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商標異議申立

2022-900505

パドッククラブ

審判番号
2022-900505
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2022-037665
登録番号
6619974
請求日
2022年12月05日
審決日
2023年11月17日
公報発行日
2024年01月26日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】株式会社Progresso
  • 【異議申立人】フォーミュラ ワン ライセンシング ベスローテン フエンノートシャップ
  • 【異議申立人代理人】田中 伸一郎
  • 【異議申立人代理人】中村 稔
  • 【異議申立人代理人】井滝 裕敬
  • 【異議申立人代理人】▲吉▼田 和彦
  • 【異議申立人代理人】藤倉 大作
  • 【異議申立人代理人】角谷 健郎
審判長/審判官
  • 審判長 冨澤 武志
  • 審判官 豊田 純一
  • 審判官 馬場 秀敏
分類
T1651.271-Y (W25)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項15号商標法43条の2商標法43条の3第4項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第15号
データ出所
審決公報(XML)

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登録第6619974号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6619974号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6619974号商標(以下「本件商標」という。)は、「Paddock Club」の文字を標準文字で表してなり、令和4年4月1日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下留め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊靴,運動用特殊衣服」を指定商品として、同年8月31日に登録査定、同年9月27日に設定登録されたものである。 第2 登録異議申立人が引用する商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において、引用する登録商標は、以下の1ないし4であり、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。 1 登録第4026990号商標(以下「引用商標1」という。)は、「PADDOCK CLUB」の欧文字を横書きしてなり、平成6年2月23日に登録出願、第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務(別掲1)を指定役務として、同9年7月11日に設定登録されたものである。 2 登録第4064271号商標(以下「引用商標2」という。)は、「PADDOCK CLUB」の欧文字を横書きしてなり、平成6年2月23日に登録出願、第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務(別掲2)を指定役務として、同9年10月3日に設定登録されたものである。 3 登録第4064272号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲3のとおりの構成よりなり、平成6年2月23日に登録出願、第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務(別掲2)を指定役務として、同9年10月3日に設定登録されたものである。 4 国際登録第1168031号商標(以下「引用商標4」という。)は、「FORMULA ONE PADDOCK CLUB」の欧文字を横書きしてなり、2013年5月1日にBeneluxにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張して、同年6月14日に国際商標登録出願、第41類及び第43類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の役務(別掲4)を指定役務として、平成26年11月7日に設定登録されたものである。 なお、以下、引用商標1ないし引用商標4をまとめていう場合は「引用商標」という。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第7号証を提出した。 なお、証拠の表記にあたっては、甲第1号証を「甲1」のように省略して記載する場合がある。 (1)引用商標の周知性について 申立人は、国際自動車連盟(FIA)が主管し、モーター・レースの中で最高峰のレースとされるF1世界選手権(通称「F1レース」)(以下「F1レース」という。)に関する事業の商標権を保有・管理していて、我が国においても多数の商標登録を保有している。 「PADDOCK CLUB」は、世界各国で開催されるF1レースの招待客やその他の上客のために特別に設けられた観戦エリア、及び、その観戦エリアで提供されるサービスの名称で、申立人の提供する代表的なサービスの1つである(甲2)。 