商標異議申立
2022-900423
バルクマーケット
- 審判番号
- 2022-900423
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2022-012613
- 登録番号
- 6594355
- 請求日
- 2022年10月11日
- 審決日
- 2023年06月21日
- 公報発行日
- 2023年07月28日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】株式会社NAKAGAWA
- 【異議申立人】株式会社 バルクオム
- 【異議申立人代理人】弁理士法人スズエ国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 豊瀬 京太郎
- 審判官 板谷 玲子
- 分類
- T1651.261-Y (W03) / T1651.262-Y (W03) / T1651.263-Y (W03)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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登録第6594355号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6594355号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6594355号商標(以下「本件商標」という。)は、「バルクマーケット」の文字を標準文字で表してなり、令和4年2月4日に登録出願、第3類「せっけん,シャンプー,ヘアーコンディショナー,ヘアートリートメント,ヘアースプレー,ヘアーオイル,ヘアートリートメントパック,ヘアーワックス,ボディーソープ,洗顔クレンジング剤,縮毛矯正剤,縮毛矯正用化粧品,ストレートヘア用化粧品,コールドパーマ用剤,パーマネント用中和剤,パーマ剤の補助液,ヘアーカラートリートメント,ヘアースタイリング剤,ヘアカラー剤,ヘアカラー剤の補助剤,ヘアカラー除去剤,ヘアケア用化粧品,化粧用過酸化水素(毛髪脱色用),保湿用化粧品,アロマオイル,消臭芳香剤,香料,薫料」を指定商品として、同年7月25日に登録査定、同月29日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件登録異議の申立ての理由において引用する商標は次のとおりであり(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
(1)登録第5738351号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:別掲1のとおり
登録出願日:平成26年7月16日
設定登録日:平成27年2月6日
指定商品:第3類に属する商標登録原簿に記載の商品
(2)登録第6006367号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:平成29年3月15日
設定登録日:平成29年12月22日
指定商品:第3類及び第21類に属する商標登録原簿に記載の商品
(3)登録第6006373号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:別掲3のとおり
登録出願日:平成29年3月17日
設定登録日:平成29年12月22日
指定商品:第3類及び第21類に属する商標登録原簿に記載の商品
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第17号証を提出した。
(1)本件商標について
本件商標は、片仮名の「バルクマーケット」を横書きした態様からなる商標である。
この点、本件商標の構成中「バルク」の文字部分は、「大きさ。容量。容積。積み荷。」等の意味がある(甲6)。
これに対し、「マーケット」の文字部分は、「食料品や日用品などを商う店が集まっている場所や建物。市場。」の意味があり(甲7)、特に片仮名で「マーケット」といった場合には、スーパーマーケットなど一般需要者が利用できる商業施設を示すものである(甲8)。
そして、本件商標の指定商品は一般的に「商業施設」で販売されていることを考慮すると、「マーケット」の文字部分は、商品の売買、取引をする場所(商業施設)として把握されるにすぎず、自他商品の出所識別機能は極めて弱いものである。
そうすると、本件商標は「バルク」の文字部分が要部であり、当該文字部分に相応して「バルク」の称呼が生じ、かつ、「大きさ。容量。容積。積み荷。」等の観念が生じる。
(2)引用商標について
引用商標は、それぞれ別掲1ないし3のとおりの態様からなるものである。
この点、「BULK」の欧文字部分は、太字で顕著に表されており、かつ、引用商標1については下段の各欧文字に対して約2倍又は3倍のサイズで表されていることから、引用商標の構成中、最も目立つ態様で表されている。
そして、「BULK」の欧文字は、上述のように「大きさ。容量。容積。積み荷。」等の意味がある(甲6)のに対し、「HOMME」の欧文字は、「男性。」の意味があることから(甲9)、指定商品「化粧品」等との関係においては、自他商品識別機能が極めて弱いものである。
このことは、「HOMME」を含む商標の審査過程において、「男性用の化粧品」等に指定商品を補正するよう拒絶理由が通知されていることからも明らかである(甲10、甲11)。
