商標異議申立
2022-900449
ボルボックス
- 審判番号
- 2022-900449
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2022-025046
- 登録番号
- 6602236
- 請求日
- 2022年10月25日
- 審決日
- 2023年05月18日
- 公報発行日
- 2023年06月30日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】株式会社volvox
- 【異議申立人】ボルボ トレードマーク ホールディング アーベー
- 【異議申立人代理人】稲葉 良幸
- 【異議申立人代理人】田中 克郎
- 【異議申立人代理人】石田 昌彦
- 【異議申立人代理人】両部 奈穂子
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 馬場 秀敏
- 審判官 小林 裕子
- 分類
- T1651.25 -Y (W35) / T1651.261-Y (W35) / T1651.262-Y (W35) / T1651.263-Y (W35) / T1651.271-Y (W35)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項10号商標法4条1項11号商標法4条1項15号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第10号、商標法第4条第1項第15号、商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
登録第6602236号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6602236号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6602236号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、令和4年3月4日に登録出願、第35類「広告業」を指定役務として、同年8月3日に登録査定され、同月17日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において引用する登録第4729933号商標(以下「引用商標」という。)は、「VOLVO」の文字を標準文字で表してなり、平成15年4月25日に登録出願、第35類「広告」を含む第35類ないし第37類、第39類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同年11月28日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきものである旨申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第14号証を提出した。
1 引用商標の著名性について
(1)「VOLVO」の歴史
引用商標「VOLVO」は、申立人の母体である世界企業エービーボルボ(以下、「ボルボ社」という。)が、1927年の会社創設以来、車両、船舶、その他運搬用機械器具に使用している商標であり、ボルボ社及び申立人のハウスマークとして長きにわたって使用され続けている商標である。特に、「VOLVO」を冠した自動車が、「VOLVO」ブランドとして世界中で不動の地位を築いていることは誰もが知るところである。
(2)自動車「VOLVO」のランキング
日本においても、自動車VOLVOは高い人気を誇っており、日本自動車輸入組合が公表する、外国メーカー車モデル別新車登録台数順位の推移(甲3)によると、2022年第4四半期(2022年10月~12月)の自動車VOLVO60シリーズの登録台数の順位は第4位、2022年第3四半期(2022年7月~9月)の自動車VOLVO60シリーズの登録台数の順位は第5位、と高い順位を維持している。その他、2018年から2022年までの登録台数順位の中で、自動車VOLVOは、常に高い順位を維持していることが分かる。この事実は、自動車VOLVOが、日本において非常に安定した人気を博していることを明らかにしている。
更に、自動車「VOLVO」は様々なランキングにおいて常に上位を占めている。
ア 2020年秋輸入車ランキング【新車ベスト5】において、「VOLVO XC40」は堂々のランキング1位を獲得している(甲4)。
イ 2021年最新版人気の外車・輸入車おすすめランキングTOP20のSUV編において、「VOLVO XC40」は堂々のランキング1位を獲得している(甲5)。
