商標異議申立
2022-900454
ゼロワングランドスラム、ゼロワン、ゼロ、グランドスラム
- 審判番号
- 2022-900454
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2021-095632
- 登録番号
- 6603586
- 請求日
- 2022年10月31日
- 審決日
- 2023年08月23日
- 公報発行日
- 2023年10月27日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】一般社団法人ジュニアプログラミング推進機構
- 【異議申立人】グランド スラム テニス プロパティーズ リミテッド
- 【異議申立人代理人】田中 尚文
- 【異議申立人代理人】小野寺 良文
- 【異議申立人代理人】渡部 彩
- 審判長/審判官
- 審判長 矢澤 一幸
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 阿曾 裕樹
- 分類
- T1651.261-Y (091416182124252841) / T1651.262-Y (091416182124252841) / T1651.263-Y (091416182124252841)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
登録第6603586号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6603586号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6603586号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおり、「ゼロワン グランドスラム」の片仮名及び「ZERO ONE GRANDSLAM」の欧文字を二段に配してなり、令和3年8月2日に登録出願、「スポーツの興行の企画・運営又は開催,運動施設の提供」を含む第41類、第9類、第14類、第16類、第18類、第21類、第24類、第25類及び第28類の商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同4年7月11日に登録査定、同年8月22日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立ての理由において引用する登録商標は、以下の(1)ないし(3)であり(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
(1)登録第3071628号-2号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2のとおり、「GRAND」及び「SLAM」の欧文字を二段に配してなり、平成4年9月30日に登録出願、第41類「テニス場の提供」を指定役務として、同7年8月31日に設定登録されたものである。
(2)登録第5143812号商標(以下「引用商標2」という。)は、「GRAND SLAM」の文字を標準文字で表してなり、平成19年6月22日に登録出願、第41類「テニスの興行の企画・運営又は開催」を指定役務として、同20年6月20日に設定登録されたものである。
(3)登録第5812180号-2号商標(以下「引用商標3」という。)は、「GrandSlam」の欧文字を横書きしてなり、平成27年1月6日に登録出願、第41類「テニス場の提供」を指定役務として、同年12月11日に設定登録されたものである。
第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録は、同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとし、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証から甲第4号証(枝番号を含む。なお、枝番号を全て記載する場合は、枝番号を省略する。)を提出した。
以下、証拠の記載にあたっては、「甲○号証」を「甲○」のように記載する。
1 具体的理由(商標法第4条第1項第11号について)
(1)本件商標は、「ゼロワン グランドスラム」と「ZERO ONE GRANDSLAM」とを二段書きに表してなるところ、前半部の「ゼロワン/ZERO ONE」の文字と後半部の「グランドスラム/GRANDSLAM」の文字との間にはスペースが配されていることから、全体が冗長であることもあいまって、その構成上、「ゼロワン/ZERO ONE」の文字と「グランドスラム/GRANDSLAM」の文字とに分離して観察される。
また、本件商標より生ずる「ゼロワングランドスラム」の称呼は冗長であって、一連によどみなく称呼され得るものではないことからすると、称呼上においても、「ゼロワン/ZERO ONE」の文字と「グランドスラム/GRANDSLAM」の文字とに分離して認識されると考えられる。
この点に加え、本件商標の前半部に配された「ゼロワン/ZERO ONE」の文字は、数字の「01」を表すものと容易に理解できるから、当該文字は本件商標の指定商品・指定役務との関係で自他商品又は役務識別機能を発揮するとはいい難い。
