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商標異議申立

2022-900538

デイエックスクラウドアイ、デイエックスクラウドエイアイ、デイエックスクラウド、クラウド、アイ

審判番号
2022-900538
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2021-123286
登録番号
6629913
請求日
2022年12月28日
審決日
2023年07月06日
公報発行日
2023年08月25日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】王 亮
  • 【権利者】王 木蘭
  • 【異議申立人】ディーエックスシー テクノロジー カンパニー
  • 【異議申立人代理人】杉村 憲司
  • 【異議申立人代理人】杉村 光嗣
  • 【異議申立人代理人】門田 尚也
  • 【異議申立人代理人】長嶺 晴佳
審判長/審判官
  • 審判長 旦 克昌
  • 審判官 大橋 良成
  • 審判官 馬場 秀敏
分類
T1652.26 -Y (W09354142) / T1652.271-Y (W09354142)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号
データ出所
審決公報(XML)

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登録第6629913号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6629913号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6629913号商標(以下「本件商標」という。)は、「DXCloud.ai」の文字を標準文字で表してなり、令和3年9月17日に登録出願、第9類、第35類、第41類及び第42類に属する別掲のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同4年9月13日に登録査定され、同年10月20日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は次のとおりであり(以下、これらをまとめていう場合は単に「引用商標」という。)、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。 (1)登録第6088655号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の態様:「DXC」の欧文字を標準文字で表してなるもの 指定役務:「コンピュータのハードウェア及びソフトウェアの設計及び開発」を含む第42類に属する商標登録原簿に記載の役務 登録出願日:平成29年7月28日 優先権主張日:2017年(平成29年)1月30日(ベネルクス商標庁及びベネルクス意匠庁) 設定登録日:平成30年10月12日 (2)国際登録第1388958号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の態様:「DXC」の欧文字を書してなるもの 指定商品及び指定役務:第9類「electronic publications」、第35類「compilation of information into computer databases」及び第41類「providing electronic publications」を含む第9類、第16類、第35類ないし第38類、第41類、第44類及び第45類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品及び役務 国際商標登録出願日:2017年(平成29年)7月31日 優先権主張日:2017年(平成29年)1月30日(Benelux) 設定登録日:2019年(令和元年)7月5日 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第11号証を提出した。 1 申立人及び申立人商標の周知著名性について (1)申立人について 申立人である「ディーエックスシー テクノロジー カンパニー」は、アメリカ合衆国ヴァージニア州を拠点とするIT企業であり、世界で60年以上、日本では50年以上にわたり、世界中に事業を展開してきた。全世界における申立人商品及びサービスの提供による2021年度の売上高は163億米ドル(約21兆円)にのぼる。我が国を含む70カ国以上、240社以上にサービスを提供し、従業員数は13万人以上にのぼる(甲5)。 (2)申立人商品・役務について 2017年から2023年3月までの5年間における申立人商品及びサービスの提供による我が国における売上額は、約2億円であり、相当額利用されていることがうかがえる。 (3)我が国における申立人商品・役務のプレゼンス 申立人は、我が国においては、国内自動車メーカー向けに約4万台のパソコン環境の運用保守を支援してきた(甲6)。また、世界最大規模の航空会社や我が国を代表する菓子メーカーをはじめ、世界中の企業にクラウド移行への支援、ロボットによる自動プロセス化の導入等のサービスを提供してきた(甲7、甲8)。 申立人商標は、申立人及び申立人に係る商品及び役務を指称するものであると認識せしめる程に、我が国及び海外で広く知られている。 2 商標法第4条第1項第11号について (1)本件商標 本件商標は、欧文字「DXCloud.ai」を横書きに書してなるものであり、「DXC」は大文字、「loud.ai」は小文字で表されている。 本件商標のうち、前半部「DXCloud」と後半部「ai」の間には、英語で文章の終わりを意味する終止符「.(ピリオド)」が表されていることから、前半部「DXCloud」と後半部「.ai」とを分離して観察するのが自然である。 本件商標の前半部「DXCloud」のうち、「Cloud」の語は、「インターネット上に存在するサーバーを利用してデータ処理を行う形態」を意味する「クラウンドコンピューティング」の略語であり(甲9)、「Cloud」の語は、「C」と略して使用されることがある。例えば、「クラウドサービスや環境の利用を前提としたシステムやサービス」を意味する「Cloudnative」の略称として「C-native」、「クラウドサービスの提供者」を意味する「Cloud Service Provider」の略称として「CSP」、「クラウドサービスの利活用に対する情報セキュリティのコンセプト」を意味する「Cloud Access Security Broker」の略称として「CASB」が使用されている。 また、本件商標の後半部「ai」の語は、「人工知能」を意味する「artificial intelligence」の略語として、我が国でも広く親しまれており(甲10)、本件商標に係る指定商品・指定役務との関係で自他商品等識別標識としての機能を有しないか、あるいは、有するとしても非常に弱いものである。 以上より、本件商標の前半部「DXCloud」のうち「Cloud」の語は、その略称として大文字「C」がしばし用いられること、「DXC」部分が大文字の目立つ態様で表されていること、「.ai」部分は指定商品及び指定役務との関係で自他商品等識別標識としての機能を有しないか、あるいは、有するとしても非常に弱いものであると考えられることから、本件商標においては、大文字部分「DXC」が自他商品等出所識別標識としての機能を果たす要部として看取される。また、本件商標を一体のものとしてのみ把握しなければならないとする格別な事情も見いだせない。 ア 外観 上述したとおり、本件商標においては「DXC」部分が要部として容易に認識されるものである。 イ 称呼 上述したとおり、本件商標の要部は「DXC」部分であるから「ディエックスクラウドエーアイ」の称呼よりもむしろ、「ディーエックスシー」の称呼が生じるのが自然である。 ウ 観念 本件商標のうち、「Cloud」部分は「インターネット上に存在するサーバーを利用してデータ処理を行う形態」を意味する「クラウンドコンピューティング」の略語であり、「ai」部分は「人工知能」を意味する英単語である(甲9、甲10)が、本件商標の要部であると考えられる「DXC」は、上述のとおり、申立人商標として周知著名なので、本件商標からは、「申立人又は申立人ブランドとしての「DXC」」の観念が生じる。 (2)引用商標 ア 外観 引用商標1及び2は、欧文字「DXC」からからなり、そのフォントは格別に顕著な態様ではなく、商標全体で統一された印象を与える。 イ 称呼 引用商標1及び2からは、構成文字に相応して「ディーエックスシー」との称呼が生じる。 ウ 観念 引用商標1及び2を構成する語「DXC」は、上述のように、申立人商標として周知著名なので、本件商標からは、「申立人又は申立人ブランドとしての「DXC」」との観念が生じる。 (3)本件商標と引用商標の類否について ア 外観上の類似性 本件商標と引用各商標を比較すると、いずれも構成中、「DXC」の語を備える点で共通する。 本件商標と引用商標とを、時と所を異にして、離隔的に観察した場合、両商標は、申立人又は申立人ブランドとして周知著名な「DXC」の語を共通とし、外観上、互いに相紛れるおそれのあるものである。 イ 称呼上の類似性 本件商標の要部は「DXC」部分であると考えられることから「ディエックスクラウドエーアイ」の称呼よりもむしろ、「ディーエックスシー」の称呼が生じるのが自然である。 そして、引用商標からはその構成文字「DXC」に相応して「ディーエックスシー」の称呼が生じる。 よって、本件商標と引用商標は「ディーエックスシー」の称呼を共通とし、両商標は、称呼上、互いに相紛れるおそれのあるものである。 