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商標異議申立

2022-900533

グロボディー、グローボディー

審判番号
2022-900533
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2022-061745
登録番号
6630328
請求日
2022年12月27日
審決日
2023年11月24日
公報発行日
2024年01月26日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】マツダ サヤカ
  • 【権利者代理人】香原 修也
  • 【権利者代理人】古井 かや子
  • 【権利者代理人】弁理士法人秀和特許事務所
  • 【異議申立人】グロ ディジタル インコーポレイテッド
  • 【異議申立人代理人】弁理士法人谷・阿部特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 豊田 純一
  • 審判官 杉本 克治
  • 審判官 小田 昌子
分類
T1652.261-Y (W41) / T1652.262-Y (W41) / T1652.263-Y (W41) / T1652.271-Y (W41) / T1652.222-Y (W41)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号、商標法第4条第1項第19号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

登録第6630328号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6630328号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6630328号商標(以下「本件商標」という。)は、「globody」の文字を標準文字で表してなり、令和4年5月31日に登録出願、第25類「被服,運動用特殊衣服,履物,運動用特殊靴,ベルト」、第28類「運動用具,ダンベル,運動用ウェイト,運動用又はおもちゃのボール用のチューブ」及び第41類「フィットネスの教授,技芸・スポーツ又は知識の教授,インターネットを利用して行う映像の提供,インターネットを利用して行う音楽の提供,電子出版物の提供,スポーツイベントの運営及び開催,教育又は娯楽に関する競技会の企画・運営,運動用具の貸与,運動施設の提供」を指定商品及び指定役務として、同4年10月11日に登録査定、同月20日に設定登録されたものである。 第2 登録異議申立人が引用する商標 1 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由において、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして、引用する登録第5696228号商標(以下「引用商標1」という。)は、「GLO」の欧文字を横書きしてなり、平成25年11月25日に登録出願、第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務(別掲1)を指定役務として、同26年8月22日に設定登録されたものであり、その商標権は、現に有効に存続しているものである。 2 申立人が、登録異議の申立ての理由において、本件商標は商標法第4条第1項第15号及び同項第19号に該当するとして引用する商標は、引用商標1及び「Glo」の欧文字を横書きした構成よりなる商標(以下「引用商標2」という。)並びに、別掲2のとおりの構成よりなる商標(以下「引用商標3」という。)であり、「エクササイズやフィットネス、ヨガなどの分野及びそれらの動画配信サービス」について使用され、我が国及び外国の需要者及び取引者の間に広く認識されているというものである。 なお、引用商標1ないし引用商標3をまとめて、以下「引用商標」という場合がある。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標はその指定商品及び指定役務中、第41類「全指定役務」(以下「異議申立役務」という。)について、商標法第4条第1項第11号、同項第15号又は同項第19号に違反して登録されたものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第35号証(枝番号を含む。)を提出した。 以下、証拠の表記に当たっては、「甲第1号証」を「甲1」のように省略して記載する場合があり、枝番号の全てを表示する場合は、枝番号を省略する。 1 引用商標の著名性について (1)Gloについて ア 引用商標1の権利者で、申立人である「グロ ディジタル インコーポレイテッド」(以下「グロ社」という。)は、オンラインのヨガ・ピラティス・瞑想・フィットネス等に関するプラットフォームの提供に重点を置いたIT対応型のウェルネス企業であり、専門的に撮影された何千ものヨガや瞑想、ピラティスやフィットネスなどの動画教材の配信に特徴を有している(甲3)。 