商標拒絶査定不服審判
2023-001120
ゴナンオニギリ、ゴナン
- 審判番号
- 2023-001120
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-065526
- 請求日
- 2023年01月23日
- 審決日
- 2024年07月31日
- 公報発行日
- 2024年10月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】宗教法人安国論寺
- 【請求人代理人】渡部 仁
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 康浩
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 大塚 正俊
- 分類
- T18 .13 -Z (W303543) / T18 .272-Z (W303543)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-65526拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和3年5月28日の登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年4月12日付け:拒絶理由通知書
令和4年5月27日:意見書の提出
令和4年10月17日付け:拒絶査定
令和5年1月23日:審判請求書の提出
令和6年2月26日付け:審尋
令和6年4月8日:回答書の提出
第2 本願商標
本願商標は、「御難おにぎり」の文字を標準文字で表してなり、第30類、第35類及び第43類に属する別掲1のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は「御難おにぎり」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「御難」の文字は「災難・難儀などを、それを被る人を敬い、また、丁寧にいう語。日蓮宗で、日蓮の法難のこと。」、「おにぎり」の文字は「握り飯を丁寧にいう語。」の意味を有する語である。そして、「御難おにぎり」及びこれと同義の「御難おむすび」は、日蓮上人が難を逃れる前に食べたとされることから、安全祈願のおにぎりとして伝わっているものであり、神奈川県の御当地おにぎりとしても取り扱われている実情が認められる。そうとすると、本願商標を、その指定商品及び指定役務中、「おにぎりに関する商品及び役務」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、前記「御難おにぎり」に関する商品及び役務であること、すなわち、単に商品の品質及び役務の質を普通に用いられる方法で表示したものとして認識するというべきである。また、本願商標を「おにぎりに関する商品及び役務」以外の商品・役務に使用するときは、商品の品質及び役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるというべきである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第4 当審における審尋
当審において、本願商標の商標法第3条第1項第3号、同項第6号及び同法第4条第1項第16号該当性について、請求人に対し、審尋で、別掲3の事実を示すとともに、当審における合議体の暫定的見解について通知し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。
第5 審尋に対する請求人の回答
請求人は、上記第4の審尋に対して、上記第1の当審における回答書において、要旨、以下のように主張した。
1 本願商標構成中の「御難」の文字が「災難・難儀などを、それを被る人を敬い、また、丁寧にいう語。日蓮宗で、日蓮の法難のこと。」を意味するものであったとしても、それはあくまで構成文字の由来にすぎず、指定商品である「おにぎり,その他」の品質(内容)や特性を表したものである、との判断は無理がある。
2 「御難おにぎり」の原材料や作り方に必ずしも統一が見られないことから、本願商標が特定の品質を表示すると判断するのは困難である。
第6 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号について
商標法第3条第1項第3号に掲げる商標が商標登録の要件を欠くとされているのは、このような商標は、商品の産地、販売地その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解すべきである(昭和53年(行ツ)第129号判決参照)。
また、上記第3号の趣旨からすれば、商標登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号にいう「役務の提供場所及び質を普通に用いられる方法で表示する商標」に該当するというためには、(中略)、需要者又は取引者によって、当該指定役務が当該商標の表示する地名及び特性を提供場所及び質としているであろうと一般に認識され得ることをもって足りるというべきである(同項第3号にいう「商品の産地又は販売地を普通に用いられる方法で表示する商標」につき同旨、昭和60年(行ツ)第68号判決参照)。
2 本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の該当性について
本願商標は、前記第2のとおり、「御難おにぎり」の文字を標準文字で表してなるところ、別掲2のとおり、その構成中「御難」の文字は「災難・難儀などを、それを被る人を敬い、また、丁寧にいう語。日蓮宗で、日蓮の法難のこと。」、「おにぎり」の文字は「握り飯を丁寧にいう語。」の意味を有する語である。
また、原審において示された事実及び当審における職権調査によれば、別掲2(3)及び別掲3のとおり、本願指定商品及び指定役務に関連する分野において、「御難おにぎり」及びこれと同義の「御難おむすび」は、日蓮上人が難を逃れる前に食べたとされることから、安全祈願のおにぎりとして伝わっているものであり、現在は、梅やしそ等を混ぜ込んで作る、神奈川県の御当地おにぎりとしても取り扱われている実情が認められる。
そうとすると、本願商標を、その指定商品及び指定役務中、第30類「おにぎり,冷凍おにぎり,レトルトパウチされたおにぎり,おにぎり型のすし,おにぎり入り弁当」及び第43類「おにぎりを主とする飲食物の提供,日本料理を主とする飲食物の提供」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、日蓮上人由来の安全祈願のおにぎりであり、神奈川県の御当地おにぎりである「御難おにぎり」に関する商品及び役務であること、すなわち、単に商品の品質及び役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示したものとして認識し、本願商標を「おにぎりに関する商品及び役務」以外の商品及び役務に使用するときは、商品の品質及び役務の質(内容)の誤認を生じさせるおそれがあるというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
3 請求人の主張について
(1)請求人は、「御難おにぎり」の原材料や作り方に必ずしも統一が見られないことから、本願商標が特定の品質を表示すると判断するのは困難である旨主張する。
しかしながら、たとえ請求人が主張するように「御難おにぎり」の原材料や作り方に必ずしも統一が見られない実情があったとしても、本願商標の構成全体から上記2で示したとおりの意味合いを認識させることが否定されるものではなく、本願商標を自他商品又は自他役務の識別標識としては認識し得ないという判断が左右されるものではない。
また、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、本件審決時において、本願商標が指定商品及び指定役務との関係で、将来を含め、その取引者、需要者によって商品の品質及び役務の質を表示するものと一般に認識されるものであれば足りることは、上記1のとおりである。
(2)請求人は、過去における登録例を挙げて、本願商標も登録されるべき旨を主張している。
しかしながら、登録出願に係る商標がその指定商品及び指定役務との関係において、自他商品及び自他役務の識別標識として機能し得るか否かは、当該商標の構成態様と指定商品及び指定役務との関係や取引の実情をも踏まえて個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の示す登録例と本願商標とは、構成態様や指定商品及び指定役務が異なり、事案を異にするものであり、本願商標が自他商品及び自他役務の識別力を欠くものであることは、上記2のとおりであるから、登録例があるからといってその判断が左右されることはない。
(3)したがって、請求人による上記主張は、いずれも採用することができない。
4 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2023-001120