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特許拒絶査定不服審判

2023-000827

ネットワーク内に分散データベースを効率的に実装するための方法及び機器

審判番号
2023-000827
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-130888
請求日
2023年01月18日
審決日
2024年03月26日
公報発行日
2024年09月27日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】ヘデラ ハッシュグラフ,エルエルシー
  • 【請求人代理人】稲葉 良幸
  • 【請求人代理人】大貫 敏史
  • 【請求人代理人】江口 昭彦
  • 【請求人代理人】内藤 和彦
審判長/審判官
  • 審判長 吉田 美彦
  • 審判官 林 毅
  • 審判官 稲垣 良一
分類
P18 .536-WZ (G09C) / P18 .537-WZ (G09C)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法36条4項1号特許法36条6項2号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第36条第6項第2号、特許法第36条第4項第1号、特許法第36条第6項第1号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2020-130888「ネットワーク内に分散データベースを効率的に実装するための方法及び機器」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年11月19日出願公開、特開2020-187375〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2017年(平成29年)7月11日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理2016年7月11日 米国)を国際出願日とする特願2019-567732号の一部を、令和2年7月31日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和2年 8月 5日 :手続補正書の提出 令和3年10月26日付け:拒絶理由通知書 令和4年 4月26日 :意見書、手続補正書の提出 令和4年 9月15日付け:拒絶査定 令和5年 1月18日 :審判請求書、手続補正書の提出 令和5年 5月 1日 :出願人名義変更届 令和5年10月31日付け:拒絶理由通知書 令和6年 3月 1日 :意見書、手続補正書の提出 第2 本願発明 本願の請求項1ないし24に係る発明は、令和6年3月1日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし24に記載された事項により特定されるものであり、そのうち請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。 「 複数の計算装置に動作可能に結合されるネットワークによってリーダレス分散データベースを実装する前記複数の計算装置に含まれるように構成される第1の計算装置であって、 前記第1の計算装置における前記リーダレス分散データベースのインスタンスに関連するメモリと、 前記メモリに動作可能に結合され、 決定論的擬似ランダム関数に基づいて前記複数の計算装置の中の第1の計算装置群、及び前記複数の計算装置の中の第2の計算装置群を定めること、 前記複数の計算装置の中の1組の計算装置によって定められる第1の1組のイベントを受信することであって、前記1組の計算装置は、前記第1の計算装置群の中の少なくとも1つの計算装置と、前記第2の計算装置群の中の少なくとも1つの計算装置とを含む、受信すること、 (1)(a)前記第1の1組のイベントの中のイベントであって、(b)前記第1の計算装置群の中の計算装置によって定められたイベントのパラメータの値を使用し、且つ(2)(a)前記第1の1組のイベントの中のイベントであって、(b)前記第2の計算装置群の中の計算装置によって定められたイベントの前記パラメータの値を使用しないコンセンサスプロトコルの結果として、第2の1組のイベントに関連する全順序を識別すること、及び 前記第2の1組のイベントに関連する前記全順序を前記リーダレス分散データベースの前記インスタンス内に記憶すること を行うように構成される、プロセッサと を含む、第1の計算装置。」 