具体的には、一般観客から隔たれたエリアに設置された観戦ラウンジ・観戦エリアでF1レースを楽しむことができ、また、レース中、常にビュッフェ形式の飲食物・酒類が提供される。 さらに、F1レースに参加するドライバーのトークショーやサイン会など、「PADDOCK CLUB」限定でのイベントも開催される。 レースイベントの席としては極めて高額な料金が設定されていて、富裕層・熱烈なファンが主なターゲット・需要者層である。 「PADDOCK CLUB」は、多くのF1レースファンの憧れになっていて、その結果、引用商標は、申立人の業務を表示するものとして、広く知れ渡っている。 現に、大手インターネット検索エンジン「Google」及び「Yahoo!Japan」で「パドッククラブ」で検索すると、上位に表示されるサイトは、いずれも、F1レースに関連したサービス・商品を紹介したサイトである(甲3、甲4)。 (2)我が国における日本におけるF1レースの人気 F1レースは、国際的なモーター・レースのシリーズとしてFIAによって運営され、1948年にFIAが制定したレース用自動車に関する規定の下で、1950年から開始された。 それ以来、F1レースは、毎年欠かさずに行われて、年間約20レース程度が開催されている。 F1レースの開催国は、欧州のほか、オーストラリア、北アメリカ、南アメリカ、アジアと世界中に及んでおり、F1レースは、世界的に大人気である。 現在、主に「DAZN」(甲5)などのインターネットの動画配信サービスを通じて、我が国においてF1レースを視聴することができる。 なお、動画配信サービス「DAZN」の契約者数は、我が国での先行の動画配信サービス「スカパー」や「WOWOW」と肩を並べるほどであり、契約者であれば誰でもF1レースを視聴することができる。 また、F1レースに特化した専門誌が、申立人の許諾の下に複数提供されている。例えば株式会社三栄(旧:株式会社三栄書房)が発行する雑誌「F1速報」は、F1レースの開催後に出版されて、毎回、そのレース結果を伝えている。その他のモーター・スポーツの専門誌でもF1レースは必ず大きく特集されている。 なにより、「F1(Formula 1)」は、年間20レース程度、開催されているので、日本グランプリのみならず世界各国のF1レースの様子が、その都度ニュース番組、全国紙、スポーツ新聞、ソーシャルメディアその他あらゆるメディアを通じて大きく報道されている。その報道資料の数を挙げるとなると量が膨大で枚挙に暇がない。 さらに、申立人グループは、Twitter(審決注:現在は「X」である。以下同じ。)、Facebook、Youtubeなどのソーシャルメディアを利用した宣伝活動も行っており、世界中で数多くのフォロワーをひき付けている。 2020年12月時点では、Twitterには888万人のフォロワーが、Facebookには1,247万人以上のフォロワーが、Instagramには2,159万人のフォロワーがいる。 また、YouTubeのF1の公式チャンネルの登録者数も、849万人になる。 このような我が国での根強いF1人気からも、F1レースに関連したサービスの「PADDOCK CLUB」が国内で広く知れ渡っていることが推認できる。 (3)混同を生ずるおそれ 申立人を含むF1グループは、公式のオンラインストアにて、F1関連の商品を販売している。その中でも、Tシャツや帽子などのアパレル商品が主力商品で、多数、販売されている(甲6)。 また、近年、アパレルメーカーから多くのコラボレーション商品が販売されており、代表的な例を挙げれば、アパレルショップ「ユニクロ」を日本全国に展開している株式会社ファーストリテイリングは、積極的に、他社とコラボレーションしたアパレル商品を販売しており、人気を博している(甲7)。 このような実情、引用商標の周知著名性を踏まえれば、例えば、「PADDOCK CLUB」と付されたTシャツに接した需要者・取引者は、F1グループの商品、もしくは、F1グループとコラボレーションした商品と認識する。 (4)小括 以上のとおり、少なくとも広義の混同を生ずる、すなわち、F1グループの提供する「PADDOCK CLUB」を連想し、F1グループとのコラボレーションなど、当該商品があたかも申立人と経済的又は組織的な関係を有するものと、誤認・混同されるおそれがある。 よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に規定される「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」に該当することが明らかである。 第4 当審の判断 1 商標法第4条第1項第15号該当性について (1)引用商標の周知著名性について 申立人の主張及び同人が提出した全証拠によると、申立人は、国際自動車連盟(FIA)が主管し、モーター・レースの中で最高峰のレースとされるF1レースに関する事業の商標権を保有・管理していていること、「PADDOCK CLUB」の語は、世界各国で開催されるF1レースの招待客やその他の上客のために特別に設けられた観戦エリア、及び、その観戦エリアで提供されるサービスの名称であること(甲2)、F1レースは年間約20レース程度、欧州のほか、オーストラリア、北アメリカ、南アメリカ、アジアで開催されていること、F1レースに関連したサービス・商品を紹介したサイトが存在すること(甲3、甲4)、動画配信サービスの「DAZN」を通じ、我が国においてF1レースを視聴することができること(甲5)、F1オフィシャルグッズストア「EURO SPORTS」にてTシャツ等の商品が取り扱われていること(甲6)は確認できる。 