したがって、本件商標は、その構成及び称呼において、「ゼロワン/ZERO ONE」の文字と「グランドスラム/GRANDSLAM」の文字とを常に一体として把握しなければならない特段の事由は存在しないばかりか、「ゼロワン/ZERO ONE」の文字は本件指定役務との関係で独占適応性が極めて低いとともに、後半部の「グランドスラム/GRANDSLAM」の文字は、国際テニス連盟が定めた4大大会(全豪オープン、全仏オープン、ウィンブルドン選手権、全米オープン)を指す総称として認知されていることから、本件商標の指定商品・指定役務中のテニスの分野における商品・役務との関係では、「グランドスラム/GRANDSLAM」の文字のみが自他商品・役務識別機能を発揮する要部として需要者・取引者をして認識され、当該文字に照応した「グランドスラム」の称呼のみをもって本件商標が実際の商取引に資されることも少なくない。
(2)他方、申立人が引用する引用商標は、いずれも「GRANDSLAM」の文字のみを構成要素とし、これらの引用商標からは「グランドスラム」の称呼が自然に生ずる。
してみれば、本件商標と引用商標は、「グランドスラム」の称呼を共通にする、称呼上類似する商標といえ、本件指定役務と引用商標の指定役務は、前記したとおり、同一又は類似のものである。
したがって、引用商標に係る商標登録出願が本件商標に係る商標登録出願に先立つものであるとともに、これらの引用商標は本件商標に先立って登録されていることも考慮すると、本件商標は、引用商標との関係において、商標法第4条第1項第11号に該当する。
第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号の該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、別掲1のとおり、「ゼロワン グランドスラム」の片仮名及び「ZERO ONE GRANDSLAM」の欧文字を二段に配してなるところ、各語間に半角程度のスペースを有しているとしても、その構成文字は、同じ書体、同じ大きさで外観上まとまりよく一体的に表されているものである。
また、上段の「ゼロワン グランドスラム」の片仮名は、下段の「ZERO ONE GRANDSLAM」の欧文字の読みを特定したものと無理なく理解されるものである。
そして、本件商標の構成中「ゼロワン」及び「ZERO ONE」の文字が、本件の指定商品及び指定役務との関係において、商品の品質や役務の質等を表すものとして自他商品又は自他役務の出所識別標識としての機能を欠くというべき事情はないことからすると、本件商標に接する取引者、需要者は、その構成中の「ゼロワン」及び「ZERO ONE」の文字を捨象し、「グランドスラム」及び「GRANDSLAM」の文字のみに着目するというより、むしろ本件商標の構成全体をもって一体不可分の語と把握、認識するとみるのが相当である。
また、本件商標の構成中の「ゼロワン」及び「ZERO ONE」の文字及び構成全体の「ゼロワン グランドスラム」及び「ZERO ONE GRANDSLAM」の文字は、いずれも一般の辞書等に載録されている語ではないから、特定の意味合いを想起させるものではない。
さらに、本件商標の構成文字全体に相応して生じる「ゼロワングランドスラム」の称呼は、無理なく一連に称呼し得るものである。
したがって、本件商標は、その構成文字全体に相応して「ゼロワングランドスラム」の称呼を生じるが、特定の観念は生じない。
(2)引用商標について
引用商標1は、別掲2のとおり、「GRAND」及び「SLAM」(3文字目の「A」の文字の左下の一部が切れている。以下、同じ。)の欧文字を二段に配してなり、引用商標2は、「GRAND SLAM」の文字を標準文字で表してなり、引用商標3は、「GrandSlam」の欧文字を横書きしてなるところ、「GRAND SLAM(GrandSlam)」は、「(テニス・ゴルフ)(1シーズン中の大競技での)優勝独占(テニスでは全米・全豪・全仏オープンとウィンブルドン大会に勝つこと)」(「ジーニアス英和辞典 第5版」大修館書店発行)などの意味を有する語である。
したがって、引用商標は、それぞれの構成文字に相応して、「グランドスラム」の称呼が生じ、「優勝独占(テニスでは全米・全豪・全仏オープンとウィンブルドン大会に勝つこと)」などの観念が生じる。
(3)本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標とを比較すると、外観においては、「ZERO ONE」及び「ゼロワングランドスラム」の文字の有無に差異を有するものであり、構成文字全体として明らかに異なる語を表してなるから、明確に区別できるものである。
次に、称呼においては、本件商標から生じる「ゼロワングランドスラム」の称呼と、引用商標から生じる「グランドスラム」の称呼とは、「ゼロワン」の音の有無により、明瞭に聴別し得るものである。
さらに、観念においては、本件商標が特定の観念を生じないのに対し、引用商標は、「優勝独占(テニスでは全米・全豪・全仏オープンとウィンブルドン大会に勝つこと)」程度の観念を生じるから、相紛れるおそれはない。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(4)小括
以上のとおり、本件商標は、引用商標とは非類似の商標であるから、本件商標の指定役務が引用商標の指定役務と同一又は類似であるとしても、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号にも該当するものではなく、その登録は、同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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