商標拒絶査定不服審判
2023-000836
キノハナ、キノ、ハナ
- 審判番号
- 2023-000836
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-036457
- 請求日
- 2023年01月18日
- 審決日
- 2024年03月15日
- 公報発行日
- 2024年05月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】清水建設株式会社
- 【請求人代理人】松沼 泰史
- 【請求人代理人】眞島 竜一郎
- 【請求人代理人】安部 聡
- 審判長/審判官
- 審判長 豊田 純一
- 審判官 馬場 秀敏
- 審判官 岩谷 禎枝
- 分類
- T18 .23 -Z (W2026)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項8号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第8号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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商願2022-36457拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は「kino hana」の文字を標準文字で表してなり、第20類「木製彫刻,木製・ろう製・石膏製又はプラスチック製の造形品」及び第26類「造花,造花の花輪・リース」を指定商品とし、令和4年3月30日に登録出願されたものである。
本願は令和4年9月1日付けで拒絶理由が通知され、同年10月14日付けで意見書が提出されたが、同年11月7日付けで拒絶査定されたものである。
これに対し、令和5年1月18日付けで拒絶査定不服審判が請求されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、本願商標は「kino hana」の文字を標準文字で表してなるところ、これは舞台やテレビドラマ、映画に数多く出演して活躍する著名な俳優の芸名である「木野花」(敬称略。以下、同じ。)を欧文字で表記したものと認められ、同者の承諾を得ているものとは認めることはできないから、商標法第4条第1項第8号に該当する旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第8号の趣旨について
(1)商標法第4条第1項第8号が、他人の肖像又は他人の氏名、名称、著名な略称等を含む商標は、その他人の承諾を得ているものを除き、商標登録を受けることができないと規定した趣旨は、人(法人等の団体を含む。以下同じ。)の肖像、氏名、名称等に対する人格的利益を保護することにあると解される。すなわち、人は、自らの承諾なしにその氏名、名称等を商標に使われることがないという利益を保護することにあると解される。略称についても、一般に氏名、名称と同様に本人を指し示すものとして受け入れられている場合には、本人の氏名、名称と同様に保護に値すると考えられる。そうすると、人の名称等の略称が8号にいう「著名な略称」に該当するか否かを判断するについても、常に、問題とされた商標の指定商品又は指定役務の需要者のみを基準とすることは相当でなく、その略称が本人を指し示すものとして一般に受け入れられているか否かを基準として判断されるべきものということができる(最高裁平成16年(行ヒ)第343号同17年7月22日第二小法廷判決)。
(2)商標法第4条第1項第8号は、「他人の氏名・・・を含む商標」と規定するものであり、当該「氏名」の表記方法に特段限定を付すものではない。・・・自己の「氏名」であれば、それがローマ字表記されたものであるとしても、本人を指し示すものとして受け入れられている以上、その「氏名」を承諾なしに商標登録されることは、同人の人格的利益を害されることになると考えられる。したがって、同号の「氏名」には、ローマ字表記された氏名も含まれると解される(知財高裁平成31年(行ケ)第10037号)。
2 本願商標の商標法第4条第1項第8号該当性について
(1)本願商標について
本願商標は、上記1のとおり、「kino hana」の文字を標準文字で表してなるものであるところ、これよりは、「キノハナ」の称呼が自然に生じるものである。
(2)俳優・演出家の「木野花」について