カリフォルニア州サンタモニカを拠点とするグロ社は、2人の兄弟によって、2008年に設立された(甲4)。 1018年に、グロ社の設立10周年を記念して、設立者のライアンミルズが寄稿した「Gloの10周年と新しいロゴを祝う」を提出する(甲4)。グロ社をユニークなものにしているのは、世界中の有名なインストラクターが教えるオンデマンドのヨガ、瞑想、ピラティス、フィットネス等に関する豊富なライブラリである。 「Gloコンテンツライブラリ」は、5,000を超えるクラスを有しており、グロ社のWebサイトやiOS又はAndroidアプリ、Roku、Amazon Fire TV等から、ストリーミングやダウンロードして利用可能となっている(甲5)。 イ グロ社は、オンライン動画の配信に特徴を有していることから、SNSとも親和性が高く、インスタグラム、フェイスブック、ツイッター、TikTok等においても、動画の配信や情報の提供を行っており(甲6~甲9)、また、YouTubeにおいても、様々な動画が視聴可能である(甲10)。 ウ グロ社の前身は、Yogaglo,Inc.(以下「Yogaglo社」という。)であり、引用商標1の名義もグロ社に変更されている。 グロ社のアプリはYogaglo社の表記のままのものもあるが(甲5の1)、Andloidのグロ社のアプリのページ(甲5の2)は、グロ社に変更されている。 (2)グロ社の販売実績等について 甲第11号証は、2012年からのマーケティング・広告費用推移であり、甲第12号証は、2017年からの年間加入者収益推移である。 マーケティング・広告費用に関しては、2022年は、3,521,309ドルとやや落ち込みが見られるが、2020年は、4,075,329ドル、2021年は4,760,868ドルであり、直近3年の平均は4,119,169ドルであることから、マーケティング・宣伝広告には相当な費用をかけている(甲11)。 また、年間加入者収益に関しては、2019年は、15,290,116ドル、2020年は、20,349,114ドル、2021年は、18,667,733ドルであり、2019年ないし2021年の3年間の平均は、18,102,321ドル(約25億円)であって、相当な収益を上げている(甲12)。 (3)グロ社の世界的評価について グロ社は、ヨガ(特にオンラインヨガ)の分野では、最も著名なブランドであり、様々なレビューサイト等にグロ社に関する記載があり(甲13、甲14)、2015年には、ヨガストリーミングビジネスのTOP3に選ばれ(甲15)、2016年には、Apple Storeにおいて「Best OF 2016」アプリに選出され(甲16)、NETFLIXの「Best New Apps」に選ばれた(甲17)。 2020年には、「最高のオンラインヨガクラスのサブスクリプションは何か?」の記事において、トップ3の1つとして紹介され(甲18)、2021年のヨガ専門サイトにおいて、「いくつかの素晴らしいオンラインヨガクラスは、ガイア、ワンオエイト及びヨガグロで見つけることができます。」と紹介され(甲19)、2022年には、グロ社は、セラピー専門サイトにおいて、2022年の「ベストヨガアプリ」に選出され(甲20)、他のウェブサイトにおいても、「ベストヨガアプリ2022」のうちの一つに選ばれた(甲21)。 2023年には、美容サイト「BYRDIE」において、2023年の「ベストヨガアプリ」に選出され、「Gloは、ナビゲーションのしやすさと、様々なレベルの様々なクラス及び練習をカスタマイズする機能により、全体として最高の称号を獲得した。」と紹介され(甲22)、他のレビューサイトにおいても、「8つの最高のヨガアプリ」の1つに選出され(甲23)、その記事中において「Appleアプリストアにおいて、トップランクのヨガアプリのうちの一つ」と紹介され、その他のレビューサイトにおいても、「2023年のベストヨガアプリ6選」に選出されている(甲24)。 様々なレビューサイト等において、「ベストヨガアプリ」に選出されているということは、客観的にみて、評価(人気)の極めて高いアプリであることは明らかである。 (4)グロ社の我が国における評価について 我が国においても、既に2017年において、「マインドフルネス」に関するインターネット記事において、グロ社(YogaGlo)は、「ヨガや瞑想のクラスを動画で視聴できます。」、「世界中にフォロワーを持つ講師陣のレクチャーは本格的です。既に4000以上のセッションが公開されており、サイクリングなど、各スポーツなどに特化したクラスもあります。」などと紹介され(甲25)、また、Newsweek日本版の「ヨガマーケット2020」(甲26)の記事中に、「ヨガ市場レポートで活動している主要なプレーヤー」として、グロ社(Yogaglo)が挙げられている。 (5)小括 以上のように、引用商標は、オンラインヨガの教授や、オンラインヨガの動画の提供等の役務に継続的に使用され、世界中に広く知られている著名な商標である。 