ウ 輸入車販売台数ランキングTOP10 2020年度に売れた輸入車は?において、「VOLVO 60シリーズ」は前年度8位からランクアップされ、5位にランキングしている(甲6)。
エ 外車メーカーランキング!おすすめ輸入車メーカーとは?において、6位にランキングしている(甲7)。
(3)「VOLVO」の受賞歴
ボルボ社が製造する自動車は、華々しい受賞歴を誇っている。
ア 「VOLVO XC40」、「VOLVO XC60」、「VOLVO XC90」は、「日本カー・オブ・ザ・イヤー」「グッドデザイン賞」等様々な賞の受賞歴があり、XC90は国内外で100を超える賞を受賞している。
イ まとめ
このように、ボルボ社が製造する自動車は、毎年数多くの賞を受賞し続けており、これらの受賞歴からも、「VOLVO」が広く知られる存在であることは疑う余地なく明らかである。
(4)ボルボ社の事業の多角性について
自動車「VOLVO」が高い人気を誇り広く知られた存在であることは上記で述べたとおりであるが、ボルボ社は自動車事業以外に、幅広い事業を展開し、様々な商品を取り扱っている。
ア VOLVOオフィシャルグッズショップ「VOLVO CAR LIFESTYLE COLLECTION」では、「VOLVO」を使用する携帯電話用ケース、充電用ケーブル、キーリング、鞄、サングラス、傘、時計、カードケース、被服、おもちゃのモデルカー、ぬいぐるみ、塗り絵等、様々な商品が販売されている(甲11)。
イ ボルボ社は、20年間にわたって、世界一周のヨットレース「ボルボ・オーシャン・レース」を主宰している(甲12)。また、1940年から現在に至るまで、スウェーデンラリー、ヨーロッパラリー選手権、世界ツーリングカー選手権等の世界中の自動車レースに参戦し、華々しい成績を収め続けている(甲13)。
ウ ボルボ社は、アート集団として近年高い注目を集めているチームラボに協賛し、2022年7月15日から11月6日まで、九州武雄温泉御船山楽園で展覧会「ボルボチームラボかみさまがすまう森」を開催し、東京青山のボルボスタジオ青山においてもサテライト展示を行った(甲14)。
これらの事実より、ボルボ社が自動車以外にも、様々な商品・役務に対してハウスマークである「VOLVO」を使用し、多角的に事業を展開していることは明らかである。
(5)小括
上述のボルボ社及び申立人の歴史、自動車「VOLVO」が誇る不動の人気、数多の受賞歴、事業の多角性を総合的に考慮すると、引用商標は、ボルボ社及び申立人のハウスマークとして、かつ「VOLVO」ブランドを代表する商標として、日本を始めとする世界中で知られる存在であり、本件商標の出願日である令和4年3月4日時点で高い著名性を獲得していることは、疑う余地がない。
なお、商標「VOLVO」は、商標登録第477334号防護第01号ないし第16号で、第2類、第4類、第8類、第10類、第13類、第17類、第19類ないし第27類及び第34類において防護標章の登録が認められた。この防護標章としての登録の事実は、自動車関連以外の様々な分野においても、商標「VOLVO」が高い著名性を備えていることを示す。
2 本件商標と引用商標の類似性
(1)本件商標について
本件商標は、欧文字「VOLVOX」と図形要素から構成される。「VOLVOX」は緑藻の一種の名称を意味する英単語ではあるが、一般的になじみのない英単語であり、その意味合いをもって広く一般に知られている語であるとはいい難い。このようになじみのない語について称呼する場合、取引者及び需要者は、親しみのある語に着目して称呼することが自然である。本件商標は、広くその名を知られている「VOLVO」が、構成文字6文字のうち語頭から5文字を占めることから、「VOLVO」が本件商標の構成において強く支配的な印象を与える。その結果、本件商標は「VOLVO」部分は親しみのある「ボルボ」と称呼され、「X」部分は「エックス」と称呼されることが自然であることから、全体として「ボルボエックス」と称呼されることが相当である。
さらに、本件商標を構成する「VOLVO」部分は、支配的な印象を与えることから、本件商標に接する需要者は、本件商標から著名なブランド「VOLVO」の印象を持つことが自然であり、その結果、本件商標からはブランド「VOLVO」の観念が生じるといえる。
(2)引用商標について
引用商標は、欧文字「VOLVO」から構成され、構成文字に即して「ボルボ」と称呼される。また、引用商標からは、著名なブランド「VOLVO」の観念が生じる。
(3)本件商標と引用商標の比較
本件商標の構成文字「VOLVOX」と引用商標「VOLVO」は、「VOLVO」の文字が共通している。また、本件商標の構成文字は6文字と比較的少なく、その少ない構成文字のうち「VOLVO」は語頭から5文字を占めている。さらに、上述のとおり、「VOLVO」が様々な分野で著名であることから、「VOLVOX」の中で「VOLVO」の部分が着目されやすく、取引者及び需要者に強い印象を与える。とすれば、本件商標に図形要素が含まれているとしても、本件商標と引用商標は、外観において近似しており、相当程度類似するものといえる。
