商標異議申立
2022-900534
エイトルーム、ハチルーム、ルーム、ブルーム
- 審判番号
- 2022-900534
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2022-047300
- 登録番号
- 6631467
- 請求日
- 2022年12月27日
- 審決日
- 2023年05月22日
- 公報発行日
- 2023年06月30日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】株式会社TBSテレビ
- 【異議申立人】エステールホールディングス 株式会社
- 【異議申立人代理人】澤木 紀一
- 審判長/審判官
- 審判長 矢澤 一幸
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 阿曾 裕樹
- 分類
- T1651.261-Y (W14) / T1651.262-Y (W14) / T1651.263-Y (W14) / T1651.271-Y (W14)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法4条1項15号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
登録第6631467号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6631467号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6631467号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、令和4年4月22日に登録出願、同年10月17日に登録査定され、第14類「キーホルダー,記念カップ,身飾品,ネックレス,ブレスレット,ペンダント,ロケット,メダル,指輪,カフスボタン,時計,腕時計,イヤリング,貴金属製バッジ」のほか、第9類、第11類、第16類、第18類、第20類、第21類、第24類、第25類、第28類から第30類、第32類及び第41類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年10月24日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する商標は、以下の2件の登録商標(以下、これらの商標をまとめて「引用商標」という。)であり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4573228号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:平成13年4月10日
設定登録日:平成14年5月31日
指定商品:第14類「身飾品」
(2)登録第5908778号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲3のとおり
登録出願日:平成28年7月1日
設定登録日:平成28年12月22日
指定商品:第14類「身飾品,貴金属,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,キーホルダー,貴金属製靴飾り,時計」
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、その指定商品及び指定役務中、第14類「身飾品,ネックレス,ブレスレット,ペンダント,ロケット,メダル,指輪,イヤリング,貴金属製バッジ」(以下「本件申立商品」という。)についての登録は、同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証から甲第20号証(以下「甲○」と表記する。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号
ア 称呼について
本件商標は、「8LOOM」の各文字を、肉厚にしてロゴ化したものだが、昨今、文字の図形化が盛んなところ、商標を構成する文字の一部を、判読できる程度に図案化して用いられることが一般である(甲15)。
そして、「8」の文字は、「B」に似ている文字と認識されていることから(甲4、甲5)、数字の「8」のように見せた、デザイン化した「B」と考えても無理がない点、「8LOOM」という英語は無いのに対し、「BLOOM」の英語は、多くの日本人が知っている英語である点、本願商標の語頭部分に付けられた咲いた花を思わせる図形は「花、花が咲く」のイメージがある点等から、「8LOOM」は、「BLOOM」の欧文字を表したものと無理なく認識できる。
そうすると、本件商標「8LOOM」は、「エイトルーム」や「ハチルーム」と称呼するよりは、英語の「BLOOM」を認識する「ブルーム」のみの称呼が生ずる。
なお、本件商標権者自身が、自社のホームページにおいて、本件商標を表示するとともに、「8LOOM」のテキスト文字を「ブルーム」と称呼して、取引を行っている実情がある(甲6~甲8)。
そして、本件商標を用いてさまざまなグッズ販売がなされているが、メルカリやアマゾン、ヤフオク、PayPayフリマ等において、取引者や需要者が、本件商標を「ブルーム」として販売している(甲9~甲12)。
また、例えば、インターネットのヤフー検索で、「8LOOM ハチルーム」や、「8LOOM エイトルーム」で検索しても、該当するものがヒットしない。
以上のことからも、本件商標からは、「ブルーム」のみの称呼が生ずるとみるのが相当である。
他方、引用商標1は、中間の2つの欧文字「O」を接触させたものであり、引用商標2は、中間の2つの欧文字「O」を∞で表したものだが、これらの図案化は、アルファベットの「OO」を表すものとして一般的であるから、いずれも「BLOOM」の英文字として無理なく把握でき、「ブルーム」のみの称呼が生ずる。
したがって、本件商標と、引用商標とは、称呼の点においては、同一である。
イ 観念について
本件商標の「8LOOM」の文字は、英語の「BLOOM」を無理なく認識できるから、「花、花が咲く」の意味合いの観念を有し、また、咲いた花を思わせる図形からも、「花、花が咲く」の観念が生ずる。
また、引用商標も、英語の「BLOOM」から「花、花が咲く」の観念が生ずる。
したがって、本件商標と、引用商標とは、観念の点においても、同一である。
ウ 外観について
本件商標のつづりは「8LOOM」であり、引用商標のつづりは「BLOOM」だが、語頭の肉厚のデザイン化した「8」の部分は、「B」とは近似する文字と認識されているから、数字の「8」のように見せたデザイン化した「B」と考えても無理がないので、両者は、つづりを同一とし、外見上近似した印象を与える。
