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特許拒絶査定不服審判

2023-002035

医療用アクセスポート、移送デバイス及びそれらの使用方法

審判番号
2023-002035
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2021-077755
請求日
2023年02月06日
審決日
2023年12月12日
公報発行日
2024年05月31日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】ヴェルサゴ ヴァスキュラー アクセス インコーポレイテッド
  • 【請求人代理人】稲葉 良幸
  • 【請求人代理人】大貫 敏史
  • 【請求人代理人】江口 昭彦
  • 【請求人代理人】内藤 和彦
審判長/審判官
  • 審判長 内藤 真徳
  • 審判官 佐々木 正章
  • 審判官 村上 哲
分類
P18 .121-Z (A61M) / P18 .561-Z (A61M) / P18 .57 -Z (A61M) / P18 .113-Z (A61M)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第3項、特許法第29条第1項第3号、特許法第50条の2、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2021- 77755「医療用アクセスポート、移送デバイス及びそれらの使用方法」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 8月12日出願公開、特開2021-118907〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願発明は2016年(平成28年) 7月14日(優先権主張外国庁受理 2015年 7月14日 米国)を国際出願日とする特願2017-565905号の一部を令和 3年 4月30日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和 3年 5月28日 手続補正書提出 令和 4年 3月 3日付け 特許法第50条の2の通知を伴う拒絶理由通知 令和 4年 8月 5日 意見書及び手続補正書提出 令和 4年 9月30日付け 補正却下の決定及び拒絶査定 令和 5年 2月 6日 本件審判請求及び手続補正書提出 令和 5年 2月13日 手続補正書提出 第2 令和 5年 2月 6日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和 5年 2月 6日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正について 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、本件補正前の請求項1(令和 3年 5月28日提出の手続補正書)に 「対象内に埋め込まれるように構成された埋込型アクセスポートであって、前記埋込型アクセスポートが、埋込型アクセスポート本体と、少なくとも1つの埋込型アクセスポート針と、を含み、 前記少なくとも1つの埋込型アクセスポート針が第1針及び第2針を備え、 前記第1針が、第1針内腔を有する第1針軸を備え、前記第2針が、第2針内腔を有する第2針軸を備え、 前記第1針及び前記第2針が、隠蔽位置で前記アクセスポート本体の内部に隠蔽可能であり、かつ、露出位置で前記アクセスポート本体の外部に露出可能であり、 前記第1針及び前記第2針が、前記アクセスポートが前記対象内に埋め込まれるときに前記対象内から前記対象の皮膚を通って外向きに貫通するように前記アクセスポート本体内に配置される、埋込型アクセスポートと、 前記第1針及び前記第2針にそれぞれ結合されたときに前記アクセスポートを通じて前記対象に及び前記対象から流体を移送するように構成された移送デバイスであって、 前記アクセスポートを通じて前記対象に流体を移送するために前記第1針の前記第1針内腔に結合するように構成された第1流体流路と、前記アクセスポートを通じて前記対象から流体を移送するために前記第2針の前記第2針内腔に結合するように構成された第2流体流路と、を含む移送デバイスと、を備える医療システム。」 とあるのを、 「対象の体内に埋め込まれるように構成された埋込型アクセスポートであって、埋込型アクセスポート本体と、少なくとも1つの埋込型アクセスポート針と、を含み、 前記アクセスポート本体は、後退位置まで圧縮可能かつ伸長位置まで拡張可能であり、前記アクセスポート本体の圧縮および減圧は、前記アクセスポート本体の弾性変形によって達成され、 前記少なくとも1つの針は、前記アクセスポート本体が前記伸長位置にあるときに前記アクセスポート本体の内部において隠蔽可能であり、前記アクセスポート本体が前記後退位置にあるときに前記アクセスポート本体の外部において露出可能であり、 前記少なくとも1つの針が、前記アクセスポート本体内に、前記アクセスポートが前記対象の体内に埋め込まれるときに前記対象の体内から前記対象の皮膚を通って外向きに貫通するように配置される、埋込型アクセスポートと、 前記少なくとも1つの針の上に配置された磁石を含み、前記磁石に電流が供給されると、前記少なくとも1つの針を前記埋込型アクセスポート本体から前記磁石に向かって外側に伸長させる、アクチュエータと、 前記アクセスポートの前記少なくとも1つの針に結合された移送デバイスであって、前記アクセスポートに及び/又は前記アクセスポートから流体を移送するように構成され、 前記アクセスポートと閉鎖治療系を形成するように構成され、前記アクセスポートに及び/又は前記アクセスポートから前記流体を移送するように構成された流体流路を含む、移送デバイスと、を備え、 前記移送デバイスは、前記少なくとも1つの針が対象の皮膚を外向きに貫通する前に対象の皮膚に対してシール可能であり、前記少なくとも1つの針が対象の皮膚を外向きに貫通した後に前記少なくとも1つの針を取外し可能な管状ハウジングを備え、 前記管状ハウジングは、前記アクセスポートが対象に移植されるとき、前記アクセスポート本体を前記後退位置まで圧縮するように動作可能である医療システム。」