原審拒絶理由及び拒絶査定並びに当審における職権調査によると、以下の事実が認められる。
ア 「吉住モータース」のウェブサイトにおいて、「木野花 Kino Hana」の見出しの下、「1974年に東京演劇アンサンブル養成所時代の仲間5人と、女性だけの劇団「青い鳥」を結成。翌年に旗揚げ公演を行い、80年代の小劇場ブームの旗手的な存在になる。86年、同劇団を退団。現在は、女優・演出家として活躍中。2019年、映画「愛しのアイリーン」(吉田恵輔監督)での演技を高く評価され、第92回キネマ旬報助演女優賞を受賞。」との記載がある。
また、「木野花」は数多くの映画、テレビ、舞台等に出演している旨の記載がある。
例えば、映画では、2023年には「バカ塗りの娘」、「波紋」、「ヴィレッジ」、2022年には「凪の島」、「劇場版おいしい給食卒業」、2021年には「そして、バトンは渡された」、「砕け散るところを見せてあげる」、2020年には「MOTHERマザー」、2019年には「ユンヒへ」、「閉鎖病棟-それぞれの朝-」、2018年には「愛しのアイリーン」、「「十年 Ten Years Japan」『美しい国』」、「母さんがどんなに僕を嫌いでも」、2017年には「ハローグッバイ」、2015年には「恋人たち」、「猫侍南の島へ行く」、「娚の一生」、2014年には「エイトレンジャー2」、2013年には「さよなら渓谷」、「ラブクラフトガール」、「さよならとマシュマロを」、「そして父になる」、「「世界はときどき美しい」リバイバル」、「すーちゃん まいちゃん さわ子さん」、2012年には「鍵泥棒のメソッド」、「ヒミズ」、2011年には「シェアハウス」、「はやぶさ/HAYABUSA」、「極道めし」、「うさぎドロップ」、「PANORAMA」、「ホームカミング」、2010年には「必死剣 鳥刺し」、2009年には「童貞放浪記」、2008年には「K-20 怪人20面相伝」、「魔法遣いに大切なこと」、「ハッピーフライト」、2007年には「世界はときどき美しい」、「バウムクーヘン」、「素敵な夜、ボクにください」、2006年には「明日の記憶」、「嫌われ松子の一生」、2005年には「いいこ。」、2004年には「スウィングガールズ」、「ヴィタール」、「手を握る泥棒の物語」、「トニー滝谷」、「理由」、2003年には「ばかのハコ船」、2002年には「Laundry」、「フィラメント」、2001年には「告別」などに出演している。
テレビドラマでは、2024年には「NHK連続テレビ小説 ブギウギ」(レギュラー出演 NHK)、「土曜ドラマ「お別れホスピタル」」(全4話出演 NHK)、「義母と娘のブルースFINAL 2024年謹賀新年スペシャル」(TBS)、2023年には「ラフな生活のススメ」(NHK)、「unknown」(レギュラー出演 テレビ朝日)、「我らがパラダイス」(レギュラー出演 NHKBSプレミアム)、2022年には「空白を満たしなさい」(最終話出演 NHK)、「彼女、お借りします」(レギュラー出演 ABCテレビ)「旅屋おかえり」(秋田編ゲスト出演 NHKBSプレミアム)、2021年には「おいしい給食season2」(テレビ神奈川・TOKYOMX他)、「婚姻届に判を捺しただけですが」(TBS)、「ポリス×戦士ラブパトリーナ!」(第45話 テレビ東京)、「『THE LIMIT』第6話「高速夜行バス」(Hulu)、2020年には「ポリス×戦士ラブパトリーナ!」(第19話 テレビ東京)、「家政夫のミタゾノ」(第4話 テレビ朝日)、「浦安鉄筋家族」(ナレーション テレビ東京)、「絶対零度~未然犯罪潜入捜査~」(第4話 フジテレビ)、2019年には「グランメゾン東京」(レギュラー出演 TBS)、「蝶の力学 殺人分析班」(WOWOW)、2018年には「この世界の片隅に」(レギュラー出演 TBS)、2017年には「女囚セブン」(レギュラー出演 テレビ朝日)、「フランケンシュタインの恋」(日本テレビ)、「視覚探偵 日暮旅人」(日本テレビ)、「女の中にいる他人(レギュラー出演 NHKBSプレミアム)、2016年には「プリンセスメゾン」(NHKBSプレミアム)、「進め!