本件商標の称呼「ボルボエックス」と引用商標の称呼「ボルボ」は、「ボルボ」の称呼において共通し、「エックス」の有無において異なる。ここで、称呼「エックス」は、欧文字「X」を容易に想起させるものであり、欧文字一文字は商品役務の品番、型番として認識され、識別力が乏しいと判断されることが一般的である。一方「ボルボ」は、ボルボ社及び申立人のハウスマーク「VOLVO」として著名であることは、既に述べたとおりである。したがって、「ボルボエックス」の称呼のうち、「エックス」部分は識別力が非常に乏しく、「ボルボ」との関係において品番、型番程度に認識されることが自然であり、「ボルボ」部分が本件商標の称呼として支配的な印象を与えると考えられる。とすれば、本件商標と引用商標は「ボルボ」の称呼において一致するものといえ、称呼において類似関係にある。
本件商標と引用商標からは、著名なブランド「VOLVO」の観念が生じるため、観念において類似関係にある。
したがって、本件商標と引用商標は、外観において近似し、称呼及び観念において類似の関係にあるため、両商標の類似性の程度は極めて高く、類似関係にあることは明らかである。
(4)指定役務の類似関係について
本件商標の第35類の役務「広告業」と、引用商標の第35類の役務「広告」は、類似群コード35A01に属するため、類似関係にある。
したがって、本件商標と引用商標は、役務において類似関係にある。
3 商標法第4条第1項第10号の該当性
(1)引用商標が広く認識されていること
上記1のとおり、引用商標が、ボルボ社及び申立人のハウスマークとして日本を含む世界中において著名性を獲得している事実は明らかである。よって、引用商標は広く認識されているといえる。
(2)本件商標と引用商標の類似性
上記2のとおり、本件商標と引用商標が類似関係にあることは明らかである。また、本件商標と引用商標の指定役務は、類似関係にある。
(3)小括
以上より、本件商標は、ボルボ社及び申立人のハウスマークとして広く認識されている引用商標と類似関係にあり、本件商標と引用商標の指定役務は類似関係にある。よって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。
4 商標法第4条第1項第11号の該当性
引用商標は、本件商標の出願日前の商標登録出願に係る登録商標である。また、上記2のとおり、本件商標と引用商標は類似関係にあり、本件商標と引用商標の指定役務は類似関係にある。
したがって、本件商標が、商標法第4条第1項第11号に該当することは明らかである。
5 商標法第4条第1項第15号の該当性
(1)「混同を生ずるおそれ」について
商標法第4条第1項第15号にいう「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」は、最高裁平成10年(行ヒ)第85号同12年7月11日第三小法廷判決のとおり、総合的に判断されるべきものである。
(2)本件商標と引用商標の類似性の程度
上記2のとおり、本件商標と引用商標は類似関係にある。
(3)引用商標の周知性の程度
上記1のとおり、引用商標が、ボルボ社及び申立人のハウスマークとして、「VOLVO」ブランドを代表する商標として、日本を含む世界中において著名性を獲得している事実は明らかである。
(4)役務の関連性の程度
上記2(4)のとおり、本件商標の指定役務と、引用商標の指定役務が類似関係にあることは明らかである。
したがって、本件商標に係る指定役務と、引用商標に係る指定役務は、高い関連性を有している。
(5)事業の多角性について
ボルボ社は、自動車等に関連する輸送機械産業以外にも、多岐にわたる商品を販売している。また、長年にわたりヨットレース、自動車レースを主催する他、アート集団とのコラボイベントを手掛けている。これらの事実より、ボルボ社及び申立人が、多角的に事業を行っていることは明らかである。
(6)小括
以上より、本件商標は、ボルボ社及び申立人のハウスマークとして、「VOLVO」ブランドを代表する商標として、広く認識されている引用商標と類似関係にあり、本件商標と引用商標の指定役務は類似関係にあり、ボルボ社の事業が多角性を有していることは明らかである。よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
なお、引用商標が著名であるという事情を考慮にいれて類否判断されることは、シンガー事件最高裁判決(昭和33(オ)第766号)において示されたところであり、無効2020-890039においても「SONY」の著名性が考慮され、「SONY」と「SONICODE」は混同を生じる可能性があると判断されている。これらの事例は、著名な商標においては類似範囲が拡張されて解釈され、その上で類否が判断されることを示す。