と、補正した(下線部は、補正箇所を示すために当審で付与した。)。 2 補正の適否 本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「少なくとも1つの埋込型アクセスポート針が第1針及び第2針を備え」る点を削除する補正を含むものであり、当該補正は、特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮、3号の誤記の訂正、4号の明瞭でない記載の釈明のいずれを目的とするものにも該当しない。 したがって、本件補正は、特許法17条の2第5項に規定に該当しない。 また、本件補正により請求項1に係る発明は「前記アクセスポート本体は、後退位置まで圧縮可能かつ伸長位置まで拡張可能であり、前記アクセスポート本体の圧縮および減圧は、前記アクセスポート本体の弾性変形によって達成され」、「前記少なくとも1つの針の上に配置された磁石を含み、前記磁石に電流が供給されると、前記少なくとも1つの針を前記埋込型アクセスポート本体から前記磁石に向かって外側に伸長させる、アクチュエータ」を備えるものとなったところ、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面には、「針」が「対象の皮膚を通って外向きに貫通」する機構として、「前記アクセスポート本体は、後退位置まで圧縮可能かつ伸長位置まで拡張可能であり、前記アクセスポート本体の圧縮および減圧は、前記アクセスポート本体の弾性変形によって達成され」る機構と、「前記少なくとも1つの針の上に配置された磁石を含み、前記磁石に電流が供給されると、前記少なくとも1つの針を前記埋込型アクセスポート本体から前記磁石に向かって外側に伸長させる、アクチュエータ」を用いた機構、それぞれは記載されているが、両者を同時に備える機構は、同じ「針」を動作させる機構であるから同時には成立せず、記載されていない。 したがって、本件補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法17条の2第3項の規定に該当しない。 3 まとめ よって、本件補正は、特許法17条の2第3項及び第5項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 令和 5年 2月 6日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和 3年 5月28日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~20に記載された事項により特定されるものであるところ、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、前記第2[理由]1の本件補正前の請求項1として記載したとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由 令和 4年 9月30日付けの拒絶査定の理由は、以下の理由を含むものである。 (1)(新規性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その優先日前に日本国内又外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に 該当し、特許を受けることができない。 (2)(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その優先日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を 通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技 術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたもので あるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 (引用文献等については引用文献等一覧参照) ●理由(1)(新規性)、理由(2)(進歩性)について ・請求項1-2、14-18 ・引用文献等1 ●理由(2)(進歩性)について ・請求項3-5 ・引用文献等1 ・請求項13、19-20 ・引用文献等1 ・請求項1-5、13-20 ・引用文献等2 <引用文献等一覧> 1.国際公開第2008/126966号 2.米国特許出願公開第2011/0137288号明細書 3 引用発明 原査定の拒絶の理由に引用され、本願の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物である、上記引用文献1には、以下の記載がある(日本語訳と下線は、当審で付した。)。 (1)「<37>As shown in FIG. 3, the vascular access apparatus according to the invention includes a needle 100 having an internal lumen which can be linked with a blood passage 200 in a patient' s body and which is implanted in a patient's body, a driving unit 300 for actuating the needle 100 in a manner such that the tip of the needle is expelled from the patient's body through the skin of the patient to be disposed outside the patient's body, and a control unit implanted in the patient's body for controlling the operation of the driving unit 3000 in response to an external signal. All of the above elements are installed in a housing 600, and the housing 600 is implanted in the patient 's body.」