商標拒絶査定不服審判
2023-001186
スマート
- 審判番号
- 2023-001186
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-023241
- 請求日
- 2023年01月24日
- 審決日
- 2024年06月19日
- 公報発行日
- 2024年09月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社トライアルカンパニー
- 【請求人代理人】有吉 修一朗
- 【請求人代理人】藤岡 靖和
- 【請求人代理人】森田 靖之
- 【請求人代理人】筒井 宣圭
- 【請求人代理人】遠藤 聡子
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 康浩
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 大塚 正俊
- 分類
- T18 .16 -Z (W35)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-23241拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年3月1日の登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年8月30日付け:拒絶理由通知書
令和4年10月12日:意見書、手続補正書の提出
令和4年11月9日付け:拒絶査定
令和5年1月24日:審判請求書の提出
令和6年2月15日付け:審尋
令和6年3月27日付け:回答書
2 本願商標
本願商標は、「smart」の文字を標準文字で表してなり、第35類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として登録出願され、その後、本願の指定役務については、上記1の手続補正書により、第35類「衣料品・飲食料品及び生活用品に係る各種商品を一括して取り扱う小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、「smart」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「からだつきや物の形がすらりとして格好がよいさま」、「行動などがきびきびして洗練されているさま」、「服装や着こなしが気のきいているさま」、「電子機器が組み込まれた。ハイテクであるさま。」といった意味を有する語として知られる「スマート」の英語表記として広く知られている。そして、本願の指定役務に関連する業界において、「smart」を片仮名で表記した「スマート」の語が、「すらりとした薄型の商品」、「洗練された格好がよい商品」、「電子機器が組み込まれたハイテクな商品」といった商品の特徴を端的に表す語として、宣伝広告的に広く用いられている実情が認められる。そうすると、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する需要者は、自他役務の識別標識として認識するというよりは、単に役務の宣伝文句の一種として理解するにすぎない。したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものであるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審における審尋
当審において、本願商標の商標法第3条第1項第6号該当性について、請求人に対し、審尋で、別掲の事実を示すとともに、当審における合議体の暫定的見解について通知し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。
5 審尋に対する請求人の回答
請求人は、上記4の審尋に対して、上記1の当審における意見書において、要旨、以下のように主張した。
(1)「スマートストア」「スマートリテール」「スマートデパート」「スマート・コンビニ」「スマート店舗」「スマートレジカート」などの記載のような、「スマート〇〇」の事例が大半であり、「スマート」の文字が単独で使用されているのは、僅か1例のみである。
(2)上記を考慮すると、AI技術等を活用した小売の経営手法(店舗形態)を表す際に、一般的に使用されているのは「スマート〇〇」であり、「スマート」の語が広く使用されている事実は存在しないと考えるのが自然である。
(3)そうとすると、「スマート」の文字が、「総合小売等役務」の特徴を端的に表す語として、宣伝広告的に広く用いられている実情は存在せず、本願商標「smart」は充分に自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものと考える。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、前記1のとおり、「smart」の文字を標準文字で表してなるところ、これは「頭の良い、知能の高い、利口な、コンピュータ制御の」等(「ジーニアス英和辞典第5版」株式会社大修館書店)を意味し、一般に親しまれた語である。
そして、本願指定役務に関連する小売業界においては、近年、IoTやAI技術を積極的に活用することにより店舗の運営効率化を図る取組が行われている実情が見受けられ、別掲のとおり、「スマートストア」や「スマートリテール」など、前記AI技術等を活用した小売の経営手法(店舗形態)を表す際に、「smart」の表音を片仮名で表した「スマート」の語が広く使用されている事実が認められる。
そうすると、「smart」の文字からなる本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、IoTやAI技術を積極的に活用することにより運営効率化を図る小売の経営手法(店舗形態)であるという、役務の特徴を説明するための語であると理解、認識するにすぎないものであるから、本願商標は、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものであり、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標というべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、本願指定役務に関連する小売業界において、AI技術等を活用した小売の経営手法(店舗形態)を表す際に、一般的に使用されているのは「スマート〇〇」であり、「smart(スマート)」の語が広く使用されている事実は存在しないことから、本願商標は、出所識別力のある商標である旨主張する。
しかしながら、「smart(スマート)」の文字が単独で使用されている事実が少ないとしても、前記(1)のとおり、本願指定役務に関連する小売業界においては、近年、IoTやAI技術を積極的に活用することにより店舗の運営効率化を図る取組が行われている実情が見受けられ、「スマートストア」や「スマートリテール」など、前記AI技術等を活用した小売の経営手法(店舗形態)を表す際に、「smart」の表音を片仮名で表した「スマート」の語が広く使用されている実情を考慮すれば、「smart」の文字からなる本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、IoTやAI技術を積極的に活用することにより運営効率化を図る小売の経営手法(店舗形態)であるという、役務の特徴を説明するための語であると理解、認識するにすぎないものであるから、本願商標は、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものである。
また、請求人は、本願商標の登録適格性を主張するために、他の登録例を挙げているが、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、その指定役務との関係において、個別具体的に判断されるものであって、他の登録例の存在によって、上記判断が左右されるものではない。
したがって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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