第3 当審拒絶理由 令和5年10月31日付けで当審が通知した拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)は、概略、次のとおりのものである。 「 理 由 1 (サポート要件)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。 2 (明確性要件)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 3 (実施可能要件)この出願は、発明の詳細な説明の記載が下記の点で、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。 記 …(中略)… ●理由2(明確性要件)について ・請求項1ないし30 … (6)請求項1に記載の「(1)…前記パラメータの値を使用し、且つ(2)…前記パラメータの値を使用しないコンセンサスプロトコルの結果として、且つ、前記第1の1組のイベントに基づいて、第2の1組のイベントに関連する順序を識別すること」、及び、請求項8に記載の「(1)…前記パラメータの値を使用し、且つ(2)…前記パラメータの値を使用しないコンセンサスプロトコルの結果として、第2の1組のイベントに関連する順序を識別すること」において、 ア 「第2の1組のイベント」が、どのようなイベントであるのか、明細書及び図面の記載並びに本願優先日前の技術常識を参酌しても不明である。 イ 「コンセンサスプロトコル」が、「パラメータの値」をどのように使用して(あるいは使用しないで)「第2の1組のイベントに関連する順序を識別する」のか、明細書及び図面の記載並びに本願優先日前の技術常識を参酌しても不明である。 ウ 請求項1の記載においては、「コンセンサスプロトコル」に加え、「前記第1の1組のイベント」をどのように使用して「第2の1組のイベントに関連する順序を識別する」のか、明細書及び図面の記載並びに本願優先日前の技術常識を参酌しても不明である。 したがって、請求項1又は8を引用する請求項を含め、請求項1ないし17に係る発明は、明確ではない。 …(中略)… 以上のとおりであるから、請求項1ないし30に係る発明は、明細書及び図面の記載を考慮し、また、本願優先日前における当業者の技術常識を基礎として、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確であるといわざるを得ないから、明確ではない。 ●理由3(実施可能要件)について ・請求項1ないし30 ・備考 前記理由2(4)及び(6)ないし(8)で指摘した事項(特に、「第1の1組のイベント」のどのようなパラメータを使用して(あるいはどのようなパラメータを使用せずに)、「第2の1組のイベント」(又は「トランザクション」)の全順序を決定するのか、その際に複数の計算装置群の各々がどのような手順により「コンセンサスプロコトル」を実現するのか、等)に関し、明細書(特に、請求人が補正の根拠として挙げる【0098】ないし【0100】)及び図面は、請求項と同程度の記載しかなく、当業者が、明細書の発明の詳細な説明の記載及び本願優先日前の技術常識に基づいて、本願請求項1ないし7に係る発明に係る「機器」の具体的な機能又は構造、本願請求項8ないし16に係る「媒体」に格納されたコードの具体的な機能又はコードにより実現される手順、並びに、本願請求項17ないし30に係る「方法」の具体的な手順を理解し、過度の試行錯誤を要することなく、本願請求項1ないし30に係るものを生産し又は使用することができるとはいえないから、本願の発明の詳細な説明は、当業者が、請求項1ないし30に係る発明を実施できる程度に明確かつ十分に記載したものではない。 (付記) …(中略)… (2)請求項8を基礎とする補正を検討されたい。 その際、具体例(例えば、図7、図8)に基づいて、「第1の1組のイベント」のパラメータを使用して「第2の1組のイベント」の「全順序」を決定する「コンセンサスプロトコル」について説明されたい。なお、根拠もなく単に明細書の記載等から自明、周知といった程度の釈明にとどまる場合には、拒絶の理由は解消しない。 …(後略)」 なお、上掲した当審拒絶理由の中で、「請求項1ないし30」とあるのは、いずれも「請求項1ないし24」の誤記であることが明らかである。 