以上より、引用商標は、その構成中「BULK」の欧文字部分が取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えていることは明らかであり、「BULK」の文字部分のみを分離、抽出し、他人の商標と比較して、商標の類否を判断することは許されるものである。
したがって、引用商標は商標全体のみならず、「BULK」も要部となり得るものであり、当該文字部分に相応して「バルク」の称呼が生じ、かつ、「大きさ。容量。容積。積み荷。」等の観念が生じる。
(3)類否判断
ア 本件商標の「バルク」と引用商標の「BULK」は、欧文字と片仮名の文字種を異にするものであるが、商標の使用においては、商標の構成文字を同一の称呼が生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記したり、デザイン化したりすることが一般的に行われている取引の実情があることに鑑みれば、両商標における文字種の相違が、取引者、需要者に対し、出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえない。
そして、本件商標の「バルク」と引用商標の「BULK」からは、ともに「バルク」の称呼が生じる点において共通し、かつ、「大きさ。容量。容積。積み荷。」等の観念が生じる点においても共通する。
そうすると、本件商標及び引用商標は、これらの外観、称呼又は観念等によって需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に観察すれば、出所混同のおそれのある類似の商標である。
イ 本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品である。
ウ 以上より、本件商標は、引用商標と類似の商標であって、その商標登録に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(4)周知・著名性について
申立人が販売する化粧品等の「BULK HOMME(バルクオム)」は、2022年2月の時点において、シリーズ累計出荷が1000万本を突破しており、化粧品・乳液の2カテゴリで売上シェア1位を獲得している(甲12)。
また、上記シリーズの製品のランキングは、大手通販サイト等の多数のランキングで上位を獲得している(甲13~甲15)。
さらに、申立人は、タレントの木村拓哉氏を起用したTVCMを2020年5月、2021年10月に関東地区で放映しており、化粧品業種のCM好感度ランキングで1位を獲得するなどしている(甲16)。
以上のことから、申立人が販売する化粧品等である「BULK HOMME(バルクオム)」は、化粧品業界において、相当程度の周知・著名性を有しているものである。
この点、申立人が販売する化粧品等には、引用商標2及び引用商標3が表示されており(甲15)、かかる引用商標2と引用商標1は構成要素の一部において重複するものである。
そして、上述のように、引用商標は、商標全体のみならず、「BULK」の文字部分も要部であることから、本件商標は、他人の周知著名商標の要部である「BULK」の片仮名である「バルク」を含むものである。
そうすると、本件商標を化粧品等に使用すると、これに接する取引者、需要者が、申立人の化粧品等のシリーズ商品であると誤認し、その出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、引用商標と類似する商標であり(甲17)、かつ、引用商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(5)まとめ
以上より、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は、「バルクマーケット」の文字を標準文字で表してなるところ、各文字が同書、同大、等間隔でまとまりよく表されており、構成中の一部の文字のみが外観上強い印象を与えるものではなく、その構成全体から生じる「バルクマーケット」の称呼も、無理なく一連に称呼し得るものである。
また、本件商標は、「積み荷」の意味を有する「バルク」の文字と「市場」の意味を有する「マーケット」の文字を結合してなるものと看取されるから、その構成全体として「積み荷の市場」程の意味合いを理解、認識させるものといえる。
そして、たとえ「マーケット」の文字が、申立人主張のように「商業施設」を示す語であるとしても、上記構成からなる本件商標においては、その構成中の「マーケット」の文字部分のみを捉えて本件商標の指定商品の販売場所を表示したものとして認識されることなく、むしろ「バルクマーケット」の構成文字全体をもって、認識、把握されるとみるのが自然である。
その他、本件商標は、その構成中「バルク」の文字部分が、その指定商品の取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認めるに足りる事情は見いだせない。
してみれば、本件商標は、その全体が一体不可分のものであって、「バルクマーケット」の一連の称呼のみを生じ、「積み荷の市場」の観念が生じるものである。
イ 引用商標
(ア)引用商標1は、別掲1のとおり、上段に「BULKHOMME」(当該「BULK」は、「HOMME」に比して太い線で表されている。)の欧文字を横書きし(以下、この部分を「上段部分」という。)、下段左側に「SIMPLE」及び「LUXURY」の欧文字を二段に横書きし、縦線を挟んで、下段右側に「TRUE LUXURY IS ABOUT」、「SIMPLICITY.THIS IS WHAT」及び「OUR BRAND IS BASED UPON.」の欧文字を三段に横書きしてなるものである。
