商標異議申立
2022-900462
ナノソリューション
- 審判番号
- 2022-900462
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2021-013651
- 登録番号
- 6608151
- 請求日
- 2022年11月07日
- 審決日
- 2024年04月25日
- 公報発行日
- 2024年05月31日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】ナノソリューション株式会社
- 【権利者代理人】本田 史樹
- 【異議申立人】テックメディカルnano 株式会社
- 【異議申立人代理人】椿 豊
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 阿曾 裕樹
- 審判官 山根 まり子
- 分類
- T1651.261-Y (W37) / T1651.262-Y (W37) / T1651.263-Y (W37)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
登録第6608151号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6608151号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6608151号商標(以下「本件商標」という。)は、「ナノソリューション」の文字を標準文字で表してなり、令和3年2月5日に登録出願、第37類「抗菌コーティング工事,殺菌コーティング工事,消臭コーティング工事,防汚コーティング工事,防臭コーティング工事,光触媒コーティング工事,建設工事,床敷物の清掃,窓の清掃,貯蔵槽類の清掃,建築物の外壁の清掃,道路の清掃,浴槽又は浴槽がまの清掃,道路の清掃,煙突の清掃,床磨き」を指定役務として、同4年8月17日に登録査定され、同月31日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する登録第6402375号商標(以下「引用商標」という。)は、「ナノソリューションAg+」の文字を標準文字で表してなり、令和2年12月9日に登録出願、第1類「化学品」及び第37類「建設工事」を指定商品及び指定役務として、同3年6月15日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
第3 登録異議の申立ての理由(要旨)
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「ナノソリューション」の文字を標準文字で表してなる。
引用商標は、「ナノソリューションAg+」の文字を標準文字で表してなり、その構成中、「Ag+」の文字部分は、銀イオンを表す一般的な語であり、出所識別標識としての称呼、観念が生じず、自他役務を識別する機能は極めて低いから、引用商標の構成中、「ナノソリューション」の部分が、取引者、需要者に対し役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与える。
そうすると、引用商標と本件商標が使用されると、取引者、需要者に対して出所の混同が生じる。
また、引用商標は、「ナノソリューション」と「Ag+」の結合商標であるが、取引者、需要者は、片仮名部分と欧文字部分が区切り、別個の単語であると認識し、「ナノソリューション」と「Ag+」とに分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではない。
してみれば、本件商標と引用商標は、共に「ナノソリューション」の外観、称呼を有することが明らかであるから類似の商標である。そして、本件商標と引用商標は、その指定役務も同一又は類似のものである。
さらに、先行商標が「ナノソリューションAg+」である場合、その後に「ナノソリューション」商標が出てきたときには、取引者、需要者は「ナノソリューションAg+」から一般的な語を除いた「ナノソリューション」が「ナノソリューションAg+」の略語、省略形、短縮形であり、少なくとも両者に何らかの関係、関連があると考えるのが当然であり、また、先行商標を見た第三者が明らかにそれに類似し、出所の混同が生じる「ナノソリューション」が商標登録されると、先行商標権者に損害を与え、公正な競業秩序を破壊し、取引者、需要者にも損害を与えるから許されるものではない。
2 まとめ
以上の通り、本件商標は、引用商標に類似する商標であって、同一又は類似する役務に使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、「ナノソリューション」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は、同じ書体、同じ大きさ、等間隔で、横一列にまとまりよく表してなるから、一連一体の語を表してなると看取でき、構成中のいずれかの文字部分が独立して看者の注意を引くようなものではない。
そして、「ナノソリューション」の文字(語)は、一般的な辞書に載録がなく、具体的な成語に直ちに通じるものではないから、具体的な意味合いを認識できない。
そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して、「ナノソリューション」の称呼を生じるが、特定の観念は生じない。
(2)引用商標について
引用商標は、「ナノソリューションAg+」の文字及び記号を標準文字で表してなり、これは、片仮名、欧文字、記号で構成されているものの、同じ書体、同じ大きさ、等間隔で、横一列にまとまりよく表してなるから、一連一体の語を表してなると看取でき、構成中のいずれかの文字部分が独立して看者の注意を引くようなものではない。そして、片仮名の「ナノソリューション」の文字部分は、上記(1)のとおり、一般的な辞書に載録がなく、具体的な成語に直ちに通じるものではないから、具体的な意味合いを認識できないものであるが、「ナノソリューションAg+」又は「Ag+」の文字(語)も、一般的な辞書に載録がなく、具体的な成語に直ちに通じるものではない。
また、引用商標の構成中、「Ag」の文字部分は「銀の元素記号」であり、「+」の記号部分は「加号または正の数の符号。」であるが(いずれも「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)、それらを結合した「Ag+」の語が、引用商標の指定役務等を取り扱う業界において、役務の質等を表示するものとして一般に使用されていることや、引用商標に接する取引者、需要者が、その構成中の「Ag」ないしは「Ag+」の部分を特定の役務の質等を直接的に表示したものと認識するというべき事情は見いだせない。
さらに、引用商標の構成文字全体から生じる「ナノソリューションエージープラス」の称呼も一連に称呼し得るものである。
そうすると、引用商標は、その構成文字に相応して、「ナノソリューションエージープラス」の称呼が生じるが、特定の観念は生じない。
(3)本件商標と引用商標の比較
本件商標と引用商標を比較すると、外観においては、それぞれの構成文字は、つづりが異なる別異の語を表してなるから、その構成中に「ナノソリューション」の文字を含む点を共通にするとしても、判別は容易である。また、称呼においては、「ナノソリューション」の構成音を共通にするとしても、「エージープラス」の音の有無により、全体の語調、語感は異なるものになるから、聴別は容易である。さらに、観念においては、いずれも特定の観念は生じないから、比較できない。
そうすると、本件商標と引用商標は、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において判別及び聴別は容易だから、これを同一又は類似の役務について使用しても、役務の出所について混同を生じるおそれはなく、両商標は類似する商標とは認められない。
(4)小括
以上のとおり、本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、本件商標の指定役務と、引用商標の指定商品又は指定役務の類否について判断するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 まとめ
以上のとおり、本件商標は、その指定役務について、商標法第4条第1項第11号に該当するものではなく、その登録は、同条第1項の規定に違反してされたものとはいえず、他にその登録が同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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