商標異議申立
2022-900485
シイデザイン、デザイン
- 審判番号
- 2022-900485
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2022-036381
- 登録番号
- 6615470
- 請求日
- 2022年11月28日
- 審決日
- 2023年08月31日
- 公報発行日
- 2023年11月24日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【権利者】株式会社ノダ
- 【異議申立人】水野 圭助
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 冨澤 武志
- 審判官 小林 裕子
- 分類
- T1651.16 -Z (W1920)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号商標法43条の3第2項商標法43条の21号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号、商標法第43条の2第1号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
登録第6615470号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6615470号商標の商標登録を取り消す。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6615470号商標(以下「本件商標」という。)は、「Cデザイン」の文字を標準文字により表してなり、令和4年3月30日に登録出願、第19類及び第20類に属する登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年8月10日に登録査定され、同年9月15日に設定登録されたものである。
第2 登録異議申立て理由の要点
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第3条第1項第6号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号によりその登録は取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第46号証を提出した。
1 本件商標の識別力について
本件商標は、「C」の文字と「デザイン」の語を結合させたものであると容易に認識できるものである。「C」は商品の品番や型式を表す記号・符号として、一般的に用いられるアルファベット1文字であり、「デザイン」は「設計、計画、企画、図案、造形、意匠の総合的計画・設計」等を意味し(甲2)、本件商標の指定商品の属する建築材料や家具等の分野においては、商品の意匠を表すものとして、一般的に使用されている(甲3~甲44)。
そして、建材メーカー等は、デザインの品番・型式を表すのに、アルファベットを使用することも一般的に行われている(甲3~甲44)。
そうすると、「C」と「デザイン」はいずれも指定商品について識別力があるとはいえず、単にこれらを結合させたにすぎない「Cデザイン」も、自他商品識別標識として機能するとはいえない。むしろ、前述のとおり、アルファベットがデザインの品番・型式を表すのに一般に使用されている実情からすれば、本件商標に接する取引者・需要者は、「品番又は型式が「C」であるデザイン」の商品であることを表したにすぎないと理解、認識すると見るのが自然である。
2 取引の実情について
実際に、アルファベットと「デザイン」の語を結合させた表示は、商品のデザインの品番・型式を表すものとして、一般的に使用されている。
建材メーカーのカタログやウェブサイトを見ると、商品の一覧やラインナップにおいて、「Aデザイン」、「Cデザイン」、「Rデザイン」、「Tデザイン」、「Wデザイン」等のように、本件商標と同様、アルファベット1文字と「デザイン」を結合させた表示が使用されている場合は少なくない(甲3~甲17)。
そして、カタログ等でこのような使用を行っているのは、大建工業株式会社等の建築材料の大手メーカーであり、雑誌「日経アーキテクチュア」における「採用したい建材・設備メーカーランキング2022」において、上位に位置する人気のあるメーカーである(甲45)。とりわけ、室内ドアや門扉・フェンスの分野では、市場シェアでも上位を占める(甲46)。加えて、このような使用は、少なくとも18年近く前から行われている(甲24~甲29)。そうすると、建築材料の分野における多くの取引者・需要者が、アルファベットと「デザイン」の結合を、デザインの品番・型式として、認識してきたといえる。
以上のことからすれば、建築材料等の分野において、アルファベットと「デザイン」の結合をデザインの品番・型式として用いることは、長年普通に行われてきたことであり、取引者・需要者も、当然、これらをデザインの型番・型式として理解・認識してきたことは明らかである。
3 結語
以上のとおり、本件商標の指定商品の属する分野において、アルファベットと「デザイン」の結合が、デザインの品番・型式として一般的に用いられてきたことからすれば、本件商標「Cデザイン」に接する取引者・需要者は、商品が、「品番又は型番が「C」であるデザイン」の商品であるという、デザインの品番・型式を表したものと理解・認識するにすぎないといえる。また、アルファベットと「デザイン」の結合が、過去から現在に至るまで、実際にデザインの品番・型式として普通に使用されているという取引の実情の中で、その一類型である「Cデザイン」の独占的な使用を一企業に認めることは、円滑な取引を阻害する等、公益上の問題が生じるおそれがあるというべきである。
したがって、本件商標は、自他商品識別標識の機能を果たし得ないものであって、何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であるため、商標法第3条第1項第6号に該当するといえる。
よって、本件商標の商標登録は、商標法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきである。
第3 当審における取消理由の要旨
当審において、商標権者に対して、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第6号に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである旨の取消理由を令和5年6月21日付けで通知し、相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えた。
第4 商標権者の意見
商標権者は、上記第3の取消理由に対して、指定した期間内に意見を述べていない。
第5 当審の判断
1 商標法第3条第1項第6号該当性について
本件商標は、上記第1のとおり、「C」の欧文字と「デザイン」の片仮名を一連に標準文字で表したものである。
そして、本件商標の構成中、「C」の欧文字は、「英語アルファベットの第3字」「C字形のもの」「第3番目(のもの)」等の意味を有し(ジーニアス英和辞典第6版)、「デザイン」の文字は、「意匠」「設計」等を意味するものであって(三省堂国語辞典第8版)、いずれも広く一般に親しまれた語である。
ところで、申立人の提出に係る証拠によれば、アルファベットは、商品のデザインの品番、形式等を表すものとして一般に使用されている事実(甲3~甲14、甲18~甲29、甲31~甲38、甲41、甲43)が認められる。
そうすると、アルファベット1文字と「デザイン」の文字が一連に表された本件商標全体としては、例えば「品番、形式等が「C」であるデザイン」程の意味合いを理解、認識させるものといえる。
さらに、本件指定商品を取り扱う業界においては、「Aデザイン」「Cデザイン」「Rデザイン」「Tデザイン」「Wデザイン」等のように、アルファベット1文字と「デザイン」の文字を結合させた表示が、商品の一覧やラインナップにおいて、商品のデザインのバリエーションを表すものとして使用されている事実が認められる(甲3~甲14)。
してみれば、「Cデザイン」の文字からなる本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者は、「品番、形式等が「C」であるデザイン」程の意味合いをもって、商品のデザインのバリエーションを表したものと認識するにとどまり、商品の出所識別標識として認識することはないとみるのが相当である。
以上のとおりであるから、本件商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であるといえる。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
2 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、その登録は、同法第3条の規定に違反して登録されたものである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第43条の2第1号に該当するものであるから、同法第43条の3第2項の規定により取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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