そうとすれば、「VOLVO」が世界的な著名性を備えていることを前提に、「VOLVO」(称呼:ボルボ)と「VOLVOX」(称呼:ボルボエックス)においても、著名な商標「VOLVO」の称呼「ボルボ」が包含関係にあり、かつ、構成文字が一文字違いであることから、本件商標と引用商標とは、強い類似性を有すると判断されることが相当であり、本件商標を指定役務に使用した場合に、役務の出所について混同を生ずるおそれがあることは明らかである。
6 審決例について
ボルボ社は、出願番号H03-126996「VOLVOX」(第11類)に対して、平成5年8月23日に異議申立を行っており、平成7年1月31日に出願無効処分書が発せられている。
異議申立の詳細に関する書面は現存しないが、ボルボ社が商標「VOLVO」を根拠として、「VOLVOX」の登録に異議を申し立てたことは容易に想像され、また、ボルボ社の商標「VOLVO」を根拠に、出願「VOLVOX」を最終的に無効にされたと考えられる。
そうとすれば、本件においても、「VOLVOX」を構成文字に含む本件商標は、登録要件を満たさないと判断されることが相当である。
申立人は、登録第4800947号「Convolvolo」(第25類)に対して、平成16年12月9日に異議申立を行い、平成18年1月17日に、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるとの決定が示された。異議決定では、「Convolvolo」の文字は、親しまれた成語よりなるものではなく、その構成中に著名な引用商標と同一の綴り文字である「VOLVO」を有してなると判示された。また、「Convolvolo」を指定商品について使用した場合、これに接する需要者は、その構成中の「VOLVO」の文字部分に強く印象づけられ、著名な引用商標を連想又は想起し、本件商標を引用商標の兄弟ブランド等であると誤認し、該商品がボルボ社又はこれと経済的、組織的に何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものとみるのが相当である、と判示された。
上記判断を本件に当てはめると、親しまれた成語とはいい難い「VOLVOX」は6文字中5文字に「VOLVO」を包含していることから、「VOLVO」の文字が需要者に非常に強く印象付けられ、著名な引用商標が連想、想起されることは明らかである。このような本件商標を指定役務に使用した場合、役務の出所について混同を生ずるおそれがあるとみるのが相当である。
7 結語
以上の理由により、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号に該当し、同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきものである。
第4 当審の判断
1 引用商標及び「VOLVO」の文字の周知著名性について
申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば、引用商標及び「VOLVO」の文字は、申立人の母体であるボルボ社が、1927年の会社創設以来、現在に至るまで、車両、船舶、その他運搬用機械器具に使用している商標であり、ボルボ社及び申立人のハウスマークとして使用しているところ、自動車の分野においては、輸入車や外車ランキングにおいて、「VOLVO」が常に上位を占める人気ブランドであること(甲4~甲7)、ボルボ社の製造する自動車は、「日本カー・オブ・ザ・イヤー」をはじめ、様々な受賞歴を有していること(甲8~甲10)、日本自動車輸入組合の調査によれば、「外国メーカー車モデル別新車登録台数順位」において、ボルボ社の自動車は、2021年第4四半期に第2位、2022年第2四半期に第3位に位置しているほか、2018年ないし2022年の間、常に上位9位以内に入っていること(甲3)が確認できる。
そうすると、引用商標及び「VOLVO」の文字は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、ボルボ社が製造、販売する自動車のブランド名を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く知られているといい得るものである。
2 本件商標と引用商標の類似性について
(1)本件商標について