(日本語訳:図3に示すように、<37>本発明による血管アクセス装置は、患者の体内の血液通路200と連通可能な内腔を有し、患者の体内に留置される針100と、針の先端が患者の皮膚を通って患者の体外に配置されるように針100を作動させるための駆動ユニット300と、外部信号に応じて駆動ユニット3000の作動を制御するために患者の体内に留置される制御ユニットとを含む。上記の全ての要素はハウジング600内に設置され、ハウジング600は患者の体内に埋め込まれる。) (2)「<39>The needle 100 includes a first needle 110 for extracting patient's blood flowing out through the blood passage 200 and a second needle for introducing external blood to a patient's body. The first needle 110 and the second needle 120 are desirably provided in replaceable form, so that they can be replaced when they are degraded after they have been used many times. <40>The end of each of the first needle 110 and the second needle 120 has a sharp tip so that it can penetrate the patient's skin S and the other end of each of the first needle 110 and the second needle 120 are linked with a first blood passage 210 and a second blood passage 220 via a first connection tube 132 and a second connection tube 134, respectively. Accordingly, the patient's blood transferred through the first blood passage 210 is discharged through the first connection tube 132 and the first needle 110, is then subjected to dialysis treatment, and is finally returned to the patient' s body through the second needle 120 and the second connection tube 134.」(日本語訳:<39>針100は、血液通路200を通じて流出する患者の血液を取り出すための第1の針110と、患者の体内に外部の血液を導入するための第2の針とを含む。第1の針110および第2の針120は、交換可能な形態で設けられていることが望ましく、何度も使用されて劣化した場合に交換することができる。 <40>第1の針110および第2の針120のそれぞれの先端は、患者の皮膚Sを貫通できるように鋭利な先端を有し、第1の針110および第2の針120のそれぞれの他端は、それぞれ第1の接続管132および第2の接続管134を介して第1の血液通路210および第2の血液通路220と連通している。従って、第1の血液通路210を通って移送された患者の血液は、第1の接続管132および第1の針110を通って排出され、透析処理が施され、最終的に第2の針120および第2の接続管134を通って患者の体内に戻される。) (3)「<42>The driving unit 300 is an element for transporting the needle 100 installed in the housing 600 in a manner such that the tip of the needle 100 is expelled from the patient's body, penetrating through the skin S of the patient to be disposed outside the patient' s body. The driving part 300 includes a gate block 310 which is structured so as to be able to move in the direction in which the needle 100 travels and which determines linkage and isolation between the blood passage 200 and the internal lumen of the needle 100 by the position thereof, a transportation block 320 to which the other end of the needle 100 is coupled, a motor 330 for transporting the transportation block 320 in the direction in which the needle 100 travels, and a battery pack 340 for supplying electric power to the motor 330.」