2 商標法第4条第1項第11号について (1)本件商標と引用商標の類否について ア 称呼について 本件商標の一部を構成する「glo」の文字は、申立人の役務を表すものとして著名性を獲得し、役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものである。 一方、「body」の文字は、「身体」等の意味を有するところ、ヨガ関連の分野においては、身体の調子を整え、身体を柔らかくする等の目的や効果があり、またフィットネス関連の分野においても、身体鍛錬等の目的の下で身体運動を行うことからすれば、異議申立役務との関係においては、役務の目的や用途といった内容(質)を表すから、「body」の文字は、識別力の弱い語といえる。 こうした状況の下では、本件商標の構成中、造語であって、異議申立役務の分野において一般に広く知られている「glo」の文字が、本件商標に接する取引者、需要者に対して役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与え、「glo」の文字より看者が受ける印象、記憶は、「body」の文字に比べて、相対的には極めて強いといえる。 よって、本件商標から、「glo」の文字のみを抽出し、当該文字のみを引用商標1と比較してその類否を判断することは許されるといえる。 したがって、本件商標は、「globody」の文字全体のみならず、「glo」の文字より称呼が生じることになり、「グロボディ」及び「グローボディ」の他に、「グロ」又は「グロー」の称呼をも生じる。 これに対して、引用商標は、「グロ」又は「グロー」の称呼が生じる。 イ 外観について 本件商標の構成中、独立して着目され、要部となる「glo」の欧文字と、引用商標1の外観を比較すると、小文字と大文字の相違はあるが、構成文字を同じくすることから、外観上、両者は互いに近似した印象を与えるものといえる。 ウ 観念について 本件商標の要部である「glo」の欧文字と引用商標1は、辞書に載録のない語であり、特定の観念を生じないものであるから、両者は観念において区別できない。 エ 本件商標と引用商標1の類否について 以上のとおり、本件商標の要部である「glo」の欧文字と引用商標1とは、観念において区別できないとしても、外観において近似した印象を与えるものであって、称呼を共通にするものであるから、これらを総合的に勘案すれば、両商標は互いに相紛れるおそれのある類似する商標と判断するのが相当である。 (2)異議申立役務と引用商標1の指定役務の類否について 異議申立役務中、第41類「教育又は娯楽に関する競技会の企画・運営,運動用具の貸与,運動施設の提供」以外の役務は、引用商標の指定商品と同一又は類似する役務である。 (3)小括 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 3 商標法第4条第1項第15号について 仮に、本件商標と引用商標1が類似せず、商標法第4条第1項第11号には該当しないとしても、本件商標を異議申立役務に使用した場合には、役務の出所の混同を生ずるおそれがある。 (1)混同のおそれ 商標審査基準によれば、他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」であるか否かの判断にあたっては、ア 出願商標とその他人の標章との類似性の程度、イ その他人の商標の周知度、ウ その他人の標章が造語よりなるものであるかどうか、又は構成上顕著な特徴を有するものであるか、エ その他人の標章がハウスマークであるか、オ 役務間の関連性、カ 役務の需要者の共通性その他取引の実情、等を総合的に考慮するものとされている。 上記観点から引用商標について考察する。 アについては、上記2で述べたとおり、本件商標は、強く支配的な印象を与える「glo」の欧文字と、異議申立役務との関係上、識別力の弱い「body」の欧文字との結合からなる商標であるため、「グロ」の称呼をも生ずるとみるべきであり、本件商標と引用商標との類似性の程度は高いといえる。 イについては、上記1で述べたとおり、引用商標は著名である。 ウについても、引用商標が造語よりなるものであることは明らかである。 エについては、引用商標は、ハウスマークそのものではないが、ハウスマークの著名な略称であり、「他人の標章がハウスマークである」に準じて判断されるべきである。 オについては、通常、フィットネスやヨガ等のエクササイズの分野においては、種々の競技会が開催されたり(例えばエアロビクスなど)、運動用具の貸与や施設の提供などが行われたりすることは、ごく一般に行われていることであり、役務同士は密接な関係を有しているといえる。 カについては、本件商標と引用商標の役務の需要者に関しては、エクササイズ、フィットネスやヨガの教授を受ける者又はそれらを内容とする動画を視聴する者という点で一致している。 (2)まとめ 以上、上記の点を総合的に考慮すれば、本件商標が第41類の当該役務に使用された場合、その役務に接した需要者は、申立人の業務に係る役務であると誤認するおそれがある。 