商標拒絶査定不服審判
2023-001177
サステナブルワギュー、サステナブル
- 審判番号
- 2023-001177
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-027531
- 請求日
- 2023年01月24日
- 審決日
- 2023年12月20日
- 公報発行日
- 2024年03月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社熟豊ファーム
- 【請求人代理人】中井 正樹
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 田中 瑠美
- 分類
- T18 .16 -Z (W29)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022- 27531拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年3月10日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 7月19日付け:拒絶理由通知書
令和4年 9月26日 :意見書、手続補正書の提出
令和4年10月12日付け:拒絶査定
令和5年 1月24日 :審判請求書の提出
令和5年 9月14日付け:審尋
2 本願商標
本願商標は、「サステナブル和牛」の文字を標準文字で表してなり、第29類「牛乳を使用した乳製品,牛肉,牛肉製品,牛肉を使用したカレー・シチュー又はスープのもと,牛肉を使用したお茶漬けのり,牛肉を使用したふりかけ」を指定商品として登録出願され、その後、上記1の手続補正書により、第29類「和牛の牛乳を使用した乳製品,和牛の牛肉,和牛の肉製品,和牛を使用したカレー・シチュー又はスープのもと,和牛を使用したお茶漬けのり,和牛を使用したふりかけ」と補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「サステナブル和牛」の文字を標準文字で表してなるものであるが、その構成中「サステナブル」の文字(これと同義とみられる「サステイナブル」、「サスティナブル」及び「SUSTAINABLE」の文字を含む。)は、「持続可能な」の意味を有する語であるところ、2015年の国連サミットにおいて、「持続可能な開発目標(SDGs)」が採択されたことに伴い、近時注目を集めており、おおむね「地球環境に配慮した持続可能な社会を実現するための取組」を表す語として使用されている実情がある。
また、地球環境に配慮した持続可能な社会を実現するための取組を行うことを企業理念として掲げて生産・販売される商品について、「サステナブル○○」や「サステナブルな○○」(○○には商品を表す語が入ります。)の語が使用されており、このことは畜産に係る商品においても同様である。
そうすると、「サステナブル」の文字と「和牛」の文字を結合させた本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者は、「地球環境に配慮した持続可能な社会を実現するための取組を行うことを企業理念として掲げて生産・販売される和牛及び当該和牛を使用した商品」であることを理解するにすぎず、場合によっては、商品の広告宣伝的な語句として認識するものとみるのが相当である。
また、提出された証拠からは、本願商標が、使用をされた結果、需要者等が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至っていると認めることはできない。
したがって、本願商標は、「需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標」に当たるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
4 当審における審尋及びそれに対する請求人の回答
当審において、令和5年9月14日付け審尋により、別掲に掲げる事実を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、請求人に対し、意見を求めた。
請求人は、当該審尋に対し、指定した期間を経過するも、何ら回答していない。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、「サステナブル和牛」の文字を標準文字で表してなるところ、原審説示のとおり、その構成中「サステナブル」の文字は、「持続可能な」の意味を有し、2015年の国連サミットにおける「持続可能な開発目標(SDGs)」の採択を契機に、地球環境保全に関する取組に広く使用される語となり、昨今では、様々な形で環境に配慮した各種商品について、「サステナブル○○」「サステナブルな○○」のように、「サステナブル」の文字を冠した商品が多数取り扱われている実情にあることが確認できる。
そして、原審で提示した情報に加え、別掲のインターネット情報によれば、本願の指定商品を取り扱う食品関連業界においても、持続可能な社会の実現に向けて地球環境に配慮した商品を取り扱う動きが見られ、それらの商品を「サステナブル○○」「サステナブルな○○」(○○は食材や飲食料品名が入る。)等と称して生産・販売していることがうかがえる。
そうすると、「サステナブル」の文字と「和牛」の文字を結合させた本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「持続可能な社会の実現に向けて地球環境に配慮した和牛及び当該和牛を使用した商品」であることを理解するにすぎず、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないというべきである。
したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というべきであって、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)本願商標が使用により自他商品の識別性を獲得していることについて
請求人は、本願商標は使用の結果、需要者・取引者が出願人の業務に係る商品であることを認識することができるに至っているものであり、登録されるべきものであると主張する。
しかしながら、請求人による当該主張に係る資料の提出は、甲第4号証ないし甲第7号証のみであり、本願商標について、我が国における周知性の度合いを客観的に判断するための資料、すなわち、本願商標の使用期間及び使用地域、本願商標に係る商品の生産数、販売数等の使用数量や市場シェア、売上高並びに広告費、広告宣伝の方法及び回数など取引状況を具体的に示す証拠はこれらから見いだすことができず、我が国における客観的な使用事実に基づいて、本願商標の使用状況を把握することはできない。
そのため、本願商標は、使用をされた結果、自他商品の識別力を獲得し、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至っていると認めることはできない。また、その他、職権で調査するも、本願商標がその指定商品を取り扱う業界において、自他商品の出所識別標識としての機能を発揮し得るものであると認めるに足りる事情を見いだすこともできない。
(3)請求人の主張について
請求人は、2015年の国連サミット以降も「サステナブル」や「SUSTAINABLE」等を含む商標が多数登録されており、当該登録例と同様の構成である本願商標も登録されるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品・指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成態様や指定商品・指定役務、判断時期が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、本件判断が左右されるものではない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであって、使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至っているともいえないものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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