青函連絡船」(NHKBSプレミアム)、「家売るオンナ」(第2話 日本テレビ)、「ドクター調査班」(レギュラー出演 テレビ東京)、「トットてれび」(第3話 NHK)、2015年には「世界はひばりを待っている」(NHKBSプレミアム)、「視覚探偵 日暮旅人」(日本テレビ)、「硝子の葦」(WOWOW)、「銭の戦争」(レギュラー出演 関西テレビ)、2014年には「SAKURA~事件を聞く女~」(レギュラー出演 TBS)、「ゼロの真実」(第5話 テレビ朝日)、「獣医さん、事件ですよ」(日本テレビ)、「三匹のおっさん」(第6話 テレビ東京)、2013年には「NHK連続テレビ小説 あまちゃん」(レギュラー出演 NHK)、「実験刑事トトリ2」(第1話 NHK)、「ほんとうにあった怖い話 夏の特別編2013『女子高生パニック』」(フジテレビ)、「「ウルトラマンギンガ」新ウルトラマン列伝」(テレビ東京)、「名もなき毒」(TBS)、「配達されたい私達」(WOWOW)、「白衣のなみだ 第一部『余命』」(THK)、「いつか陽のあたる場所で」(NHK)、2012年には「Piece」(日本テレビ)、「分身」(WOWOW)、2011年には「Ohデビー!」(BSスカパー)、「ラストマネー -愛の値段-」(第1話 NHK)、「いぬのメリー~幸せを運ぶ伝書犬~」(BeeTV)、2010年には「うぬぼれ刑事」(第7話 TBS)、「新・警視庁捜査一課9係」(第3話 テレビ朝日)、「トラブルマン」(テレビ東京)、「アザミ嬢のララバイ」(第9話 毎日放送)、「木下部長とボク」(日本テレビ)、2009年には「ギネ 産婦人科の女たち」(日本テレビ)、「スキップ! 商店街が生んだアイドル」(NHK)、「たったひとりの反乱 突然の娘の死、医療の壁と闘った8年」(NHK)、2008年には「てやんでいBaby」(WOWOW)、2007年には「浅草ふくまる旅館」(PART1/PART2 レギュラー出演 TBS)、「NHK連続テレビ小説 どんど晴れ」(全156話・語り担当 NHK)、「夫婦道」(TBS)、「ハッピィ★ボーイズ」(テレビ東京)、2006年には「下北サンデーズ」(レギュラー出演 テレビ朝日)、「魂萌え」(レギュラー出演 NHK)、「NHK連続テレビ小説 純情きらり」(ゲスト出演 NHK)、「津軽海峡ミステリー航路5」(フジテレビ)、2005年には「どんまい!」(4話連続出演 NHK)、「正しい恋愛のススメ」(レギュラー出演 TBS)、「曲がり角の彼女」(KTV)、2004年~2005年「3年B組金八先生」(校長先生役 TBS)、2003年「ヤンキー母校に帰る」(TBS)、「蕎麦屋の噺」(NHK)、「「警視庁・女性捜査班」土曜ワイド劇場」(ANB)、2002年には「天体観測」(KTV)、「恋ノチカラ」(フジテレビ)、2001年には「少年たち2」(NHK)、「コウノトリなぜ紅い」(NHK)、「最後の夏休み」(24時間テレビSP 日本テレビ)、「ウソコイ」(KTV)などに出演している。
舞台では、2023年には「暮らしなずむばかりで」、2022年には「阿修羅のごとく」、2019年には「あれよとサニーは死んだのさ」、2018年には「海越えの花たち」、2017年には「クラウドナイン」、2016年には「どどめ雪」、2015年には「ジャガーの眼 2008」、2014年には「つんざき行路、されるがまま」、2012年には「くじけまみれ」、「夜の森」、2011年には「春すぎて」、2010年には「ジェットの窓から手を振るわ」、2008年には「物語が、始まる」、2007年には「片づけたい女たち」、2005年には「猫と庄造と二人のおんな」、2004年には「真夏の夜の夢」、2003年には「ダブルアルバム」において、演出を手掛けた。
テレビ番組では、2024年「土スタ」(NHK)、2022年「ボクらの時代」(フジテレビ)、2019年「あしたも晴れ!人生レシピ『老いて今を楽しむ~幸せのヒント~』」(Eテレ)、「ごごナマ」(NHK)、2018年には「あしたも晴れ!人生レシピ『この先 誰とどこで暮らしますか?』」(Eテレ)、2017年には「あしたも晴れ!人生レシピ『セカンドライフの快眠法』」(Eテレ)、「秘密のケンミンSHOW」(日本テレビ)、2016年には「団塊スタイル」(Eテレ)、「秘密のケンミンSHOW」(日本テレビ)、2015年には「ぴったんこカン★カン」(日本テレビ)、「団塊スタイル」(Eテレ)、2014年には「「遠くへ行きたい」第2212回『美しの里山 秘伝の味探し』」(日本テレビ)、「日本ほのぼの散歩2時間スペシャル『世界遺産と国宝に出会う古都・奈良』」(BS11)、「東北Z「サンドウィッチマンのどうなってる?『被災地の住まい』」(NHK仙台)、「L4YOU!」(テレビ東京)、「ボクらの時代」(フジテレビ)、「「にっぽん原風景紀行」第247景・第248景」(BSジャパン)、2013年には「あさイチ~プレミアムトーク・あまちゃん総集編~」(NHK)、「地球イチバン『世界一の油絵村~中国』」(NHK)、「SMAP×SMAP『ビストロSMAP』」(フジテレビ)、「はなまるマーケット『はなまるカフェ』」(TBS)、「伝えてピカッチ」(NHK)、「出没!アド街ック天国」(テレビ東京)、「スタジオパークからこんにちは」(NHK)、「カミングアウトバラエティ 秘密のケンミンSHOW」(YTV)、2012年には「怪傑えみちゃんねる」(KTV)、「にじいろジーン」(KTV)、2011年には「二人の食卓」(テレビ朝日)、「週刊ブックレビュー」(NHKBS)等に出演している。