また、近似した文字と、それ以外のつづりを同一とする商標が外見上近似した印象を与えると判断された審決例がある(甲19、甲20)。
したがって、本件商標と、引用商標とは、外観の点においては、近似する。
エ してみれば、外観において近似し、「ブルーム」のみの称呼及び「花、花が咲く」の観念において一致するので、本件商標と、引用商標とは類似し、両商標を同一又は類似の商品又は役務に使用した場合は、商品等の出所について誤認混同を生ずるおそれのある商標である。
そして、特に、近年、インターネットオークションや、インターネットを利用した転売等により、数々の商品が再販される状況において、これらインターネットオークション等において、「ブルーム」の文字が使用されて、アクセサリー等が販売される状況においては、出生の混同が生ずる蓋然性が非常に高い。
オ なお、語頭の文字を図案化したものであっても、類似と判断された審決例がある(甲15)。また、外観において、近似するものと判断された審決例がある(甲16~甲20)。
カ 本件商標と引用商標とは、「ブルーム」の称呼、「花、花が咲く」の観念を共通し、外観において近似する類似の商標であり、また、その指定商品も同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号
引用商標を所有する申立人は、申立人が運営する「BLOOM」店が59店舗、また、申立人が運営する関連店舗で「BLOOM」商品を扱う店舗が67店舗、その他、申立人が運営する店舗以外で「BLOOM」商品を扱う店舗が約70店舗、全国で、約200店舗で商品を販売している。
また、ホームページ及びオンラインショップにおいて宣伝、販売しており、「BLOOM」商標は、申立人の登録商標として、需要者の間に広く認識されている。
そして、本件商標は、実際に「ブルーム」として取引されている実情においては、引用商標との間で商品の出所について混同を生ずるおそれがあるので、商標法第4条第1項第15号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標について
(ア)本件商標は、別掲1のとおり、「8LOOM」の文字を丸みのある書体の袋文字で表し、「8」の文字の内側下部に横線を配し、当該文字の左側に一輪の花の図形を配してなるところ、その構成文字は、同じ大きさ及び書体で、横一列に、比較的まとまりのよい構成で表してなり、一連一体の造語を表してなると看取できる。
(イ)申立人は、本件商標の構成中「8」の文字は「B」に似ていること、「8LOOM」という英語はないのに対し、「BLOOM」の英語は多くの日本人が知っている英語であることなどを指摘しつつ、本件商標は、「BLOOM」の欧文字を表したものと無理なく認識できるから、「ブルーム」の称呼のみが生じる旨を主張する。
しかしながら、本件商標は、上記(ア)のとおり、比較的まとまりのよい構成で「8LOOM」の文字を表してなるもので、語頭の「8」の文字も含めて各文字の形状は明瞭に把握できるから、当該文字が造語であるとしても、その構成文字に相応して、通常は「エイトルーム」の称呼が生じるというべきである。
(ウ)したがって、本件商標は、その構成文字に相応して、「エイトルーム」の称呼が生じるが、特定の観念は生じない。
イ 引用商標について
(ア)引用商標1は、別掲2のとおり、「BLOOM」(「OO」の文字は左右端部を接している。)の文字を横書きしてなるところ、その構成文字は、「(花が)咲く」の意味を有する英語に通じる。
そうすると、引用商標1は、その構成文字に相応して、「ブルーム」の称呼を生じ、「(花が)咲く」程度の観念を生じる。
(イ)引用商標2は、別掲3のとおり、「BL」の欧文字、「∞」の記号及び「M」の欧文字を横並びに配置してなるところ、それら構成文字は、高さを揃えて、横一列に、比較的まとまりのよい構成で配置されている。
そして、引用商標の構成中「∞」の記号部分は、「OO」の欧文字を左右端部を結合した態様で併記したものとも看取できるから、構成文字全体としては、「BLOOM」((花が)咲く)の英語を表してなるとも理解できる。
そうすると、引用商標2は、その構成文字に相応して、「ブルーム」の称呼を生じ、「(花が)咲く」程度の観念を生じ得る。
ウ 本件商標と引用商標の比較
本件商標と引用商標を比較すると、外観においては、構成文字が明らかに相違する別異の語を表してなることに加えて、書体や図案化の有無なども相まって、全体としての印象は異なるもので、判別は容易である。また、称呼においては、全体の構成音の語調、語感は明らかに異なるから、聴別は容易である。さらに、観念においては、本件商標は特定の観念は生じないから、比較できない。
そうすると、本件商標と引用商標は、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において判別及び聴別は容易であるから、同一又は類似の商品について使用されるときであっても、その出所について混同を生じるおそれはなく、非類似の商標というべきである。
エ 小括
以上のとおり、本件商標は、引用商標とは同一又は類似する商標ではないから、その指定商品について比較するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
ア 申立人の提出証拠及び主張によれば、我が国において「BLOOM」と称する店舗が存在し、「BLOOM」と称する商品が販売されていること(甲13、甲14)は確認できるが、引用商標が使用されている商品の種別や範囲、それらの販売実績及び広告宣伝実績などは必ずしも明らかではないから、引用商標が、申立人の取り扱いに係る商品との関係において、我が国の需要者の間において広く知られているものと認めることはできない。
イ 以上のとおり、引用商標は、我が国の需要者の間において広く知られているものとはいえず、また、本件商標と引用商標は、上記(1)ウのとおり、非類似の商標であるから、本件申立商品と申立人の使用に係る商品との関連性や需要者の共通性にかかわらず、本件商標に接する本件申立商品の需要者及び取引者をして、引用商標又は申立人の業務に係る商品との関連性や、他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれはない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標の本件申立商品についての登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当せず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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