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商標異議申立

2022-900425

マイルス、マイルズ

審判番号
2022-900425
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2022-004533
登録番号
6594967
請求日
2022年10月11日
審決日
2023年08月02日
公報発行日
2023年09月29日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】コネクトアイキュウ ラボズ インコーポレイテッド
  • 【権利者代理人】城山 康文
  • 【権利者代理人】岩瀬 吉和
  • 【権利者代理人】北口 貴大
  • 【権利者代理人】横川 聡子
  • 【権利者代理人】大島 良太
  • 【異議申立人】マイルスト-ン システムズ ア-/エス
  • 【異議申立人代理人】青木 篤
  • 【異議申立人代理人】外川 奈美
  • 【異議申立人代理人】大橋 啓輔
審判長/審判官
  • 審判長 大橋 良成
  • 審判官 小林 裕子
  • 審判官 浦崎 直之
分類
T1651.261-Y (W093542) / T1651.262-Y (W093542) / T1651.263-Y (W093542) / T1651.25 -Y (W093542) / T1651.271-Y (W093542) / T1651.4 -Y (W093542)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第10号、商標法第4条第1項第11号、商標法第8条第1項、商標法第4条第1項第15号、商標法第43条の2、商標法第43条の3第4項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

登録第6594967号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6594967号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6594967号商標(以下「本件商標」という。)は、「MILES」の文字を標準文字で表してなり、2021年7月22日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、令和4年1月18日に登録出願、同年6月30日に登録査定され、第9類、第35類及び第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年8月1日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由において引用する商標は、以下のとおりの登録商標であり、その商標権は、現に有効に存続しているものである。 1 国際登録第1572446号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の態様:MILESTONE 指定商品:第9類及び第35類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務 国際登録出願日:2020年12月14日 設定登録日:令和5年1月6日 2 国際登録第1203278号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の態様:MILESTONE ARCUS 指定商品:第9類及び第42類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務 国際登録出願日:2013年10月19日 設定登録日:平成26年12月26日 3 国際登録第1214668号商標(以下「引用商標3」という。) 商標の態様:MILESTONE INTERCONNECT 指定商品:第9類、第42類及び第45類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務 国際登録出願日:2013年9月19日 優先権主張:2013年3月19日 Denmark 設定登録日:平成27年7月10日 4 国際登録第1254477号商標(以下「引用商標4」という。) 商標の態様:MILESTONE HUSKY 指定商品:第9類及び第42類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務 国際登録出願日:2015年5月3日 設定登録日:平成28年3月25日 5 国際登録第1488580号商標(以下「引用商標5」という。) 商標の態様:MILESTONE MARKETPLACE 指定商品:第9類、第35類及び第42類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務 国際登録出願日:2019年5月14日 優先権主張:2018年12月18日 EUIPO 設定登録日:令和2年12月25日 6 国際登録第1538782号商標(以下「引用商標6」という。) 商標の態様:MILESTONE VERIFIED 指定商品:第9類、第35類及び第42類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務 国際登録出願日:2020年6月2日 優先権主張:2019年12月3日 EUIPO 設定登録日:令和3年10月29日 以下、これらをまとめて「引用商標」という場合がある。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は商標法商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号並びに同法第8条第1項に違反して登録されたものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第22号証(枝番号を含む。なお、枝番号のすべてを引用する場合は、枝番号の記載を省略する。)を提出した。 なお、以下、甲各号証の表記にあたっては、甲第1号証を「甲1」のように表示する。 