第4 当審の判断 1 理由1(明確性要件)について 本願発明の「前記複数の計算装置の中の1組の計算装置によって定められる第1の1組のイベントを受信することであって、前記1組の計算装置は、前記第1の計算装置群の中の少なくとも1つの計算装置と、前記第2の計算装置群の中の少なくとも1つの計算装置とを含む、受信すること」及び「(1)(a)前記第1の1組のイベントの中のイベントであって、(b)前記第1の計算装置群の中の計算装置によって定められたイベントのパラメータの値を使用し、且つ(2)(a)前記第1の1組のイベントの中のイベントであって、(b)前記第2の計算装置群の中の計算装置によって定められたイベントの前記パラメータの値を使用しないコンセンサスプロトコルの結果として、第2の1組のイベントに関連する全順序を識別すること」との記載は、その文言からして、受信した「1組の計算機によって定められる第1の1組のイベント」の中のイベントのうち、「第1の計算装置群の中の計算装置によって定められたイベントのパラメータの値」を使用し、「第2の計算装置群の中の計算装置によって定められたイベントの前記パラメータの値」を使用しない、「コンセンサスプロトコル」の結果として、「第2の1組のイベントに関連する全順序を識別する」ことを特定しているものと認められる。 ここで、本願発明において、「コンセンサスプロトコル」は、「第1の計算装置群の中の計算装置によって定められたイベントのパラメータの値」として、どのような値をどのように使用するプロトコル(処理)であるのか具体的に特定しておらず、よって、当該「コンセンサスプロトコル」の結果として、「第2の1組のイベント」として、どのようなイベント「に関連する全順序を識別する」のか、明確とはいえない。 また、明細書には、「第2の1組のイベントに関連する全順序を識別する」ことに関連して、以下の記載がある。 「 【0098】 [1106] 一部の例では、特定のメンバを「lazyメンバ」と識別し及び/又は指定することができる。かかる例では、lazyメンバが通常のメンバ又は非lazyメンバと同様のイベントを定め及び/又は作成することができる。加えて、lazyメンバによって定められ及び/又は作成されるイベントをハッシュグラフ内に含めることができ、かかるイベントのコンセンサス順序を計算し及び/又は識別することができる。しかし、lazyメンバによって定められるイベントのラウンド増分はゼロである。従って、lazyメンバによって定められるイベントのラウンド数(又は作成されるラウンド)は、イベントの親のラウンド数の最大に等しい。同様に述べると、lazyメンバによって定められるイベントのラウンド増分はゼロなので、lazyメンバによって定められるイベントのラウンド数(又は作成されるラウンド)はイベントの親のラウンド数の最大を上回ることができない。 【0099】 [1107] 更に一部の例では、lazyメンバによって定められるイベントが選挙で投票する資格がなく、lazyメンバによって定められるイベントはラウンドRファーストイベント又は証人になる資格がなく、及び/又は通常のメンバ若しくは非lazyメンバによって定められるイベントが別のイベントを強く認めるための中間イベントとしてカウントしない。従ってlazyメンバに課される制限は、コンセンサス順序のセキュリティ及び完全性を引き続き保ちながら、ハッシュグラフによって実行される計算を減らすことになる。メンバは任意の適切な基準に基づいてlazyメンバとして選択され得る。例えば一部の例では、メンバは、ラウンドの開始時に予め定められる各ラウンドに対して実行される決定論的擬似ランダム選択に基づいて、信頼レベルに基づいて、ステークの量に基づいて、他のメンバの投票に基づいてlazyメンバとして指定することができ、及び/又は無作為に選択することができる。一部の例では、lazyメンバとして指定されるメンバがラウンドごとに異なり得る一方、他の例ではlazyメンバとして指定されるメンバが異なるラウンドにわたって同じままである。他の一部の例では、メンバではなくイベントを「lazy」イベントとして指定することができる。かかる事例では、各ラウンドにおいてメンバを選択する代わりにlazyイベントを選択することができる。 【0100】 [1108] 従って一部の例では、第1のメンバのプロセッサが、決定論的擬似ランダム関数に基づいて第1のメンバ群(例えば計算装置)及び第2のメンバ群(例えば計算装置)を定めることができる。第1のメンバ群は非lazyメンバとすることができ、第2のメンバ群はlazyメンバとすることができる。一部の例では、分散データベースのメンバ(例えば計算装置)に関して第1のメンバ群が第2のメンバ群の補集合である。第1のメンバ(又は第1のメンバのプロセッサ)は、1組のメンバ(例えば1組の計算装置)によって定められる第1の1組のイベントにリンクされるイベントを第2のメンバ(例えば計算装置)から受信することができる。1組のメンバは、第1のメンバ群の少なくとも1つのメンバ及び第2のメンバ群の少なくとも1つのメンバを含む。