商標拒絶査定不服審判
2023-001681
ゼロエミヤサイ、ゼロエミ
- 審判番号
- 2023-001681
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-071802
- 請求日
- 2023年02月01日
- 審決日
- 2024年06月24日
- 公報発行日
- 2024年09月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社ファームシップ
- 【請求人代理人】伊東 秀明
- 【請求人代理人】三橋 史生
- 【請求人代理人】蜂谷 浩久
- 【請求人代理人】上西 浩史
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 飯田 亜紀
- 分類
- T18 .16 -Z (W2931) / T18 .272-Z (W2931)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号、商標法第3条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-71802拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年6月22日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年10月13日付け:拒絶理由通知書
令和4年11月24日 :意見書の提出
令和4年12月15日付け:拒絶査定
令和5年 2月 1日 :審判請求書の提出
令和6年 3月19日付け:審尋
2 本願商標
本願商標は、「ゼロエミ野菜」の文字を標準文字で表してなり、第29類「菓子(果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものに限る。),食用油脂,乳製品,食肉,卵,冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,豆,食用たんぱく」及び第31類「生花の花輪,ホップ,食用魚介類(生きているものに限る。),海藻類,野菜,茶の葉,糖料作物,果実,麦芽,あわ,きび,ごま,そば(穀物),とうもろこし(穀物),ひえ,麦,籾米,もろこし,飼料用たんぱく,飼料,種子類,木,草,芝,ドライフラワー,苗,苗木,花,牧草,盆栽,獣類・魚類(食用のものを除く。)・鳥類及び昆虫類(生きているものに限る。)」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原審において、「本願商標は、「ゼロエミ野菜」の文字を標準文字で表してなるが、その構成中の「ゼロエミ」の文字は、「ゼロエミッション(廃棄物を出さない製造技術を開発する計画。ある企業・産業で排出される廃棄物を、別の企業・産業の原料として使うなどして、トータルで廃棄物をゼロにしようというもの。)の略」として用いられている。そして、本願商標は、人の注意をひくように工夫した宣伝文句といえるものであって、格別要部として把握し得る部分があるとも認め難いことから、その意味合いを看取した需要者は、これをその取り扱いに係る特定の商品について使用する商品識別の標識と認識するというよりは、むしろ、食品業界において、「ゼロエミッションのキノコ栽培」や、「ゼロエミッションを目指す植物工場」、「ゼロエミッションを達成した食品工場」等のように、ゼロエミッションへの取り組みが推進されている実情があり、出願人の取り扱っている商品に関し、「ゼロエミッションに対応して生産された野菜」や「ゼロエミッションを目指した生産方法による野菜」程の意味合いにおいて、その商品が環境に配慮した商品であることを端的に表現した宣伝広告の一種と認識し理解するとみるのが相当である。そうとすると、本願商標は、「ゼロエミ野菜」の文字を書してなるにすぎないから、これをその指定商品に使用しても、需要者・取引者は、顧客の吸引、販売促進等のための宣伝広告の一類型を表示したものと理解するにとどまり、何人かの業務に係る商品であることを認識できないものといえる。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。
4 当審における審尋
当審において、前記1の審尋により、別掲1ないし別掲3に掲げる事実を記載した上で、本願商標が商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するとの暫定的見解を示し、期間を指定した上で請求人に対し意見を求めた。
5 審尋に対する請求人の回答
請求人は、前記4の審尋に対し、指定した期間内に何ら意見を述べていない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、前記2のとおり、「ゼロエミ野菜」の文字を標準文字により表してなるところ、当該構成文字中「ゼロエミ」の文字は、「廃棄物をゼロにすること。」を意味する「ゼロ・エミッション[zero emission]」の略称として知られており、今日では、当該「廃棄物をゼロにすること。」のほかにも「温室効果ガス(CO2)排出をゼロにすること。」を意味する語としても認識されている(原審における用例及び別掲1)。
そして、世界規模における環境問題への意識の高まりから、ゼロエミッションへの取り組みは、政府、自治体、産業界と広く行われており(別掲2及び別掲3)、本願の指定商品に関する飲食料品を取り扱う事業者や農作物栽培の分野においても、ゼロエミッションへの取り組みとして、商品の製造工程において廃棄物(ゴミ)の排出抑制若しくは温室効果ガス(CO2等)の排出抑制を行っている事実が見受けられる。そして、これらの取り組みを表す語として「ゼロエミッション」「ゼロエミッション○○」(○○は、農業、工場、生産等)の語が広く使用されており、「ゼロエミッション」の略称として「ゼロエミ」の語も使用されている事実が認められる(原審における用例、別掲2及び別掲3)。
このような状況の下、本願の指定商品を取り扱う分野において、これに接する取引者、需要者が、「ゼロエミ」の文字を特定の意味合いを有しない造語と認識するとはいい難く、本願商標をその指定商品に使用する場合は、廃棄物(ゴミ)の排出抑制若しくは温室効果ガス(CO2等)の排出抑制等の「ゼロエミッション(ゼロエミ)に対応して生産された野菜」「ゼロエミッション(ゼロエミ)を目指した生産方法による野菜」程の、環境に配慮した状況で生産された野菜であるという商品の特性や優位性を表示したものと認識、理解するにとどまるというのが相当である。
したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標からなるものであるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
また、本願商標は、その構成中に「野菜」の文字を有するから、本願商標を「野菜」又は「野菜を原材料に使用した商品」以外の商品、例えば、第29類「菓子(野菜を主原料とするものに限る。),冷凍野菜,加工野菜」及び第31類「野菜,茶の葉」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、指定商品との関係において「○○+普通名称」の構成から成る結合商標の登録例や「ゼロエミ」の文字を有する登録例等を挙げ、本願も同様に判断されるべきである旨主張する。
しかしながら、拒絶査定不服の審判において、登録出願にかかる商標が、商標法第3条第1項各号に該当するものであるか否かの判断は、審決時を基準として判断されるべきものであり、現在(審決時)において、本願商標を構成する「ゼロエミ」の文字や当該文字に通ずる「ゼロエミッション」の文字の使用事実については別掲1ないし別掲3のとおりであるから、請求人の挙げた登録例があることが、本願の判断を左右するものではない。
したがって、請求人の上記主張は採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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