1 申立人「マイルストーンシステムズアー/エス(Milestone SystemsA/S)」及び申立人名義の商標について (1)デンマーク・コペンハーゲンに本拠を置く申立人「マイルストーンシステムズアー/エス(MilestoneSystemsA/S)」は1998年に設立され、監視カメラ映像を保存・管理するビデオ監視システム用ハードウェア及びソフトウェアの開発・提供を主な事業とする企業である。現在、申立人はCanonグループの企業の一つであり、同社製品は世界115カ国で販売され、同種製品に関し約20%の市場占有率を持つプロバイダーとして関連する取引者・需要者により世界的に広く知られている(甲2)。 (2)申立人は我が国においても数多くの販売パートナー企業を有しており(甲3)、各販売パートナーのウェブサイトやカタログ等において、申立人自身及び申立人のビデオ管理用ソフトウェアは大きく紹介されている(甲4~甲10)。 さらに、申立人の開発・提供に係るソフトウェア製品は、第三者が発行・運営する雑誌やウェブサイト中の記事として紹介を受け、また、申立人自身も自社製品について活発な宣伝広告活動を行っている(甲11~甲15)。 (3)また、株式会社テクノ・システム・リサーチ(東京都千代田区)による調査によれば、申立人が開発・提供するビデオ管理用ソフトウェアの我が国における市場占有率は、2020年では全体の6.9%(約2億円)、2021年では全体の7.6%(約2億4千万円)を占め、当該商品を開発する企業のうちの第5位に位置するまでに至っている(甲16)。 この事実からも分かるように、申立人が「MILESTONE」ブランドの下に開発・提供するビデオ監視システム用ハードウェア及びソフトウェア、特にビデオ管理用ソフトウェアは、少なくとも本件商標の出願日である令和4(2022)年1月以前から現在に至るまで、継続して、我が国の関連する取引者・需要者により広く知られているということができる。 2 申立人名義の商標について 申立人は、同社名称の要部である商標「MILESTONE」を適切に保護するために、我が国を含む世界各国において、ソフトウェア関連商品・役務を指定商品・役務とする商標「MILESTONE」に関する登録を複数所有している(甲17~甲22)。 3 本件商標の商標法第4条第1項第10号、同項第11号、同項第15号、及び/又は、同法第8条第1項該当性について 上述の通り、本件商標は、標準文字の欧文字により「MILES」と構成され、引用商標中の国際登録第1572446号「MILESTONE」(甲17)を構成する欧文字9文字のうちの前半部5文字「MILES」を共通するから、両商標は、これらに接する取引者・需要者に対して外観上極めて近い印象を与えるため、相互に類似する商標である。 また、国際登録第1572446号「MILESTONE」以外の引用商標についても、その外観構成上、申立人名称の要部からなる欧文字「MILESTONE」が、各商標の要部として独立して認識され得るから、本件商標とこれらを比較した場合でも、両者はこれらに接する取引者・需要者に対して外観上極めて近い印象を与えるため、相互に類似する商標である。 また、特許庁の商品・役務に関する審査基準では、本件商標の第9類の指定商品、第35類の「広告業」以外の指定役務並びに第42類の指定役務は、引用商標の第9類及び第35類の指定商品・役務と同一又は(備考)類似の関係にあると規定されている。 さらに、本件商標の第35類の指定役務中の「広告業」についてみても、申立人が所有する引用商標の指定商品・役務中の第9類及び第35類に属する「コンピュータソフトウェア及びその小売等役務」や「オンライン市場の提供」は、第35類の「広告業」と極めて近い関連性を有し、対象となる取引者・需要者層等を共通にすると考えるのが客観的に極めて妥当である。 そうとすると、仮に本件商標と引用商標が(標章又は商品・役務において)相互に類似するとはいえない場合においても、本件商標が本件指定商品・役務に使用された場合には、我が国の関連する取引者・需要者は、本件商標があたかも申立人が「MILESTONE」ブランドの下に開発・提供するビデオ監視システム用ハードウェア及びソフトウェアに関連する商品・役務であるかのごとく商品・役務の出所について混同するおそれがあるか、あるいは、申立人と経済的又は組織的に何等かの関係がある者の業務に係る商品・役務であると誤認した結果、商品又は役務の出所について混同するおそれがある。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号、同項第15号、及び/又は、同法第8条第1項に該当する。 第4 当審の判断 1 引用商標の周知著名性について (1)申立人の提出に係る甲各号証及び同人の主張によれば、次のとおりである。 申立人は、1998年に設立され、デンマークに本社を置く、ビデオ管理ソフトウェアを取り扱う企業である(甲14)。 申立人は、我が国において、複数の販売パートナー企業を有しており(甲3)、各販売パートナーのウェブサイトやカタログ等において、申立人及び、引用商標1(「Milestone」又は「milestone」と表記されているものを含む。以下同じ。)を使用した、申立人のビデオ管理用ソフトウェア(以下「申立人商品」という。)が紹介されている(甲4~甲10)。 そして、引用商標1を使用した申立人商品は、第三者が発行・運営する雑誌やウェブサイト中の記事として紹介を受け、また、申立人自身も自社製品について宣伝広告活動を行っている(甲11~甲15)。 また、株式会社テクノ・システム・リサーチによる調査によれば、申立人商品の我が国における市場占有率は、2020年では全体の6.9%(約2億円)、2021年では全体の7.6%(約2億4千万円)であり、当該商品を提供する企業のうちの第5位に位置している(甲16)。 (2)上記(1)によれば、申立人は、我が国において、引用商標1を申立人商品に使用し、販売パートナーのウェブサイトやカタログ等において、申立人及び申立人商品が紹介され、雑誌やウェブサイト中の記事として紹介されていることがうかがえる。 しかしながら、引用商標の我が国における使用開始時期及び使用期間は不明であり、申立人商品の市場占有率についても、その具体的な調査手法や根拠等は不明であるし、仮にその市場占有率が事実であるとしても、殊更高いものとはいえないことに加え、引用商標を使用した申立人商品の市場占有率も明らかでない。