本件商標は、別掲のとおり、黒色又は灰色の正方形を構成単位とし、それらを所々に集合あるいは点在させてなる図形と、「VOLVOX」の文字からなるところ、構成中の図形部分と文字部分は、視覚上分離して把握されるものである。また、構成中の図形部分は、直ちに特定の事物を表したものと認識されるものとはいえないことから、特定の称呼及び観念を生じないものであり、他方、構成中の「VOLVOX」の文字部分は、「淡水に生息する緑藻の一種」(「英辞郎on the WEB」株式会社アルク)を意味する語であることから、これらは互いに意味上のつながりも有しないものである。
そうすると、図形部分と文字部分とは、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいえず、両者は、それぞれが独立して出所識別機能を有する要部となり得る。
してみれば、本件商標は、構成中の要部の一つである「VOLVOX」の文字に相応して「ボルボックス」の称呼を生じ、「淡水に生息する緑藻の一種」の観念を生じるものである。
(2)引用商標について
引用商標は、「VOLVO」の文字を標準文字で表してなるものであるから、これらの構成文字に相応して、「ボルボ」の称呼を生じ、該文字は、我が国及び外国の需要者の間において、特に自動車の製造、販売について広く知られているものであるから、「ボルボ社が製造、販売する自動車のブランド名」の観念を生じるものである。
(3)本件商標と引用商標の類否について
ア 外観について
本件商標と引用商標とは、図形の有無及び構成文字において差異を有することから、全体の外観が相違する。
また、本件商標の要部の一つである文字部分と引用商標を比較しても、両者は文字構成及び文字数において相違するから、外観上相紛れるおそれはない。
イ 称呼
本件商標から生じる「ボルボックス」の称呼と、引用商標から生じる「ボルボ」の称呼を比較すると、両者は音数及び音構成が異なり、明確に聴別できるものであるから、称呼上相紛れるおそれはない。
ウ 観念
本件商標が「淡水に生息する緑藻の一種」の観念を生じるものであるのに対し、引用商標は、「ボルボ社が製造、販売する自動車のブランド名」の観念を生じるものであるから、両者は観念において相紛れるおそれはない。
エ 小括
以上のとおり、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのないものであるから、これらを総合して判断すれば、両商標は、相紛れるおそれのない非類似の商標である。
3 商標法第4条第1項第11号について
上記2のとおり、本件商標は、引用商標とは非類似の商標であるから、両商標の指定役務の類否について比較するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
4 商標法第4条第1項第10号について
上記2のとおり、本件商標は、引用商標とは非類似の商標である。
また、「VOLVO」の文字についても、引用商標と構成文字を同一にするものであるから、やはり、本件商標とは非類似の商標というべきである。
したがって、本件商標は、引用商標及び「VOLVO」の文字とは非類似の商標であるから、その他の要件の該当性について論ずるまでもなく、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
5 商標法第4条第1項第15号について
上記1のとおり、引用商標及び「VOLVO」の文字は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、ボルボ社が製造、販売する自動車のブランド名を表示するものとして、自動車の分野における我が国の需要者間で広く知られているといい得るものであるとしても、上記4のとおり、本件商標は、引用商標及び「VOLVO」の文字とは、非類似の商標であり、別異の商標というべきものであって、類似性の程度は低いものである。
そうとすれば、本件商標をその指定役務に使用しても、需要者において、ボルボ社及び申立人並びにボルボ社の取り扱う商品及び役務を連想、想起するということはできず、よって、その役務がボルボ社及び申立人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように、役務の出所について混同を生ずるおそれがある商標とはいえない。
その他、本件商標が、出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
6 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号のいずれにも該当するものではないから、その登録は、同条第1項の規定に違反してされたものとはいえず、ほかに同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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