プロセッサは、第1のメンバ群のメンバによって定められた第1の1組のイベントからのイベントのパラメータ(例えばラウンド数、ラウンド増分、投票、証人であることの指示、有名な証人であることの指示等)の値を使用し、第2のメンバ群のメンバによって定められた第1の1組のイベントからのイベントのパラメータの値を使用せずに、(例えば本明細書に記載の)コンセンサスプロトコルの結果として第2の1組のイベントに関連する順序を識別することができる。プロセッサは、第2の1組のイベントに関連する順序に少なくとも部分的に基づいて分散データベースのインスタンス内で指示される1組のトランザクションに関連する順序を識別することができ、分散データベースのインスタンス内に1組のトランザクションに関連する順序を記憶することができる。 【0101】 [1109] 上記の用語、定義、及びアルゴリズムは、図8~図10Bに記載する実施形態及び概念を示すために使用する。図10A及び図10Bは、数学的形式で示すコンセンサス方法及び/又はプロセスの第1の応用例を示す。図11A及び図11Bは、数学的形式で示すコンセンサス方法及び/又はプロセスの第2の応用例を示し、図12A及び図12Bは、数学的形式で示すコンセンサス方法及び/又はプロセスの第3の応用例を示す。」 「【図8】 [図:0001413792000001.jpg] 」 「【図9】 [図:0001413792000002.jpg] 」 「【図10A】 [図:0001413792000003.jpg] 」 「【図10B】 [図:0001413792000004.jpg] 」 「【図11A】 [図:0001413792000005.jpg] 」 「【図11B】 [図:0001413792000006.jpg] 」 「【図12A】 [図:0001413792000007.jpg] 」 「【図12B】 [図:0001413792000008.jpg] 」 本願発明に対応した構成は、段落【0100】(特に下線部)に記載されていると認められるが、当該段落【0100】にも、「第1のメンバ群のメンバによって定められた第1の1組のイベントからのイベントのパラメータ」の例として、「ラウンド数、ラウンド増分、投票、証人であることの指示、有名な証人であることの指示等」が記載されているものの、これら各パラメータをどのように使用し、「第2の1組のイベント」としてどの「イベント」に関連する全順序を識別するのかについてまでは具体的に記載されていない。 また、明細書の【0101】において参照されている図8~図12Bに関し、図8及び図9は、計算機群が2つの計算装置群のいずれかに含まれるように決定されていることを前提としていないため、本願発明の「(1)(a)前記第1の1組のイベントの中のイベントであって、(b)前記第1の計算装置群の中の計算装置によって定められたイベントのパラメータの値を使用し、且つ(2)(a)前記第1の1組のイベントの中のイベントであって、(b)前記第2の計算装置群の中の計算装置によって定められたイベントの前記パラメータの値を使用しないコンセンサスプロトコル」に対応したものとはいえず、また、図10Aないし図12Bは、パラメータ及び関数の定義が抽象的に特定されているにすぎず、本願発明の構成を具体的に説明するものとは認められない。 また、受信した「1組の計算装置によって定められる第1の1組のイベント」の中のイベントのうち、「第1の計算装置群の中の計算装置によって定められたイベントのパラメータの値」を使用し、「第2の計算装置群の中の計算装置によって定められたイベントの前記パラメータの値」を使用しない、「コンセンサスプロトコル」の結果として、「第2の1組のイベントに関連する全順序を識別する」場合において、「第1の計算装置群の中の計算装置によって定められたイベントのパラメータの値」として、どのような値をどのように使用し、「第2の1組のイベント」として、どのようなイベントに関連する全順序を識別するのかが、本願優先日前における技術常識であるとは認められない。 以上より、本願発明は、明細書及び図面の記載を考慮し、また、本願優先日前における当業者の技術常識を基礎として、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確であるといわざるを得ない。 したがって、本願発明は、明確ではなく、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 2 理由2(実施可能要件)について 前記1で述べたように、本願発明に関して、明細書には、段落【0100】に本願発明と同程度の記載があるのみであり、「第1の計算装置群の中の計算装置によって定められたイベントのパラメータの値」としてどのようなパラメータをどのように使用して、「第2の1組のイベント」に関する全順序を識別するのかについて具体的な記載がない。 