また、たとえ本件商標が、申立人の業務に直接係る役務であると認識されないとしても、引用商標の著名性等に鑑みると、申立人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者と誤認し、役務の出所について混同するおそれが極めて高いと思われる。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 4 商標法第4条第1項第19号について 引用商標は、エクササイズやフィットネス、ヨガなどの分野及びそれらの動画配信サービスの分野において、我が国及び外国において、需要者及び取引者の間に広く認識されている商標である。 また、本件商標の要部である「glo」の欧文字と引用商標とは、観念において区別できないとしても、外観において近似した印象を与えるものであって、称呼を共通にするものであるから、これらを総合的に勘案すれば、両商標は互いに相紛れるおそれのある類似する商標といえる。 「不正の目的」について述べると、本件商標の商標権者(以下「本件商標権者」という。)は、全米ヨガアライアンスの「RYT200」のヨガ資格を持ち、また、ピラティスメソッドアライアンスの「PMAピラティス」の資格も持つといい(甲27、甲28)、globodyは、ピラティスをベースに、筋トレと有酸素運動を融合させたエクササイズであり、申立人の業務に係る役務分野と完全に重なり合う。 さらに、本件商標権者は、英語・日本語のバイリンガルであり、我が国と米国の双方を活動拠点とし、遅くとも2015年頃からは米国企業でFitnessコーチとして活動していることからしても(甲27、甲28)、米国で特に著名な引用商標の存在を承知していないはずはない。 そうすると、本件商標の登録出願時において、同じヨガ・ピラティス・フィットネスの分野における商標として既に広く知られていた引用商標の存在を認識していたことは、社会通念に照らせば明らかである。 実際に、本件商標権者は、本件商標を使用する際、「通称「glo」」と称して使用しており(甲29~甲31)、また、本件商標権者のインスタグラムのアカウントも、「glowithsaya」としている(甲32)。 さらに、トレーニングの内容紹介において、自身の画像に「glo by Saya」を用いており(甲35)、故意に、申立人の業務に係る役務と出所混同を生じさせようとしている。 このように、本件商標権者は、引用商標の存在を単に認識していたにとどまらず、自ら積極的に、引用商標に化体した信用にフリーライドしようとしている意図は明白である。 以上のとおり、本件商標を登録しようとする行為は、申立人ブランドの人気及び信用に不当にフリーライドし、不正の目的を持っていたことは明らかであるから、本件商標を登録することは、国際信義に反する。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。 第4 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本件商標について 本件商標は、上記第1のとおり、「globody」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成は、同書、同大、等間隔でまとまりよく表されており、構成中の一部の文字のみが外観上強い印象を与えるものではない。 また、本件商標の構成文字全体に相応して生じる「グロボディー」の称呼も、無理なく一連に称呼し得るものである。 そして、「globody」の文字は、辞書等に載録のないものであるから、特定の意味合いを有しない一種の造語とみるのが相当である。 したがって、本件商標は、その構成文字に相応して「グロボディー」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。 (2)引用商標1について 引用商標1は、上記第2の1のとおり、「GLO」の欧文字を横書きした構成よりなり、これよりは、「ジイエルオー」又は「グロ」の称呼を生ずるものである。 そして、当該文字は、辞書等に載録のないものであるから、特定の意味合いを有しない一種の造語とみるのが相当である。 したがって、引用商標1は、「ジイエルオー」又は「グロ」の称呼を生じ、特定の観念は生じない。 (3)本件商標と引用商標1の類否について ア 外観について 本件商標は、上記第1のとおりの構成よりなり、また、引用商標1は、上記第2の1のとおりの構成よりなるものであるところ、本件商標と引用商標1とは、構成文字数及び「body」の文字の有無の差異において、明らかに相違するものであるから、本件商標と引用商標1の外観は、互いに紛れるおそれはない。 イ 称呼について 本件商標より生じる「グロボディー」の称呼と引用商標1より生じる「ジイエルオー」又は「グロ」の称呼とは、音構成、構成音数が明らかに相違するから、明瞭に聴別し得るものである。 ウ 観念について 本件商標と引用商標1は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念を比較することができない。 