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商標異議申立

2022-900455

マンガデイエックス、マンガ

審判番号
2022-900455
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2022-024069
登録番号
6605062
請求日
2022年10月31日
審決日
2023年08月31日
公報発行日
2023年11月24日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【権利者】株式会社シンフィールド
  • 【異議申立人】株式会社 Skyfall
  • 【異議申立人代理人】原田 貴史
  • 【異議申立人代理人】和田 吉民
審判長/審判官
  • 審判長 旦 克昌
  • 審判官 冨澤 武志
  • 審判官 小林 裕子
分類
T1651.16 -Z (W0916354142)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第6号、商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第10号、商標法第43条の2第1号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

登録第6605062号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6605062号商標の商標登録を取り消す。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6605062号商標(以下「本件商標」という。)は、「マンガDX」の文字を標準文字により表してなり、令和4年3月3日に登録出願、第9類、第16類、第35類、第41類及び第42類に属する登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年8月3日に登録査定され、同月24日に設定登録されたものである。 第2 登録異議申立ての理由の要点 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第3条第1項第3号、同項第6号及び同法第4条第1項第10号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号によりその登録は取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第13号証を提出した。 1 商標法第3条第1項第3号について 本件商標の構成中の「マンガ」の文字は、一般的に漢字で「漫画」と表記され、「単純・軽妙な筆致で描かれた、こっけい・誇張・風刺・ナンセンスなどを主とする絵」「絵を連続させ、多くは台詞を伴って物語風にしたもの」の意味を有し、「DX」の文字は、「deluxe(豪華な)」「digital transformation(デジタル変革)」等の略である。 ところで、近時、漫画の制作の分野において、デジタル変革が推進され、漫画とDXに用いられる技術とを掛け合わせた事業が多く展開されている(甲2~甲4)。そして、各種の分野において行われているデジタル変革が「○○DX」(○○には分野が入る。)と表現されている実情が確認できる(甲5~甲7)。さらに、近年の情報技術の発達により、社会全体でデジタル変革が推進されており、総務省や経済産業省においても、産業界におけるデジタルトランスフォーメーションを推進すべく施策を進めている(甲8、甲9)。 そうすると、「マンガDX」の文字からなる本件商標に接する需要者は、その構成中「DX」の文字を「デジタル変革」の略であると理解するとみるのが自然であり、本件商標は全体として「漫画のデジタル変革」の意味合いを認識させるものというべきである。 よって、本件商標は、その指定商品及び指定役務との関係において、漫画のデジタル変革を行うための商品及び役務であるという、商品の品質、用途、役務の質、特徴等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。 したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。 2 商標法第3条第1項第6号について 仮に本件商標が商標法第3条第1項第3号に該当しないとしても、上記の事実を鑑みるに、本件商標は、その構成全体として「漫画のデジタル変革」程の意味合いを認識させるものというのが相当である。 してみれば、本件商標をその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する需要者は、漫画のデジタル変革に係る商品及び役務であるといった、商品の品質、役務の質等を簡潔に表した宣伝文句の一種であると理解し、認識するにすぎないので、本件商標は、自他商品役務の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきであり、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標というのが相当である。 したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。 3 商標法第4条第1項第10号について 申立人は、株式会社少年画報社と共同して、令和2年9月より漫画を携帯電話上等で閲覧することのできるアプリケーション「マンガDX+」の提供を開始し、令和4年2月より、電子計算機上で、当該アプリケーションによって読むことのできる漫画を試し読みすることができるウェブサイトを公開している(甲10、甲11)。既に2年以上アプリケーションを提供し続けた結果、令和4年10月24日時点において、Appleでの累計アプリダウンロード数が約142万、Googleでの累計アプリダウンロード数が約10万、合計152万件のダウンロードを提供している(甲12)。本件商標の登録出願日前である令和4年2月末時点においても、Appleでの累計アプリダウンロード数が約81万、Googleでの累計アプリダウンロード数が約7万8千、合計90万件近くのダウンロードを提供している(甲13)。プロダクトページ閲覧数(甲12)からも鑑みれば、これらの事実は、商標「マンガDX+」が、本件商標の登録出願時及び現在において、既に需要者から認識されているものである。 以上より、本件商標は、その出願時及び現在において、申立人及び少年画報社の業務に係る商品又は役務を表示するものとして広く認識されている商標「マンガDX+」に類似する商標であり、その商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするものであるといえる。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。 4 むすび 本件商標は、商標法第3条第1項第3号、同項第6号及び同法第4条第1項第10号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号によりその登録は取り消されるべきである。 第3 当審における取消理由の要旨 当審において、商標権者に対して、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第6号に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである旨の取消理由を令和5年6月22日付けで通知し、相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えた。 第4 商標権者の意見 商標権者は、上記第3の取消理由に対して、指定した期間内に意見を述べていない。 第5 当審の判断 1 商標法第3条第1項第6号該当性について 本件商標は、前記第1のとおり、「マンガ」の片仮名と「DX」の欧文字を一連に標準文字で表したものである。 そして、本件商標の構成中、「マンガ」の文字は、「絵を連ね、多くはせりふをそえて表現した物語」「コミック」等の意味を有する「漫画」(広辞苑第7版)の片仮名表記であり、広く一般に親しまれた語である。また、「DX」の文字は、「デジタルトランスフォーメーション」の略語であって、「IT(情報技術)が社会のあらゆる領域に浸透することによってもたらされる変革」「デジタル変革」等を意味するものである(デジタル大辞泉 https:/kotobank.jp/)。 ところで、申立人の提出に係る証拠(甲2~甲9)、並びに、当審において職権により調査した証拠(別掲)によれば、昨今のコロナ禍により日本社会のデジタル化の遅れが顕在化し、これを踏まえて、企業のみならず国・自治体も含め、あらゆる分野、業種、階層において、デジタル変革すなわち「DX(デジタルトランスフォーメーション)」が広く推進されている事実が認められる。 そうすると、「マンガ」の文字と「DX」の文字が一連に表された本件商標全体としては、「マンガのデジタル変革」や「マンガのデジタルトランスフォーメーション」程の意味合いを理解、認識させるものといえる。 さらに、本件指定商品及び指定役務を取り扱う業界においては、「○○DX」のように、業種や分野を表す文字と「DX」の文字を結合させた表示が、当該業種、分野や事業等のデジタル変革を表すものとして使用されている事実が認められる(甲5~甲7、別掲(15)~(21))。 してみれば、「DX」の文字は、「デジタル変革」や「デジタルトランスフォーメーション」という意味合いをもって、事業戦略や経営方針等を表すものとして使用され産業界に浸透している語であり、これと「マンガ」の文字を一連に表記した「マンガDX」の文字からなる本件商標をその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する需要者は、単に「マンガのデジタル変革」や「マンガのデジタルトランスフォーメーション」程の意味合いを表す語として認識するにとどまり、商品又は役務の出所識別標識として認識することはないとみるのが相当である。 以上のとおりであるから、本件商標は、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標であるといえる。 したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。 2 むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、同項第3号及び同法第4条第1項第10号該当性について判断するまでもなく、その登録は、同法第3条の規定に違反して登録されたものである。 したがって、本件商標の登録は、商標法第43条の2第1号に該当するものであるから、同法第43条の3第2項の規定により取り消すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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