また、そのことが本願優先日前における技術常識であるとも認められない。 したがって、当業者が、明細書の発明の詳細な説明の記載及び本願優先日前の技術常識に基づいて、本願発明に係る「第1の計算装置」の具体的な機能又は構造を理解し、過度の試行錯誤を要することなく、本願発明に係る「第1の計算装置」を生産し又は使用することができるとはいえないから、本願の発明の詳細な説明は、当業者が本願発明を実施できる程度に明確かつ十分に記載したものではない。 したがって、本願発明に関し、発明の詳細な説明の記載は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。 3 請求人の主張について 請求人は、令和6年3月1日に提出した意見書において、次のように主張している。 「4.明確性 …(中略)… (6) 本件拒絶理由通知書の理由2(6)において、「第2の1組のイベント」がどのようなイベントであるのか、「コンセンサスプロトコル」が「パラメータの値」をどのように使用して(あるいは使用しないで)「第2の1組のイベントに関連する順序を識別する」のか、等について不明確であると指摘を受けました。 これについては、本願明細書の段落〔0053〕~〔0101〕及び図10A~12B等において、非常に明確に記載されており、これに基づいて請求項1を補正しました。」 「5.実施可能要件 本件拒絶理由通知書において、請求項1~30について実施可能要件違反を指摘されました。 具体的には、本件拒絶理由通知書では(理由2(4)および(6)~(8)を参照し)、「第1の1組のイベント」のどのようなパラメータが具体的に使用されているかが問題となっています。 上述したように、第1の1組のイベントの中野(原文ママ)イベントのパラメータは、例えばラウンド数、ラウンド増分、投票、証人であることの指示、有名な証人であることの指示等とすることが可能です(例えば、本願明細書の段落〔0100〕)。 さらに、本件拒絶理由通知書では、コンセンサス・プロトコルを実現するために、複数の計算装置群の各々がどのような手順を使用するかが問題となっています。 コンセンサス・プロトコルは、これらのパラメータを使用して、イベントの全順序を計算します。 このことは、本願明細書を通じて極めて詳細に説明されており、特に、例えば、段落〔0053〕~〔0101〕および図10A~12Bに記載されています。 以上より、本願の発明の詳細な説明は、当業者が、補正後の請求項1乃至24に係る発明を実施できる程度に明確かつ十分に記載したものであると思料致します。」 上記主張において、請求人は、「イベントのパラメータ」として、「例えばラウンド数、ラウンド増分、投票、証人であることの指示、有名な証人であることの指示等とすることが可能」と述べているにとどまり、これらのパラメータのどのパラメータをどのように使用して、「第2の1組のイベント」として、どのようなイベントに関連する全順序を識別するのかについて何ら具体的な釈明をしていない。 また、請求人は、「これについては、本願明細書の段落〔0053〕~〔0101〕及び図10A~12B等において、非常に明確に記載されており」、「このことは、本願明細書を通じて極めて詳細に説明されており、特に、例えば、段落〔0053〕~〔0101〕および図10A~12Bに記載されています。」とも主張しているが、本願明細書及び図面のうち、【0053】ないし【0101】及び【図10A】ないし【図12B】のどこに、「第1の計算装置群の中の計算装置によって定められたイベントのパラメータの値」としてどのパラメータをどのように使用して、「第2の1組のイベント」として、どのようなイベントに関連する全順序を識別するのかを当業者が理解できる程度に記載されているのかについては何ら具体的に示しておらず、また、そのことが当業者にとって自明とも認められない。 したがって、上記請求人の主張はいずれも採用しない。 第5 むすび 以上のとおり、本願は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしておらず、発明の詳細な説明の記載が同法同条第4項第1号に規定する要件を満たしていないから、拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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