CMでは、2020年には「JA共済 保障点検活動「質問」篇」、2019年には「明治「R-1」」、2018年には「花王「ウルトラアタックNeo」、2016年には「ユースキンhana「うるおいのバトンリレー」」、2014年には「KINCHO「虫コナーズ『落とし穴篇』」」などに出演している。
ラジオでは、2022年には「Spotifyオリジナル「ホントのコイズミさん」」(podcast)、2021年には「FMシアター「うらぼんえの帰還兵」」(NHK-FM)、2020年には「NHKタイムラプス紀行「東北篇」ナビゲーター」(NHK)、「オーディオドラマ「アレク氏2120」第8話」(Amazon audible)、「青森発ラジオ深夜便」(NHK青森)、2019年には「すっぴん!『すっぴん!インタビュー』」(NHK)、「オーディオドラマ「青春アドベンチャー『僕たちはもう帰りたい』全5回」(NHK-FM)、2017年には「大竹まこと ゴールデンラジオ」(文化放送)、2016年には「ラジオ深夜便」(NHK)、「旅ラジ」(NHK)などに出演している。
https://www.y-motors.net/artist/kino/
イ 「NHKアーカイブス」のウェブサイトにおいて、「木野花 きのはな」の見出しの下、「名わき役としてテレビや映画で幅広く活躍。NHKでも連続テレビ小説『純情きらり』『どんど晴れ』『あまちゃん』、土曜ドラマ『魂萌え!』など。『BS週刊ブックレビュー』の司会も務めた。」との記載及び「BS週刊ブックレビュー(1993~2001)」との記載がある。
https://www2.nhk.or.jp/archives/jinbutsu/detail.cgi?das_id=D0009071023_00000
ウ 「トーキョー女子映画部」のウェブサイトにおいて、「木野花(きの はな)」の見出しの下、「1974年、東京演劇アンサンブル養成所時代の仲間と劇団「青い鳥」を結成する。翌年には旗揚げ公演を行い、1980年代小劇場ブームの先駆者的存在となる。退団後から現在に至るまで俳優、演出家として活躍中。2019年、映画『愛しのアイリーン』で第92回キネマ旬報助演女優賞を受賞。2023年、舞台“阿修羅のごと”」で第30回読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞した。」との記載がある。
https://www.tst-movie.jp/act/ka-kinohana.html
エ 「weblio辞書」における、「タレントデータベース」において、「芸名 木野花」との記載がある。
https://www.weblio.jp/content/%E6%9C%A8%E9%87%8E%E8%8A%B1
オ 2019年1月4日 日刊スポーツ 「ブルーリボン賞各賞候補決定2・6授賞式」の見出しの下、「東京映画記者会(日刊スポーツなど在京スポーツ7紙の映画担当記者で構成)が選ぶ、第61回(18年度)ブルーリボン賞の各賞候補が3日、決定した。・・・助演女優賞・・・木野花」との記載がある。
カ 2019年2月22日 産経新聞 東京朝刊 「【クリップボード】キネマ旬報ベスト・テン表彰式 柄本佑・安藤サクラ 夫婦で受賞」の見出しの下、「助演女優賞=木野花(愛しのアイリーン)」との記載がある。
キ 2020年9月9日 西日本新聞夕刊 「始まりの予感に満ちて 二人芝居「さるすべり-」 新型コロナ/エンタメ」の見出しの下、「新型コロナウイルスが暮らしを一変させて半年近く。8月に上演された渡辺えりと木野花による二人芝居「さるすべり コロナノコロ」は、時間も空間も自由に行き来できる演劇の魅力を改めて感じた舞台だった。」との記載がある。
ク 2021年2月27日 スポーツ報知 「劇団☆新感線41周年春興行Yellow/新感線「月影―」初日「少数精鋭で」」の見出しの下、「96年、03年に上演され、女優の木野花(73)が演じたハイテンションな劇団の座長が話題を集めた舞台「花の紅天狗」のスピンオフ作品。」との記載がある。
