の程度を客観的に推し量ることができない上、職権調査によっても、これらを認めるに足りる事情を見いだすことはできない。また、本願商標と同一の語句を請求人以外が使用していないとしても、本願の指定商品を取り扱う分野においては、「たっぷり」の文字が、原材料名とともに使用され、その原材料を十分に使用していることを簡潔に表した、一種の宣伝広告のための語句として広く一般に使用されていることに加え、「梅酢」の文字が、調味料の原材料の一つとして普通に使用されている実情が認められることよりすれば、本願商標は、「梅酢を十分に使用している」程の意味合いをもって、その商品の品質や特徴を簡潔に表した宣伝広告の一種として認識されるものといわざるを得ない。 ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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