商標拒絶査定不服審判
2023-001349
サタミサキモリンガ、モリンガ
- 審判番号
- 2023-001349
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-038393
- 請求日
- 2023年01月26日
- 審決日
- 2023年10月10日
- 公報発行日
- 2023年12月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】有限会社美土里
- 【請求人代理人】鈴木 均
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T18 .16 -Z (W0530)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号、商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022- 38393拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年4月4日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 8月30日付け:拒絶理由通知書
令和4年 9月26日 :意見書、手続補正書の提出
令和4年11月 7日付け:拒絶査定
令和5年 1月26日 :審判請求書の提出
令和5年 7月12日付け:審尋
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第5類及び第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。
本願の指定商品は、原審における上記1の手続補正書により、別掲2のとおり補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、別掲1のとおり、やや図案化した「佐多岬」及び「モリンガ」の文字を縦書きし、その後ろに地図と認識される図形を配してなるものである。
そして、文字部分についてみると、「佐多岬」が「鹿児島県大隅半島先端の岬」の意味を有し、「モリンガ」が「主に熱帯・亜熱帯地域で広く栽培されている可食植物」ほどの意味合いで使用されていること、さらに、佐多岬でモリンガが生産され、本願指定商品を取り扱う業界において、モリンガがその原材料として使用されている実情があり、加えて、商取引において標章の図案化は広く一般に行われており、実際に本願指定商品を取り扱う業界においても、文字の図案化が一般的に行われている実情が見受けられる。
また、図形部分についてみると、本願の指定商品を取り扱う業界において、商品の原材料の生産地等を文字とともに地図でも表示することが広く行われており、当該地名そのものを地図で表示するもの、当該地名を含んだより大きな地図で表示するもの、当該地名の一部の地図を表示するものなど様々な手法が用いられている実情が見受けられ、さらに、本願商標の図形部分について、大隅地域全体の形状とは完全に一致しないとしても、図形右側の湾を表したとおぼしき形状や、南端部分に向かって細くなっている形状などが相当程度共通していることからすると、本願商標に接する取引者、需要者は、当該図形をモリンガの生産地である「佐多岬」が所在する大隅地域の地図を表したものとして認識するというのが自然である。
そうすると、本願商標全体では「佐多岬で生産されたモリンガ」と生産地である佐多岬を含む大隅地域の地図を表示したものとして認識されるものであって、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、「佐多岬で生産されたモリンガ」を用いた商品であることを認識するにとどまることから、本願商標は商品の産地、品質、原材料を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
4 当審における審尋及びそれに対する請求人の回答
当審において、令和5年7月12日付け審尋により、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、請求人に対し、意見を求めた。
請求人は、当該審尋に対し、指定した期間を経過するも、何ら回答していない。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、別掲1のとおり、「佐多岬」の文字と「モリンガ」の文字を左右2列に縦書きし、その後ろに地図のごとき図形を配してなるものであって、全体的に白黒のモノトーンで表されているものである。
そして、本願商標の構成中「佐多岬」の文字と「モリンガ」の文字は、一般的な書体で表されているとはいえないものの、原審提示の情報にあるように、佐多岬においてモリンガが生産されている実情、本願の指定商品を取り扱う業界において、モリンガがその原材料として使用されている実情、及び、商取引において標章の図案化は広く一般に行われており、実際に本願の指定商品を取り扱う業界においても、文字の図案化が一般的に行われている実情が認められる。その上、本願の指定商品がいずれも「鹿児島県佐多岬及びその周辺地域で生産されたモリンガを使用した」商品であることも踏まえて考えれば、本願商標の構成中「佐多岬」の文字と「モリンガ」の文字は、その商品が「鹿児島県佐多岬及びその周辺地域で生産されたモリンガを使用した」ものであるという、商品の品質を普通に用いられる方法の範ちゅうで表示するものといえ、自他商品の識別標識としての機能を有しないものというのが相当である。
次に、本願商標の構成中の図形部分は、原審提示の情報にあるように、佐多岬の位置する鹿児島県大隅半島の地図形状と基本的な構成が共通しているものであって、特に図形上方の形状において相違点はあるものの、その相違点が図形全体の印象に与える影響が大きいとはいえず、また、本願の指定商品を取り扱う業界においては、商品の原材料の生産地等を文字とともに地図でも表示することが広く行われており、当該地名そのものを地図で表示したり、当該地名を含んだより大きな地図や、当該地名の一部の地図を表示するなど、様々な表示手法が用いられている実情が認められる。その上、本願の指定商品がいずれも「鹿児島県佐多岬及びその周辺地域で生産されたモリンガを使用した」商品であることも踏まえて考えれば、本願商標の構成中の図形部分は、佐多岬の位置する鹿児島県大隅半島の地図形状を普通に用いられる方法の範ちゅうで表示したものとはいえないとしても、それに接する需要者において、その商品が「鹿児島県佐多岬及びその周辺地域」に関連するものであることを表現するために、鹿児島県佐多岬及びその周辺地域の地図形状を簡易に表示したものであると理解されるにとどまり、自他商品の識別標識としては認識されないものというのが相当である。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用するときは、それに接する需要者において、その商品が「鹿児島県佐多岬及びその周辺地域で生産されたモリンガを使用した」商品であることを表現するための文字及び図形であると理解、認識されるにとどまり、自他商品の識別標識としては認識されないというべきであるから、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標といえる。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標の図形部分は、大隅地域の地図を普通に用いられる方法で表示したものではなく、また、同文字部分も、独特な筆文字状の書体で書してなるものであって、本願商標全体として、文字と図形の組合わせからなる出願人の創造に係る特異な商標として把握される旨主張する。
しかしながら、本願商標の構成中の図形部分に鹿児島県大隅半島の地図の形状と相違する点があり、また、同文字部分も一般的な書体で表されているものとはいえないとしても、当業界の実情等を踏まえれば、いずれの部分も自他商品の識別標識としては認識されないものというのが相当であることは、上記(1)のとおりであって、本願商標をその指定商品に使用するときは、それに接する需要者において、その商品が「鹿児島県佐多岬及びその周辺地域で生産されたモリンガを使用した」商品であることを表現するための文字及び図形であると理解、認識されるにとどまり、自他商品の識別標識としては認識されないというべきである。
イ 請求人は、本願の指定商品の市場において、本願商標と同一又は類似する標章が使用されている事実はなく、したがって特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものということはできない旨主張する。
しかしながら、本願商標は、それ自体としては使用例が見受けられないとしても、上記(1)のとおり、佐多岬においてモリンガが生産されている実情や、本願の指定商品を取り扱う業界において、モリンガがその原材料として使用されている実情、商品の原材料の生産地等を文字とともに地図でも表示することが広く行われている実情等があることに照らせば、本願商標をその指定商品に使用するときには、これに接する需要者によって、「鹿児島県佐多岬及びその周辺地域で生産されたモリンガを使用した」商品であることを表示するものとして一般に認識されるといえ、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものというべきものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは適当でないとともに、自他商品識別力を欠くものというのが相当である。
ウ 請求人は、地名、商品の名称等を表す文字及び地図を図案化した図形を結合させた商標に係る過去の登録例や審決例を挙げ、本願商標も登録を認められるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品・指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例や審決例は、商標の構成態様が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。
エ したがって、請求人の上記アないしウの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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