ケ 2021年4月16日 日本経済新聞 大阪夕刊 「劇団内のドタバタ、笑いで彩る。」の見出しの下、「劇団☆新感線が新作「月影花之丞(つきかげはなのじょう)大逆転」をオリックス劇場(大阪市)で上演中だ。・・・出演は古田新太、阿部サダヲ、浜中文一、西野七瀬、木野花ら。」との記載がある。
コ 2022年11月28日 大阪読売新聞 夕刊 「格闘劇 笑いのエスプリ 「阿修羅のごとく」舞台化」の見出しの下、「脚本家・向田邦子の名作ドラマを舞台化した「阿修羅(あしゅら)のごとく」。演出の木野花は、向田が戦闘の神をタイトルにしたことに想を得て、物語を登場人物の格闘劇ととらえた。」との記載がある。
サ 2023年2月2日 東京読売新聞 朝刊 「第30回読売演劇大賞 決定=特集その2」の見出しの下、「◆優秀演出家賞=稲葉賀恵、加藤拓也、木野花、眞鍋卓嗣」との記載がある。
シ 2023年5月13日 中国新聞セレクト 「ムラ社会の闇 映像美光る 映画「ヴィレッジ」」の見出しの下、「痛々しいほどに自らをさらけ出す横浜を黒木が受け止め、古田新太や木野花らベテランも脇で支える。」との記載がある。
ス 2023年6月10日 中国新聞セレクト 「苦難に耐えて行き着く先 映画「波紋」」の見出しの下、「次第にフラストレーションをためていく依子は、宗教仲間や勤務先の清掃員(木野花)との交流でなんとかやり過ごす日々。」との記載がある。
セ 2024年2月25日 毎日新聞 朝刊 「今週のNHK連続テレビ小説:ブギウギ」の見出しの下、「大野晶子(木野花)が家政婦としてスズ子(趣里)の家に来て半年。スズ子の娘、愛子(小野美音)はニンジンが苦手。」との記載がある。
(3)姓氏のローマ字表記方法及び「木野花」のローマ字表記について、以下の事実が認められる。
ア 「文化庁」のウェブサイトにおいて、「III 国際化に伴うその他の日本語の問題 2 姓名のローマ字表記の問題 (2)姓名のローマ字表記についての考え方」の見出しの下、「日本人の姓名については,ローマ字表記においても「姓-名」の順(例えばYamada Haruo)とすることが望ましい。」との記載がある。
https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kakuki/22/tosin04/17.html
イ 「Rakuten Viki」のウェブサイトにおいて、「Kino Hana きのはな」との記載がある。
https://www.viki.com/celebrities/23917pr-kino-hana?locale=ja
ウ 「KINENOTE」のウェブサイトにおいて、「木野花|Kino Hana|出演」との記載がある。
http://www.kinenote.com/main/public/cinema/person.aspx?person_id=96597
エ 「exciteニュース」のウェブサイトにおいて、「木野花のプロフィール」として、「読み方(きの・はな/Kino Hana)」との記載がある。
https://www.excite.co.jp/news/dictionary/person/PEc4a4e2e1be46b1c56a49ccd891fb844f2fc6c5df/
オ 「サードステージ!」のウェブサイトにおいて、「「幽霊はここにいる」登場人物一覧」の見出しの下、「大庭トシエ(妻)・・・木野花 KINO Hana」との記載がある。
https://www.thirdstage.com/knet/yurei/weekly/role.html
カ 「熱のあとに」のウェブサイトにおいて、「Cast」として「藤井圭子役 木野花 Kino Hana」との記載がある。
https://after-the-fever.com/
キ 「MOVIE WALKER」のウェブサイトにおいて、「木野花の映画作品 Kino Hana」との記載がある。
https://moviewalker.jp/person/91095/
ク 「JFDB 日本映画データベース」のウェブサイトにおいて「木野花 KINO Hana」との記載がある。
https://jfdb.jp/person/10036
(4)上記(2)及び(3)の認定事実によれば、俳優・演出家の「木野花」について、次のとおり認めることができる。
