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商標拒絶査定不服審判

2023-000291

審判番号
2023-000291
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2021-055699
請求日
2023年01月10日
審決日
2024年06月13日
公報発行日
2024年08月30日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社ゴローズ
  • 【請求人代理人】江森 史麻子
審判長/審判官
  • 審判長 大橋 良成
  • 審判官 阿曾 裕樹
  • 審判官 吉沢 恵美子
分類
T18 .13 -Z (W1418252635) / T18 .16 -Z (W1418252635) / T18 .17 -Z (W1418252635)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第2項、商標法第3条第1項第6号、特許法第150条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2021-55699拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和3年5月7日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和3年12月 1日付け:拒絶理由通知書 令和4年 1月24日受付:意見書 令和4年 9月22日付け:拒絶査定 令和5年 1月10日受付:審判請求書 令和6年 2月15日付け:証拠調べ通知書 令和6年 4月 1日受付:意見書 2 本願商標 本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第14類、第18類、第25類、第26類及び第35類に属する別掲2のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。 3 原査定の拒絶の理由の要旨 (1)商標法第3条第1項第3号及び同項第6号について 本願商標は、7枚の図面から構成される、翼を広げた鷹のような立体的形状からなるところ、その指定商品中、例えば、「身飾品(「カフスボタン」を除く。),衣服用き章(貴金属製のものを除く。),衣服用バックル,衣服用バッジ(貴金属製のものを除く。),衣服用ブローチ,ボンネットピン(貴金属製のものを除く。),ワッペン」等との関係では、商品の形状を立体的に表したものであって、商品が形状として採用し得る立体的形状の範囲を超えていないから、本願商標は、商品の形状の一類型を表したものと容易に認識される立体的形状である。 そうすると、本願商標を、その指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その商品の形状を、未だ普通に用いられる方法で表示したものと認識するにとどまるから、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示した標章のみからなる商標である。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。 また、本願商標は、その指定役務中「身の回りの品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」等との関係では、小売等役務の取扱商品の形状の一類型を表したものと容易に認識される立体的形状である。 そうすると、本願商標を、その指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、当該小売等役務の取扱商品の形状を、未だ普通に用いられる方法で表示したものと認識するにとどまるから、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。 (2)商標法第3条第2項について 意見書の主張及び証拠等からは、本願商標の使用開始時期や生産又は販売数量、広告宣伝の方法及び回数等が明らかでなく、本願商標は、その立体的形状が、周知性を有しているとの客観的な証拠とはなり得ず、商標法第3条第2項の要件を具備しない。 4 当審による証拠調べ通知 当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否か、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲3のとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条の規定に基づき通知し、請求人の意見を求めた。 5 上記通知に対する意見 本願商標は、鷲を模した形状の商品の中でも際立った形状の立体商標であり、このような際立った特徴を有し、請求人の代表的な商品の形状である本願商標の自他識別力が、請求人以外が、鷲を模した形状の商品を取引していることにより、否定されるいわれはない。 6 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号について ア 本願商標は、別掲1のとおり、(ア)左右に翼を広げた様子の鷲を模した立体的形状であって、(イ)頭部を金色、胴体部を銀色とし、(ウ)胴体中央の腹部に略円形の装飾を、両翼には環状の突起を配置した立体商標である。 イ そして、身飾品やボタン類等を取り扱う業界において、別掲3のとおり、翼を広げた様子の鷲を模した形状からなる商品が広く取引されている実情があり、中には、本願商標と同様に、頭部を金色に、胴体部を銀色とする商品(別掲3(1)~(4)、(6)及び(7))、略円形の装飾を有する商品(別掲3(1)~(5))なども取引上普通に流通している。 ウ そうすると、本願商標は、その指定商品及び指定役務中、例えば「身飾品(「カフスボタン」を除く。),カフスボタン,ボタン類,衣服用ブローチ,頭装品」及び「身の回りの品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」等に使用しても、これに接する取引者、需要者をして、鷲をモチーフにした商品形状の一つであると認識、理解されるにすぎず、客観的にみて、商品の機能又は美感に資することを目的として採用される商品形状、又はそれを目的とする形状の選択であると予測し得る範囲のものにすぎないから、単に商品等の形状を普通に用いられる方法で表示するにとどまる。 したがって、本願商標は、商品の品質又は役務の質若しくは提供の用に供する物を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であり、商標法第3条第1項第3号に該当する。 (2)商標法第3条第2項について ア 請求人は、本願商標は、請求人による使用により、自他商品役務の識別力を獲得しており、商標法第3条第2項の要件を具備する旨を主張するところ、請求人の主張及び提出証拠(請求人が援用する原審における意見書の添付資料は「甲○」と表記する。)によれば、以下のとおりである。 (ア)請求人は、いわゆるインディアンジュエリーと称される身飾品を製造、販売する会社であり、請求人の取り扱う商品の中には、本願商標と同様に、左右に翼を広げた様子の鷲を模した形状の「EAGLE」と称する「ネックレス」(以下、「請求人商品」という。)が、チェーンや紐などを通した状態で展示され、「大イーグル」、「中イーグル」、「小イーグル」等の名称で販売されている(甲4)。 (イ)請求人商品は、1985年頃から販売されており、その販売数は、2013年から2022年の9年間で、大イーグルは6個、中イーグルは3個、小イーグルは2個である(請求人の主張)。 なお、請求人商品は、原宿にある本店でしか販売されていないとされる。 (ウ)請求人商品は、「原宿ゴローズ大全」、「goro‘s BIBLE」などと題する書籍に掲載されている(甲1~甲5)。 なお、請求人商品は、インターネット情報でも紹介されているとされる(請求人の主張)。 (エ)請求人が提示するインターネット情報において、「インディアンジュエリーのモチーフの意味とは」の見出しの下、「イーグル」の項に、「イーグルはネイティブアメリカンたちの間で、神の使いとして崇められています。物事を俯瞰し冷静な判断を下せるとも考えられ、名声やリーダーシップの象徴とされています。」との記載がある。 イ 検討判断 (ア)上記認定事実によれば、請求人は、本願商標と同様の形状からなる請求人商品を製造、販売し、雑誌等でも紹介されている実情があることは把握できるとしても、その販売数量及び販売規模は決して多くはなく、また、商品の流通経路は限定的で、書籍やインターネット等を通じた広告宣伝も、広く一般需要者に向けたものとは評価し難い。 (イ)また、インディアンジュエリーの分野では、そのモチーフに象徴的な意味合いで「イーグル(鷲)」を採用することが多く、別掲3のとおり、必然的に同じような特徴を備えやすい事情があり、請求人商品の形状は、当該取引分野において特異な形状やモチーフを採用するものでもない。 (ウ)加えて、請求人の主張及び提出証拠は、本願商標の指定商品及び指定役務中、主として「ネックレス」に係る使用態様や使用実績を示すものであり、それ以外の指定商品及び指定役務における本願商標の使用態様や使用実績は確認できない。 (エ)以上によれば、本願商標は、請求人の提出証拠によっては、請求人に係る独立した出所識別標識として、その指定商品及び指定役務に係る、我が国の一般需要者の間において広く知られている商標であるとは認められず、また、独占適応性の観点からも請求人による独占使用を認めることは適切ではないから、請求人により使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるに至っていたものとはいえない。 したがって、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備しない。 (3)請求人の主張について ア 請求人は、本願商標の構成のうち、別掲1第1図(正面図)は、出願人が有する商標登録第5896281号と類似のものであり、また、同第2図(背面図)中央の略円形の装飾は、出願人が有する商標登録第3153237号、同第3171209号、同第3176765号、同第4195126号、同第4394166号及び同第5896283号と同一又は類似であって、平面商標を重要な要素とする本願商標は、そのことをもってしても、全体として自他商品役務の識別力を有する旨主張する。 しかしながら、請求人の提示する登録例は、立体的商標である本願商標とは異なる平面商標に関する事例であり、本願商標とは事案が異なり、その登録要件に係る判断を左右しない。 また、本願商標は、上記(1)アのとおり、その構成中に略円形の装飾を有するものの、別掲1第2図にあるとおり、その詳細な形状は判然とせず、単に商品形状を装飾する構成要素にすぎないと看取できること、また、上記(1)イのとおり、略円形の装飾を有する商品などが取引上普通に流通している実情もあることを踏まえると、当該装飾は、客観的に見て、商品の美感に資することを目的として採用された形状又はそれを目的とする形状の選択であると予測し得る範囲の構成要素にすぎない。 イ 請求人は、本願商標は、「鷲を模した形状の商品」の中でも際立った形状の立体商標であり、このような際立った特徴を有し、請求人の代表的な商品の形状である本願商標の自他識別力が、請求人以外が「鷲を模した形状の商品」を取引していることにより、否定されるいわれはない旨主張する。 しかしながら、上記(1)イのとおり、身飾品やボタン等を取り扱う業界において、翼を広げた様子の鷲を模した形状からなる商品が広く取引されている実情があり、中には、本願商標と同様に、頭部を金色に、胴体部を銀色とする商品、略円形の装飾を有する商品なども取引上普通に流通している実情があることに加えて、上記(2)イ(イ)のとおり、インディアンジュエリーの分野では、そのモチーフに象徴的な意味合いで「イーグル(鷲)」を採用することが多く、請求人商品の形状は、当該取引分野において特異な形状やモチーフを採用するものではない。 ウ 請求人は、別掲3の事例は、請求人商品を模倣したもの、警告状を送っているもの、本願商標の特徴を備えていないものなどであることを指摘して、本願商標の識別性を否定するものではない旨を主張する。 しかしながら、別掲3の事例によれば、翼を広げた様子の鷲を模した形状からなる商品が広く取引されている実情があることが把握でき、また、上記(2)イ(イ)のとおり、インディアンジュエリーの分野では、そのモチーフに象徴的な意味合いで「イーグル(鷲)」を採用することが多いことを踏まえると、請求人の主張にかかわらず、本願商標の形状は、当該取引分野において特異な形状やモチーフを採用するものではないことは明らかであるから、これらを本願商標の立体的形状に関する識別性を否定する事実関係として評価することに特段の支障はない。 エ 以上のとおり、請求人の主張はいずれも採用できない。 (4)まとめ 以上より、本願商標は、商品の品質又は役務の質若しくは提供の用に供する物を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であり、商標法第3条第1項第3号に該当し、かつ、同法第3条2項の要件を具備するものでないから、これを登録することはできない。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-000291

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