商標拒絶査定不服審判
2023-001549
マーケットインガタケーエー、マーケットインガタ、マーケットイン
- 審判番号
- 2023-001549
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-029053
- 請求日
- 2023年01月30日
- 審決日
- 2024年01月11日
- 公報発行日
- 2024年03月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社カクシン
- 【請求人代理人】原田 貴史
- 【請求人代理人】和田 吉民
- 審判長/審判官
- 審判長 大橋 良成
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 浦崎 直之
- 分類
- T18 .13 -Z (W3541)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-29053拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和4年3月14日の登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 6月 8日付け:拒絶理由通知書
令和4年 7月20日付け:意見書
令和4年11月 8日付け:拒絶査定
令和5年 1月30日付け:審判請求書
令和5年10月24日付け:審尋
令和5年11月29日付け:回答書
第2 本願商標
本願商標は、「マーケットイン型経営」の文字を標準文字で表してなり、第35類及び第41類に属する別掲1に記載のとおりの役務を指定役務として登録出願されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要旨
本願商標は、「マーケットイン型経営」の文字を標準文字で表してなるところ、これは、「商品の企画開発や生産において消費者のニーズを重視する形式による経営」ほどの意味合いを認識させるものである。
そして、「マーケットイン型」の文字は、各種業界において上記意味合いで商品の開発スタイルを表して使用され、また、商品だけでなくサービスの開発において消費者のニーズを重視する場合にも使用されている実情がある。
そうすると、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する需要者は、「サービスの企画開発において消費者のニーズを重視する形式の経営」の役務であることを認識するにとどまり、本願商標は、単に役務の内容、質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものであるというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
第4 当審における審尋
当審において、上記第1の審尋により、請求人に対し、別掲2ないし4のとおりの事実を示した上で、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。
第5 審尋に対する請求人の回答の要旨
請求人は、上記第4の審尋に対し、回答書を提出し、要旨、以下のとおりの意見を述べた。
「経営」の範疇に含まれる事項は、商品の企画開発、生産にとどまることはなく、商品の品質又は役務の質の管理、顧客への対応、売上や利益率、事業所内のマネジメント等、多岐に亘ることは詳述するまでもない。
審尋にある情報は、いずれもマーケットインの考え方を取り入れた「商品開発」「生産」「流通」について言及しているにとどまり、「経営」に関するあらゆる事項に対しマーケットインの考え方を取り入れるといった定義とはなっておらず、また、「マーケットイン型経営」の使用例も、その定義ははっきり示されておらず、需要者又は取引者にとり、本願商標が役務の質を普通に用いられる方法で表示したものとして認識すべき証拠とはなり得ない。
本願商標は、複数の解釈がされ得るものであり、特定の観念を生じさせるものではない。
第6 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号の該当性について
本願商標は、「マーケットイン型経営」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「マーケットイン」の文字は、「商品の企画開発や生産において消費者のニーズを重視する方法。」(「デジタル大辞泉」株式会社小学館)の意味を有する語であり、別掲2ないし4のとおり、これは、商品だけではなく、役務の企画開発や提供等においても使用されている実情が見られる。
そして、本願商標の構成中「型」の文字は、「事物を類別するとき、その個々に共通した特徴を表している形式、形態。タイプ。」の意味を有する語であり、「経営」の文字は、「事業目的を達成するために、継続的・計画的に意思決定を行って実行に移し、事業を管理・遂行すること。」(「大辞泉第二版」株式会社小学館)の意味を有する語であるから、本願商標は全体として「マーケットイン(商品・役務の企画開発や生産・提供において消費者のニーズを重視する方法。)の考え方を取り入れた形式の経営」ほどの意味合いが理解されるものである。
また、別掲2ないし4のとおり、本願指定役務を取り扱う業界において、マーケットイン(商品・役務の企画開発や生産・提供において消費者のニーズを重視する方法。)の考え方を取り入れた経営に関連する役務が提供されている事実が認められる。
さらに、別掲3のとおり、そのような役務を表す際に、「マーケットイン型」等の文字が使用され、加えて、別掲4のとおり、「マーケットイン型経営」等の文字が使用されている事実も認められる。
そうすると、「マーケットイン型経営」の文字からなる本願商標を、その指定役務中、別掲5に記載のとおりの指定役務に使用したときには、これに接する取引者、需要者は、「マーケットイン(商品・役務の企画開発や生産・提供において消費者のニーズを重視する方法。)の考え方を取り入れた形式の経営のための役務」であると認識するにとどまり、本願商標は、役務の質を普通に用いられる方法で表示したものとして認識するというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、「経営」の範疇に含まれる事項は、商品の企画開発、生産にとどまることはなく、商品の品質又は役務の質の管理、顧客への対応、売上や利益率、事業所内のマネジメント等、多岐にわたり、引用された使用例は、いずれもマーケットインの考え方を取り入れた「商品開発」「生産」「流通」について言及しているにとどまり、「経営」に関するあらゆる事項に対しマーケットインの考え方を取り入れるといった定義とはなっておらず、また、「マーケットイン型経営」の使用例も、その定義ははっきり示されておらず、需要者又は取引者にとり、本願商標が役務の質を普通に用いられる方法で表示したものとして認識すべき証拠とはなり得ず、本願商標は、複数の解釈がされ得るものであり、特定の観念を生じさせるものではない旨主張する。
しかしながら、上記1のとおり、「マーケットイン」、「型」及び「経営」の語の意味や、本願指定役務を取り扱う業界におけるマーケットインの考え方を取り入れた経営に関連する役務が提供されている事実、「マーケットイン型」及び「マーケットイン型経営」等の文字が使用されている事実を併せみれば、本願商標をその指定役務中、別掲5に記載のとおりの指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「マーケットインの考え方を取り入れた形式の経営のための役務」であること、すなわち役務の質を表示したものと一般に認識するというべきである。
また、仮に、本願商標が、請求人が述べるいずれの意味合いで理解されたとしても、前記の指定役務との関係においては、上記1のとおり、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示したものとして認識されるというべきである。
(2)請求人は、過去の登録例、審決例を挙げて、本願商標も登録を認められるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号の規定に該当するか否かは、当該商標の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様や取引の実情を踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願商標についての判断は、上記1のとおりであるから、請求人が挙げる登録例、審決例をもって本願商標の上記判断が左右されるものではない。
(3)したがって、請求人による上記主張は、いずれも採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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