しかしながら、F1レースの開催時以外に、「PADDOCK CLUB」の欧文字や「パドッククラブ」の片仮名が、引用商標に係る指定役務に使用されている事実は確認できない。 また、引用商標が使用された役務の提供の実績(提供した人数、売上高等)や広告宣伝の方法やその提供手段、広告宣伝費等、引用商標の周知著名性を数量的に判断することができる証拠は提出されていない。 そうすると、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る役務を表示するものとして、我が国及び外国の需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。 (2)本件商標と引用商標の類似性とその程度 ア 本件商標「Paddock Club」と引用商標1「PADDOCK CLUB」及び引用商標2「PADDOCK CLUB」とは、これらの文字のつづりを共通にし、ともに「パドッククラブ」の称呼を同一にするものであるから、「Paddock Club」の欧文字及び「PADDOCK CLUB」の欧文字が、一般的な辞書等に載録されている成語ではないため、これらの観念については比較できないとしても、外観が類似し、称呼を共通にする類似の商標であり、これらの類似性の程度は高いものである。 イ 本件商標と引用商標3及び引用商標4は、「FORMULA ONE」の欧文字の有無において明らかに相違し、これらの商標より生じる称呼は、「パドッククラブ」の音を共通にするものの、「フォーミュラワン」の音の有無に差異があり、全体の構成音及び音数が明らかに相違するため、本件商標と引用商標3及び引用商標4とを一連に称呼した場合は、その語調語感が相違し、称呼上、互いに紛れるおそれはないものである。 そうすると、引用商標3及び引用商標4の構成文字である「FORMULA ONE PADDOCK CLUB(FORMULA ONE PADDOCK club)」の欧文字は、一般的な辞書等に載録されている成語ではないから、特定の観念が生じない本件商標と、観念については比較できないとしても、これらの外観及び称呼が明らかに相違する非類似の商標であり、これらは、別異の商標といえる。 (3)本件商標の指定商品と申立人の業務に係る役務の関連性について 本件商標の指定商品は、被服等の商品であり、申立人の業務に係る役務「モーター・スポーツ競技会の開催」とは、商品の製造者・販売者と役務の提供者が明らかに異なり、商品の用途と役務の用途が明らかに相違する等、これらが密接な関連性を有しているとはいえない。 (4)出所の混同のおそれ ア 上記(2)アのとおり、本件商標と引用商標1及び引用商標2は、外観が類似し、称呼を共通にする類似の商標であるから、類似性の程度は高いものであるとしても、上記(1)のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る役務を表示するものとして、我が国及び外国の需要者の間に広く認識されているものと認めることはできないものであり、上記(3)のとおり、本件商標の指定商品と申立人の業務に係る役務は、密接な関連性を有しているとはいえないことからすると、本件商標の権利者(以下「本件商標権者」という。)が、本件商標をその指定商品に使用しても、本件商標の需要者が、申立人又は申立人の業務を表示するものと認識するとはいえないため、出所の混同が生じるおそれはない。 イ 上記(1)のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る役務を表示するものとして、我が国及び外国の需要者の間に広く認識されているものと認めることはできないものであり、上記(2)イのとおり、本件商標と引用商標3及び引用商標4は、これらの外観及び称呼が明らかに相違する非類似の商標であり、別異の商標といえるものであり、上記(3)のとおり、本件商標の指定商品と申立人の業務に係る役務は、密接な関連性を有しているとはいえないことからすると、本件商標権者が、本件商標をその指定商品に使用しても、本件商標の需要者が、申立人又は申立人の業務を表示するものと認識するとはいえないため、出所の混同が生じるおそれはない。 ウ その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。 (5)まとめ したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 2 申立人の主張について 申立人は、令和5年3月6日付け商標登録異議申立理由補充書(以下「理由補充書」という。)の「第4 結語」の項目において「現在、本件商標の出願を取り下げるように、出願人と交渉しています。万が一、本件商標の登録を取り消すべき理由がないと判断した場合でも、直ちに、決定を下すことなく、審理を猶予していただきますようお願い申し上げます。」と主張する。 しかしながら、理由補充書の提出より、8月以上経過した現在において、本件商標権者が、本件商標の権利を放棄する等の事実は確認できないため、これ以上審理を猶予するべき事情はないと判断した。 3 むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録は維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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2022-900505

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