エ 小括 以上のとおり、本件商標と引用商標1とは、観念において比較することができないものであるとしても、外観及び称呼において、相紛れるおそれのないことが明らかなものであるから、非類似の商標である。 その他、本件商標と引用商標1が類似するというべき特段の事情は見いだせない。 そうすると、異議申立役務は、引用商標1の指定役務と同一又は類似の役務を含むものであるとしても、本件商標と引用商標1は、非類似の商標である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 2 商標法第4条第1項第15号該当性について (1)引用商標の周知性について 申立人の主張及び同人より提出された証拠によれば、以下のとおりである。 ア グロ社は、2008年に設立され、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンタモニカを拠点とする、オンラインのヨガ・ピラティス・瞑想・フィットネス等に関するプラットフォームの提供に重点を置いたIT対応型のウェルネス企業であり、ヨガや瞑想、ピラティスやフィットネスなどの動画教材の配信に特徴を有している(甲3、甲4、申立人の主張)。 イ グロ社のコンテンツライブラリは、5,000を超えるクラスを有しており、同社のWebサイト等から、ストリーミングやダウンロードして利用可能となっている(甲5、申立人の主張)。 なお、申立人の提出に係る上記に関するウェブサイト記事は、外国語で作成されたものであり、その翻訳文の提出もないことから、内容が必ずしも明確ではない。 ウ グロ社は、マーケティング・広告費用に関して、2020年に、4,075,329ドル、2021年に4,760,868ドル、2022年に、3,521,309ドルの費用をかけ、また、年間加入者収益に関しては、2019年は、15,290,116ドル、2020年は、20,349,114ドル、2021年は、18,667,733ドルであるとして一覧表(甲11、甲12)を提出しているが、当該一覧表の作成日、作成者等は不明であり、その裏付けとなる証拠の提出もないから、それらをもってマーケティング・広告費用に関する評価をすることはできない。 その他、グロ社の業務に係る役務に関し、我が国及び外国における販売量、市場シェアなど販売実績や宣伝広告費等を示す主張はなく、かつ、それを裏付ける証左も見いだせない。 エ 以上を踏まえると、引用商標は、申立人(グロ社)の業務に係る役務を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国及び外国の取引者、需要者の間に広く認識されていたと認めることができないものである。 (2)出所の混同のおそれについて 本件商標と引用商標1とは、上記1(3)のとおり、外観及び称呼が明らかに相違する別異の商標であり、本件商標と引用商標2の「Glo」の欧文字、別掲2のとおりの構成よりなる引用商標3も、本件商標と引用商標1と同様に、外観及び称呼が明らかに相違する別異の商標であるから、その類似性も低いものである。 そうすると、本件商標権者が、本件商標を異議申立役務について使用した場合に、これに接する取引者、需要者は、引用商標を連想、想起することはなく、当該役務が申立人(グロ社)又は同人(同社)と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように、役務の出所について混同を生じさせるおそれはないものというのが相当である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 3 商標法第4条第1項第19号該当性について 上記2のとおり、引用商標は、申立人(グロ社)の業務に係る役務を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、外国及び我が国の需要者の間に広く認識されていたとは認めることができず、上記2のとおり、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であり、別異の商標といえるものである。 また、本件商標権者が、不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的、その他の不正の目的をもって本件商標を出願し、登録を受けたと認めるに足る具体的事実を証拠から見いだすこともできないから、本件商標は、不正の目的をもって使用するものと認めることはできない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。 4 むすび 以上のとおり、本件商標は、異議申立役務について、商標法第4条第1項第11号、同項第15号及び同項第19号に該当するとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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2022-900533

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