そして、上記各構成部分は、その構成文字の大きさがそれぞれの部分で異なるものであって、その構成態様からすれば、他の文字に比して2倍又は3倍程の大きさで表された上段部分が、引用商標1に接した取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものといえる。
(イ)引用商標2は、別掲2のとおり、「BULKHOMME」の欧文字を横書きしてなり、引用商標3は、別掲3のとおり、上段に「BULK」の欧文字を、下段に「HOMME」(「BULK」に比して小さく表されている。)の欧文字を横書きしてなるところ、いずれも、「BULK」の文字は、「HOMME」に比して太い線で表されてなるものである。
(ウ)そこで、引用商標1の上段部分並びに引用商標2及び引用商標3についてみるに、構成中の「HOMME」の文字は、「男性」の意味を有する語として辞書に載録されていることが認められ(甲9)、引用商標の指定商品(「男性用の化粧品」等)との関係においては、自他商品識別機能が極めて弱いものといえる。
そうすると、それらの構成において「BULK」の欧文字部分が太い線で表されていることも相俟って、引用商標は、いずれもその構成中「BULK」の欧文字部分が取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるというべきであるから、当該文字部分に相応して「バルク」の称呼が生じ、かつ、「積み荷」の観念が生じるものである。
ウ 本件商標と引用商標との類否
(ア)まず、本件商標と引用商標の要部たり得る「BULK」の欧文字部分とを比較するに、両者は、構成文字、文字種及び文字数を異にすることから、外観において、明確に区別できるものである。また、称呼において、本件商標から生じる「バルクマーケット」と引用商標から生じる「バルク」とは、「マーケット」の音の有無から明瞭に聴別でき、さらに、観念において、本件商標から生じる「積み荷の市場」と引用商標から生じる「積み荷」とは、明確に異なるものである。
そして、本件商標と引用商標それぞれの構成全体との比較においても、両者は判然と区別できるものというのが相当であり、その他、両者が類似する商標であるというべき事情はみいだせない。
したがって、これらを総合して判断すれば、本件商標と引用商標とは、いずれも相紛れるおそれのない非類似の商標というのが相当である。
(イ)申立人は、同人が販売する化粧品等である「BULK HOMME(バルクオム)」が、化粧品業界において相当程度の周知・著名性を有しているとし、本件商標は、他人の周知著名商標の要部である「BULK」の片仮名である「バルク」を含むものであるから、本件商標を化粧品等に使用すると、その出所について混同を生ずるおそれがある旨主張しているので、以下検討する。
申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば、引用商標2及び引用商標3が洗顔料、化粧水、乳液に使用されていること(甲15)、2022年1月末時点で、メンズスキンケアブランド「BULK HOMME(バルクオム)」に係るシリーズ商品の累計出荷本数が1000万本を超えたこと(甲12)、同シリーズ商品が通販サイト等のランキングで上位に位置したこと(甲13~甲15)、2020年5月12日から及び2021年10月25日からそれぞれ、「BULK HOMME(バルクオム)」に係るテレビCMの放映が関東地区で開始されたこと(甲16)がうかがえる。
しかしながら、上記ランキングは、その調査方法が不明であり、累計出荷本数にしても、その多寡を推し量ることのできる証左の提出がなく、また、上記テレビCMは、関東地区でのみ放映されたものであり、その放映期間、放映回数等が明らかではないなど、「BULK HOMME(バルクオム)」に係る商標の周知性を立証する証拠としては不十分なものである。
その他、上記商品の売上高、市場シェアなどの販売実績、宣伝広告の回数や宣伝広告の額などの広告実績等、周知性を具体的に裏付ける証拠の提出はない。なお、引用商標1については、その使用を確認することができない。
してみれば、申立人の提出に係る証拠によっては、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、「BULK HOMME(バルクオム)」商標ないしは引用商標が申立人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者に広く認識されているものとは認めることができない。
したがって、申立人の上記主張は、その前提を欠くものであり、採用することができない。
(ウ)以上からすれば、本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、両商標の指定商品の類否について判断するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものといえない。
(2)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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