俳優・演出家の「木野花」は、1974年に東京演劇アンサンブル養成所時代の仲間5人と、女性だけの劇団「青い鳥」を結成し、翌年には旗揚げ公演を行い、1980年代の小劇場ブームの先駆者的存在となったこと、その後、テレビドラマでは、NHKの連続テレビ小説「純情きらり」(2006年)、「どんど晴れ」(2007年)、「あまちゃん」(2013年)及び「ブギウギ」(2024年)などに出演(語りを含む。)したほか、NHKの「BS週刊ブックレビュー」(1993年~2001年)の司会も務め、その他映画、舞台、テレビ番組、ラジオやCMにも長年にわたって数多く出演し、また、舞台の演出も数多く手掛け、2019年に第61回(18年度)ブルーリボン賞の助演女優賞にノミネートされ、同年、第92回キネマ旬報助演女優賞を受賞し、2023年に第30回読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞するなど、芸能界で幅広く活躍する女優及び演出家であることが認められることからすれば、本願商標の登録出願時はもとより、現在においても同人を指し示す著名な芸名として一般に受け入れられているものと認めるのが相当である。
そして、昨今では、姓名のローマ字表記については、「日本人の姓名については,ローマ字表記においても「姓-名」の順(例えばYamada Haruo)とすることが望ましい」(上記(3)ア)とされており、実際に、俳優・演出家である「木野花」もローマ字では「Kino Hana」や「KINO Hana」と「姓-名」の順で表記されているところ、これらの表記は、本願商標「kino hana」とそのつづり及び空白の位置を同じくするものであるから、たとえ本願商標が全てローマ字の小文字で表記されているものであるとしても、本願商標からは、「キノ(姓)ハナ(名)」、すなわち、俳優又は演出家として著名な芸名である「木野花」を容易に認識するものと認められるから、当該ローマ字表記も同人を指し示す著名な芸名として一般に受け入れられているものと認めるのが相当である。
以上によれば、本願商標は、その登録出願時はもとより、現在においても他人の著名な芸名を表示する商標であり、請求人は、「木野花」から本願商標の登録の承諾を得ていないことが明らかであるから、商標法第4条第1項第8号により商標登録を受けることができないものであるといわざるを得ない。
3 請求人の主張について
(1)請求人は、審判請求書において、姓名をローマ字表記する場合、通常は、「名-姓」の順に表記されるのが一般的であり、また、全ての文字を大文字、あるいは「名」の頭文字のみ大文字で、「姓」は全て大文字、「名」と「姓」の頭文字のみ大文字等で表すことが多く、姓名の全てを小文字で表記することは一般的ではないこと、本願商標からは、例えば「黄の花」、「木の鼻」、「木の花」等といった様々な抽象的な観念、意味合いを連想すると考えるのがむしろ自然であることから、本願商標「kino hana」からは、直ちに特定の人名を想起することは困難である旨主張する。
しかしながら、上記2のとおり、現在においては姓名のローマ字表記については、「姓-名」の順で表記することが推奨されており、実際に、俳優・演出家である「木野花」もローマ字では「Kino Hana」や「KINO Hana」と「姓-名」の順で表記されているところ、これらの表記は、本願商標「kino hana」とそのつづり及び空白の位置を同じくするものであるから、たとえ本願商標が全て小文字で表記されたものであるとしても、本願商標は、舞台やテレビドラマ、映画に数多く出演して活躍する著名な俳優の芸名である「木野花」を容易に認識させるというべきであり、同人を指し示すものとして一般に受け入れられていると判断するのが相当である。
(2)請求人は、審判請求書において、俳優及び演出家である「木野花」は、広く一般に受け入れられ、認知されている芸能人等の芸名ではない旨主張する。
しかしながら、上記2のとおり、「木野花」は、主要なテレビドラマのほか、映画や舞台、テレビ番組、ラジオやCMにも長年にわたって数多く出演し、数多くの舞台の演出も手掛け、2019年には助演女優賞、2023年には演出家賞を受賞するなどしており、俳優又は演出家として著名な芸名として広く一般に受け入れられているというべきである。
4 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第8号に該当するから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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