(日本語訳:<42>駆動部300は、ハウジング600に設置された針100を、針100の先端が患者の体外に排出されるように、患者の皮膚Sを貫通して患者の体外に配置されるように搬送するための要素である。駆動部300は、針100の進行方向に移動可能な構造でありその位置によって血液通路200と針100の内腔との連通・隔離を決定するゲートブロック310と、針100の他端が結合される搬送ブロック320と、搬送ブロック320を針100の進行方向に搬送するモータ330と、モータ330に電力を供給する電池パック340とを含む。) (4)「<46>AS shown in FIG. 3, in a first position, in which the needle 100 is completely introduced into the patient's body, the blood passage 200 and the gate lumen 316 are not linked with each other, and thus blood in the blood passage 200 is not transferred to the needle 100. Conversely, in a second position, in which the tip of the needle 100 is expelled from the patient's body, penetrating through the patient's skin S in order to extract or introduce blood, the blood passage 200 and the gate lumen 316 are linked with each other. Thus, the blood in the blood passage 200 is transferred to the needle 100. The mechanism in which the blood passage 200 and the gate lumen 316 are linked with each other or isolated from each other will be described in detai1 below.」(日本語訳:<46>図3に示すように、針100が患者の体内に完全に導入される第1の位置では、血液通路200とゲートルーメン316とは連通しておらず、したがって、血液通路200内の血液は針100に移動しない。逆に、血液を抽出または導入するために、針100の先端が患者の皮膚Sを貫通して患者の体から排出される第2の位置では、血液通路200とゲートルーメン316は互いに連通している。従って、血液通路200内の血液は、針100に移送される。なお、血液通路200とゲートルーメン316とが連通または隔離される機構については後述する。) (5)「<49>FIG. 4 shows an exemplary use of the vascular access apparatus according to the first embodiment. In FIG. 4, the tip of the needle 100 is protruded from the patient's skin S to be disposed outside the patient' s body after passing through the patient's skin S. FIG. 5 shows another exemplary use of the vascular access apparatus according to the first embodiment, in which a hemodialysis apparatus 700 is coupled to the vascular access apparatus of the invention. FIG. 6 shows a further exemplary use of the vascular access apparatus according to the first embodiment, in which the vascular access apparatus is in a position in which patient's blood can be extracted and external blood can be introduced into a patient's body.」(日本語訳:<49>図4は、第1の実施形態による血管アクセス装置の例示的な使用法を示している。図4において、針100の先端は、患者の皮膚Sを通過した後、患者の体外に配置されるように患者の皮膚Sから突出されている。図5は、第1の実施形態による血管アクセス装置の別の例示的な使用法を示し、血液透析装置700が本発明の血管アクセス装置に結合されている。