商標拒絶査定不服審判
2023-000936
ティルト、チルト
- 審判番号
- 2023-000936
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-156819
- 請求日
- 2023年01月19日
- 審決日
- 2024年08月27日
- 公報発行日
- 2025年02月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ジョイー インターナショナル カンパニー リミテッド
- 【請求人代理人】阿部 達彦
- 【請求人代理人】小暮 理恵子
- 【請求人代理人】行田 朋弘
- 審判長/審判官
- 審判長 山田 啓之
- 審判官 杉本 克治
- 審判官 青野 紀子
- 分類
- T18 .13 -Z (W12)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-156819拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「tilt」の文字を標準文字で表してなり、第12類「チャイルドシート,自動車の座席用ヘッドレスト,乗物用シートカバー,座席及び乗物用の子供用安全帯及び安全拘束具,チャイルドシートの部品及び附属品,子供用の乗物用の安全ベルト,自動車のシート用ハーネス,乗物用チャイルドシート,乳母車専用の取り外し可能なキャリコット,キャリコットを組み込んだ乳母車,乳母車,軽量乳母車,乳母車用フード,乳母車用カバー,乳母車用折畳み式フード,乳母車用折畳み式カバー,軽量乳母車用フード,軽量乳母車用カバー,乳母車専用の足部保温用マフ,折畳み式乳母車,折畳み式乳母車専用の足部保温用マフ,折畳み式乳母車専用バッグ,折畳み式乳母車用カバー,折畳み式乳母車用ほろ,乳母車及び折畳み式乳母車の部品及び附属品,乳母車用シートパッド,乳母車用頭部サポート具,乳母車用トレイ及びホルダー,乳母車用保護シールド,乳母車専用バッグ」を指定して、令和3年12月16日に登録出願されたものである。
本願は、令和4年6月15日付けで拒絶理由の通知がされ、同年9月21日受付で意見書が提出されたが、同年10月14日付けで拒絶査定がなされたもので、これに対し、同5年1月19日に拒絶査定不服審判が請求されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、「tilt」の文字を標準文字で表してなるところ、この文字は「傾けること。」の意味を表す語として使用されている。そして、本願の指定商品に関する業界や各種業界において、「tilt」の文字の表音を片仮名で表した「チルト」の文字が、傾きの調整が可能なものを表す語として広く使用されている実情が見受けられる。そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、単に「傾きの調整が可能な商品」であること、すなわち商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。
3 当審における審尋
当審において、令和6年3月15日付け審尋により、請求人に対し、別掲1ないし別掲3の証拠を示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当する旨の合議体の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めた。
4 審尋に対する請求人の回答
請求人は、上記3の審尋に対し、指定した期間を経過するも、何ら回答していない。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、上記1のとおり、「tilt」の文字を標準文字にて表してなるところ、当該文字が「傾ける[傾く]こと、傾いた状態、傾斜(面)」(令和5年1月23日付け手続補足書に添付の第1号証の1)や「傾き、傾斜」(同書に添付の第1号証の2)の意味を有する語として、一般の辞書に掲載があるから、本願商標は「傾き」の意味を理解させるにとどまるものである。
そして、別掲1のとおり、本願の指定商品を含む乗り物を取り扱う分野において、「tilt」の欧文字又はその表音を表記した「チルト」若しくは「ティルト」の片仮名(以下、これらをまとめて「tilt等の文字」という場合がある。)が、例えば、ベビーカーや、車椅子、自転車、自動車等の座席等の商品が有する機能の一として、当該商品又はその商品の構成の一部が傾くことを、当該商品の品質(機能)として紹介又は説明等に、使用されている実情が認められる。
また、別掲2のとおり、例えば、ドリンクホルダー、液晶モニタ、電卓、アイラッシュ専用ワゴン、ジャッキ等の商品においても、「tilt等の文字」が、商品が有する機能の一として、当該商品又はその商品の構成の一部が傾くことを、当該商品の品質(機能)として紹介又は説明等に使用されている実情が認められる。
そして、別掲3のとおり、チャイルドシート、乳母車等においては、「傾き」が商品の重要な機能の一であることが認められる。
そうすると、本願商標は、これをその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者に、「傾き」の機能を有する商品であることを認識させるにとどまるから、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張
請求人は、本願商標「tilt」の文字を指定商品「チャイルドシート」に使用していること、当該商品が全37か国で販売されていること、台湾での商品見本市に出展されたこと、我が国でのEコマースサイトや実店舗で販売されていること等を主張し、それに係る証拠を提出し、本願商標が問題なく使用できているから、顕著性があり、商標として機能し得ると主張する。
しかしながら、本願の指定商品を取り扱う分野において、本願商標が使用されていることはうかがえるとしても、上記(1)のとおり、本願商標を構成する文字、及びこれより生じる意味合い並びに別掲1ないし別掲3の取引の実情を考慮したときには、本願商標は、これをその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者に、「傾き」の機能を有する商品であることを認識させるにとどまるから、本願商標は、商品の品質を表示したにすぎないものといわざるを得ない。
したがって、請求人の主張は採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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