ウ 観念上の類似性 本件商標と引用商標は、ともに要部の「DXC」から「申立人又は申立人ブランドとしての「DXC」」との観念が生じるため、観念上、相紛れるおそれのあるものである。 エ 指定商品及び指定役務の類否について 本件商標の指定商品及び指定役務と引用商標の指定商品及び指定役務とは類似の商品及び役務である。 (4)小括 以上のとおり、本件商標と引用各商標は、外観、称呼、観念の全てにおいて相紛れるおそれのある商標であり、また、これらの指定商品及び指定役務も同一・類似の関係にある。したがって、本件商標と引用商標とは、類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当性する。 3 商標法第4条第1項第15号について 本件について検討すると、本件商標と申立人商標は、外観、称呼、観念において相紛れるおそれのある類似の商標である。さらに、申立人は、我が国においてたゆみなく継続して事業の提供を行ってきており、我が国における売上額も近年堅調に推移しているから、申立人商標が、本件商標の出願時、査定時までに、申立人の業務に係る商品及び役務の出所識別標識として広く親しまれていたことは明らかである。 よって、本件商標がその指定商品及び指定役務に使用された場合、本件商標に接した取引者、需要者は、申立人と経済的又は組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品・役務であると誤認し、商品の出所について混同するおそれがある。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 第4 当審の判断 1 使用商標の周知性について 申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば、以下のとおりである。 なお、申立人提出の証拠及び同人の主張の全趣旨からは、使用にかかる商標は、引用商標と実質的に同一である「DXC」の文字からなる商標(以下「使用商標」という。)であると認め、以下に検討する。 (1)申立人は、アメリカ合衆国ヴァージニア州を拠点とするIT企業であり、世界で60年以上、日本では50年以上にわたり、世界中に事業を展開したとされる(申立人主張、甲5)。 (2)全世界における申立人商品及びサービスの提供による2021年度の売上高は163億米ドルにのぼり、我が国を含む70カ国以上、240社以上にサービスを提供し、従業員数は13万人以上とされる(甲5)。 (3)我が国における申立人の主な事業は、自動車メーカー向けのパソコン環境の運用保守の支援や(甲6)、世界最大規模の航空会社や我が国を代表する菓子メーカーへのクラウド移行への支援、ロボットによる自動プロセス化の導入等の各種サービス支援である(甲7、甲8)。 (4)2017年から2023年3月までの5年間における申立人商品及びサービスの提供による我が国における売上額は、約2億円とされる(申立人主張)。 しかしながら、上記(4)の売上高を示す客観的な証拠を提出することはなく、また、具体的に如何なる商品又は役務の売上額を示すものであるかの記載もない。 その他に市場シェアなどの販売又は提供実績及び広告宣伝の期間・規模等など、使用商標の周知・著名性を数量的に判断し得る具体的な証拠は提出されていないから、申立人に係る使用商標が、需要者の間に広く認識されるに至ったかをうかがい知ることができない。 その他、申立人の提出に係る甲各号証を総合してみても、使用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間で、申立人の商品又は役務を表示するものとして広く認識されていたと認めるに足りる事実は見いだせない。 したがって、申立人が提出した証拠からは、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、使用商標が、申立人の商品又は役務を表示するものとして、需要者の間に広く認識されていたものと認めることができない。 2 商標法第4条第1項第11号について (1)本件商標について 本件商標は、上記第1のとおり、「DXCloud.ai」の文字を標準文字で表してなるところ、係る構成においては、後半に「.」(ドット)を介して「ai」の文字を有することから、「DXCloud」の文字と「ai」の文字とは、視覚上分離して看取され得るものである。 そして、「DXCloud」の文字部分についてみるに、「DX」に続く「Cloud」の文字が、「雲、クラウドコンピューティングの略」(甲9)を意味する広く親しまれた語であることから、「DXCloud」の文字部分からは、「DX」と「Cloud」の2語を結合したものと認識され、これより、「ディーエックスクラウド」の称呼が生じるとみるのが自然である。 また、本件商標の後半に位置する「.ai」の文字部分は、「.」(ドット)の部分は、それ自体で格別出所標識としての機能を果たさず、また、「ai」の文字部分は、「人工知能」を意味し(甲10)、本件商標の指定商品又は指定役務との関係においては、自他商品・役務の識別標識としての機能を果たさないか、果たすとしても極めて弱い部分といえる。 