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商標拒絶査定不服審判

2023-001225

アラゴシミカン、アラゴシ

審判番号
2023-001225
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2021-116466
請求日
2023年01月24日
審決日
2023年11月28日
公報発行日
2024年07月26日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】梅乃宿酒造株式会社
  • 【請求人代理人】田中 尚文
審判長/審判官
  • 審判長 豊瀬 京太郎
  • 審判官 板谷 玲子
  • 審判官 白鳥 幹周
分類
T18 .13 -Z (W33) / T18 .272-Z (W33)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号商標法4条1項16号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2021-116466拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和3年9月17日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和4年 3月 7日付け:拒絶理由通知書 令和4年 7月22日 :意見書の提出 令和4年10月20日付け:拒絶査定 令和5年 1月24日 :審判請求書の提出 2 本願商標 本願商標は、「あらごしみかん」の文字を標準文字で表してなり、第33類「清酒,日本酒,焼酎,合成清酒,白酒,直し,みりん,洋酒,果実酒,酎ハイ,リキュール,カクテル,中国酒,薬味酒」を指定商品として登録出願されたものである。 3 原査定の拒絶の理由(要旨) 本願商標は、「あらごしみかん」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「あらごし」の文字は、「粗い目でこすこと。また、こしたもの」を意味する語であり、「みかん」の文字は、「ミカン科のうちの特にミカン亜科ミカン属の樹、またその果実の総称。」の意味を有する語であるから、本願商標は「あらごし」と「みかん」の文字の結合商標といえるものである。 そして、本願の指定商品を取り扱う業界においては、原材料を粗い目でこすこと、また、粗い目でこされた原材料について、「あらごし」又は「あらごし○○」と称し一般に使用されている実情がある。 そうすると、本願商標をその指定商品に使用したときは、これに接する取引者、需要者は、「粗い目でこしたみかんを使用した商品」ほどの意味合いを認識するにとどまり、本願商標を、商品の品質を普通に用いられる方法で表示した標章として認識するというのが相当である。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。 4 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について 本願商標は、「あらごしみかん」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「あらごし」の文字は、「あらい目でこすこと。また、そのこしたもの。」(出典:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)などを意味する語である。 また、原審提示の情報にあるように、本願の指定商品を取り扱う分野においては、「みかん」を原材料とする商品が一般に取り扱われている実情が認められる。 そして、原審提示の情報にあるように、同分野においては、「商品の原材料が粗くこされたものであること(粗くこした原材料を使用した商品であること)」を表現するための語として、「あらごし」の文字が広く使用されている実情が認められ、その中には「粗くこしたみかんを使用した商品」について「あらごしみかん」と称している事例も見受けられるところである。 そうすれば、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、それより「粗くこしたみかん」ほどの意味合いを容易に看取し、それが「商品の原材料であるみかんが粗くこされた商品(粗くこしたみかんを使用した商品)」という、商品の品質を表示したものと認識するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識し得ないというべきであるから、本願商標は、その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。 また、本願商標を、その指定商品中、上記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標というべきである。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。 (2)請求人の主張について ア 請求人は、本願商標は、その構成上、「あらごし」の文字と「みかん」の文字とに分離して認識され、これらの結合として容易に把握されるとする特段の事情は存在しない旨主張する。 しかしながら、上記(1)のとおり、本願の指定商品を取り扱う分野においては、「商品の原材料が粗くこされたものであること(粗くこした原材料を使用した商品であること)」を表現するための語として、「あらごし」の文字が広く使用されている実情が認められ、また、同分野において、「みかん」を原材料とする商品が広く取り扱われている実情があることからすれば、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、それが「あらごし」の語と「みかん」の語を結合してなるものと容易に理解するといえる。 イ 請求人は、「あらごし」の文字又は「みかん」の文字を構成中に有する登録商標の例を挙げ、それらの商標が「粗い目でこした、又は、粗い目でこされた原材料を使用した商品」又は「みかんを原材料とする飲料」以外の商品についてもその登録を認められていることからすれば、「あらごし」の文字より「粗い目でこした原材料(を使用した商品)」ほどの意味合いが把握されることも、「みかん」の文字より「ミカン科のうちの特にミカン亜科ミカン属の樹、またその果実の総称。」の意味を有する語として需要者、取引者に着目されることもなく、いずれにしても本願商標全体より「粗い目でこしたみかん」ほどの意味合いが認識されることはないというべきである旨主張する。 しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号又は同法第4条第1項第16号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品・指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成態様が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。 ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。 (3)審理終結通知後の上申書について 請求人は、審理終結通知後の令和5年9月19日及び同年10月5日に上申書を提出し、具体的な取引実情を考慮した場合には、本願商標は、請求人の業務に係る商品(特に「リキュール」)を表示するものとして、需要者、取引者に認識されているといえ、商標法第3条第1項第3号に該当するものではない旨を主張するとともに、同年10月12日付け手続補足書において証拠として甲第1号証ないし甲第10号証、甲第13号証及び甲第14号証(枝番号を含む。)を提出している。 そこで、これを検討するに、提出された証拠からは、請求人が本願商標と同一性が認められる範囲における「あらごしみかん」の文字からなる商標を、遅くとも2009年(平成21年)頃から、自己の業務に係る商品「リキュール」について使用している事実は認められるものの、その商品の出荷本数や売上高などの販売規模が、同業他社の商品のそれと比べて相当程度大きなものであると認めることができない上、本願の指定商品中には、請求人が本願商標を使用していると主張する商品「リキュール」以外の商品も多数含まれている。 また、酒類の卸売(小売)の事業を行う者又は酒類の提供を含む飲食事業を行う者による陳述書(甲第8号証)が41通提出されているが、これは本願商標とは異なる「あらごし」の文字からなる商標に係るものである上、我が国において多数存在する上述の事業者のうちわずか41の事業者(取引者)の個々の認識を示すものに過ぎないことから、本願の指定商品に係る我が国の需要者一般の本願商標についての認識を推定する根拠になるとはいえないものである。 さらに、本願商標に係る認識度を示す資料として、アンケート調査結果(甲第13号証)が提出されているところ、当該アンケート調査は、調査の実施日(実施期間)や実施主体が不明であり(なお、上記手続補足書においては「本願出願人が実施した」と記載されているが、請求人自身が本件のごとき調査を行うことは、その結果の客観性を担保する上で適切とはいい難いものである。)、その調査対象が「20歳から50歳までの女性360名」に限定されているなど、調査の手法が適切とはいい難い点も多い上、その調査において本願商標が請求人の業務に係る商品であると回答した者の割合は、回答者全体の約3.9%(360名中の14名)と相当低いことなどからすれば、この調査結果をもってしては、本願商標が請求人の業務に係る商品を表示するものとして、本願の指定商品の需要者に広く認識されているとはいえないものである。 以上のことからすれば、提出された証拠をもってしては、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当しないものであるということはできず、また、本願商標が使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至っているということもできない。 したがって、上記上申書及び証拠の内容によって、前記判断に影響を与えるものとみることはできず、そのほか、請求人は上記上申書及び手続補足書において、「あらごしみかん」に係る商品の出荷本数に関する証拠(甲第11号証の1、甲第11号証の2及び甲第12号証)について後日提出する旨、及び、更なる書証を提出するなどの対応を行う所存である旨を述べているが、いずれも時機に遅れた対応と言わざるを得ないから、審理再開の必要は認められないものである。 (4)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

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2023-001225

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