図6は、第1の実施形態による血管アクセス装置のさらに例示的な使用法を示しており、この血管アクセス装置は、患者の血液を取り出し、外部の血液を患者の体内に導入できる位置にある。) (6)「<51>When the transportation block 320 is transported upward, since the first needle 110 and the second needle 120 are coupled to the transportation block 320, the first needle 110 and the second needle 120 are also transported upward, tips of the first needle 110 and the second needle 120 come to protrude from the patient's skin after passing through a first opening 610 and a second opening 620 formed in the housing 600, respectively, and through the patient's skin S. The first opening 610 and the second opening 620 are configured to be laterally spaced apart from each other when the needle 100 is introduced into the patient's body. Further, it is desirable that the first opening 610 and the second opening 620 have a function of securing the needle 100 so that it does not shake in a lateral direction when the tip of the needle 100 is expelled to be disposed outside the patient's body after passing through the patient's skin. The first needle 110 and the first opening 610 are engaged with sealing means 640 and the second needle 120 and the second opening 620 are engaged with sealing means 640. The sealing means 640 takes the form of a tube with an internal lumen therein and prevents a variety of liquids from leaking in the space between the needle 100 and the openings 610 and 620.」(日本語訳:<51>搬送ブロック320が上方に搬送されると、第1の針110および第2の針120が搬送ブロック320に結合されているため、第1の針110および第2の針120も上方に搬送され、第1の針110および第2の針120の先端は、それぞれハウジング600に形成された第1の開口部610および第2の開口部620を通過し、患者の皮膚Sを通過した後、患者の皮膚から突出するようになる。 第1の開口部610および第2の開口部620は、針100が患者の体内に導入されるとき、互いに横方向に離間するように構成されている。さらに、第1の開口部610および第2の開口部620は、針100の先端が患者の皮膚を通過した後に患者の体外に排出されて配置される際に、針100が横方向にぶれないように固定する機能を有することが好ましい。第1の針110と第1の開口部610は封止手段640と係合し、第2の針120と第2の開口部620は封止手段640と係合する。密封手段640は、その内部に内腔を有するチューブの形態をとり、針100と開口部610および620との間の空間において様々な液体が漏れるのを防止する。) (7)「 [図:0001409809000001.jpg] 」 (8)「 [図:0001409809000002.jpg] 」 (9)「 [図:0001409809000003.jpg] 」 (10)「 [図:0001409809000004.jpg] 」 (11)FIG.5及びFIG.6より、血液透析装置700が、第1の針110と結合する第1流体流路と、第2の針120と結合する第2流体流路を含む点が看取できる。 (12)上記記載を総合すると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。 「血管アクセス装置であって、患者の体内の血液通路200と連通可能な内腔を有し、患者の体内に留置される針100と、針の先端が患者の皮膚を通って患者の体外に排出されるように針100を作動させるための駆動ユニット300と、外部信号に応じて駆動ユニット300の作動を制御するために患者の体内に留置される制御ユニットと、患者の体内に埋め込まれ、上記の全ての要素がハウジング600内に設置されるハウジング600と、を含み、 針100は、血液通路200を通じて流出する患者の血液を取り出すための第1の針110と、患者の体内に外部の血液を導入するための第2の針120とを含み、 針100が患者の体内に完全に導入される第1の位置と、針100の先端が患者の皮膚Sを貫通して患者の体から排出される第2の位置とを有し、 搬送ブロック320が上方に搬送されると、第1の針110および第2の針120が搬送ブロック320に結合されているため、第1の針110および第2の針120も上方に搬送され、第1の針110および第2の針120の先端は、それぞれハウジング600に形成された第1の開口部610および第2の開口部620を通過し、患者の皮膚Sを通過した後、患者の皮膚Sから突出し、 第1の針110と結合する第1流体流路と、第2の針120と結合する第2流体流路を含む血液透析装置700と、を備える血液透析装置700及び血管アクセス装置。」 4 対比 本願発明と引用発明とを対比する。 (1)引用発明の「血管アクセス装置」は、その機能及び構造から、本願発明の「埋込型アクセスポート」に相当し、以下同様に、「駆動ユニット300」、「制御ユニット」及び「ハウジング600」からなる部材は「埋込型アクセスポート本体」に、「針100」は「埋込型アクセスポート針」に、「第1の針110」は「第1針」に、「第2の針120」は「第2針」に、「患者」は「対象」に、「皮膚S」は「皮膚」に、「血液透析装置700」は「移送デバイス」に、それぞれ相当する。 (2)引用発明の「血管アクセス装置」は、血管アクセス装置のハウジング600が患者の体内に埋め込まれるから、本願発明の「対象内に埋め込まれるように構成された埋込型アクセスポート」に相当する。 (3)引用発明の「血管アクセス装置」が「患者の体内の血液通路200と連通可能な内腔を有し、患者の体内に留置される針100と、針の先端が患者の皮膚を通って患者の体外に排出されるように針100を作動させるための駆動ユニット300と、外部信号に応じて駆動ユニット300の作動を制御するために患者の体内に留置される制御ユニットと、患者の体内に埋め込まれ、上記の全ての要素がハウジング600内に設置されるハウジング600と、を含」む態様は、本願発明の「前記埋込型アクセスポートが、埋込型アクセスポート本体と、少なくとも1つの埋込型アクセスポート針と、を含」む態様に相当する。 (4)引用発明の「針100は、血液通路200を通じて流出する患者の血液を取り出すための第1の針110と、患者の体内に外部の血液を導入するための第2の針120とを含」む態様は、本願発明の「前記少なくとも1つの埋込型アクセスポート針が第1針及び第2針を備え」る態様に相当する。 (5)引用発明の「針100」は「内腔を有」するものであり、「針100」は「第1の針110」と「第2の針120」とを含むものであるから、「針100」は「第1の針110」と「第2の針120」は、それぞれ「内腔を有」するものである。 そうすると、引用発明の「第1の針110」が「内腔を有」する態様は、当然に第1の針110が針軸を備えるから、本願発明の「前記第1針が、第1針内腔を有する第1針軸を備え」る態様に相当する。 (6)引用発明の「第2の針120」が「内腔を有」する態様は、当然に第2の針120が針軸を備えるから、本願発明の「前記第2針が、第2針内腔を有する第2針軸を備え」る態様に相当する。 (7)引用発明の「搬送ブロック320が上方に搬送されると、第1の針110および第2の針120が搬送ブロック320に結合されているため、第1の針110および第2の針120も上方に搬送され、第1の針110および第2の針120の先端は、それぞれハウジング600に形成された第1の開口部610および第2の開口部620を通過し、患者の皮膚Sを通過した後、患者の皮膚Sから突出」する態様は、第1の針110および第2の針120がハウジング600に形成された第1の開口部610および第2の開口部620を通過する前の位置が、第1の針110および第2の針120がハウジング600の内部に隠蔽可能である隠蔽位置と表現でき、第1の針110および第2の針120がハウジング600に形成された第1の開口部610および第2の開口部620を通過した位置は、第1の針110および第2の針120がハウジング600の外部に露出可能である露出位置と表現できるから、本願発明の「前記第1針及び前記第2針が、隠蔽位置で前記アクセスポート本体の内部に隠蔽可能であり、かつ、露出位置で前記アクセスポート本体の外部に露出可能であ」る態様に相当する。 (8)引用発明の「第1の針110および第2の針120の先端は、それぞれハウジング600に形成された第1の開口部610および第2の開口部620を通過し、患者の皮膚Sを通過した後、患者の皮膚Sから突出」する態様は、当然に血液アクセス装置が「患者の体内に埋め込まれ」たときに第1の針110および第2の針120が患者から患者の皮膚Sを通過して、患者の皮膚Sから突出するのであるから、本願発明の「前記第1針及び前記第2針が、前記アクセスポートが前記対象内に埋め込まれるときに前記対象内から前記対象の皮膚を通って外向きに貫通」する態様に相当する。 (9)引用発明の「上記の全ての要素がハウジング600内に設置される」態様は、「上記の全ての要素」が「第1の針110」及び「第2の針120」を含むから、本願発明の「前記第1針及び前記第2針が」、「前記アクセスポート本体内に配置される」態様に相当する。 (10)引用発明の「針100は、血液通路200を通じて流出する患者の血液を取り出すための第1の針110と、患者の体内に外部の血液を導入するための第2の針120とを含み、」「第1の針110と結合する第1流体流路と、第2の針120と結合する第2流体流路を含む血液透析装置700」は、第1の針110と結合したときに「血管アクセス装置」を通じて患者の血液を取り出し、第2の針120と結合したときに「血管アクセス装置」を通じて患者の体内に外部の血液を導入する血液透析装置700であるから、本願発明の「前記第1針及び前記第2針にそれぞれ結合されたときに前記アクセスポートを通じて前記対象に及び前記対象から流体を移送するように構成された移送デバイス」に相当する。 (11)引用発明の「針100は、血液通路200を通じて流出する患者の血液を取り出すための第1の針110と、患者の体内に外部の血液を導入するための第2の針120とを含み、」「第1の針110と結合する第1流体流路と、第2の針120と結合する第2流体流路」は、「血管アクセス装置」を通じて流出する患者の血液を取り出すための第1の針110の「内腔」に結合する第1流体流路と、「血管アクセス装置」を通じて患者の体内に外部の血液を導入するための第2の針120の「内腔」に結合する第2流体流路といえるから、本願発明の「前記アクセスポートを通じて前記対象に流体を移送するために前記第1針の前記第1針内腔に結合するように構成された第1流体流路と、前記アクセスポートを通じて前記対象から流体を移送するために前記第2針の前記第2針内腔に結合するように構成された第2流体流路」に相当する。 (12)引用発明の「血液透析装置700及び血管アクセス装置。」は、本願発明の「医療システム」に相当する。 そうすると、本願発明と引用発明とは相違点はなく、すべての点で一致する。 5 当審の判断 したがって、本願発明は、引用発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当する。 第4 むすび 以上のとおり、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-002035

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