さらに、引用商標についての我が国における広告宣伝の期間及び規模等の実績も不明である。 他に、引用商標が需要者の間に広く認識されていることを認めるに足る証拠の提出はない。 そうすると、申立人提出の証拠及び同人の主張によっては、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人商品を表示するものとして、我が国における取引者、需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。 2 商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項について 申立人は、本件商標が商標法第8条第1項及び商標法第4条第1項第11号に該当する理由について具体的に主張していないが、本件商標と引用商標の登録出願日、登録査定日、設定登録日等からすると、引用商標1は、上記第2の1のとおり、2020年12月14日に国際登録出願されたものであるから、本件商標よりも引用商標1が先願と認められる。他方、引用商標2ないし6は、上記第2の2ないし6のとおり、本件商標よりも前に登録出願及び設定登録されたものと認められる。 したがって、申立人は、本件商標は、引用商標1との関係においては商標法第8条第1項の規定に違反し、引用商標2ないし6との関係においては商標法第4条第1項第11号の規定に違反する旨主張しているものと判断し、以下検討する。 (1)本件商標 本件商標は、「MILES」の文字を標準文字で表してなるところ、これは、その構成文字に相応して、「マイルズ」の称呼を生じ、「マイル(米英の距離の常用単位)」(「ベーシックジーニアス英和辞典第2版」株式会社大修館書店)の観念を生じるものである。 (2)引用商標1 引用商標1は、「MILESTONE」の文字を標準文字で表してなるところ、これは、その構成文字に相応して、「マイルストーン」の称呼を生じ、「マイル標石」等(「ベーシックジーニアス英和辞典第2版」株式会社大修館書店)の観念を生じるものである。 (3)本件商標と引用商標1との類否について 本件商標と引用商標1は、前記(1)及び(2)のとおりの構成からなるところ、構成文字の差異において明らかに異なるものであるから、両商標は、外観上、明確に区別できる。 次に、称呼においては、本件商標からは「マイルズ」の称呼を生じるのに対して、引用商標1からは「マイルストーン」の称呼を生じるものであるから、両商標は、称呼上、明確に聴別できる。 また、観念については、本件商標からは「マイル(米英の距離の常用単位)」の観念を生じるのに対して、引用商標1からは「マイル標石」の観念を生じるものであるから、両商標は、観念上、明確に区別できる。 したがって、本件商標と引用商標1とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても、相紛れるおそれのない非類似の商標と判断するのが相当である。 (4)本件商標と引用商標2ないし6との類否について 引用商標2ないし6は、前記第2の2ないし6のとおりの構成からなるものであって、いずれも構成中前半に「MILESTONE」の文字を有するところ、仮に引用商標2ないし6から、「MILESTONE」の文字を要部ととらえ、この部分を分離、抽出し、他人の商標と比較して、商標の類否を判断することが許される場合であっても、引用商標1と同様に、本件商標と引用商標2ないし6とは非類似の商標と判断するのが相当である。 (5)小括 以上のとおり、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、両商標の指定商品及び指定役務が同一又は類似のものであるとしても、本件商標は、引用商標1との関係において、商標法第8条第1項に該当するものではなく、引用商標2ないし6との関係において、同法第4条第1項第11号に該当するものではない。 3 商標法第4条第1項第10号について 上記1(2)のとおり、引用商標は、申立人商品を表示するものとして、我が国における取引者、需要者の間に広く認識され、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、周知著名性を獲得していたとは認められないものであり、上記2(3)及び(4)のとおり、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であり、別異の商標というべきものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。 4 商標法第4条第1項第15号について 上記1(2)のとおり、引用商標は、申立人商品を表示するものとして、我が国における取引者、需要者の間に広く認識され、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、周知著名性を獲得していたとは認められないものであり、上記2(3)及び(4)のとおり、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であり、別異の商標というべきものであって、類似性が低いものであるから、商標権者が、本件商標を申立てに係る指定商品及び指定役務に使用しても、需要者が引用商標を連想又は想起するものとはいえず、当該商品及び役務が申立人又は同人と組織的、経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品及び役務であるかのように、商品及び役務の出所について誤認、混同を生ずるおそれはないものといわなければならない。 5 むすび 以上のとおりであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号並びに同法第8条第1項のいずれにも該当するものではなく、その登録は、同項に違反してされたものとはいえない。 他に、本件商標の登録が商標法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。

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