そうすると、本件商標は、その構成中「DXCloud」の文字部分が自他商品・役務の識別標識としての機能を果たす要部として認識され、当該文字部分のみに着目して、その部分から生じる称呼をもって取引に資する場合も決して少なくないというべきである。 してみれば、本件商標は、構成文字全体から生じる「ディーエックスクラウドエーアイ」の一連の称呼のほか、独立して自他商品・役務の識別標識としての機能を果たし、要部といえる「DXCloud」の文字部分(以下「本件商標要部」という。)から、「ディーエックスクラウド」の称呼をも生じるものである。 また、本件商標全体及び本件商標要部を構成する文字列は、辞書等に載録されている成語ではなく、ただちに何らかの意味合いを理解させるものではないから、特定の観念を生じないものである。 よって、本件商標は、「ディーエックスクラウドエーアイ」又は「ディーエックスクラウド」の称呼を生じるものであり、観念については、特定の観念を生じないものである。 (2)引用商標1及び2について 引用商標は、上記第2(1)及び(2)のとおり、「DXC」の欧文字を書してなり、その構成文字に相応し、「ディーエックスシー」の称呼を生じるものである。 また、「DXC」の文字は、上記1のとおり、申立人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているものと認めることはできないものであり、また、当該語は、辞書等に載録されている成語ではなく、ただちに何らかの意味合いを理解させるものではないから、引用商標は、特定の観念を生じないものである。 よって、引用商標は、「ディーエックスシー」の称呼を生じるものであり、特定の観念を生じないものである。 (3)本件商標と引用商標1及び2の類似性について ア 外観について 本件商標は、「DXCloud.ai」の欧文字を標準文字で表してなり、他方、引用商標は、「DXC」の欧文字を書してなるものであり、それぞれ、構成文字数において相違するから、全体の外観において、明らかに異なる印象を受けるものである。 そうすると、本件商標と引用商標とは、外観上、相紛れることのない、別異のものとして認識し、把握されるというべきである。 イ 称呼について 本件商標から生じる「ディーエックスクラウドエーアイ」又は「ディーエックスクラウド」の称呼と引用商標から生じる「ディーエックス」の称呼とは、「クラウドエーアイ」又は「クラウド」の音の有無により、明瞭に聴別できることから、全体の語調語感は相違したものとなり、互いに紛れるおそれはない。 ウ 観念について 本件商標と引用商標とは、共に特定の観念を生じないものであるから、観念においては比較することはできない。 エ 小括 以上から、本件商標と引用商標とは、観念においては比較できず、外観及び称呼において相紛れるおそれはないものであるから、これらを総合して判断すれば、両商標は、相紛れるおそれのない非類似の商標である。 その他、本件商標と引用商標とが類似するというべき特段の事情は見いだせない。 したがって、本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、本件商標の指定商品及び指定役務と引用商標の指定商品及び指定役務とが類似するとしても、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。 3 商標法第4条第1項第15号について 上記1のとおり、使用商標は、申立人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において需要者の間に広く認識されていたものと認めることができないものであり、また、本件商標と使用商標とは、上記2(3)においてした本件商標と引用商標との比較における場合と同様に、非類似の商標である。 そうすると、本件商標は、本件商標権者がこれをその指定商品及び指定役務について使用しても、取引者、需要者が、申立人の取扱いに係る使用商標を連想又は想起することはなく、その商品又は役務が申立人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品又は役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。 その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 3 まとめ 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反して登録されたものではなく、他にその登録が同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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